暗号資産やNFTの売り買いがある会社が相談先を探すとき、迷いが残るのは、どの事務所なら扱えるのかを外から判断できない点です。仮想通貨に強い税理士という言い方は広く使われているが、名乗りの有無と、手元の動きを最後まで載せきる力は別の話になります。
本稿では、取引の棚卸しから確定申告の組み立てまでを、渡す材料と面談で確かめる項目に分けて並べます。専門をうたう記載を具体的な作業へ下ろして確かめる順序と、DeFiのように記録が散らばる動きの扱いまでを見ています。

仮想通貨に強い税理士を探す前に自社の取引の種類を一覧にする
暗号資産の売り買いがある会社が相談先を探すとき、最初に手を付けたいのは候補集めより自社の棚卸しです。何を持ち、どこで売り買いし、どんな形で増減したのかが紙に載っていないと、面談で何を聞けばよいかが決まりません。
一覧にする項目は多くありません。国内の交換業者だけで完結しているのか、別の銘柄へ振り替えた動きがあるか、貸し出して増えた分があるか、NFTの売り買いがあるか。この四つで大枠は分かれます。
棚卸しの粒度は、年ごと・口座ごと・ウォレットごとの三層でそろえておきたいです。同じ銘柄でも置き場所が違えば記録の出どころが変わり、後の突き合わせに手間がかかるからです。
仮想通貨に強い税理士を探す作業は、この一覧ができるとかなり進めやすくなります。扱える範囲は事務所ごとに違い、どこまで引き受けるかは、持ち込まれた動きの種類を見てから返ってきます。
つまずきやすいのは、交換業者が出す年間取引報告書だけを持って面談へ向かう進め方です。報告書に載るのはその業者のなかの動きに限られ、外へ送った分や別の場所で起きた損益は含まれません。
漏れた部分は、後から集計し直すことになります。渡す材料が途中で増えると、見積りも日程も組み直しになり、確定申告の期限が近いほどその影響は大きくなります。
仮想通貨に強い税理士へ相談する前に、この整理だけは自社で済ませておきたいです。どこに口座があり、どのウォレットを使ったのかを知っているのは経営者と担当者側であり、外からは補えません。
一覧ができたら、手を付けた時期も書き添えておきましょう。何年分をさかのぼるのかが定まらないと、依頼先側も作業の量を見積もれず、日程の話が先へ進まないからです。
専門をうたう事務所であっても、この一覧が無ければ答えようがありません。自社側で先に形にしておくことが、候補を同じ基準で比べるための準備になります。
暗号資産は国税庁の資料で使われている呼び名であり仮想通貨は旧称にあたる
言葉の整理を先にしておきたい。国税庁が出している資料や、いまの法令で使われている呼び名は暗号資産です。仮想通貨はその旧称にあたり、現在の資料では使われていません。
呼び名が二つ残っているのは、制度が変わる前の言い方が、検索や日常の会話のほうに残り続けたからです。探すときに仮想通貨と打つ人は今も多く、事務所側の紹介文にも同じ言い方が残っています。
本稿でも、探す場面の言い方としては仮想通貨を使い、制度や国税庁の資料を説明する場面では暗号資産と書きます。読み分けの手間をかけないための区別であり、指しているものは同じです。
仮想通貨に強い税理士という呼び方も、探す際によく使われる言葉としてそのまま用います。名乗っている事務所の説明が、制度の話に入っても旧称のままなら、参照している資料が古いのではと疑う材料にはなります。
ただし、呼び名だけで断じるのは行き過ぎです。集客のための文章と、確定申告の実務で使う言葉が食い違うことはあり、そこは面談で確かめれば済む話だからです。
確かめ方は難しくありません。制度の説明をしてもらうときに、どの資料を見て話しているのかを聞けばよいです。根拠にしているページの名前は、扱った経験があればその場で返ってきます。
仮想通貨に強い税理士を比べる場面では、この返答の差が判断材料になります。呼び名の新旧だけで決める話ではなく、どの資料まで確認しているかを知るための質問だからです。
言葉をそろえておくと、社内での引き継ぎも楽になります。経理の担当者と経営者が別々の呼び名で話していると、同じ動きを二度数える事故が起きやすいからです。
資料を探すときにも重要になってきます。国税庁の中で旧称のままのページに当たると、過去の古い記述を読んでいることになり、いまの扱いと食い違う解釈をしてしまいます。
所得区分の原則を押さえると確定申告の組み立て方が決まる

暗号資産をめぐる確定申告の話は、所得の区分から始まります。区分が決まれば、必要な記録の細かさも、確定申告で使う様式も決まってくるからです。
国税庁は、暗号資産を売却または使用することで生じた利益の扱いについて、確定申告書等作成コーナーのよくある質問で原則を示しています。下の一文がその原則にあたります。
この原則を押さえておくと、面談で聞くべき順序が見えてきます。自社の動きが原則どおりなのか、付随して生じる場面に当たるのかを整理し、そこから記録の細かさを決める流れになります。
仮想通貨に強い税理士へ相談する場面でも、最初のやり取りはここから始まることが多いです。区分の見立てが違えば、そろえる資料も、作業にかかる時間も変わるためです。
自社で判断を急がないほうがよい場面もあります。事業として継続的に売り買いしているのか、余資の運用なのかは外形だけで分かれにくく、説明の材料をそろえてから相談したほうが早いです。
ここで渡す材料は、動きの一覧と、頻度が分かる記録の二つで足ります。頻度が分かれば、原則どおりに組むのか別の整理が要るのかの見当は、その場でつくことが多いです。
仮想通貨に強い税理士の側から見ても、この二つがそろっているかどうかで初回に話せる内容は変わります。区分の話に時間を使えるか、資料の催促に時間を使うかの差になりますからです。
区分が定まらないまま確定申告の作業へ進むと、後戻りが大きくなります。集計の単位も、按分の考え方も、区分に引きずられて決まるからです。
迷いが残る論点は、書面で示してもらうとよいです。専門の中身は、こうした整理の文面にいちばん表れるうえ、翌年の確定申告で同じ議論を繰り返さずに済みます。
ビットコインをはじめとする暗号資産を売却又は使用することにより生じる利益については、事業所得等の各種所得の基因となります行為に付随して生じる場合を除き、原則として、その他の雑所得に該当します。
出典:国税庁 確定申告書等作成コーナー よくある質問(令和7年分)「暗号資産の取引に係る収入がある場合」(2026年9月取得)
取引履歴の受け渡し方で仮想通貨に強い税理士の負担は大きく変わる
相談が進んだあとに重要になるのが、履歴をどの形で渡すかという点です。同じ内容でも、渡し方が整っているかどうかで、返ってくる日程と見積りは動いてしまいます。
交換業者からダウンロードできる履歴は、業者ごとに列の並びも項目名も異なります。日付の書き方が違えば並べ替えの手間が増え、手数料の欄が別建てなら、集計の前にそろえる作業が入ります。
国外の口座を使っている場合は、もう一段あります。外貨の表示を円へ直す作業が要り、どの時点の相場を使ったのかを残しておかないと、後から根拠を示せなくなります。
仮想通貨に強い税理士へ渡すときは、落としたままの生データを渡すのが基本です。加工した表だけを渡すと、数字の出どころをたどれず、確認のやりとりがかえって増えていきます。
ウォレットの出入りも同じです。外へ送った分は元の履歴から消えるため、送り先での動きを別に残しておかないと、その先が追えなくなってしまいます。
下の一覧は、動きの種類ごとに、手元へ残る記録と、渡す形を並べたものです。自社の棚卸しと突き合わせながら読むと、足りていない列が見えてきます。
仮想通貨に強い税理士側の作業は、渡す形が決まった時点で集計と判断に時間を使いやすくなります。並べ替えと名寄せに時間を使わずに済むぶん、聞きたい論点へ時間を回してもらえます。
データの保管j方法も先に決めておきたいところです。年をまたいで同じ形で残せていれば、翌年の確定申告では前年の並びをそのまま使えるため、毎年の準備が楽になります。
渡す形の相談は、専門の中身を測る材料にもなります。具体の列や形式の名前が返ってくるかどうかで、手を動かした量はおおよそ見えてきます。
| 動きの種類 | 手元へ残る記録 | 渡す形 |
|---|---|---|
| 国内の交換業者での売り買い | 年間取引報告書と取引履歴 | 落としたままの生データ |
| 国外の口座での売り買い | 取引履歴と外貨の表示 | 生データと円換算の根拠 |
| 銘柄どうしの振り替え | 振り替えた日時と数量 | 前後が並んだ取引履歴 |
| ウォレットへの送付と受取 | 送付先の記録と手数料 | 送付の一覧と対応表 |
| DeFiでの預け入れと引き出し | ブロックチェーン上の履歴 | 取得した履歴と操作の説明 |
DeFiやステーキングの記録は交換業者の報告書だけでは足りない

手元の記録が最も不足しやすいのは、交換業者を通さない動きです。DeFiでの預け入れや引き出しは、業者が作る報告書の外で起きるため、後から一覧の形で受け取ることができません。
ブロックチェーン上に履歴そのものは残ります。ただし、そこに並ぶのは番号と数量と時刻であり、何のための操作だったのかという説明は、どこにも書かれていません。
残す材料は三つあります。使ったサービスの名前、動かした日時と数量、そして操作の目的です。三つ目が抜けると、同じ動きが預け入れなのか振り替えなのか、外から読み取れなくなります。
仮想通貨に強い税理士へ任せる場面でも、DeFiの部分だけは自社の協力が要ります。どのサービスを使い、どの口座から動かしたのかを知っているのは経営者側だからです。
ステーキングや貸し出しで増えた分も同じです。増えた事実は履歴に残るが、それが何に対する増分なのかは、操作した側の説明がないと結びつかないままになります。
DeFiを扱った経験があるかどうかは、面談でそのまま聞いてよいです。扱ったサービスの名前や、そこで詰まった場面まで下りてくるのか、一般論で返ってくるのかで具体性の差が出ます。
仮想通貨に強い税理士を名乗る事務所でも、DeFiまで手を動かしたことがあるかどうかは分かれます。ここは専門の中身を確かめる問いとして、面談の早い段階で確認しておきたいところです。
DeFiの記録は時間が経つほど拾いにくくなります。使ったサービスが閉じることもあり、そのときは手元の控えだけが根拠になりますため、取引の都度残した記録が役立ってきます。
下の順序は、DeFiを含む動きがある会社が、相談へ入る前に手元でそろえるための並びです。上から順に埋めていけば、面談の初回から中身の話に入れる。
- 使っている口座とウォレットを、名前と開設時期で一覧にする
- 交換業者ごとに、落とせる取引履歴の期間と形式を確かめる
- DeFiで使ったサービスを、名前と使った時期で書き出す
- 預け入れ・引き出し・振り替えの別を、操作の目的とともに残す
- 国外の表示が残る記録を抜き出し、円換算の根拠を添える
- NFTの売り買いがあれば、相手と価格の記録を分けて置く
- 確定申告の期限から逆算して、依頼先へ渡す日を決める
NFTの取引は国税庁が所得区分の考え方を公表している
NFTの売り買いがある会社では、もう一段の整理が要ります。国税庁はNFTを用いた取引の課税関係について、タックスアンサーで考え方を示しており、そこに区分の分かれ目が書かれています。
最初の分かれ目は、譲渡したものが譲渡所得の基因となる資産に当たるかどうかです。当たらない場合は雑所得または事業所得になります。
同じページにはこの区分に注記があります。次の引用がその注記の内容です。
NFTやFTの譲渡が、営利を目的として継続的に行われている場合は、譲渡所得ではなく、雑所得または事業所得に区分されます。
出典:国税庁 タックスアンサー No.1525-2「NFTやFTを用いた取引を行った場合の課税関係」令和8年4月1日現在法令等(2026年9月取得)
この二つは、面談で確かめる項目をそのまま作ってくれます。自社のNFTの売り買いが資産の譲渡と継続的な譲渡のどちらに当たるのかを、どの材料で判断するのかを聞けばよいからです。
仮想通貨に強い税理士を探す場面で、NFTまで含めて聞いておく意味はここにあります。暗号資産の集計はできても、NFTの区分の話になると別の整理が要るからです。
返ってくる答えが、売り買いの回数や期間といった具体的な内容まで出てくるなら、手元の記録をどう整えるかまで話が進みます。抽象的な言い換えで終わるなら、もう一段聞き直したいところです。
NFTは、同じ画面のなかで暗号資産と一緒に扱われることが多いです。そのため、動きの一覧を作るときも、暗号資産の売り買いとNFTの売り買いは列を分けて並べておいたほうが読みやすいです。
仮想通貨に強い税理士へ依頼する範囲を決めるときは、扱いのあった年だけを切り分けて相談するとよいです。NFTを扱う年と扱わない年が混ざると、確定申告の見積りも読みにくくなります。
確かめる順序は、まず区分の考え方、次に必要な記録、最後に自社の分担という並びになります。この順で聞くと、話が費用のほうへ飛ばずにすみます。
専門をうたう記載にNFTの語が入っていても、そこで止めずにさらに踏み込んで質問したいところです。扱った件数ではなく、どの材料で区分を判断したのかを尋ねる形にします。
仮想通貨に強い税理士かどうかは面談で出す質問の返り方に表れる

面談は、相性を測る場ですと同時に、扱える幅を測る場でもありまう。聞く順序を先に決めておくと、複数の候補を同じ物差しで並べられるようになります。
質問は、制度の知識を試すためのものにしません。自社の動きを持ち込んだときに、どこから手を付けるのかを聞く形にすると、進め方の違いがそのまま表に出てきます。
下の一覧は、暗号資産の売り買いがある会社が面談で出す質問を並べたものです。順に投げて、返ってきた中身を同じ欄へ書き留めていきます。
仮想通貨に強い税理士であるかどうかは、このやりとりのなかで分かってきます。扱った履歴の形や、円換算でつまずいた場面の話まで下りてくるなら、実際に扱った経験があると読み取れます。
返答の速さだけで測らないほうがよいです。その場で答えが出ない論点でも、いつまでに調べて返すのかが言葉になりますのなら、進め方としては十分に読み取れます。
聞いた内容は、その日のうちに記録に残しておきたいところです。記憶で比べると、話しぶりの印象が残り、中身の差のほうが薄れてしまうからです。
仮想通貨に強い税理士として紹介された人と、毎月手を動かす人が別になることもあります。質問をする相手には、契約後にやり取りする担当者まで含めておきたいところです。
費用の話へ入るのは、扱える幅の確認が終わってからでよいです。範囲が定まる前の金額は、後で動くことが前提の数字になってしまい、比べる材料として使えません。
専門の見立ては、この一巡でおおかた定まります。残りは、渡した材料に対してどんな確認が返ってきたかを見て判断すればよいです。
- 自社の動きの一覧を見て、最初に手を付ける場所はどこか
- 交換業者の取引履歴は、どの形で受け取ると作業が早いか
- 国外の表示が残る記録は、どの相場で円へ直しているか
- DeFiの動きは、どこまで自社で残しておく必要があるか
- NFTの売り買いは、どの材料を見て区分を判断しているか
- 確定申告の作業の分担は、どこからが事務所側の仕事か
専門をうたう記載は実際に扱った取引の種類まで下ろして確かめる
紹介文に並ぶ専門という言葉は、読み手の側から検証しにくいものです。書籍も、ネットやDMに並ぶ記載について、そこに書かれた内容の真偽を見極めるのは難しいと述べています。
そこで、名乗りをそのまま受け取らず、扱った動きの種類まで具体的に確認します。国内の売り買いだけを扱ってきたのか、振り替えや貸し出しまで載せた経験があるのかで、実際の対応力は大きく異なります。
下ろし方は単純です。自社の一覧を見せて、このなかで手を動かしたことがあるのはどれかを聞けばよいです。答えられる範囲が、その事務所の専門の実体になります。
仮想通貨に強い税理士という言い方は、看板としては便利です。ただし、実際にどの取引まで扱っているのかは事務所ごとに違っており、外からは読み取れません。
ここを飛ばすと、契約のあとで範囲の話に戻ることになります。集計までは引き受けるが、国外の記録の整理は自社で、という線引きが後から出てくる形です。
専門という言葉を使わずに説明してもらうのも一つの手です。扱った動きの種類と、そこで使った資料の名前だけで話してもらうと、輪郭がはっきりしてきます。
仮想通貨に強い税理士に限った話ではないが、暗号資産の分野は扱った経験の差が出やすいです。だからこそ、看板を下ろして聞く作業の値打ちがとりわけ大きくなります。
確かめた内容は、依頼する範囲の言葉にして残しておきます。言葉にしておけば、担当者が替わったときにも同じ線引きが残り、確定申告の時期に食い違いが起きにくいです。
具体的に確認する作業は、こちらの準備がそろってはじめて成り立ちます。自社の一覧が無いまま尋ねると、返ってくるのは一般論に寄った説明にとどまってしまいます。
費用の見立ては取引件数と銘柄数で動き仮想通貨に強い税理士への依頼範囲でも変わる
費用の目安は、扱う量と分担の二つで決まります。量は件数と銘柄の数で測ることができ、分担はどこまでを自社で整えてから渡すのかで決まります。
条件を設定して考えてみます。年商5,000万円の会社が、国内の交換業者で月に30件の売り買いをし、年に2回だけ別の銘柄へ振り替え、NFTの扱いはないとします。
この場合、集計の対象はひと続きの取引履歴で済み、振り替えの2回だけを別に扱えば足ります。作業の量は、履歴の形式がそろっているかどうかでほぼ決まります。
仮想通貨に強い税理士へ見積りを頼むときは、この前提を先に伝えておきます。前提が伝わっていない見積りは、幅のある数字にならざるを得ないからです。
ここに国外の口座が一つ加わると、円換算の作業と、二つの履歴の突き合わせが増えます。DeFiの取引が加われば、操作の目的を確認するやりとりも発生します。
自社で整える部分を増やせば、その分は抑えられます。ただし、整え方を誤った表を渡すと確認の往復が増えるため、生データのまま渡したほうが早い場面もあります。
仮想通貨に強い税理士へ頼む範囲は、月々の記帳をどちらが担うのかまで含めて決めたいところです。確定申告だけを単発で頼むのか、年間を通して見てもらうのかで金額は変わります。
金額の比較は、同じ前提を渡した相手どうしでだけ意味を持ちます。前提が違う見積りを横に並べても、高いか安いかの判断材料にはなりません。
専門の幅が広いほど費用も上がるという読み方は、必ずしも当たりません。扱い慣れた形で渡せていれば、作業そのものはスムーズに進むからです。
依頼先を二つか三つ並べるときの比較の軸を先に紙へ書き出す

候補を一つだけ見て決めるのは避けたいです。書籍も、長い付き合いになりますからこそ複数を比べて決めることをすすめており、比べる人数は二人から三人がよいとしています。
並べる前に、比較する項目を紙へ書き出しておきます。扱える動きの範囲、取引履歴の受け取り方、作業の分担、返答までの日数、そして費用の五つで、暗号資産の相談はおおむね比べられます。
判断基準を先に決めておくと、面談の印象に引きずられにくくなります。話しやすさは大事な要素だが、それだけで決めてしまうと、扱える幅の差が契約後から表面化してしまいます。
仮想通貨に強い税理士を探す過程では、聞く先ごとに用語の使い方が異なります。書き出した軸をこちらの様式でそろえておくことは、この比較のズレを防ぐためにも効果的です。
比べる数を増やしすぎるのも避けたいところです。数が増えると、どこが良かったのかが混ざってしまい、決めるまでの時間だけが延びていくからです。
探す経路そのものを広げたいときは、専門分野の確かめ方から入る税理士の探し方も併せて読んでおくと、候補の集め方まで含めて組み立てられます。入口を広げてから絞り込むほうが、確かめる項目をそろえやすくなります。
仮想通貨に強い税理士を比べる作業は、確定申告の期限から逆算して始めます。期限が近づくほど日程の自由度は下がり、比べる余地そのものが小さくなるからです。
比較の結果は、決めた理由まで書き残しておきたいところです。契約のあとで見直す場面が来たときに、そのときの判断の材料が残っているかどうかで、その後の対応もスムーズになります。
比較する項目は五つで十分です。項目を増やすほど精密に見えますが、確認の手間ばかりが増えてしまい、途中で比較作業が進まなくなってしまいます。
人間性を土台に置いたうえで仮想通貨に強い税理士を最後に決める
ここまでは、扱える幅を確かめる手順を並べてきました。最後に置きたいのは、その手順だけでは足りないという指摘です。
書籍は、選ぶ際に知識や経験や専門性へ目が向きやすいことを認めたうえで、土台に置くべきものを別に示しています。下の一文がその指摘にあたります。
この指摘は、本稿の進め方と衝突しません。扱える幅を確かめる作業は、協力的に動いてくれる相手を見つけたあとで効いてくる準備だからです。
仮想通貨に強い税理士を最後に決めるときは、最後はこの人間性の基準へ立ち返ることが大切です。扱える幅は面談で測れるが、長く続けられるかどうかは、やり取りの積み重ねでしか測れません。
暗号資産の分野では、制度の読み方が固まりきっていない場面が残ります。そうした場面で頼りになるのは、分からない部分を分からないと言い、調べて返してくれる姿勢です。
決めたあとも、年に一度は棚卸しをしておきたいところです。扱う銘柄やサービスが入れ替われば、必要な作業も、確かめる項目も変わっていくからです。
仮想通貨に強い税理士を探す作業は、一度きりの買い物として終わりません。手元の動きが変われば求めるものも変わるため、決めた理由を残すことが次の見直しをしやすくなります。
専門の確かめ方と姿勢の見立ての両方がそろってはじめて、相談は続いていきます。どちらか一方だけでは、確定申告を一度終えたところで止まってしまう場面が出てきます。
手順は、土台を確かめたあとで効いてきます。順序を入れ替えないことが、暗号資産の相談を長く続けるための、いちばん確かな備えになります。
どうしても、税理士を選ぶ際には知識や経験、専門性などに目が向いてしまいがちですが、経営者に協力的な姿勢で仕事をしてくれる人間性であるかが特に大事なことだと覚えておいてください。


税理士コンシェルジュ事務局からのコメント
暗号資産の相談で最初に詰まるのは、どこまでを自社で整えてから持ち込むかという線引きです。仮想通貨に強い税理士を探す前に、売り買いと振り替えとNFTのどれが自社にあるのかを紙に書き出しておくと、面談の一回目から中身の話に入れます。仮想通貨に強い税理士へ任せたい範囲が言葉になっていれば、返ってくる見積りの粒度も変わります。判断に迷う点があれば、手元の記録を持って一度ご相談ください。