会社設立の費用は、一度払えば戻ってこない支出と、毎年続く支出が同じ一覧に並んでいるため、どこが選び方で動くのかが見えにくくなります。株式会社と合同会社の比較も、金額の大小だけを見ると判断の順序が入れ替わります。
ここでは形態で決まるもの、定款の作り方で動くもの、毎年続くものの三つに分けて整理します。形を選ぶメリットと、選んだ後に現れるデメリットが、それぞれどの段階で出るのかまで示します。

会社設立の費用は一度きりの支出と毎年続く支出に分けてから比べる
設立までに払うものと、済んだ後に毎年払うものが、同じ見積りへまとめて並んでいます。合計だけを見ると、どこを動かせば減るのかが読めません。
内訳は三つのまとまりに分けると見通しが立ちます。形態で決まるもの、作り方で動くもの、毎年続くものの三つです。
会社設立の費用のうち形態で決まるまとまりには、登記で納める税の最低額と、定款の認証を受けるかどうかが入ります。どちらも形態を選んだ時点で決まり、払い終われば翌年以降は出てきません。
作り方で動くまとまりに入るのは、定款を紙で作るか電磁的記録で作るかで動く印紙税と、認証を受ける側での同一の情報の提供です。決めるのは作り方で、形態では動きません。
毎年続くまとまりで額が決まっているのは、法人住民税の均等割です。赤字の年にも出ていき、止まらないという点で一度きりのものと性質が違います。
三つを先に分けておくと、合計だけを比べる作業から離れられます。比較の対象が、合計から内訳のほうへ移ります。
会社設立の費用のうち形態で決まるのは、三つのうち一つだけです。残る二つは、どちらを選んでも同じように残ります。
ここを取り違えると、安いほうを選んだのに毎年の負担が変わらなかったという結果になります。動かないものを動くと見ていたためです。
ここでは、設立の前後に出す届出の期限や、顧問を頼む時期の見立ては扱いません。扱うのは内訳と、それが何で決まるのかだけです。
読み終えて残るのは、どの数字が自分の判断で動くのかという区別です。区別がつけば、届いた見積りをその日に読み解けます。
登記のときに納める税は会社設立の費用の中でも資本金の額で動く部分である
登記のときに納めるのは登録免許税です。納める金額は、資本金の額に1000分の7を乗じて計算します。
計算で出た値が一定の線に届かないときは、申請1件につき決められた最低額を納めます。株式会社は15万円、合同会社は6万円がその線です。
二つの最低額は、上限でも固定の値でもありません。計算した値がその線を超えていれば、超えたほうを納めます。
元手を800万円と置くと、1000分の7で計算した値は5万6,000円になります。どちらの線にも届かないため、前者も後者もそれぞれの最低額を納めます。
会社設立の費用のうち、この部分は元手を決めた時点でほぼ固まります。どちらを選ぶかで動くのは、線の高さだけです。
元手を1,800万円と置くと、計算した値は12万6,000円になります。低いほうの線は超えるため、後者はこの値を納め、前者は最低額のままです。
線の高さは、前者と後者で9万円ちがいます。差がなくなるのは高いほうの線を超えたときで、二つの線のあいだでは段階的に縮みます。
気をつけたいのは、元手を下げれば納める税が下がるという理解です。下げたぶんは運転資金にも響くため、税だけで決めることはできません。
資本金の額は、会社設立の費用のうち登録免許税のほかに二つの支出も動かします。定款の認証にかかる手数料と、毎年の均等割の区分です。
三つが同じ数字で動くため、内訳の中では資本金の額がいちばん広く効きます。決める順序は後半で説明します。
納める先と根拠は法令に書かれています。法務省が公開している設立手続きの案内に、計算式と最低額の関係がそのまま載っています。
株式会社の設立登記の登録免許税額は、資本金の額に1000分の7を乗じた金額です。ただし、これによって計算した税額が15万円に満たないときは、申請件数1件につき15万円です(登録免許税法別表第1第24号(1)イ)。
定款の扱いという一点が会社設立の費用の差をいちばん大きくしている
定款は、どちらの形でも作ります。作らなくてよい場合がある、という決まりにはなっていません。
分かれるのは、作った定款を公証人に認証してもらう手続きが要るかです。株式会社にはその定めがあり、合同会社にはありません。
認証を受ける側では、手数料が元手によって三つに分かれます。100万円未満なら3万円、100万円以上300万円未満なら4万円、300万円以上なら5万円です。
会社設立の費用の差がいちばん大きく開くのは、この認証の段階です。もう一方の形では、手数料の行そのものが表に現れません。
いちばん下の区分には、さらに低い1万5,000円の枠があります。2024年12月から設けられ、三つの要件をすべて満たすときに限って使えます。
要件は、発起人が全員自然人で3人以下、設立時発行株式の全部を発起人が引き受ける旨を定款に書く、取締役会を置く旨を定款に書かないことです。
三つのうち一つでも外れると、この枠には入りません。どれかを満たせば会社設立の費用が下がる、という読み取りはできません。
認証が要らないことは、書類を作らなくてよいという意味とは違います。社員になろうとする者が定款を作り、全員が署名または記名押印する手続きは残ります。
残る手間は、自分たちで中身を決める作業です。任期や代表の決め方を、後で読み返せる文にしておく作業です。
ここを専門家へ頼んだ場合の支払いは、制度で決まっていません。そのため一覧に固定の項目としては載せられません。
一覧に載らない支出は、比較から漏れます。漏れたものは、後から手元の資金で補います。
紙で作るか電子で作るかによって同じ定款でも納める額が変わる
定款は紙でも、電磁的記録としても作れます。同じ中身でも、どちらで作るかによって納める税が変わります。
紙で作ると、印紙税が4万円かかります。対象になるのは、公証人が保存する原本です。
取締役を置く形では、自社で保管するものと登記に添付するものは課税されません。三部そろえたから三倍、という数え方にはなりません。
会社設立の費用を紙で組む場合、合同会社の定款はこの非課税の欄の対象に入っていません。株式会社と同じ数え方を当てると、ここで読み違えます。
電磁的記録なら、印紙税はかかりません。文書に課される税であり、電磁的記録は文書に含まれないためです。
そのかわり、認証を受ける側が電磁的記録で作ると、同一の情報の提供を受ける手数料が700円かかります。書面で交付を受ける場合は、用紙1枚ごとに20円が加算されます。
印紙税と700円を並べると、電子のほうが低く見えます。ただし電磁的記録を作って送る道具が要り、一度だけの登記のために用意するかは別の判断です。
道具の支出も制度で決まっていないため、会社設立の費用の表に固定の行として置けません。置けない項目は、見積りのときに自分で足します。
認証の要らない形でも、紙か電磁的記録かという選び方は同じです。紙で作れば印紙税の対象になる原本がそちらでも生じ、同一の情報の提供は公証人の手続きに伴う手数料なので現れません。
紙と電子の差は、形態の選択とは別の軸です。非課税の扱いを除けば、どちらに変えても印紙の行は動きません。
設立の後に必要になる書面にも、値の決まったものがあります。登記事項証明書は書面で請求すると600円、印鑑証明書は500円です。
請求の方法によって分かれるため、書面で請求した場合であることを控えに書き添えます。
比較表に載せるのは金額そのものではなく金額が動く条件である
金額だけを二列に並べた表は、読んだ直後に結論を出させます。その結論には、自社の条件が入っていません。
比較で要るのは、数字と並んでそれが何で決まるかが同じ行にあることです。決まり方が見えれば、自社の値を当てはめられます。
登録免許税の行には、資本金の額という条件が入ります。条件が書かれていなければ、二つの最低額だけが数字として残ります。
会社設立の費用の比較で残った二つは、最低額の差としてだけ覚えられます。覚えた差は、元手が上がったときに合わなくなります。
認証の行には、それが要るかどうかという条件が先に来ます。手数料の三段階は、要ると決まった後で初めて読む値です。
印紙の行の主たる軸は、紙か電磁的記録かという条件です。非課税の扱いだけは形態で異なるため、軸と扱いを同じ欄に混ぜず書き分けます。
均等割の行には、資本金等の額と従業者の数と自治体の税率という三つの条件が入ります。標準税率による値であることも、同じ行に書き添えます。
条件の列をそろえると、表は眺めるものから自社の数字を入れて使うものに変わります。数字を入れた後の合計だけが、判断に使えます。
会社設立の費用の表で最も落ちやすいのは、制度で決まっていない支出の行です。専門家への支払いや、電磁的記録を作る道具です。
表に載せられないものは、空欄のまま行を立てます。空欄の行は、見積りを取る先へ尋ねる項目に変わります。
下の表は、項目と二つの形と、金額が動く条件の四列です。大小の比較から離れて、どの条件で数字が動くのかを読むための表です。
| 会社設立の費用の項目 | 株式会社 | 合同会社 | 金額が動く条件 |
|---|---|---|---|
| 登記のときに納める税 | 資本金の額×1000分の7/算出額が15万円未満なら1件15万円 | 同率/算出額が6万円未満なら1件6万円 | 資本金の額 |
| 定款の公証人認証 | 必要 | 不要 | 形態の選択そのもの |
| 定款認証の手数料 | 100万円未満3万円(3要件すべて該当で1万5,000円)/100万円以上300万円未満4万円/300万円以上5万円 | — | 資本金の額と3要件の該当 |
| 紙の定款の印紙税 | 4万円(公証人が保存する原本のみ) | 4万円(株式会社向けの非課税の扱いがない) | 紙か電磁的記録か |
| 電磁的記録の定款 | 不課税 | 不課税 | 作り方の選択 |
| 同一の情報の提供 | 700円(書面交付は用紙1枚ごとに20円加算) | — | 認証を受けるかどうか(書面交付は1枚20円の加算) |
| 登記事項証明書 | 書面請求600円 | 同額 | 請求の方法 |
| 印鑑証明書 | 書面請求500円 | 同額 | 請求の方法 |
| 法人住民税の均等割 | 資本金等1,000万円以下かつ従業者50人以下で道府県民税2万円+市町村民税5万円=年7万円(標準税率) | 同左 | 資本金等の額と従業者数と自治体の税率 |
| 取締役の任期 | 原則2年(公開会社でない場合は定款で最長10年) | 規定なし | 定款の定め |
| 決算公告 | 貸借対照表の公告義務あり(例外あり) | 規定なし | 形態の選択そのもの |
| 業務執行 | 取締役が執行 | 社員が執行(定款に別段の定めがある場合を除く) | 定款の定め |
合同会社を選ぶメリットは設立の段と毎年の手続の両方に出る

合同会社で軽くなるのは、認証の段と登録免許税の最低額の二か所です。どちらも設立までに一度だけ出ていきます。
一つめは、認証の項目そのものがなくなります。三段階の手数料と1万5,000円の枠を読む作業も、合わせて要らなくなります。
登録免許税の最低額は6万円です。計算した値がその線を超えていれば、超えたほうを納める扱いは変わりません。
会社設立の費用の面で見ると、軽くなるのは最低額の差と認証の手数料だけです。印紙税と均等割は、この形でも同じように残ります。
設立の後に出るメリットは、手続きの少なさのほうに現れます。取締役の任期にあたる規定がないため、任期が来たことによる登記が生じません。
決算の内容を公告する定めもありません。公告のために毎年用意する作業と、その支出が出ません。
業務を執行するのは社員です。定款に別段の定めを置く場合を除いて、社員が自分で執行に当たります。
執行する人と出資する人が重なるため、決めるまでの手順が短くなります。短い手順は、判断を早く出したい時期に効きます。
会社設立の費用を下げる目的だけでこの形を選ぶと、決めておく作業が後回しになります。後回しにした作業は、設立の後に時間を取ります。
代表を一人に決めることもできます。定款で定めるか、社員の互選で定めるかを選べる仕組みです。
決められるということは、決めなければそのままだということです。何も書かなければ、執行に当たる社員が各自で代表する扱いが残ります。
株式会社を選ぶメリットは外から見える形式と資金の集め方にある

株式会社で増えるのは、認証の手数料と登録免許税の最低額の差です。増える幅は、設立までの一度きりに収まります。
増えたぶんの見返りは、表に書ける数字とは違います。書けるのは、制度として何が用意されているかです。
用意されているのは、出資と経営を分けられる仕組みです。執行に当たるのは取締役で、出資した人がそのまま執行に入る形とは違います。
会社設立の費用としては、認証の手数料と最低額の差が上に乗ります。乗る幅は元手で動き、高いほうの線を超えたところで差が消え、そこまでは元手が上がるほど段階的に縮みます。
分けられることは、人を入れ替える余地になります。持分を動かさずに、執行する人だけを替えられます。
株式を発行して資金を集める経路も、この形にだけあります。外から出資を受ける計画があるなら、この点が先に重要になります。
取引の先が形態を条件にすることもあります。条件になるかは先方ごとに違い、どれくらいの頻度かは示せません。
メリットの見積りは、この条件が自社にあるかで変わります。条件がなければ、増えた手数料だけが残ります。
会社設立の費用の一覧に、公告にかかる支出は入りません。入らないまま設立が済み、最初の決算で向き合う項目になります。
毎年の手続きでは、取締役の任期が区切りになります。任期は原則2年で、定款に定めれば最長10年まで伸ばせます。
ただし伸ばせるのは、公開会社でない場合に限られます。自社がどちらかは、株式の譲渡についての定めから読みます。
任期が満了すれば、続けて務める場合でも登記が要ります。毎年ではありませんが、決まった間隔で回ってくる作業です。
貸借対照表を公告する義務もあります。例外の定めがあるため、当てはまるかは条文と突き合わせます。
形態ごとのデメリットは登記の後に現れるため設立時の金額では測れない

不利な面は、設立までの一覧にほとんど載りません。出てくる時期が、登記より後だからです。
取締役を置く形では、任期の満了が最初の区切りになります。定款で伸ばしておかなければ、任期の満了ごとに登記の手続きが回ってきます。
公告の義務も、最初の決算が終わってから現れます。掲載先へ払う支出が年ごとに出るかは公告の方法によって変わり、電磁的方法による継続開示を採る場合は生じません。
会社設立の費用のデメリットは、社員が業務を執行する形では規定の無い部分として残ります。任期の区切りがないため、誰がいつまで執行するかを自分たちで決めます。
代表を定めるかも、決めておく項目に入ります。定めなければ、執行に当たる社員が各自で代表する扱いのままです。
デメリットの多くは、こうした決めていないこととして残ります。残ったものは数字として見えないため、設立までの一覧では並べられません。
会社設立の費用を二つ並べて安いほうを選ぶと、この見えない部分が計算に入りません。入らないまま決めた選択は、最初の決算の前後で読み直します。
選ぶ前に決めておく作業の量まで見ておくほうが、後から読み直す手間は短く済みます。量は、定款に何を書くかの行数で測れます。
デメリットを測る物差しは、支出に代えて作業の行数です。行数で測れば、設立までに納めるものと同じ表に並べられます。
比較を終える前に、下に並べた観点を自社に当てて読み直します。残った空欄が、選ぶ前に決めておく項目になります。
- 任期の区切りを定款で伸ばすかどうかを、登記の前に決めてあるか
- 決算の内容を公告する義務が自社に当たるかを条文で確かめたか
- 代表を一人に定めるかどうかを、定款に書く形で決めてあるか
- 持分や株式を動かすときの手続を、読み返せる書面にしてあるか
- 会社設立の費用の一覧に、制度で決まっていない支出の行を立てたか
毎年続く税は赤字でも消えないため会社設立の費用とは別に運転資金へ乗せる

毎年続くまとまりの中心は、法人住民税の均等割です。所得と切り離されているため、赤字でも納めます。
標準税率で見ると、資本金等の額が1,000万円以下で従業者が50人以下のとき、道府県民税と市町村民税を合わせて年7万円です。
この合計は標準税率による値です。市町村は標準税率の1.2倍を上限として、これを超える税率を定められます。
会社設立の費用に均等割を足すときは、置く場所で変わることを前提にします。東京23区では、都が都民税として課す仕組みです。
資本金等の額が先の線を超えると、区分が上がります。区分が上がれば、毎年出ていくものも増えます。
ここが、元手を決める作業と毎年の支出がつながる場所です。一度きりだけを見て決めると、毎年の支出が後から増えます。
均等割は、設立を終えた年から出ていきます。まだ売上が立っていない時期にも、同じ扱いで納めます。
会社設立の費用を手元の資金から出す場合、毎年の支出も同じ手元資金で見込んでおきます。登記で使い切ると、最初の年の資金が足りなくなります。
当社の代表が書籍にまとめた一節に、起業した直後に資金が減っていく様子が書かれています。収入が立つ前に出ていくものがあるという順序を示した部分です。
この順序は、設立までに使う幅を決めるときの前提です。前提を置かずに使い切ると、毎年のものを後から探すことになります。
税理士へ相談する支出も、毎年続くまとまりに入ります。制度で決まった値ではないため、そこは先方ごとに違います。
当たり前ですが、起業した直後は収入がありません。そして、入ってくるお金がないとなると、当然ですが家賃が払えなくなります。
仕入と人件費が先に出る会社が資本金の額を決める順序
一つの事業を例に追ってみます。仕入と人への支払いが先に出る事業として、手元の資金の必要額から入ります。
最初に出すのは、設立までに要るものと、売上が立つまでの運転資金です。二つを足した値が、用意する資金の下限です。
次に、その資金を元手に入れるか、借入や手元に残すかを分けます。元手に入れた幅は、登録免許税と認証の手数料と均等割を動かします。
会社設立の費用を先に固めてから元手を決めると、順序が逆になります。逆になると、運転資金が税の区分に合わせて削られます。
1,000万円という線を超えるかは、毎年の支出に影響します。超えれば均等割の区分が上がり、出ていくものが増えます。
100万円という線を下回るかは、認証の手数料に影響します。下回ったうえで三つの要件を満たせば、低いほうの枠に入ります。
300万円という線でも、手数料の区分が変わります。三つの線を並べると、元手を動かして何が動くのかが見えます。
どちらを選ぶかを決めるのは、この後です。元手が決まっていれば、二つの形で動く幅が数字で出ます。
会社設立の費用の見積りを取る前に、資本金の額を仮でも置きます。置いてあれば、届いた見積りのどの行が自社の値で動いたかが読めます。
幅が最低額の差と認証の手数料に収まるなら、形態の選択は金額以外の条件で決めます。外から出資を受ける計画や、取引の先が示す条件です。
幅が大きく見えるのは、元手が小さいときです。小さいほど最低額の差が効き、大きいほど差は消えます。
この順序を一人で進めるのが大変なときは、税理士に資本金の額と年ごとの支出の関係だけを先に見てもらう組み方もあります。形態を決める前に数字が出ます。
- 登記までに納めるものと、入金が始まるまでの運転資金を別の欄へ書き出す
- 二つを足した値を、用意する資金の下限として置く
- そのうち資本金に入れる幅を、1,000万円と100万円と300万円の線で照らす
- 線をまたぐ場合に何が動くのかを、登録免許税と手数料と均等割に分けて書く
- 資本金の額を仮で決め、会社設立の費用の見積りを取る先へ渡す
- 届いた見積りの各行に、動かした条件を書き添えてから形態を選ぶ
会社設立の費用を決める作業は形態を決める作業と同じではない
三つのまとまりのうち、形態で決まるのは一つだけでした。作り方で動くものと毎年続くものは、どちらを選んでも同じ姿で出ていきます。
形態で決まる一つは、登記で納める税の最低額と、定款の認証を受けるかどうかです。動く幅は、元手が上がるほど小さくなります。
作り方で動くのは、印紙税と、認証を受ける側での同一の情報の提供です。主たる軸は紙か電磁的記録かであり、非課税の扱いだけは形態で異なります。
毎年続く支出で額が決まっているのは、法人住民税の均等割です。資本金等の額と従業者の数と自治体の税率で決まり、形態でも作り方でも動きません。
会社設立の費用を下げたいとき手を入れられるのは、作り方の軸です。形態を変えても、軸が動かなければ支出は残ります。
合同会社を選べば軽くなる幅はあります。ただし軽くなるのは設立までの一度きりのまとまりで、毎年の支出は変わりません。
株式会社を選べば増える幅もあります。増えたぶんの見返りは、出資と経営を分けて置ける構えと、株式で資金を集める経路です。
会社設立の費用の内訳が読めれば、見積りが届いた日に尋ねる項目が決まります。空欄の行と、条件が書かれていない行です。
デメリットは、設立の後に決めておく作業として現れます。行数で測れば、納めるものと同じ表に置けます。
元手を先に置き、作り方の軸を決め、最後に形態を選ぶ。この順なら、動かせないものに時間を使いません。
そこまで決まったあとは、毎年の税務を任せる税理士を探す作業に移ります。設立の費用を決めたあとに動き出す税理士の探し方では、探す入口ごとに手に入るものを並べています。
最後に残るのは、形の名前より自社の数字です。数字が先にあれば、どちらでも比較を同じ順序で進められます。


税理士コンシェルジュ事務局からのコメント
会社設立の費用についてのご相談は、事務局でもよく伺います。見積りの合計だけが手元にあり、どの行が自分の判断で動くのかが分からないまま形態を決めそうになった、という振り返りが目立ちます。形態で決まるもの、定款の作り方で動くもの、毎年続くものに分けてから並べると、動かせる範囲が先に見えます。株式会社と合同会社の違いが影響するのは、このうちの一つだけです。資本金の額を仮でも置いてから見積りを取ると、各行の条件を自分で確かめられます。迷う行が残ったときは、一覧を持って税理士へ相談し、資本金の額と毎年の支出の関係から先に見てもらう組み方もあります。会社設立の費用の読み方が決まってから、毎年の税務を任せる税理士の比較へお進みください。