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節税して納税を減らしたのに、なぜか手元のお金は増えない。その「速度」出しすぎていないか。

節税して納税を減らしたのに、なぜか手元のお金は増えないと悩んでいる経営者のイラスト
前回の記事で、税理士には5つの段階があり、未来の設計を求めるなら最低でもレベル3が必要だとお伝えしました。では、レベル3以上の「本物」の税理士は、具体的に何を見て、どう動いてくれるのか。その違いが最もはっきり表れるのが、「リスクとスピード」への向き合い方です。

ここで、ほとんどの経営者が反射的に「正しい」と信じている行動があります。節税です。税金は少ないほどいい、払わずに済むなら済ませたい。その感覚は、ごく自然なものです。ところが、節税して納税を減らしたはずなのに、なぜか手元のお金は増えていない。むしろ、現金が薄くなって資金繰りが苦しくなる。

そんな逆転が、成長を目指す会社ほど、静かに起きています。税理士紹介サービス「税理士コンシェルジュ」を運営し、1,600名を超える税理士と直接面談してきました。その経験から言えるのは、経営者が「節税」という身近なテーマで税理士に抱く不満の多くは、実は「会社が出したいスピードと、税理士が想定しているスピードのズレ」から生まれている、ということです。

この記事を読み終えたとき、あなたは「節税すべきか」という問いそのものより先に、「自分の会社は今、何キロで走りたいのか」を問うべきだと気づいているはずです。

監修者:山下 健一(株式会社タックスコム代表)
20年・27,000件超の実績と1,600名との面談をもとに、経営者向けの税理士選びの情報を発信しています。
この記事の内容を解説した動画

そもそも、節税はすべきなのか。多くの経営者が誤解する出発点

経営者が机で書類と手元の現金の器を見比べ、お金を残すか使うかを静かに考えているイラスト

「節税」と聞くと、多くの経営者が「やったほうが得だ」と反射的に考えます。税金は少ないほどいい、と。しかし、ここに大きな誤解があります。

結論から言えば、節税が正解になる会社と、ならない会社があります。そして、成長を目指す会社にとっては、安易な節税はむしろ危険ですらあるのです。

節税して納税を減らしても、お金は増えない

まず、最も基本的で、最も誤解されている事実からお伝えします。手元にお金を残したいなら、納税は避けて通れません。

節税をしすぎて、結局手元にお金が残らない経営者は、実は少なくないのです。具体的な数字で見てみましょう。

たとえば、利益が100万円あったとします。ここで30%を納税するなら、30万円を納めることになります。100万円の現金があって30万円を納税するわけですから、手元には70万円が残ります。

では、節税を考えて、この100万円の利益を「消した」場合はどうなるか。何かにお金を使って利益をゼロにすれば、確かに30万円の納税は回避できます。しかし、その代わりに、手元のお金もなくなってしまうのです。

70万円が手元に残るのと、ゼロになるのと。どちらが会社のためになるか。長年、事業を続けてきた熟練の経営者ほど、経験からこの事実を理解しています。

ビジネスでは、急にお金が必要になることは日常茶飯事です。取引先からの入金が遅れることもある。そんなとき、手元の現金こそが会社を守ります。

納税とは、いわば「会社にお金を残すための必要なコスト」なのです。税金を払うからこそ、手元に使えるお金が残る。この順序を取り違えると、節税のつもりが、会社の体力を削る結果になりかねません。

さらに、もう一段深い視点があります。きちんと利益を出し、きちんと納税している会社は、決算書の見栄えがよくなります。利益が出ている決算書は、銀行から見れば「お金を貸しても返ってくる会社」に映る。

つまり、適切な納税は、将来の資金調達の力にもつながるのです。決算書と銀行の関係は、無借金経営の常識を扱う別の記事で詳しく触れますが、ここでは「適切な納税は、手元資金を守るだけでなく、将来借りる力にもなる」とだけ覚えておいてください。

では、節税が「正解」になるのは、どんな会社か

事業の規模を今のまま維持していく会社です。たとえば、飲食店を1店舗、安定して営んでいて、これ以上の拡大は目指さない。年商5,000万円ほどで、現状で十分に回っている。

そういう会社なら、手元資金を厚くしておく必要性は相対的に低く、節税に力を入れることが有効な策になります。この場合は、節税が得意な税理士に依頼するのが理にかなっています。

逆に、これから店舗を増やす、新事業を立ち上げる、事業を拡大していく。そういう「成長」を選ぶ会社にとっては、話がまったく変わります。拡大には資金が要る。

だからこそ、節税で手元のお金を減らすより、現金を厚く保っておくことのほうが、はるかに重要になるのです。つまり、節税すべきかどうかは「会社がどちらの方向に、どれくらいの速度で進みたいか」で決まります。ここで「速度」という考え方が効いてきます。

「時速」という考え方。あなたの会社は今、何キロで走りたいのか

経営者が窓の外へ伸びる一本の道を眺め、自社が進む方向と速度を思い描いているイラスト

会社の経営を、車の運転にたとえてみます。時速30キロでゆっくり安全に走りたい会社もあれば、時速100キロでアクセルを踏み込み、一気に成長したい会社もあります。どちらが正しいということはありません。

大切なのは、自分の会社が今、何キロで走りたいのかを、経営者自身が自覚しているかです。そして、その速度によって、必要な税理士はまったく変わってきます。

現状維持か、成長か。出したい速度で必要な税理士は変わる

年商5,000万円は、一つの大きな分岐点です。この規模になると、経営者は選択を迫られます。事業規模を現状のままで良しとするのか、それとも、さらなる成長・拡大を目指すのか。

先ほどの飲食店の例で言えば、1店舗のまま安定経営を続けるなら、時速30キロの安全運転。必要なのは、正確な申告と節税に力を貸してくれる税理士です。

一方、店舗を増やす、別業態に挑む、新事業を展開する。そう決めたなら、時速100キロの世界に入ります。この速度域では、必要な税理士のスキルも、仕事へのスタンスも、求められるサービスも、まったく異なります。

資金繰りを設計し、拡大に伴うリスクを見通し、攻めを支えてくれる税理士が必要になるのです。問題は、自分が出したい速度と、税理士が想定している速度がズレているときに起こります。

保守的な税理士が、アクセルを踏みたい経営者を止めてしまう「ミスマッチ」

経営者から最もよく受ける相談の一つが、これです。「せっかく事業を拡大したいのに、税理士が『やめたほうがいい』と止めてくる」。

アクセルを踏みたい経営者に対して、保守的な税理士が、根拠のない不安感から「その事業はやめたほうがいい」とブレーキばかり踏ませようとする。これは、時速100キロで走りたい人が、時速30キロしか出さない教官の車に乗っているようなものです。

ここで大切なのは、どちらが悪いわけでもないということです。保守的な税理士が無能なのではありません。安全運転を是とする価値観の税理士と、成長を目指す経営者とが、ただマッチしていないだけなのです。

時速30キロの安全運転を求める経営者にとっては、その税理士はむしろ理想的かもしれません。問題は「人の優劣」ではなく「速度のミスマッチ」。

このすれ違いが続くなら、税理士の変更を検討すべきサインだと言えます。あなたが感じている「噛み合わなさ」は、わがままでも気のせいでもなく、速度の不一致という構造から来ているのです。

具体的な場面で言えば、こういうことです。あなたが「2店舗目を出したい。そのための資金をどう作るか相談したい」と持ちかけたとします。

速度の合う税理士なら、「では、どのタイミングで、いくら必要ですか。今のうちに融資の枠を作っておきましょう」と、アクセルの踏み方を一緒に考えてくれる。一方、速度の合わない保守的な税理士は、「今は手元が苦しくなるからやめたほうがいい」と、出店そのものを思いとどまらせようとする。

同じ相談でも、返ってくるものが正反対になる。この差が、あなたの感じている違和感の正体です。

速度を上げるなら知っておくべき「黒字倒産」というリスク

経営者が机で帳簿を開き、現金の動きを静かに確かめているイラスト

成長という時速100キロの世界を選んだとき、必ず知っておかなければならないリスクがあります。「黒字倒産」です。

なぜ利益が出ているのに会社は倒れるのか

黒字倒産とは、帳簿の上では利益が出ているのに、手元の現金が尽きて会社が立ち行かなくなることです。「儲かっているのに倒れる」という、一見矛盾した現象です。なぜ起こるのか。

事業を拡大すると、売上が立つより先に、仕入れや人件費、設備への支払いが先行します。売上の入金は数ヶ月先なのに、支払いは今すぐ来る。この時間差で手元の現金が底をつくと、たとえ帳簿が黒字でも、会社は資金ショートを起こします。

具体的な場面を思い浮かべてみてください。好調な会社が、大口の注文を受けたとします。これは嬉しい話です。

しかし、その注文をこなすために、材料の仕入れ代金、人を増やす人件費、外注費が、先に出ていく。商品を納品し、その代金が振り込まれるのは、早くて2〜3ヶ月後です。つまり「売れているのに、入金より支払いが先に来る」状態が生まれる。

このとき手元の現金が薄ければ、注文が増えれば増えるほど、かえって資金繰りが苦しくなる。これが黒字倒産の典型的な入り口です。売上が伸びることが、そのまま安全を意味するわけではないのです。

ここで、先ほどの「節税」の話が効いてきます。成長フェーズで安易に節税し、手元の現金を減らしていたら、この資金ショートのリスクはさらに高まります。アクセルを踏みながら、燃料であるはずの現金を自ら捨てているようなものだからです。

黒字倒産は、どの規模から現実的な危険になるのか

会社の資金繰りが厳しくなったとき、経営者個人のお金では立て替えられない規模になったときからです。数百万円なら、社長のポケットマネーで何とかなったかもしれません。

しかし、年商が1億円を超えてくると、資金ショートの穴は数千万円規模になります。こうなると、個人のお金では到底埋められず、資金ショートは高い確率で倒産を意味します。

特に年商1億円から3億円の時期は、バックオフィスが最も混乱しやすく、気づけば会計データが整理されないまま、どこに問題があるかも分からない状態に陥りがちです。経理の管理状態がガタガタなまま黒字倒産という結果になる前に、会社の方向性を踏まえて「今、何をやっておくべきか」を助言してくれる税理士とともに、手を打っておくことが重要です。

黒字倒産を防ぐために、最低限見ておくべき数字は

難しい指標は要りません。最低限、「手元の現金が、何ヶ月分の支払いに耐えられるか」を把握しておくことです。売上や利益の大きさではなく、現金がいつ入って、いつ出ていくか。

この資金の流れさえ掴んでいれば、「今の拡大ペースだと、何月ごろに現金が苦しくなる」という危険信号に、事前に気づけます。逆に、利益(帳簿上の数字)だけを見て安心していると、黒字倒産の落とし穴にはまります。

本物の税理士は、この「現金の動き」を一緒に見て、危険な時期を先回りして教えてくれます。それは過去の数字を報告するだけのレベル2には、できないことです。

本物の税理士は「法定速度」と「眠っているリスク」を教えてくれる

税理士が経営者へ資料を手渡し、進んでよい範囲と先に潜むリスクを穏やかに示しているイラスト

では、成長を目指す経営者にとって、本当に必要な税理士とは何をしてくれる人なのか。それは、ブレーキを踏ませて止める人ではありません。

かといって、無謀なスピードを放置する人でもない。あなたが出したい速度を理解したうえで、「ここまでは踏んでいい」という法定速度と、「この先に潜むリスク」を教えてくれる人です。

このまま走ると、かすり傷か・骨折か・地雷か

これを、ランニングにたとえてみます。あなたが、ある道を全力で走り続けようとしている。そのとき、その先で何が起こりうるか。

少し転んで、かすり傷を負う程度なのか。足を骨折して、しばらく走れなくなるのか。それとも、道の途中に地雷が埋まっていて、踏めば致命傷を負うのか。

良好な関係を築けていて、なおかつ優秀な税理士であれば、その事業を進めた場合に、どのリスクが眠っているのかを事前に教えてくれます。そうすれば、無駄な失敗を避けられますし、知らずに走り続けて地雷を踏んでしまう危険を、踏む前に回避できる。

最終的に走るかどうか、どの速度で走るかを決めるのは、経営者自身です。税理士に経営の最終判断を委ねることはできません。しかし、「分かっているリスク」を事前に教えてもらえるかどうかは、結果を大きく左右します。

本物の税理士は、止めるのでも煽るのでもなく、リスクの地図を渡してくれるのです。そして、この力を引き出すために経営者がすべきことが、一つあります。情報をしっかり提供することです。

会社の状況を包み隠さず伝えれば、税理士はその情報をもとに、潜んでいるリスクを教えてくれます。前回までの記事でお伝えした「自分から検索する(情報を渡す)」という姿勢が、ここでも効いてくるのです。

税理士に問える責任・問えない責任

ここで、責任の線引きを整理しておきます。これを誤解すると、税理士との関係がこじれます。まず、経営の結果責任は、税理士には問えません。

事業がうまくいかなかったことを税理士のせいにするのは、筋が違います。最終的な経営判断は、経営者がするものだからです。逆に、経営の責任をとれない税理士が、経営者に代わって最終決断を下すのも間違いです。

では、税理士には何の責任もないのか。そうではありません。ここで知っておくべき専門用語が「善管注意義務」です。

たとえば、提出した申告書に明らかな計算間違いがあった場合。これは善管注意義務違反として、税理士の責任になります。

さらに、意外に見落とされがちなのが、必要以上に税金を払わせてしまっていた場合です。これも善管注意義務違反にあたります。

「税務調査で何も指摘されない=良い税理士」とは限りません。指摘を恐れるあまり過剰に安全側へ寄せ、本来払う必要のない税金まで払わせているケースが、実際にあるのです。

経営者が払うべきでないお金を払わずに済むよう導くことも、税理士の責任の一部です。スピードの話に引きつければ、「不必要に急ブレーキを踏ませて、余計な税金という燃料を捨てさせる」のも、見過ごせない問題だということです。

要注意のサイン。「生命保険」の提案で税理士の質が見える

机をはさんで差し出された提案書を経営者が手に取り、内容を慎重に見極めようとしているイラスト

税理士の質を見抜く、分かりやすい試金石があります。「生命保険」の提案の仕方です。なぜ生命保険が試金石になるのか。

それは、生命保険の提案には、税理士が「あなたの会社の利益」と「自分の手数料」のどちらを優先しているかが、くっきり表れるからです。ここまで読んできたスピードとリスクの話が、最も身近な形で試される場面でもあります。

税理士から生命保険をすすめられた経験のある経営者は、多いはずです。実は、税理士は生命保険に加入してもらえると手数料が入る仕組みになっていることが、ほとんどです。販売代理店でなくても、保険会社から「紹介してください」と手数料を提示されて紹介するケースが多いのです。

多くの場合、「節税になります」という理由ですすめられます。しかし、ここまで読んだあなたなら、もう違和感に気づけるはずです。利益を減らす節税は、手元のお金も減らすのでした。

具体的に見てみましょう。手元に利益が500万円あって、30%を納税すれば、150万円を納めて手元に350万円が残ります。一方、節税のために生命保険に500万円加入すると、課税対象は減って納税額は抑えられますが、その代わり手元のお金もなくなってしまう。

さらに保険は、中途解約すると返戻率が2割〜3割にとどまることも多く、翌年以降も保険料を払い続ける必要があります。つまり、節税の名目で手元の流動資産を減らし、現金を眠らせてしまうことにもなりかねないのです。

ここで強調しておきたいのは、生命保険そのものが悪いわけではないということです。問題は、その税理士が、保険のリスクまで含めてきちんと説明したうえで提案しているかどうか。手数料目当てで、メリットだけを並べてすすめているとしたら、それは要注意のサインです。

月次にはまったく顔を出さないのに、決算前の保険の説明にだけはきっちり来る。そういう税理士は、残念ながら存在します。

節税保険をすすめられたら、何を確認すべきか

少なくとも、次の3点をきちんと説明してくれるかを確認してください。

  • ひとつ、中途解約したら満額は返ってこないこと(返戻率が下がる場合があること)。
  • ふたつ、翌年以降も保険料の支払いが続くこと。
  • みっつ、その保険で手元の現金が減ることのデメリット。

この3点に触れず、「節税になりますよ」とメリットだけを強調してくる場合は、手数料目的の可能性を疑ったほうがよいでしょう。逆に、リスクまで正直に説明してくれる税理士なら、信頼に値します。

生命保険の提案は、その税理士があなたの会社を見ているのか、自分の手数料を見ているのかを映す鏡なのです。

自社の「適正スピード」を把握する3つのステップ

経営者が窓辺の机でノートに向かい、自社の方向と速度を静かに整理しているイラスト

ここまでの話を、明日からの行動に落とし込みます。自社が今、何キロで走りたいのか。その適正スピードを把握するための、3つのステップです。

ひとつ目、方向を決める。現状維持か、成長か。まずはここを経営者自身が選びます。

どちらが正しいということはありません。ただし、選んだ方向によって、節税すべきか、現金を厚くすべきか、必要な税理士は誰かが、すべて変わってきます。

ふたつ目、今の速度を把握する。自社の手元資金は何ヶ月分あるか。入金と支払いの時間差はどれくらいか。今のペースで拡大したら、どこで資金が苦しくなるか。

これらの数字を、ざっくりとでも掴んでおきます。専門知識は要りません。「現金がいつ、どれだけ動くか」という感覚です。

みっつ目、今の税理士との速度を照らし合わせる。あなたが出したい速度に対して、今の税理士は伴走してくれているか。

アクセルを踏みたいのにブレーキばかり踏ませてくるなら、それはミスマッチです。逆に、踏んでいい範囲とリスクの地図を渡してくれるなら、それは付き合い続けるべき相手です。

この3つを点検すれば、自分の会社の現在地と、税理士との相性が見えてきます。たとえば「方向は成長と決めた。今の速度は手元資金3ヶ月分で、半年後の出店で苦しくなりそう。なのに税理士は止めてくるだけ」と整理できたなら、課題ははっきりしています。

あなたに必要なのは、出店という選択を否定せず、「その速度で走るなら、ここで資金を作り、このリスクに備えましょう」と地図を渡してくれる税理士です。逆に「方向は現状維持。今の速度で安定している。税理士も丁寧に申告してくれる」なら、無理に変える必要はありません。大切なのは、答えを誰かに決めてもらうことではなく、自社の速度を自覚したうえで、伴走者を選ぶことなのです。

スピードとリスクの地図を手に、次に確かめること

経営者と税理士が机に広げた地図のような資料を一緒に見て、これから進む道筋を確認し合っているイラスト

節税は、すべての会社の正解ではありません。現状維持を選ぶ会社には有効でも、成長を目指す会社が安易に節税すると、手元の現金を失い、黒字倒産のリスクを高めます。手元にお金を残したいなら、納税は必要なコストなのです。

そして、本物の税理士は、ブレーキを踏ませる人でも、無謀を放置する人でもありません。あなたが出したい速度を理解し、「踏んでいい法定速度」と「この先に潜むリスク」を、地図として渡してくれる人です。その質は、生命保険の提案の仕方一つにも表れます。

ここまでで、「成長を選ぶなら、節税より手元の現金が大事」という話を繰り返してきました。では、その現金を厚くするために、経営者は具体的に何をすればいいのか。

実は、多くの経営者が「良かれ」と思っている、ある常識が、かえって会社の成長を妨げていることがあります。それが「無借金経営は安全だ」という思い込みです。

次に読む 無借金経営という勘違いでは、なぜあえて借りて現金のダムを築くことが、成長企業の財務戦略として有効なのかを、詳しく見ていきます。

「会社をどこへ持っていくか(出口)」から税理士を選ぶ視点は 4つの出口と3つの質問へ。

止めるのでも煽るのでもなく、リスクの地図を渡してくれる。そんな本物の税理士を、何を基準に見分けるか。税理士を選ぶ基準(誠実さ・専門知識・教育体制)へ。

税理士コンシェルジュ事務局からのコメント
本記事の考え方は、会社が目指す方向や規模によって最適な選択が変わることを前提としています。顧問税理士との関係に違和感がある場合は、まずご自身の会社の現在地を整理するところから始めてみてください。

もし「自社が今、どんな速度で走っていて、今の税理士とずれていないか、客観的に整理してみたい」と感じたなら、税理士コンシェルジュに相談するという選択肢もあります。

20年・27,000件超の実績と、1,600名との面談で培った視点から、自社のスピードの整理をお手伝いできます。まずはこの記事を、自社のスピードを見つめ直すきっかけにしていただければ幸いです。

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