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税理士の顧問契約を結ぶ流れ、問い合わせ・面談から契約後までの進め方

はじめて顧問を置く場面では、面談を経て書面に押印した日がすべての起点のように見えます。手続きの流れを整理し直すと、税理士の顧問契約で決めることの大半は、押印より前の段階にあります。押印の前にどこまで決めておけるかで、初めの月の進み具合が変わります。

ここでは問い合わせから初月までを四つの段階に分け、面談で確かめる順序と、契約書で見るべき欄と、確認事項の整理の仕方を解説します。金額の話は、引き受ける範囲が決まったあとに扱います。どの段階で何を決めるのかが見えれば、迷う場所は手続きの外へ出ていきます。

監修者:
山下 健一(株式会社タックスコム代表)
20年・27,000件超の実績と1,600名との面談をもとに、経営者向けの税理士選びの情報を発信しています。

税理士への問い合わせから契約締結まで話を進める経営者

税理士の顧問契約は問い合わせから初月までの四つの段で決まる

はじめて顧問を置くとき、押印を交わした日付が起点のように見えます。手続きを整理してみると、決めることの大半は押印より前の段階にあります。

段階は四つあります。問い合わせと面談、書面の照らし合わせ、そして初月の運用です。段ごとに決めるものが違い、前の段階を飛ばすと次の段で戻る作業が生まれます。

問い合わせの段で決まるのは、何が詰まっていると伝えるかという点です。伝えた内容が、そのまま次の段階で確認する項目の一覧になります。一覧が先にできていれば、面談の時間は短く済みます。

税理士の顧問契約の入口にあたる面談の段では、聞くことの順序を先に決めておくかどうかで手元に残るものが変わります。同じ時間を使っても、順序のない場面では雑談の記憶しか残りません。

書面の段階は、聞いた内容と契約書に書かれた文字が同じかどうかを照らし合わせる工程です。話のほうが広く文字のほうが狭いという食い違いは、この段階でだけ見つかります。

初月の段階で動くのは、資料の受け渡しと数字の届き方です。ここが決まっていない当月は、翌月以降も同じ手間が繰り返されます。

四つの段は、それぞれの長さが違います。問い合わせと面談は数日で終わり、書面の照らし合わせと初めの月の運用は翌月へまたいで続きます。

税理士の顧問契約を一続きの流れとして捉えておけば、迷う場所は手順の外へ出ていきます。長さの違いを知らないまま日程を組むと、受け渡しだけが遅れます。

ずれた分は、最初の月次の遅れとして表に出ます。遅れは翌月へまたいで残るため、初回の締めまで追いかける手間になります。

社内で回していた記帳の手は、取引が増えてくると足りなくなります。足りなくなってから探し始めると、四つの段階を数週間に詰め込むことになります。

詰め込んだ月に抜け落ちるのは、照らし合わせの作業です。落ちた作業は、押印のあとで手間として戻ってきます。

  1. 手元の決算書と直近の試算表と登記の写しを一か所へまとめる
  2. 詰まっている工程と決めたい期限を三行で書き出す
  3. 問い合わせの文面へ会社の輪郭と詰まっている工程を入れる
  4. 面談の場で聞く順序を項目の並びとして先に決める
  5. 聞き取った広さと受け取った見積りの対応を一行ずつ照らし合わせる
  6. 契約書の欄を業務と期間と報酬と受け渡しと窓口の順に見ていく
  7. 確認事項を一枚の紙へ落として社内の窓口と控えの役を決める
  8. 初月の資料の受け渡しと初回の月次を受け取る日を置く
  9. 押印のあとで初月に動かす紙の形を社内の予定表へ写す
  10. 初月の終わりに残った確認事項をもう一度開いて消す

面談までにそろえる資料は決算書と直近の試算表から数える

開いた書類かばんに色違いのファイル3冊を入れている経営者

面談の場で話が進むかどうかは、そろえた書類の量ではなく種類で決まります。種類が欠けていると、話は会社の概要をなぞるところで止まります。

そろえておきたいのは、直近の決算書と月次の試算表と登記の写しです。三つがあれば、事業の規模と数字の作り方と会社の形が同時に伝わります。

決算書は、直近の一期だけでなく前の期も添えておきます。二期を並べると、伸び方と季節ごとの波が数字から読み取れます。波の形から、締めが遅れやすい月まで分かります。

税理士の顧問契約の入口で見られているのは、金額の大小よりも数字の作り方です。作り方が見えなければ、任せられる広さの見当がつきません。

試算表は、締めの済んだ最後の月まで出しておきます。月次が遅れているなら、遅れていること自体を先に伝えておきます。

登記の写しは、資本金と事業の目的と役員の並びを伝える書類です。会社の形が変わる予定があるなら、その予定も同じ場面で伝えます。

記帳の現状も、書面にしておけば面談の時間が短くなります。誰がどの道具で入力し、月内のどこで締めているのかという三つで足ります。

税理士の顧問契約の話を始める前に、これらの書類を封筒にまとめておきます。書類が整っている会社では、面談の後に戻ってくる問いが減ります。

足りない書類があるなら、足りないことを面談の前に伝えておきます。伝えておけば、そこを埋める作業そのものを引き受ける範囲へ入れて話せます。

書類の不足は、伏せていても次の段階で必ず表に出ます。出てくる場所は、契約書の範囲を書く欄か初月の受け渡しのどちらかです。

書類の中身は、その日までに一覧へ書き写しておきます。一覧があれば、渡した書類と渡していない書類をその場で数えられます。

問い合わせで伝える内容は会社の輪郭と詰まっている工程に絞る

問い合わせの文面は、長く書くほど返りが遅くなります。読む側が知りたいのは、どんな会社で何が詰まっているのかという二つだけです。

会社の概要とは、業種と売上の規模と人の数と記帳の道具です。四つがそろっていれば、受け取った事務所は自分たちで扱える会社かどうかを見分けられます。

詰まっている工程とは、集める・入力する・締める・読むのどこで手が止まっているかです。止まっている場所が書かれていれば、話は最初から中身へ入ります。

税理士の顧問契約の問い合わせで抜けやすいのは、いつまでに決めたいかという期限です。期限のない問い合わせは、返事の順番が後回しになります。

期限は、決算の月と次の締めの時期から逆算して決めます。逆算しておけば、面談の日取りもその場で決められます。

返ってきた文面の速さと細かさは、事務所の対応姿勢を表します。速さだけで決めず、何を聞き返してきたかを書き留めておきます。

聞き返しの中身は、次の面談で確かめる項目の土台になります。土台があれば、当日に話の順序を先方へ委ねずに進められます。

税理士の顧問契約は、この段階ではまだ何も決まっていません。決まっていないことを承知したうえで、確かめたい項目だけを増やしておきます。

問い合わせの文面は、送った日付とともに控えておきます。控えが残っていれば、後の段階で話が動いたかどうかを日付で追えます。

控えの形は用紙でも画面でもかまいません。同じ内容を二度書かずに済む保管場所が社内に一つあれば足ります。

返事が来ない事務所へは、同じ文面をもう一度送らずに様子を見ます。送り直すよりも、返事の来た事務所と話を進めたほうが日程が動きます。

面談の場で確かめる順序を先方の話し方より先に決めておく

テーブルをはさんで、手元のメモを指さしながら話す経営者と、うなずいて聞く税理士

面談は、人を測る場よりも項目を埋める場として使います。項目の並びを先に決めておけば、話が流れても手元の用紙は埋まっていきます。

順序の最初に確かめるのは、どこまでを引き受けるかという広さです。広さが定まらないまま先へ進むと、あとの項目がすべて仮の話になります。

二つ目に確かめるのは、誰が手を動かすのかという担当の話です。窓口になる人と入力する人が別なら、その別であることを手控えへ書き留めます。

税理士の顧問契約で範囲と呼んでいるのは、工程の名前の一覧です。集める・入力する・見分ける・締める・読むのどこからどこまでかを言葉で確かめます。

三つ目は、やりとりの手段と返事の速さです。電話か文面か、どちらで聞けば何日で返ってくるのかを、面談のうちに確かめます。

四つ目は、数字が手元へ届く日付と、届いた数字を誰と読むかです。数字を読む機会が月内にない設計は、初月から形だけになります。

五つ目に顧問料の考え方を聞きます。金額の多寡よりも、何をしてもらう代金なのかを言葉で確かめます。

税理士の顧問契約の面談を急ぐと、埋まらない項目が残ります。残った項目は、その日のうちに文面で送って埋めておきます。

面談の終わりには、聞いた内容をその場で読み上げて確かめます。読み上げで食い違った項目は、契約書の段階で必ず問題になります。

物腰や話し方は、項目が埋まったあとで見れば足ります。順序を先に決めるのは、印象だけで決める道を閉じておくためです。

埋まった項目の一覧は、日付を入れて封筒へ戻します。次の段階で契約書の記載欄と見比べる材料は、この紙しかありません。

面談の場で決められないことは、決められないまま持ち帰ります。持ち帰った項目を社内で詰めてから、文面で答えを返します。

見積りと業務の範囲を照らし合わせる工程が面談の直後に入る

見積りは、金額を知るための書類であると同時に、引き受ける広さを映す書類です。映っている広さが面談で聞いた話と同じかを、受け取った当日に確認します。

照らし合わせる方法は単純です。面談の控えに書いた工程の名前を左に、見積りの項目を右に書いて、対応する項目を線で結んでいきます。

線が引けない工程が残ったら、そこが引き受ける広さの外です。外にあるものは社内に残るか、別に頼むかのどちらかになります。どちらにするかは、手の空きぐあいから決めていきます。

税理士の顧問契約の見積りでは、月ごとの分と年に一度の分が分かれて書かれます。分かれていない書類を受け取ったら、分けて書き直してもらいます。

年に一度の分には、決算と申告の作業が入ります。月ごとの分に何が入っているのかは、工程の名前でしかはっきりしません。

金額の相場をここで調べ始めると、広さの話が止まります。相場は別の物差しであり、照らし合わせとは別の日に扱います。

一覧の上で線が引けた作業だけが、当月の作業として動きます。線の引けなかった作業は、初月に誰の手にも載らないまま残ります。

税理士の顧問契約の話が金額だけで進んだ当月は、初月に食い違いが出ます。食い違いの中身は、引き受ける範囲から外れていた工程です。

照らし合わせを終えた書類は、そのまま次の段階へ持っていきます。契約書の記載欄と見比べる材料になるため、書き直さずに残しておきます。

見積りの読み方が身につくと、広さの言葉づかいの違いにも気づきます。同じ記帳という語が、事務所ごとに別の広さを指していることが分かります。

見積りに書かれていない作業を口約束で足すのは避けておきます。足した作業は、契約書の欄へ書き写すところまでを一続きにします。

契約書に目を通す段階で読み落としやすい欄がいくつもある

契約書は、読むというより照らす書類です。面談で聞いたことを書いた控えを横へ置き、欄ごとに確認していきます。

最初に見る欄は、業務の範囲です。工程の名前で書かれているか、記帳一式のような言い方で括られているかを見ます。

括られた言い方のままだと、どこまでが入っているのかは読み手には分かりません。名前で書き直してもらえるかを、この段階で尋ねます。尋ねた答えは、そのまま押印の可否を分ける材料になります。

税理士の顧問契約の期間と更新の欄は、続き方を決める欄です。自動で続くのか、その都度確かめるのかを読み分けておきます。

報酬の欄では、金額よりも支払う時期と回数の書き方を見ます。月ごとの分と年に一度の分が別の行に分かれているかを確かめます。

資料の受け渡しの欄は、初月の作業を決める欄です。誰が何をどの形で渡すのかが契約書に書かれていなければ、初月に電話が増えます。

窓口と連絡の欄は、空欄のまま押印されることがあります。空欄にしておくと、社内の誰が受けるのかが月ごとに変わります。

税理士の顧問契約では、守秘の欄も設けられます。渡す書類の中身を思い出すきっかけとして、この欄にも目を通しておきます。

読み落とした欄は、押印の後では直しにくくなります。直しにくいのは書面の力によるものではなく、切り出す機会が減るからです。

契約書は、押印の前に声に出して読む時間を取っておきます。声に出すと、目だけで追ったときに飛ばした記載欄が残らなくなります。

契約書の写しは、社内の決まった場所に保管しておきます。保管場所が決まっていれば、記載欄を確かめたいときにすぐ開けます。

契約書の文字と面談で聞いた話がそろった時点で、決める材料はそろいます。あとは押印の日取りを決めるだけになります。

確認事項は業務の範囲と報告の間隔という二つの軸に集まる

確認事項を数え上げていくと、きりがなくなります。二つの軸に分けて整理し直すと、抜けているところがはっきりします。

一つ目の軸は、どこまでを引き受けるかという広さの軸です。工程の名前で書けているかどうかが、この軸の確認事項になります。

二つ目の軸は、いつ何が届くかという間隔の軸です。数字の届く日付と読む日が月内に決まっているかを確認します。

税理士の顧問契約の確認事項は、二つの軸へ載せると数えられる量に収まります。載らない項目は、決める時期がまだ来ていない項目です。

広さの軸で確かめるのは、集めるところから読むところまでの五つの受け持ちです。受け持ちの空いたところが、初月に落ちる作業になります。

間隔の軸で確かめるのは、試算表の届く日付と質問への回答の速さです。速さは先方の忙しさで動くため、約束の形で契約書へ書いておきます。

二つの軸へ載せた確認事項は、一枚の用紙へ落としておきます。用紙の形にしておけば、押印の前に読み合わせができます。

税理士の顧問契約の確認事項を先に用紙へ落としておけば、押印の日数が短くなります。短くなった分は、初月の準備に回せます。

読み合わせの場で残った確認事項は、そのまま次の段階へ送ります。送った項目は、初月の終わりにもう一度開いて消していきます。

確認事項の数は、会社の規模が上がるほど増えていきます。増える理由は事業の複雑さではなく、手の触る工程が増えるからです。

消した確認事項の用紙は、捨てずに書類と一緒に保管しておきます。翌年の更新の月に開けば、同じ項目をもう一度数え直せます。

確認事項が多いときは、決める順序を上から三つに絞ります。絞った三つが決まれば、残りは契約書の欄へ書き写すだけで済みます。

税理士の顧問契約を結ぶ前に社内の窓口の置き方を決める

窓口とは、外との書類とことばが通る一つの口のことです。口が一つに定まっていない会社では、同じ問いが別の人へ二度届きます。

受ける役は、届いた問いを社内の誰へ回すかを決める役です。回し先の決まっていない問いは、数日止まったままになります。

渡す役は、毎月の書類を決まった形で外へ出す役です。かたちが毎月変わると、受け取る側の手間が引き受ける広さの外へはみ出します。はみ出した手間は、翌月の返りの遅さとして戻ってきます。

税理士の顧問契約を結ぶ前に決めるのは、誰が受けて誰が渡すのかという二つです。受ける人と渡す人が同じでも、役として分けて書きます。

窓口を経営者だけに置くと、初月から止まりやすくなります。止まる理由は関心の薄さではなく、他の仕事と並行して抱えているからです。

窓口には、控えの役をもう一つ決めておくと翌月へまたげます。休みの週に書類が止まる会社では、締めの遅れがそこから始まります。

窓口の置き方が決まると、確認事項の残りも自然に減ります。誰が受けるのかが決まれば、いつ届くのかも決めやすくなります。

税理士の顧問契約の契約書へ窓口の名前が入っていれば、社内でも動かしにくくなります。動かしにくさは、この欄にかぎっては良い方向に働きます。

名前を書いた用紙は、社内の目に入る場所へ貼っておきます。貼っておけば、担当が変わる月にも引き継ぎの手が短くなります。

窓口の役に就いた人の仕事は、書類を運ぶことだけで終わりません。届いた数字を最初に開く役でもあるため、数字を読む担当も同じ人が務めることになります。

窓口が決まっていれば、面談で聞いた連絡の手段もそのまま使えます。誰が電話を受け、誰が文面を書くのかが先に決まっているためです。

押印を終えたあとの初月の工程が税理士の顧問契約の土台になる

庭にしゃがみ、小さな苗木を植えて根元を整えている経営者

押印は終わりというより、運用の始まりです。初月に決めたやり方が、そのまま翌月以降のかたちとして残ります。

初月の最初の仕事は、資料の受け渡しの形を決めることです。何をいつどの道具で渡すのかを、月内のどこかに決めます。

勘定科目の取り決めも、押印の直後にしておく仕事です。自社の言い方と帳簿の言い方の対応を一度そろえると、後々の問い返しが減ります。問い返しが減れば、締めの日も自然と早まります。

税理士の顧問契約の初月では、会計データの引き継ぎも起きます。前の預け先から受け取る形と、受け取った後の見比べを決めておきます。

初回の月次は、遅れることを前提に日取りを決めます。初めの月から間に合わせようとすると、見比べの工程が省かれます。

省かれた工程は、翌月に二重の手間として戻ってきます。戻ってきた手間は、社内の窓口の負担になります。

初月の終わりには、確認事項の紙をもう一度開きます。開いて消せた項目と残った項目を分ければ、翌月の段取りが立ちます。

税理士の顧問契約が形になるのは、初めの月を越えたところです。契約書はその形を書き留めた紙であり、形そのものとは違います。

初月に決めた日付は、社内の予定表へ写しておきます。写しておけば、誰が休んでも同じ日に同じ紙が動きます。

作業を軽くしたいなら、押印の前から紙の形をそろえておきます。かたちがそろっている会社では、初めの月の電話が数本で収まります。

初月に交わした約束は、口で済ませずに文面へ残しておきます。残っていれば、担当が変わる月にも同じやり方が続きます。

初月の記録は、翌年の更新の月まで開かずに置いておきます。開いたときに、何を決めて何を決めなかったのかが読み取れます。

月次の報告を受け取る日は税理士の顧問契約の内容から決めておく

郵便受けから白い封筒を取り出している経営者

月次の報告は、届くのを待つものというより取りに行くものです。取りに行く日付を先に決めておかなければ、届く日付は毎月ずれていきます。

渡す日付が動くと、返ってくる日付も同じだけ動きます。返りの遅れを先方の対応の遅さのせいにする前に、渡す日の順番を確認します。

返ってきた数字は、読む機会を設けなければ放置されます。放置された数字は、決算期にまとめて開かれることになります。

税理士の顧問契約で決めておく日付は二つあります。書類を渡す日付と、数字が返ってくる日付です。

数字を読む機会は、月に一度で足ります。長さよりも、同じ日に同じ順番で確認することのほうが大切です。

出席者は、経営者と窓口の担当で足ります。出席者を増やすほど、開く日取りを決めるだけで当月が進みます。

間隔が書かれていない契約書では、日を決める根拠が社内にありません。根拠のないまま催促を続けると、やりとりの調子だけが硬くなります。

決めた期日を守れない月が続いたら、引き受ける範囲を見直します。期日の守れなさは、広さか紙の形のどちらかから来ます。

税理士の顧問契約の内容から日を決めるというのは、先方の都合へ合わせるという意味ではありません。契約書へ書いた間隔から逆算するという意味です。

日を決めた紙は、社内の予定表と同じ場所へ貼っておきます。貼ってある期日を月末に見返すだけで、遅れの出た回数が数えられます。

報告を受け取る期日は、確認事項の紙へも書き写しておきます。二つの紙が同じ日を指していれば、社内で日がずれる余地が消えます。

報告の中身が薄いときは、業務の範囲の欄をもう一度開きます。薄さの理由が広さの外にあるなら、そこは決め直す場所になります。

初月を越えたあとに残る作業は税理士の顧問契約の読み直しにつながる

初めの月を越えると、手続きの段階はいったん終わります。終わったあとに残るのは、決めた形が回っているかを確かめる作業です。

確認する点は三つです。紙が決まった日に動いているか、数字が決まった日に返っているか、数字を読む機会があるかです。

読み直しで見つかるのは、書かなかった工程です。書かなかった工程は、社内と外部のどちらの担当にもならないまま月末に残ります。残った分は、翌月も同じ場所で止まり続けます。

三つのどれかが欠けた月が続くなら、税理士の顧問契約の中身を読み直します。読み直す先は契約書の広さの欄であり、先方の姿勢のほうではありません。

払っているものが何なのかを言葉にできるかも、この段階で確かめます。書籍は、顧問料をアドバイス料と位置づけています。

アドバイス料と考えると、広さの話は作業の量から助言の中身へ移ります。移したあとに残る問いは、その助言を受け取る場面があるかという点です。

読み直しは、年に一度の更新の月に行うと忘れません。更新の月は、広さと間隔を同じ紙の上で見直せる数少ない機会です。

税理士の顧問契約を読み直す段では、預け先そのものを見る目も要ります。同じ月額でも開いてくる税理士のレベルの差では、その差がどこに表れるのかをまとめています。

更新の月に見るのは、増えた受け持ちと減った受け持ちの両方です。減った受け持ちを残したままにすると、払っている中身と受け取る中身がずれます。

読み直した結果は、契約書へ戻して書き足すところまでを一続きにします。紙へ戻さなかった取り決めは、担当が変わる月に消えていきます。

ただ、顧問料はアドバイス料と考えれば分かりやすいのではないでしょうか。

出典:山下健一『税理士に顧問料を払う本当の理由』(ファストブック、2017年)第三章p.66

税理士コンシェルジュ事務局からのコメント
押印の日取りだけが決まっていて、初月に何を動かすかが白いままというご相談は、事務局でも珍しくありません。白いままでも押印はできますが、その白さは翌月の電話の本数になって返ってきます。決めておきたいのは、紙を渡す日と数字が返る日と、それを読む場の三つだけです。三つが紙に載っていれば、範囲の欄へ書き足すべき工程も自然に見えてきます。初月に動かす紙の形を先に決めておけば、翌月からの締めは軽くなります。軽くなった分は、数字を開いて眺める時間へそのまま回せます。税理士の顧問契約のご相談を、金額の一行から始められる経営者は少なくありません。金額は広さが定まってはじめて意味を持つ数字ですから、順序を入れ替えるだけで読み方が変わります。広さの書かれていない紙のまま押印まで進んでしまうと、困るのは押した側です。面談の前に手元の束をそろえるところまでは、どなたでも今月のうちに始められます。決算書と試算表と登記の写し、それに記帳の現状を書いた紙が一枚。ここまでそろえてお越しいただければ、確かめる項目の並べ方から一緒に組み立てられます。税理士の顧問契約の進め方を段ごとに整えたいところでしたら、その一枚を手にお声をかけてください。

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