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「償却資産申告書」とは?書き方や納付方法を分かりやすく解説

2020年5月25日
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会計担当者にとって、1年の中でも年末年始は最も業務作業が増える忙しい時期です。その業務のひとつに市町村の役所から事業所へ届く「償却資産申告書」という申告書があります。あまり聞きなれない名前のため、初めて事業を営む方などにとっては、どのような申告書なのか、何のための税金なのかよく知らない方も少なくありません。

今回は、償却資産申告書がどのようなもので、どのように書けばよいのかなど償却資産申告書と償却資産税の基礎知識について分かりやすく解説していきます。

「償却資産税」とは?

償却資産申告書とは、「償却資産税」を申告する書類のことです。では、償却資産税とは何でしょうか?償却資産税とは、固定資産税のひとつです。固定資産税は土地や家屋だけでなく、機械や備品などの償却資産にも課税されます。そして、償却資産税とは、固定資産の中でも償却資産に課せられる税金のことです。個人・法人問わず、毎年1月1日に所有している償却資産を申告することが義務付けられています。

ただし、課税対象となる償却資産とは、事業用の固定資産のことです。つまり、法人税法や所得税法で減価償却費が損金算入されるものが課税の対象となっています。しかし、土地や家屋、自動車車両などは課税対象外となっています。

償却資産税の申告の対象となるもの

課税や申告の対象には、現在使用していない機材など含む、6つの区分で分類されています。(10万円超~30万円未満の償却資産で全額一括損金算入したものを含む)では、6つの区分についてみていきましょう。

1、構築物
舗装路面、庭園、門、塀、緑化施設などの外構工事、看板(広告塔など)、ゴルフ練習場設備、受変電設備、予備電源設備、その他建築設備などが対象。また、店舗や事務所などを借りている場合は、内装・内部造作などが対象。

2、機械および装置
各種製造設備等の機械及び装置、クレーン等建設機械、機械式駐車設備などが対象。

3、船舶
ボート、釣船、漁船、遊覧船などが対象。

4、航空機
飛行機、ヘリコプター、グライダーなどが対象。

5、車両および運搬具
ブルドーザーなどの大型特殊自動車(分類記号が「0・00~09・000~099」「9・90~99・900~999」の車両)が対象。

6、工具・器具および備品
パソコン、エアコン、応接セット、陳列ケース、看板(広告塔・ネオンサインなど)の器具備品が対象。また、業種によっては医療機器、測定工具、金型、理容及び美容機器、衝立なども対象。

償却資産税の申告の対象となる資産(業種別)

・共通
パソコン、コピー機、エアコン、応接セット、内装・内部造作等、看板(広告塔・ネオンサインなど)、LAN設備など

・製造業
金属製品製造設備、食品製造設備、梱包機など

・印刷業
印刷機、断裁機など

・建設業
ブルドーザー、パワーショベル、フォークリフトなどの土木建設車両、大型特殊自動車など

・娯楽業
パチンコ機、パチンコ機取り付け台、ゲーム機、両替機、カラオケ機器など

・料理飲食店業
テーブル、椅子、厨房用品、冷凍庫、冷蔵庫、食器類など

・小売業
陳列ケース、陳列棚など

・理容美容業
理容美容椅子、理容美容洗面設備など

・医業
医療機器(レントゲン装置・手術機器など)など

・不動産貸付業
受変電設備、発電機設備、蓄電池設備、中央監視設備、駐車場等の舗装、外構工事など

・駐車場業
機械式駐車設備(ターンテーブルを含む)、舗装路面など

・クリーニング業
洗濯機、脱水機、乾燥機、プレス機、ボイラー、ビニール包装設備など

・ホテル旅館業
客室設備(ベッド・家具・テレビなど)、厨房設備、洗濯設備、音響設備、放送設備、家具調度品、駐車場設備など

・ガソリンスタンド
洗車機、ガソリン計量器、地下タンクなど

償却資産税の申告の対象とならないもの

償却資産の中でも、償却資産税の対象外となるものがあります。課税と申告の対象から除かれるものは、次のものです。

・無形固定資産
無形固定資産には、開発したアプリケーションソフトやアプリケーションソフトウェアや特許権、実用新案権等などのサービス提供が該当します。これらは無形固定資産なので、償却資産には該当していません。

・営業車両
営業車両は自動車税や軽自動車税が課税されます。したがって、申告対象外となっています。

・土地や建物
土地や建物は登記されているため固定資産税が課税されます。したがって、申告対象外となっています。

・リースしているコピー機
リースしているコピー機の所有権はリース元にあります。したがって、リース元の償却資産となるため申告対象外となります。

・取得価額が20万円未満の償却資産を、税務会計上3年間で一括償却(3年均等償却)したもの
通常、固定資産は数年にわたって減価償却するものですが、20万円未満の固定資産を3年間(36ヶ月)で償却できる「一括償却」を行った場合は、償却資産の申告の対象外になります。

しかし、青色申告で30万円未満の少額減価償却資産を取得時に全額経費にできる「即時償却」の特例を受けて償却したものは、償却資産税の対象となるため申告が必要となります。

「償却資産申告書」とは?

償却資産申告書とは、償却資産税のための申告書です。この申告書は、償却資産「税」のための申告書ではありません。つまり、償却資産申告書とは、1月1日時点でどのような償却資産を所有しているかを申告する書類であり、税金の計算をするものではありません。償却資産税は、「賦課課税」という課税方式を採用しています。

したがって、各市町村側で償却資産税を計算して決定し、納税者に通知するという仕組みになっています。当たり前のことですが、市町村側では各事業者の償却資産の保有状況を把握することは不可能です。そのため、事業者が自ら、自分の保有している償却資産を申告することになっているのです。なお、償却資産申告書は、その年の1月31日までに提出することが義務付けられています。

申告書の提出方法は、書面による提出、もしくは電子申告(e-tax)による提出の2通りから選択することができます。

償却資産申告書の書き方

償却資産申告書は、2枚綴りとなっています。1枚目には、提出する年度、提出日、会社の住所・電話番号・氏名、個人番号もしくは法人番号(マイナンバー)、業種、事業開始年などを記入します。そして、裏面に資産の種類ごの取得金額を集計して記載します。

具体的には、増加したものであれば増加資産用の様式へ、資産の種類、名称、数量、取得年月日、取得価額、雇用年数、新品や中古などの増加事由などの事項を記載します。また、減少した資産についても、増加資産同様の事項を記載し、売却や除却などの減少事由を記載します。リースしている資産がある場合は、借用資産の「有」に「〇」をします。

償却資産申告までの流れ

償却資産申告書は、法人事業税や事業所税などの提出先とは異なっています。例えば、東京都23区の場合は、償却資産が存在する区にあると英事務所に申告書を提出します。償却資産申告書の提出から課税までのおおまかな流れは、次のようになっています。

ステップ1:償却資産申告書の提出
償却資産申告書は、その年の1月31日までに提出します。ただし、1月31日が休日の場合は、その翌日までとなります。

ステップ2:価格等の決定と課税台帳への登録
申告書に基いて調査が行われた後、償却資産の価格等が決定されます。価格等が決定された償却資産は、償却資産の状況や評価を明らかにする「償却資産課税台帳」と呼ばれる台帳へ情報が登録されます。

ステップ3:課税台帳に登録した旨を公示
償却資産が償却資産課税台帳に登録された後、その旨が知らされます。

ステップ4:課税台帳の閲覧が可能
課税台帳に登録した旨が知らされたことにより、関係者は事務所においてその情報を閲覧することができます。具体的には所有者や固定資産税の課税に直接関係する方などは、価格などが閲覧できます。

ステップ5:審査の申出
課税台帳を閲覧し、その価格に不満や疑問がある場合は、審査の申出を行えます。

ステップ6:税額の算出と納税通知書の交付
毎年6月上旬頃になると、税額が決定し、納税通知書が交付されます。ただし、課税標準額が150万円未満の場合は、課税されないため納税通知書は交付されません。

ステップ7:審査の請求
課税内容に不服がある場合は、審査を請求することが可能です。

ステップ8:納税
償却資産税は通常、4回の納期があります。東京都の場合は、6月、9月、12月、翌年2月が納期となっています。(年によって曜日の関係で変動することもあります)

償却資産税の納税方法

償却資産税の納期は年4回、4月、7月、12月、翌年2月を原則としており、市町村の役場や金融機関などの窓口で現金納付を基本としています。しかし、市町村の条例によっては納期の時期が異なる場合もありますし、納付もさまざま方法で対応しているところもあります。具体的には、口座振替、クレジットカード払い、ペイジー納付などに対応しています。

口座振替の場合

償却資産税を口座振替で納税したい場合は、事前に口座振替の依頼手続きをする必要があります。手続きをすることで、指定した金融機関から、納期日までに自動的に引き落としで納付することができます。ただし、利用している金融機関が口座振替の対象となっているかどうかを確認する必要があります。また、当たり前のことですが、口座振替日に十分な口座残高を入金しておくことを忘れないようにしましょう。

クレジットカード決済の場合

市町村によっては、クレジットカード決済による納付に対応しているとこともあります。市町村が独自にサイトを用意しているところもあれば、外部のサイトを用意しているなどさまざまです。窓口での現金納付と比較すると、実際に引き落としされるまで期間がありますので資金繰りが楽になるというメリットがありますが、クレジットカードの種類によっては決済手数料がかかることもあります。また、自動引き落としではないので、納期を忘れないように気を付けましょう。

ペイジー決済の場合

ペイジーマークの付いている納付書であれば、ペイジー決済での納付が可能です。ペイジー決済に対応している金融機関、郵便局のペイジー対応ATM、ネットバイキングなどを利用して納付することができます。ただし、金融機関は対応している金融機関が限られていますので、事前に確認されることをおすすめします。

償却資産税の計算方法

償却資産税は、市町村の役場で計算し、税額が決定するため、個人で税額を計算する必要はありません。しかし、償却資産税がどのように決定されるのかを知っておくことは役立つことでしょう。では、償却資産税はどのように計算するのでしょうか?償却資産税は、「課税標準額(1,000円未満切捨)×税率=償却資産税(100円未満切捨)」という計算式で求めることができます。

なお、多くの市区町村は、税率を1.4%に設定していますが、一部の市区町村では税率を1.5%に設定しているところもあります。税額を算出する際には、課税標準額をどのように算定するかが大切です。では、減価償却の考え方に基づいた課税標準額の算定方法についてみてみましょう。

ステップ1: 評価額を算定する
評価額は、償却資産の取得価額に減価率を乗じて求めます。初年度の場合は、「取得価額×(1-減価率×1/2)=評価額」、2年目以降は「前年度評価額×(1-減価率)=評価額」という計算式で求めることができます。

ステップ2:各資産の評価額を、資産が所在する区分ごとに合算した額である決定価格を求める
決定価格の1,000円未満は切り捨てをし、課税標準額を算出します。

申告漏れがあるとどうなる?

申告漏れがあったことに気づいた場合は、過去5年以内であれば遡って申告することができます。つまり、もし当局に申告漏れを指摘された場合は、過去5年まで遡って納税するよう求められる場合もあるということです。

まとめ

年末頃、事業所に届く「償却資産申告書」とは、1月1日時点でどのような償却資産を所有しているかを申告する書類で、1月31日までに提出する必要があります。その申告書に基づき調査が行われ、償却資産税が決定します。償却資産税の免税点は150万円未満からなので、備品など設備投資が少ない業種の場合は、税金がかかることは少ないでしょう。

しかし、店舗を構えている方や工場などで機械に設備投資している場合は、償却資産税の対象となる可能性がありますのでしっかり理解しておくようにしましょう。償却資産税は各市町村によって税率が異なっていますし、細かいルールが規定されているところもあります。償却資産税について分からないことや困ったことがある場合は、税理士など外部の信頼できる専門家に相談されることをおすすめします。


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