社団法人とは?設立のメリット・デメリット、NPO法人・財団法人との違いを解説 | 税理士コンシェルジュ

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社団法人とは?設立のメリット・デメリット、NPO法人・財団法人との違いを解説

2020年12月16日
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普段よく見聞きする「社団法人」とは、どのような組織なのか理解されている方はおそらく少ないことでしょう。社団法人は法人形態のひとつであり、同じ意味としてイメージされている「NPO法人」や「財団法人」とは目的や内容、特徴などが異なっています。

この記事では、社団法人の特徴、設立のメリット・デメリット、NPO法人や財団法人との違いなどについて分かりやすく解説していきます。

社団法人とは?

社団法人とは、法人形態のひとつで、ある共通の目的を持って集まった人によって設立された非営利団体のことです。社団法人はその根拠となる法律に基づき、「社団法人」「一般社団法人」「公益社団法人」の3つに分類されていました。

しかし、2008年12月に実施された公益法人制度改革により大幅な法改正が行われ、現在は「社団法人」という名称の法人格は、新たに設立することができなくなりました。現在では、新たな制度として、2つに分類されています。それは

・社団法人は登記のみで設立できる「一般社団法人」
・公益認定を受けた「公益社団法人」   です。

なお、現在存在している「一般社団法人」には、旧制度で公益法人として設立された一般社団法人と、新制度で設立された一般社団法人が混在しています。

そもそも社団とは?

「社団」とは、法律によってその団体に「法人格」が与えられた法人のことです。法人格とは、その団体名義で銀行口座を開設したり、土地や建物などの財産を所有したりするなど、団体名義で法律行為が行えることを「法律上の人格」、通称「法人格」と呼んでいます。つまり、法律によって人としての権利が与えられるため「法人」になります。

社団法人の成立条件

社団法人を成立するには、その条件「非営利」でなければいけません。非営利とは、事業による収益を団体の構成員に分配してはいけない、ということです。事業によって収益を得ること自体には特に問題はありません。

また、社会貢献活動を長く継続して行うなら、事業利益を得ることができるという特徴があります。非営利団体のNPO法人も非営利でなければいけませんが、NPO法人は公益性のある事業のみと限定されています。一方、社団法人の場合は、事業の目的に制限が設けられていません。

「一般社団法人」と「公益社団法人」の違いとは?

上記で触れましたが、社団法人は「一般社団法人」と「公益社団法人」に分類されています。一般社団法人は非営利性であり、登記のみで設立することができます。一方、公益社団法人の場合は、非営利性であることに加え、事業内容に公益性が認められます。

そのため、税制上の優遇措置を受けることができます。公益社団法人に認定されるためには、まず一般社団法人を設立し、公益社団法人として登記する、という手順を踏む必要があります。

「一般社団法人」と「NPO法人」「財団法人」との違いとは?

では、一般社団法人は、NPO法人や財団法人とどのような違いがあるのでしょうか?

NPO法人との違いについて

NPO法人のNPOとは、英語の「Non profit Organization」の頭文字を略称したものです。その名が意味する通り、利益を追求しない、公的な活動のみを行う団体のことです。

一般社団法人は、法に触れない範囲であればどのような事業でも行うことが可能です。一方、、NPO法人は、法で規定された特定非営利活動の範囲内のみ(20種類の分野)での活動が認められています。

財団法人との違いについて

財団法人とは、一般社団法人同様、2008年12月の法改正により、設立できるようになった法人形態のことです。そもそも財団法人とは、一定の目的のもとに個人や法人から集められた財産によって設立された団体のことです。主に財産の運用を目的として運営されています。

そのため、財団法人を設立するには、最初にお金や土地などの財産が必要とされています。一方、一般社団法人は、人の活動によって目的が果たせるため、お金や土地などの財産がなくても設立することが可能です。

一般社団法人を設立するには?

一般社団法人は、主務官庁の許可が不要です。そのため、法律で規定された要件を満たしていれば、法務局への登記のみで簡単に設立することができます。構成員2名以上で設立が認められます。個人はもちろん、法人も構成員として認められます。また、設立後の構成員が1名になってしまったとしても、存続することが可能です。

一般社団法人は非営利法人ですが、公益性は求められていないので、どのような事業でも行えます。基本的には自由に事業を行うことができるので、株式会社のように収益事業を目的とした法人を設立することも可能です。

一般社団法人を設立するメリットとは?

一般社団法人には、次のようなメリットがあります。

メリット①登記申請のみで簡単に設立できる
上記でも触れたように、法務局への登録手続きのみで一般社団法人を説明することができます。小規模でも設立できるのが一般社団法人の特徴ですが、社員は2名以上置く必要があります。なお、理事は1名でも可能です。

メリット②設立コストがかからない
一般社団法人には、資本金がないので、設立時に財産を出資する必要がありません。つまり、定款認証費用と登録免許税の法定実費はかかりますが、出資費用0円で設立することが可能です。

メリット③事業内容が自由
目的や事業内容に制約がない上、収益事業を行うことも可能です。つまり、株式会社のように自由に事業が行えます。

メリット④税制上の優遇措置
非営利性の要件を満たすなら、収益事業から生じた所得以外は、税法上の優遇を受けられるので非課税になります。

メリット⑤社会的信用度につながる
一般社団法人にすることで、たとえ代表者に何かあったとしても事業を継続することができるので、社会的な信用度を挙げられます。また、法務局に登記されていることも信用度につながります。

メリット⑥基金が集まりやすい
一般社団法人は資金を確保するための「基金制度」が設けられているので、基金や寄付金を集めやすいと言えます。

メリット⑦入会条件を決めることができる
一般社団法人は、入会の条件を決めることができます。つまり、入会資格を限定することが可能です。

一般社団法人を設立するデメリットとは?

一般社団法人の設立を検討しているなら、デメリットについても考慮することは大切です。

デメリット①書類管理が複雑
非営利事業と営利事業を分類して管理する必要があります。作業は複雑なうえ、時間と手間がかかります。規模の大きさにもよりますが、税理士などの専門家へ依頼する必要が生じることもあるでしょう。

デメリット②通常の法人としての信頼性が低い
社団法人とは異なり、一般社団法人は官庁の認可が不要なため、法人としての信頼性が低いというデメリットがあります。

デメリット③余剰金の分配はできない
一般社団法人は、余剰金の分配を目的としない非営利団体です。設立時の条件として、余剰金の分配を目的としない法人格取得しているため、余剰金の分配は禁止されています。もしも余剰金の分配を目的としたい場合は、株式会社や合同会社などの設立を検討することができるでしょう。

まとめ

社団法人とは法人形態のひとつで、非営利団体のことです。事業利益を配当することは禁止されていますが、利益を構成員へ給与支払いすることができます。一般社団法人は、登記のみで簡単に設立することができるなど、数多くのメリットがあります。

社団法人は設立しやすい事業体のひとつですので、法人化を目指しているならひとつの方法として検討してみることができるでしょう。


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