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財団法人とは?「一般」と「公益」の違いなど設立前に知っておくべきこと

2020年4月27日
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サークルや町内会などの団体や組織が法人格を得たい場合は、人の集まりで成り立つ「社団法人」、もしくは財産の集まりで成り立つ「財団法人」から選ぶ必要があります。そして、それぞれ「一般」と「公益」の2つに大きく分類されています。この記事では、「財団法人」にスポットをあて、一般と公益の違いや特徴、設立方法などについて解説していきます。

財団法人とは?

財団法人とは、個人や団体から拠出された財産の集まりに対して、法人格が与えられた「非営利団体」のことです。拠出された財産を運用して利益を出すという仕組みになっています。したがって、設立時には、300万円の拠出金が必要となります。財産の集まりに対して法人格を与えるため、社員という概念ではなく、理事や評議員を置くことが求められています。

財団法人の具体的な例として、美術、芸術などの文化材の保護事業団体、ボランティアなどの福祉活動団体、スポーツの振興事業団体、奨学金事業団体、学校法人などが挙げられます。

そして、財団法人には「一般財団法人」と「公益社団法人」の2つに大きく分類されます。では、両者の違いについて詳しくみていきましょう。

「一般」財団法人とは?

一般財団法人とは、数ある法人類型の中のひとつで、2008年12月1日に施行された新公益法人制度「一般社団法人及び一般財団法人に関する法律」によって設立が認められるようになった法人です。この法律により、一定額以上の拠出金があれば、目的や制限など関係なく、誰でも一般財団法人を設立することができます。つまり、公益性を伴ない事業だとしても設立することができます。

一般財団法人は、営利を目的としない非営利団体なので、生じた利益を分配することはできません。しかし、給与や役員報酬として支払うことが可能です。なお、設立者が設立の際に拠出する財産の合計額300万円以上は、法人の資産状況を図る基準となっています。したがって、もし2事業連続で貸借対照表の純資産が300万円を下回った場合は、解散が命じられることになります。

一般社団法人との違い

一般財団法人と一般社団法人の大きな違いは、「基金制度」の有無です。一般社団法人は、株式会社のような資本金制度はありませんし、一般社団法人のように設立の際に300万円以上の拠出金は求められていません。つまり、一般社団法人はゼロ円でも設立が可能ですが、一般社団法人は300万円以上の財産がなければ設立することはできません。

株式会社との違い

株式会社の場合、設立者には残余財産や剰余金の分配を受ける権利が与えられていますが、一般社団法人にはそれらの権利は与えられていません。仮に定礎に利益分配の内容が盛り込んだとしても、定礎自体が無効になってしまいます。

また、株式会社は、第三者が経営状況を確認する株主による株主総会が定期的に開催されます。一方、一般社団法人には株主総会という機関自体が存在していません。その代わりに、経営陣の不適切や不透明な事業計画を確認するために、評議員会を設置することが義務付けられています。なお、評議員会は、最低3名以上の評議員で構成する必要があり、経営状況などを確認する権利を持っています。しかし、その役割上、理事や監事が兼務することは許されていません。

さらに利益の分配に関しても大きな違いがあります。株式会社の場合は利益が出ると、株主たちに配当金という形で利益を分配することができますが、財団法人は非営利法人です。そのため、利益の分配をすることはできません。とはいっても、一般財団法人も利益を追求しても問題にはなりません。

一般財団法人の税制

一般財団法人は公益性のない事業でも設立することができますが、収益を得る事業はすべて課税対象となっています。ただし、非営利事業を主な目的として事業を運営する「非営利型一般財団法人」の要件を満たしている場合は、非営利事業だとしても原則、非課税となります。

登記のみで設立が可能

法改正される前までは、財団法人を設立するためには、主務官庁から許可を得ることが必要でした。しかし、新制度により、登記のみで設立することが可能となりました。しかし、一般社団法人を設立するまでには、多くの手順を踏まなければいけません。ですから、設立を検討している場合は、事前にその流れを把握しておくことはとても大切です。なお、一般財団法人の登記は、次のようなステップで行わなければいけません。

ステップ1:設立者を決定する
設立者は、1人でも2人でも可能です。なお、設立者は、設立時に財産を拠出することが条件となっています。

ステップ2:設立者は、設立者の署名もしくは記名押印のある定礎を作成する
どのような一般財団法人にするか、どのような運営をするかなど、根本的な法人規則を定める「定礎」を作成する必要があります。定礎は、設立手続きをする上で欠かせないものですが、その後の運営や経営に大きな影響を与えるものです。ですから、形式だけにとらわたものではなく、目的や形態に合った実際的な内容の定礎そ作成することは大切です。

定礎には、法人の名称、所在地、事業目的、設立時の理事や評議員などの基本的情報も記載する必要があります。なお、理事と評議員は最低3名、監事は1名以上選任し、評議員会・理事会を設定すしなければいけません。

ステップ3:公証人の定礎の認証を受ける
定礎作成後は、公証役場で認証を受ける必要があります。定礎認証とは、公証人が定礎の内容を確認した上で、その内容が法に則した適切な内容であることを認証する手続きのことです。定礎認証を受けることで、定礎に効力が発生します。認証を受ける際、修正や訂正の指示が出ることもあります。その場合は、すぐに指示に従い、修正を行うようにしましょう。

ステップ4:設立者は定礎に記載されている拠出金(財産)を指定の銀行へ納付し、設立登記申請をする
定礎認証後、設立者は拠出金を振込ます。設立者を複数設定した場合は、全員が振り込む形になります。しかし、この段階ではまだ法人名義の口座がまだ開設されていないので、代表者を1人決めて個人口座に振り込むことになります。

ステップ5:理事および監事選任後、設立手続きが法定と定礎に沿ったものかを調査する
定礎で定められた理事、評議員、監事の調査が行われます。調査は、設立を申請している事務所の管轄地区の法務局で行われます。適切な手順で行われていれば、特に問題はないでしょう。

ステップ6:設立時の代表理事が登記登録を行う
調査が終了した日、もしくは設立者は予め定めた日から2週間以内に、登記申請を行います。登記申請を行った日が、法人設立の日になります。

ステップ7:各役所へ届出を提出する
登記事項証明書や印鑑証明書を取得し、それらを使って、税務署へ法人設立届けと提出し、年金事務所やハローワーク、労働基準監督署など各役所に届出を行います。

一般財団法人のメリットとは?

では、一般財団法人を設立することには、どのようなメリットがあるのでしょうか?

メリット①法人として認められる

一般財団法人を設立することで、法人として法的に認められることが最大のメリットになります。法的に認められるなら、団体の構成員個人ではなく、団体の名義で銀行口座の開設や不動産の登記などをすることができます。また、株式会社など他の団体とビジネスの取引をする際には、民法や商法における取引主体をして認められるので、取引をしやすくなる上、ビジネスの幅を広げやすくなることにもつながります。

仮にもし登記をしないで、銀行や不動産などの名義が団体の代表者や構成員個人の場合は、本人が死亡したときや、交代するときに名義をその都度書き換える手続きをしなければいけません。また、団体内部で争いが勃発した場合は、団体の財産なのか個人の財産なのか区別しにくくなり、問題がさらに複雑化する危険性も潜んでいます。法人として認められることで、このようなトラブルを回避することもできます。

メリット②取引がしやすくなる

一般財団法人を説明することで、登記をしている団体相手と明瞭な取引をしやすくなることもメリットして挙げられます。登記登録をしていない団体との取引は、代表者個人や構成員個人との取引なのか、それとも団体としての取引なのか分かりにくく、トラブルが起きやすくなっています。登記をしているなら、ビジネス取引もスムーズに行えるようになります。

「公益」財団法人とは?

公益財団法人とは、内閣総理大臣もしくは都道府県知事によって「公益認定」を受けている財団法人のことです。公益認定を受けるためには、「公益社団法人及び1公益財団法人に認定等に関する法律」に定められている23種類の事業分野に該当していることに加え、18の「公益認定基準」すべてを満たしている必要があります。

18の公益認定基準

18の公益認定基準をまとめると、次のようになります。

1、公益目的事業を行うことを主な目的とすること
公益目的事業比率が50%以上であること、また、不特定かつ多数の利益の増進に寄与する目的である必要があります。

2、公益目的事業を行うために必要な経理基礎と技術能力を有していること
費用および損失の額、もしくは収益の額が1億円以上の法人の場合は、公認会計士または税理士が監事を務めなければいけません。当該額が1億円未満の法人の場合は、営利または非営利法人の経理事務を5年以上従事した人が監事を務める必要があります。

3、事業を運営するにあたり、特別の利益を与えないこと
社員や評議員、理事、監事、使用人など法令で定めている当該法人の関係者に対して特別の利益を与えてはいけません。

4、寄附やその他の特別の利益を与える行為をしないこと
事業を運営するにあたり、株式会社などの営利事業を営む者や特定の個人や団体の利益を図る活動を行うものとして政令で定める人に対して、寄付や特別の利益を与えることは禁止されています。

5、公益法人の社会的信用にふさわしくない事業は行わないこと
投機的な取引や高利の融資などの事業で、社会的信用を維持できないものや、公の秩序・善良の風俗を害するおそれがあるものは公益法人として認められていません。

6、公的目的事業は、収入費用を超えないこと
行う公益目的事業は、当該公益目的事業に係る収入が、その実施に要する適正な費用を償う額を超えないと見込まれるものにする必要がありません。つまり、公益目的事業の損益の利益はゼロ、もしくは赤字でなければいけません。

仮に公益目的事業に利益が発生した場合は、公益目的使用の資産取得のために資金を繰り入れる、もしくは公益目的使用の資産取得に充てる、翌年度事業拡大を行うことによる同額損失となるよう計画を立てるなどの対応をする必要があります。

7、公益目的事業以外の収益事業を行う場合は、収益事業などを行って、公益目的事業の実施に支障を被ることがないようにすること

8、事業活動を行う際、公益目的事業比率が100分の50以上見込まれるものにすること

9、事業活動を行う際、遊休財産が法律に規定する制限を超えないと見込まれるものにすること

10、各理事に関しては、当該理事およびその配偶者、もしくは三親等内の神速である理事の合計数が、総数の3分の1を超えない人数にすること
監事に関しても同様ですが、監事の数が1名の場合は適用外となります。

11、他の同一の団体の理事又は使用人である者その他これに準ずる密接な関係あるものとして法令で定められている理事の総数が3分の1を超えないこと。
監事に関しても同様です。

12、会計監査人を置くこと

13、理事、監事および評議員の報酬に関して、支給の基準を定めておくこと

14、一般社団法人に関しては、次のすべてに該当するものであること
イ:社員の資格の得喪に関しては当該法人の目的に照らし合わせ、不当に差別的な取扱いをする条件その他の不当な条件をつけないこと

ロ:社員総会において行使できる議決権の数、議決権を行使できる事項、議決権の行使の条件その他の社員の議決権に関する定款の定めがある場合には、その定めが次のいずれかに該当しなければいけない

1、社員の議決権に関して、当該法人の目的に照らし、不当に差別的な取扱いをしていないこと
2、社員の議決権に関して、社員が当該法人に対して提供した金銭その他の価額に応じて異なる取り扱いを行わないこと

ハ:理事会を置いていること

15、他の団体の意思決定に関与することができる株式やその他の内閣府令で定める財産を保有していないこと

16、公益目的事業を行うために不可欠な特定の財産がある場合は、その旨やその維持、また処分の制限について、必要な事項を定礎で定めているものであるべきこと

17、法律に定める公益認定の取り消し処分を受けた場合、または合併によって法人が消滅するとき、公益目的取得財産残額がある場合は、これに相当する額がある場合、これに相当する額の財産を、当該公益認定の取消しの日もしくは当該合併の日から1ヵ月以内に、類似の事業を目的とする他の公益社団法人、もしくは次の団体に贈与する旨を定款に定めること

イ:学校法人
ロ:社会福祉法人
ハ:更生保護法人
二:独立行政法人
ホ:国立大学法人又は大学共同利用機関法人
へ:地方独立行政法人
ト:その他これらに準ずるものとして政令で定める法人

18、精算する場合、残余財産を類似の事業を目的とするほかの公益法人、もしくは17のイからトに該当する団体に帰属させる旨を定礎で定めること

公益財団法人の税制優遇のメリット

公益財団法人は、公益性のある事業を行うことが目的の場合のみ設立できるため、一般財団法人よりも公益性が求められています。しかし、その分、税制上の優遇措置が設けられています。具体的には、寄附に関しての税制優遇を受けられるのがメリットといえます。

民間企業等の法人から寄附を受けた場合は、寄付金の一部を損金として算入することが可能です。その結果、課税対象額が減少するため、それに伴い、課税額も減少します。個人からの寄附の場合は、寄付金の一部が所得金額から控除されたり、住民税も税額控除の対象となります。

まとめ

財団法人には、一般財団法人と公益財団法人の2種類あり、それぞれの違いやメリットとデメリットについてみてきました。一般財団法人には利益の追求が認められていますが、公益財団法人には公益性が求められている分、税制に優遇が受けられるメリットがあります。

財団法人の設立を検討している方は、両者の違いを理解した上で、どちらにするかを決定することができるでしょう。判断に悩んでいる方やアドバイスが欲しい方は、財団法人の設立に詳しい専門家である税理士に相談することもひとつの方法です。設立準備から各種申告業務の相談まで親身になってくれることでしょう。


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