【103万円の壁】2021年版・扶養控除の仕組みと条件 | 税理士コンシェルジュ

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【103万円の壁】2021年版・扶養控除の仕組みと条件  

2021年4月12日
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「103万円の壁」。多くの方が一度は聞いたことのある言葉でしょう。これは「扶養内」でパートやアルバイトとして働く方に大きく関係する収入の壁です。今回は最新の税制改正を踏まえた情報を解説します。

扶養控除の概要

扶養とは?

夫や妻、親などの「扶養内」でパートやアルバイトとして働く、とはどのような意味でしょうか?よく見聞きする「扶養内」で働くとは、「扶養控除」が受けられる範囲内の収入で働く、ということです。

税金の負担を軽くしたい方は、扶養内で働くための収入の壁についてしっかり理解しておく必要があります。扶養内で働けば、手取りの収入を増やすことができるでしょう。

2種類の扶養控除

扶養控除には、「税制上の扶養控除」と「社会保険上の扶養控除」の2種類あります。

【税制上の扶養控除】
税制上の扶養控除とは、所得税・住民税の控除、配偶者・配偶者特別控除に関することです。「103万円」「150万円」を上回ってしまうと、税制上の扶養控除の範囲外となります。

なお、税制上の扶養控除のボーダーラインとなる103万円、105万円とは手取の合計金額ではなく、総支給額のことです。

【社会保険上の扶養控除】
社会保険上の控除とは、健康保険や厚生年金などに関することです。「106万円」「130万円」を上回ってしまうと、社会保険上の扶養控除の範囲外となります。つまり、よく聞く「○○の壁」とは、税制上の扶養控除と社会保険上の扶養控除のことです。

税制上の扶養控除同様、106万円と130万円は、手取りの合計金額ではなく、総支給額のことを指します。では、これらの壁をひとつづつ確認していきましょう。

「103万円」「150万円」「106万円」「130万円」の4種類の壁

「103万円の壁」「150万円の壁」「106万円の壁」「130万円の壁」は、それぞれどのような壁なのでしょうか?

税制上の「103万円の壁」

年収が103万円を超えると、超えた額に応じて所得税と復興特別所得税が5~45%、住民税が約10%課税されます。つまり、パートやアルバイトで働いている場合、年収が103万円以内であれば所得税はかかりません。

また、学生など親の扶養家族になっている場合、年収が103万円以内であれば、扶養者つまり納税者の税金負担が軽減されます。これには親の扶養となっているフリーターも該当します。

このように所得税は、増えた所得に対して課税されるので手取りの額が減ることはありません。しかし、税制上の扶養控除ではありませんが、配偶者の勤務先から扶養手当が支給されている場合は注意が必要です。

なぜなら、扶養手当を支給する条件の中に、配偶者の収入が103万円以下であること、と規定していることもあるからです。その場合、年収が103万円以上だと扶養手当が支給されません。

ですから、扶養手当の支給額の合計と、103万円を超えた額を比較し、どちらが家族にとって収入が増えるのか判断しましょう。

所得が増えると、所得税だけでなく、住民税もそれに比例して増加します。住民税は自治体によって設定している額が異なりますが、年収が100万円近いと課税されるので気を付けましょう。

とはいっても、所得税ほど税額がアップしないので、住民税よりも所得税が課税される103万円を意識して働くことができるでしょう。なお、103万円という金額は、「基礎控除の48万円+給与所得控除の最低金額55万円」の合計額からきています。

税制上の「150万円の壁」

税制上の「150万円の壁」とは、「配偶者特別控除」が受けられる上限の額が150万円ということです。配偶者特別控除の満額は、38万円です。控除を満額受けるためには、納税者の所得が900万円以下であることと、配偶者の年収が150万円であること、の2つの要件を満たしている必要があります。

もしも納税者の所得が900万円以上、配偶者の年収が150万円以上の場合は、段階的に控除額が減っていく仕組みになっています。なお、納税者の所得の上限は1,000万円(収入1,195万円)、配偶者の年収は201万円以下となっています。

社会保険上の「106万円の壁」

社会保険加入義務の要件を満たしている事業所で、パートやアルバイトとして年収106万円以上ある場合は、社会保険への加入が義務付けられています。

なお、事業所が満たしている社会保険加入義務の要件とは、正社員数が501人以上、収入が1ヵ月88,000円以上、所定労働時間が週20時間以上、雇用期間が1年以上、学生以外、となっています。この要件を満たしている場合は、配偶者の扶養を外れ、自分の勤務先に保険料を支払わなければいけません。

社会保険上の「130万円の壁」

年収が130万円以上になると、配偶者や親の扶養の範囲外となりますよって、健康保険を自分で支払う必要があります。勤務先で社会保険加入の対象とならない場合は、個人で国民年金に加入し健康保険料を支払います。

一方、勤務先で社会保険加入の条件を満たしている場合は、社会保険に加入します。このように年収130万円を超えると扶養から外れ、自分で保険料を負担する必要が生じます。

各種手当と年収

年収103万円・106万円・130万円・150万円。年収とはそもそも何でしょうか?年収とは、勤務先から1年間に支払われた総賃金のことです。つまり、毎月の給与はもちろん、賞与や各種手当も年収に含まれます。

しかし、税制上の扶養控除と社会保険上の扶養控除では、年収の見方が異なります。どのようにでしょうか?

税制上の扶養における年収

税制上の扶養における年収には、交通費・通勤手当などは含まれません。なぜなら、税法上で交通費・通勤手当は所得対象外と定められているからです。ですから、年収の総支給額を計算する際には、交通費・通勤手当は差引いてください。

なお、差し引くことができる交通費・通勤手当は、非課税分のみです。通勤交通費の非課税制度では、次のように定められています。

・電車やバスなど公共交通機関を利用している場合、1ヶ月あたり15万円以内が非課税対象。
・自家用車や自転車を利用している場合は、通勤距離が片道2キロ以上ある場合は非課税対象。

参照:国税庁「マイカー・自転車通勤者の通勤手当」
参考記事:給与所得と給与収入の違いって何?意味や違いなどを分かりやすく解説!

社会保険上の扶養における年収

社会保険上の扶養における年収では、交通費・通勤手当も年収に含まれます。なぜなら、厚生年金保険法では、被保険者が事業主から労働の対価として受け取ったすべての報酬が年収に該当する、と定められているからです。よって、交通費・通勤手当だけでなく、住宅手当、家族手当など各種手当も年収に含まれます。

103万円・106万円・130万円・150万円どれが得?

では、どのような働き方が一番得なのでしょうか?それぞれ家庭の経済状況は異なるので、どれが得とは言うことはできません。なので、以下のポイントを参考にしながら、自分に適している働き方、つまり○○の壁を判断することができるでしょう。

・103万円の壁を超えると…
超えた分の所得に、所得税が課税されます。

・106万円の壁を超えると…
一定条件を満たしている場合は、社会保険の加入義務が発生します。

・130万円の壁を超えると…
親や配偶者の扶養から外れ、自分で社会保険に加入する義務が生じます。

・150万円の壁を超えると…
配偶者特別控除の額が段階的に減額されていきます。

103万円と106万円の違いは、一定条件を満たしている場合は社会保険への加入しなければならないことです。社会保険への加入は金銭的な負担を大きく感じるかもしれませんが、勤務先が半額負担してくれますし、長い目でみると将来受け取る年金額が増えるのでメリットと言えるかもしれません。

また、130万円の収入を超えて、扶養から外れるという働き方もあります。この場合、前述したように自分で国民年金と国民健康保険を支払わなければいけません。

なので、最低でも年収180万円以上ないと、家族の手取り額は減ってしまいます。年収180万円以内の場合は、収入130万円以内の扶養範囲内にしておいたほうが家族の手取りが増えると言えるでしょう。

2022年から実施!社会保険の加入対象者の対象範囲の変更

令和2年5月29日、「年金制度の機能強化のための国民年金法等の一部を改正する法律」が成立しました。法改正の趣旨は、今後の社会・経済の変化を年金制度に反映させ、長期化する高齢期の経済の基盤を充実を図ること、と厚生労働省は発表しています。

これにより年収106万円以上~130万円未満で働く場合の社会保険の加入の条件が変更されました。年収106万円以上で社会保険に加入できる現在の条件と2022年10月以降の条件は、以下の通りです。

【2021年現在】
1、週の労働時間、月の労働時間が勤務先の通常労働者の4分の3未満
2、勤務先の正社員数が500人以下
3、雇用期間の見込みが1年未満
4、週の所定労働時間が20時間未満
5、給与の月額が、88,000円未満

【2022年10月以降~】
1、週の労働時間、月の労働時間が勤務先の通常労働者の4分の3未満
2、勤務先の正社員数が100人以下
3、雇用期間の見込みが2ヶ月
4、週の所定労働時間が20時間未満
5、給与の月額が、88,000円未満

両者を比較すると、勤務先の従業員数と雇用期間の見込み期間に変更が加えられています。なお、2024年10月以降からは、勤務先の従業員が50人以下と変更されます。

法改正により、社会保険加入の対象範囲がかなり広くなりました。改正法施行後も社会保険上の扶養範囲内で働きたい方は、働き方を見直すことができるでしょう。

参照:厚生労働省「年金制度改正法(令和2年法律第40号)が成立しました」

扶養範囲内で働く方法

年収を扶養範囲内におさえたい場合は、まず家庭の収入状況を把握しましょう。その後、求人サイトで「扶養内可能」と記載している求人をチェックしましょう。

また、派遣会社に登録するのもひとつの方法です。派遣会社に前もって「扶養範囲内で働きたい」旨を伝えておけば、条件に合った仕事を見つけてくれます。派遣会社にもよりますが、福利厚生も充実しています。自分に合った働き方を見つけましょう。

まとめ

103万円、106万円、130万円、150万円の収入の壁を少しでも超えるなら、課税の対象になります。働き方によっては、家庭の収入合計額が減り、損しているかもしれません。また、2022年からは年金制度の改正により、社会保険の適用範囲が拡大します。

ですから、パートやアルバイトで働く場合は、103万円、106万円、130万円、150万円の収入の壁をしっかり理解し、家庭の経済状況に合った働き方をしましょう。


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