【勘定科目一覧】5つの要素と勘定科目のすべて | 税理士コンシェルジュ

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【勘定科目一覧】5つの要素と勘定科目のすべて

2020年4月1日
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勘定科目

会社を運営していくうえで、日々、様々な取引が発生するため、事業主や経理担当者は、会計処理をしなければいけません。日々の「記帳」で悩ませるのが、「勘定科目」です。大まかなことは理解していても、いざ会計処理をしていると、「どの科目に計上したらいいのか分からない・・」という経験を誰もが一度はしたことがあるのではないでしょうか?

今回は、会計処理をスムーズに行うために、勘定科目の種類と勘定科目を理解するうえで欠かせない5つの要素をご紹介します。

勘定科目とは?

勘定科目とは、事業を運営していくうえで発生する取引による収益と費用を記録するための項目の名称(表示名)です。取引による資産・負債・資本の増減、費用、収益などが分かりやすいように記録をしていきます。勘定科目を使って記帳することで、会社のお金がどのように動いているかを把握しやすくなります。

特に勘定科目は、決算書のひとつでもある貸借対照表や損益計算書などを作成する際に、勘定科目を使って仕分け作業をします。法律では、勘定科目の決め方に明確な規定は定められていませんが、各企業や利用している会計ソフトなどによっては、ルールや勘定科目が異なることがあります。

勘定科目が必要な理由

勘定科目を使って帳簿を記帳するなら、誰が記帳しても同じように分類でき、誰が帳簿をみてもすぐにお金の動きを理解することが可能となります。また、勘定科目に沿った会計管理をすることで、経営判断の材料とすることができます。

例えば、「何にどのくらいの費用を使ったか」「どの程度の利益が見込めるか」「無駄な費用はないか」などを容易に分かることができます。さらに、貸借対照表や損益計算書などの決算書類を作成する際に勘定科目を使って、自社の経費などのお金の動きを銀行や顧客、株主などの利害関係者に見せることも用途のひとつです。特に銀行の場合、企業が融資の申し入れを受け入れるかどうかを判断する基準ともなります。

税金などの計算をする際にも、勘定科目は必要です。確定申告の際には、消費税や事業税、固定資産税など様々な税金を「租税公課」という勘定科目を使って計上して会計処理を行います。

勘定科目は各企業で自由に設定することが可能

すでに冒頭で触れましたが、勘定科目は法律で定められていません。したがって、各企業で勘定科目を自由に設定したり、作ったりすることができます。適当な勘定科目がないときは、「雑費」という勘定科目で処理してしまいがちですが、あまりにも雑費が多いと分かりにくくなってしまうので、社内でルールを決めて新たな勘定科目を設定することが出来るでしょう。

また、勘定科目にはたくさんの種類が存在しています。以前働いていた企業で普通に使っていた勘定科目が、新しい会社にはないかもしれません。また、勘定科目名は同じでも、内容が異なっていることがあります。ですから、会計担当者は、社内で決めたルールに沿って、該当する勘定科目へ仕訳をするようにしましょう。

勘定科目の決め方のポイントと注意点

勘定科目の決め方には、厳格な法律の基準がありません。したがって、各企業の社内ルールや使用している会計ソフトなどのよって変わってきます。会計業務を効率よく行うために、新たに会計ソフトを導入したり、既存の会計ソフトから新しいものへと変更する際には、勘定科目を設定する必要があるでしょう。勘定科目は自由に設定することが可能ですが、注意すべきこともあります。

まず、勘定科目を設定する際には、誰がみても分かりやすいものを使うことがポイントです。青色申告決算書に記載されている一般的な勘定科目を使用するようにしましょう。

また、勘定科目は、担当者すべては同じものを連続して使う必要があります。一度選択した勘定科目は、企業会計原則にもとづく継続性の原則が適用されるため、いつも同じ勘定科目を連続使用することが義務付けられています。ただし、途中で業務形態が変更した場合は、勘定科目を変更することが例外として認められています。まとめると次のようになります。

・一般的に広く使われている勘定科目を設定する(青色申告決算書で記載されている勘定科目など)
・勘定科目は継続して使用する
・勘定科目の5つの分類に属する勘定科目を設定する

勘定科目を設定する際には、この3つの点に注意するようにしましょう。では、勘定科目の5つの種類について詳しくみていきましょう。

勘定科目の5つの要素

勘定科目は、大きく5つの要素に区分されています。どの勘定科目も、この5つの要素のいずれかに属しています。ですから、どの勘定科目に計上したらよいのか迷ったときは、まず5つの要素のどこに該当するかを考えましょう。

区分 勘定科目
資産 現金、預金、売掛金など
負債 借入金、未払金、預り金など
資本(純資産) 元入金(事業の最初に出資した費用)など
費用 必要経費(家賃、通信費、消耗品費など)
収益 売上や雑収入など

このように勘定科目は、資産、負債、資本、費用、収益の5つで大きく構成されています。そして、資産、負債、資本の3つで構成されている表が「貸借対照表」、費用と収益の2つで構成されている表が「損益計算書」です。なお、貸借対照表と損益計算書は、財務諸表のひとつであり、決算書類の一部となる重要な書類です。

貸借対照表(B/S)

貸借対照表は、ある時点において、会社の資産や権利をどのくらい保有しているかを把握することができる表となっています。つまり、貸借対照表をみるなら、一目で会社の財政状態を把握することが可能です。資産、負債、資本の3つの分野で構成されています。左側の借方に資産、右側の貸方に負債と資本が記録され、借方と貸方の合計は常に等しくなければいけません。

損益計算書(P/L)

損益計算書は、一定期間内に収益や費用がどれくらい発生したかが記されている表です。つまり、損益計算書をみることで、会社の経営成績や収益力を把握することが可能です。費用、収益に加え、純利益の3つで構成されています。表は上から売上、費用を記録し、最後に純利益が算出されます。

まず商品や製品の売上が「売上」という勘定科目を使って記録します。続いて、商品の仕入れや製品の製造に費やしたコストを「売上原価」という勘定科目で記録します。そして、最後に「売上」から「売上原価」を差引いて、どのくらいの利益が発生したか「売上純利益」という勘定科目で表したものが、損益計算書です。

「資産」の勘定科目

資産とは、企業が保有しているプラスの財産のことです。資産は「流動資産」「固定資産」「繰延資産」と3つに分類されています。貸借対照表の資産の部は、現金へ変わりやすいものを上から順番に記録していきます。具体的には、流動資産、固定資産、繰延資産という順番になります。

・流動資産
流動資産とは、取引で発生した資産の中で、現金に換えることができる資産のことです。

・固定資産
固定資産とは、取引で発生した資産の中で、1年以上経過しても現金に換えることができない資産のことです。そして、固定資産は、有形固定資産と無形固定資産の2つに分類されています。

・繰延資産
繰延資産とは、本来は支出した際に費用として計上すべきものですが、使用することも売ることも1年以上できないため、資産として繰り延べることができるものが該当します。

では、資産の勘定科目とひとつづつみていきましょう。

現金預金(流動資産)

勘定科目 概要
現金 硬貨、紙幣など日常的に使用する事業用のお金のことで、国内外の通貨が含まれます。また、金融機関で通貨へ換えることができる通貨代用証券も該当します。なお、通貨代用証券には、他人振出小切手、郵便為替証書、配当金領収書、配当金受取書、支払期日が到来した公社債の利礼などが含まれます。
普通預金 普通口座を使った取引を記録する勘定科目です。
当座預金 当座取引契約に基づき、小切手を使って無利息の預金を記録する勘定科目です。
定期預金 定期預金口座を使った取引を記録する勘定科目です。
現金過不足 現金の帳簿残高と実際の有高に差が発生した際に、一時的に記録する勘定科目です。
その他の預金 上記以外の預金で取引をした際に記録する勘定科目です。

売上債権(流動資産)

売上債権とは、企業が商品やサービスを販売や提供することで得た対価を、販売後、つまり、一定日後に支払われると約束をした金銭債権のことです。

勘定科目 概要
売掛金 営業取引をする上で発生した掛売上の債権を記録する勘定科目です。
受取手形 通常の取引で受け入れた約束手形や為替手形などの手形債権を記録する勘定科目です。商品の売上代金や売掛金などを手形で受け取ったときに、受取手形で計上します。また、先日付小切手も受取手形として記録します。
不渡手形 手形の満期日に、支払い元の資金不足などを理由に支払いが拒否された手形のことです。
貸倒引当金 決算期末の売上債権を時期以降に発生する貸倒見込み額を見積もって記録する勘定科目です。

棚卸資産(流動資産)

勘定科目 概要
商品 販売業などを営む企業が、販売をすることを目的として仕入れた物品のことです。
貯蔵品 期中に経費処理した消耗品の中で、決算時において未使用のものを計上するときに記録する勘定科目です。これには処分価値のある廃材も該当します。具体的には、切手、未使用の収入印紙、消耗品、事務用品、補助材料、発送材料などが含まれます。

その他の流動資産

勘定科目 概要
有価証券 株式、国債、公績、社債などが該当します。
前払金(前渡金) 商品や原材料などを仕入れ、外注加工などの際に代金の一部を前もって支払ったり、前もって代金を渡したときに記録する勘定科目です。
前払費用 一定の契約に基づき、継続して役務の提供を受けるとき、まだ提供されていない役務に対して支払いをしたときに記録する勘定科目です。
未収収益 一定の契約に基づき、継続して役務の提供を行うとき、すでに提供した役務に対しての支払いをまだ受けていないときに記録する勘定科目です。これには、受取家賃や期日末到来の受取利息などが該当します。
未収入金 営業目的以外の代金の未回収残高を計上するときに使う勘定科目です。これには固定資産売却代金や株式売却代金、税金の還付金などが該当します。
預け金 従業員や役員、取引先などに一時的に金銭を預かっているときに記録する勘定科目です。また、営業保証のために仕入先に対して差し入れる保証金を計上するときや、銀行以外に預金するときなどにも預け金で処理することがあります。
立替金 従業員や役員、取引先、子会社などに対して、一時的な金銭の立替をしたときに記録される勘定科目です。また、従業員が負担すべき社会保険料などを立替したときにも、立替金として処理されます。
仮払金 金額や使途が不確定のときに、金銭支払いを処理するために計上される勘定科目です。特に交通費や交際費などの換算支払いでよく使われています。例えば、交通費仮払い、社員仮払い、出張旅費仮払いなどが挙げられます。
仮払消費税等 消費税の課税事業者が使用する勘定科目です。課税仕入れにかかる消費税額を計上するときに使われます。また、税抜経理を採用する場合にも、仮払消費税等の勘定科目を使用します。

有形固定資産

勘定科目 概要
建物 事業を運営していく上で必要な所有している建物本体と、その付属設備を計上するための勘定科目です。これには事務所、店舗、工場、倉庫、社宅、車庫などの建物が対象となります。
建物附属設備 事業を運営していく上で所有している建物に付属している設備を計上するための勘定科目です。これにはエレベーター、電気設備、冷暖房設備、照明設備、給排水設備などが対象となります。
機械装置 事業を運営していく上で所有している機械、もしくは装置に付随している設備などを計上するための勘定科目です。こでには製造や製作用の機械や装置、コンベヤー、ブルドーザー、パワーショベルなどが対象となっています。
車両運搬具 事業を運営していく上で所有している自動車や、その他の陸上運搬車両を計上するときに使う勘定科目です。これには営業用車両、トラック、バス、オートバイ、クレーン車、フォークリフト、台車などが該当しています。
工具器具備品 事務所や工場などでモノを生産、もしくは製造するために所有している工具や器具、備品などを計上するときに使われる勘定科目です。なお、耐用年数が1年以上であることが要件となっています。これには机、椅子、応接セットパソコン、コピー機、プリンター、作業用具、容器、ドラム缶、店頭の棚、移動可能な看板、骨董品、観賞用の絵画などが該当しています。
土地 事業を運営していく上で所有、もしくは使用している土地を計上するときに使われる勘定科目です。これには事務所、店舗、社宅などの敷地や土地、資材置き場、来客用の駐車場、運動場、農場などが含まれます。なお、投資や販売目的で取得した土地は対象外となります。
一括償却資産 100,000円~200,000円未満の減価償却資産を一括、もしくは3年間にわたって償却するときに使われる勘定科目です。
建設仮勘定 事業を運営するために使用することを用途とし、建設、もしくは製作中の固定資産を計上するときに使われれる勘定科目です。
減価償却累計額 減価償却の会計処理を間接法で取引したときの、減価償却費の相手勘定科目として使います。

無形固定資産

勘定科目 概要
電話加入権 電話契約に基づき、加入電話の通信サービスを受ける権利を計上するために使われる勘定科目です。
工業所有権 特許権、実用新案権、意匠権などを計上するときに使われる勘定科目です。
ソフトウェア コンピューターのソフトウェアを購入したり、開発に関する支出を計上するときに使われる勘定科目です。

投資その他の資産

勘定科目 概要
長期前払費用 前払費用の中で決算日の翌日~1年を超える費用を前払いしたときに計上する勘定科目です。
敷金 事務所などを借りる際に差し入れる金銭などを計上するときに使われる勘定科目です。
差入保証金 契約期間の完全履行を保証するときに支払った金銭を計上するときに使われる勘定科目です。
預託金 預託先に金銭を預けた時に計上する勘定科目です。例えば、車両の破棄、クラブなどの退会など、預託後に一定の要件を満たした際に、金銭の一部、もしくは全額が無利息で戻ってくることです。

繰延資産

勘定科目 概要
創立費 会社を設立するために係った費用の中で、企業側が負担すべき費用のことです。これには定礎および諸規則作成のためにかかった費用、創立事務所の賃貸料、金融機関や証券会社との取扱手数料など会社を設立するにあたって事務でかかった費用が該当します。
開業費 開業開始までに支出した開業のための費用を計上する勘定科目です。これには、開業準備期間中に支払った貸借料、広告宣伝料、通信費、交通費、保険料、名刺の作成費用、などが該当します。

「負債」の勘定科目

負債とは、会社が保有するマイナスの財産のことです。貸借対照表の負債では、現金で支払うべき期限が迫っているものを上から順番に記録していきます。つまり、流動負債、固定負債、という順番になります。

勘定科目 概要
流動負債 取引で発生した負債の中で、1年以内に支払い期限がくる負債が該当します。
固定負債 取引で発生した負債の中で、1年以上経過してから支払い期限がくる負債が該当します。

流動負債

勘定科目 概要
買掛金 営業取引で発生した掛仕入の債務を計上するときに使われる勘定科目です。
支払手形 通常の取引の際、約束手形などの手形債務を計上するときに使われる勘定科目です。これには商品の仕入れ代金、買掛金の支払いのために振り出された約束手形などが該当します。
割引手形 支払期日前に手形を割引いたときに使われる勘定科目です。
裏書手形 買掛金の支払いなどをするために、裏書譲渡された手形を計上するときに使われる勘定科目です。
未払金 営業目的以外の代金を未払い処理として計上するときに使われる勘定科目です。これには、月締め一括払いや固定資産購入などの代金後払いなどが該当します。
未払費用 一定の契約に基づき、継続して役務の提供を受けている場合、すでに提供されている役務に対してまだ支払いが済んでいない額を計上するときに使われる勘定科目です。これには、期日未到来の支払い利息などが該当します。
前受金 得意先との通常取引で、営業取引に基づいて発生した商品や製品などの代金を前受したときに計上する勘定科目です。これには、手付金、内金、自社発行商品券の販売などが該当します。
預り金 従業員から一時的に預かっているお金のことです。このお金は後日、預かっている本人に直接返金する、もしくは第三者に支払われるため、預り金という勘定科目で計上します。これには従業員の毎月の給与から源泉徴収する所得税、住民税、社会保険料などに加え、顧問税理士や司法書士などの専門家に支払われる報酬金などがら徴収した源泉所得税などが該当します。
仮受金 取引先から一時的に金銭を受け入れたが、その取引内容が不明な場合、もしくは、取引内容が明確だとしても、最終的に受け取る金額が不確定の場合に使われる勘定科目です。
預かり保証金 契約内容に基づいて一定期間サービスや権利を提供するために受け取った金銭のことで、契約期間が終了したときに返金するときに使われる勘定科目です。これには、入札保証金預り金、営業保証金預り金、代理店契約保証金預り金などが該当しています。
未払消費税等 消費税、もしくは地方消費税の未納税額を計上するときに使われる勘定科目です。
借受消費税等 課税売上にかかる消費税額を計上するときに使われる勘定科目です。税抜経理を採用するときに使われます。
短期借入金 金銭消費貸借契約を結び、証書を提出して借り入れた金銭のことです。ただし、借入期限が1年以内に来る証書借入や手形借入などを計上するときに使われる勘定科目です。

固定負債

勘定科目 概要
長期借入金 金銭消費貸借契約書を結び、証書を提出して借り入れた金銭のことです。ただし、返済期限が決算後1年以内に来ないものを計上するときに使われる勘定科目です。これには、証書借入、手形借入金、借り換えなどが該当します。

「資本」の勘定科目

資本とは、株主によって出資された資金と、会社の事業で得た利益の両方を合わせた資産のことです。

勘定科目 概要
元入金 資産と負債の差額を調整するために使われる勘定科目です。元入金は、純資産とも言われており、個人事業主が対象として使用する勘定科目となっています。
資本金 会社設立時や株式購入時などに、株主によって払い込まれた資金を計上するための勘定科目です。法定資本の額を記録する、法人対象の勘定科目です。
資本準備金 株主から払い込まれた金銭の中で、資本金に計上しなかった時に使われる勘定科目です。こちらも株式がいる法人対象の勘定科目です。
利益準備金 余剰金の配当をする際、積み立てを行う時に計上する勘定科目です。こちらも株式がいる法人対象の勘定科目となっています。
繰越利益剰余金 当期に得た利益から、株主への配当や資金の積み立てなどを除いた金額と、前期から繰越されている利益を合算した利益を計上するときに使われる勘定科目です。

「費用」の勘定科目

損益計算書で使われる費用とは、事業をしていく上で発生したお金のことです。費用は、主に5つの分野に区分することができます。それは「売上原価」「販売費と一般管理費」「人件費」「営業外費用」「特別損失」の5つです。

勘定科目 概要
売上原価 商品を仕入れたり、製造したりする際に発生する費用のことです。
販売費と一般管理費 商品や製品などの販売をするときに発生する費用や、企業の業務管理で発生する費用などが含まれます。
人件費 企業が雇用する人に支払う費用のことです。
営業外費用 営業以外で経常的に発生する費用のことです。
特別損失 業務以外で臨時的、もしくは偶発的に発生する費用のことです。

では、費用の勘定科目とひとつづつみていきましょう。

売上原価

勘定科目 概要
仕入高 当期に販売目的で仕入れた商品やサービスなどを計上するときに使われる勘定科目です。
期首商品棚卸高 損益計算書を作成する上で、売上原価を計算するために使われる勘定科目です。期末に保有していた商品を、当期の売上原価から差し引いた金額のことです。
期末商品棚卸高 損益計算書を作成する上で、売上原価を計算するために使われる勘定科目です。期首に保有していた商品を、当期の売上原価にプラスした金額のことです。
仕入値引高 仕入れた商品の損傷などを理由とし、代金を値引きしたときに使われる勘定科目です。
仕入戻し高 仕入れた商品の品違いや損傷などを理由とした返品をしたときの金額を計上するときに使われる勘定科目です。
仕入割戻し高 一定期間に大量の取引をした仕入先から仕入代金の一部が返金されたときに使用する勘定科目です。仕入リベートとも言われています。
他勘定振替 販売以外に商品が減少したときに計上する勘定科目です。これには盗難、見本用商品、試用品用などが該当します。

販売費・一般管理費

勘定科目 概要
採用教育費 従業員の採用、教育訓練、資格取得などの費用を計上するときに使われる勘定科目です。これには研修への参加、教育用機器の購入、各資格取得のための費用などが含まれます。
外注費 会社業務の一部を外部へ委託したときの費用を計上するときに使われる勘定科目です。これにはマーケティング調査、デザイン設計、計算事務の委託などが該当します。
荷造運賃 商品や製品などをお客様や取引先まで届けるための諸費用を計上するときに使われる勘定科目です。これには、梱包費、包装材料費、運賃、配送、小包代、宅急便、発送運賃などが含まれます。
販売手数料 商品や製品の販売、もしくはサービスの提供に対して支払われる手数料や仲介手数料などを計上するときに使われる勘定科目です。
販売促進費 売上を増加させたり、促進させたりすることを目的として使われた支出費用を計上するときに使われる勘定科目です。これには、販売促進のための宣伝費、交際費などが含まれます。
広告宣伝費 不特定多数の人を対象に、商品や製品の広告などに使われた支出費用を計上するときに使われる勘定科目です。これには、雑誌掲載料、折込チラシ、看板、パンフレット、カタログ、カレンダー、会社案内などが含まれます。
水道光熱費 電気、ガス、水道料金などを支払ったときに計上する勘定科目です。
支払手数料 事務委託手数料や業務委託手数料などを計上するときに使われる勘定科目です。これには、書類作成手数料、代理店手数料、カード手数料、各種役所手数料、各種銀行手数料などが該当します。
賃借料 設備や資産などを賃借している場合に支払った際に使われる勘定科目です。これには、支払家賃、月締め駐車場、会場使用料などが該当します。
リース料 リース契約に基づいた金額を支払ったときに計上する勘定科目です。
消耗品費 短期間に消耗する物品を購入したときに計上する勘定科目です。固定資産にならない備品が消耗品に該当します。
事務用品費 日常的に使われる事務用品を購入したときに計上する勘定科目です。これには、ノートやボールペンなどの事務用品をはじめとし、OA用品、封筒、小切手帳、領収書、名刺などが該当します。
寄付金 贈与をしたときに計上する勘定科目です。寄附をした相手に対して、何かしらの給付を求めないことが条件となっています。これには国や地方公共団体への寄付などが含まれます。
交際費 得意先や仕入先などに対して、接待や贈答、慰安などをした際の支出を計上する勘定科目です。これには接待、お土産、贈答品、商品券、謝礼、取引先とのゴルフや親睦旅行、開店祝金などが含まれます。
会議費 会社の業務について社内、もしくは社外で行われる商談や打ち合わせなどに対しての支出を計上する勘定科目です。これには、会議室利用料、会議中の喫茶代や弁当代などが含まれます。
諸会費 同業者団体や地域団体の会費を計上するときに使われる勘定科目です。これには、法人会会費、社会保険協会会費、組合費などが該当します。
新聞図書費 業務上に必要な書籍や雑誌、新聞などを購入した費用を計上するときに使われる勘定科目です。これには、雑誌購読料、新聞購読料、年間購読料などが含まれます。
通信費 通信を利用するために使われた費用を計上するときに使われる勘定科目です。これには、電話料金、携帯電話、国際電話、インターネット利用料などに加え、切手代、はがき代、電報料金等の郵便関連費用も該当します。
車両費 車にかかる諸経費全般の支出を計上するときに使われる勘定科目です。これにはガソリン代、軽油、オイル交換、一時的な駐車料、高速料、車検費用、タイヤ交換などが含まれます。
旅費交通費 業務で必要となる旅費と交通費を計上するときに使われる勘定科目です。これには、各種公共交通機関の乗車料金、タクシー代、宿泊料、ガソリン代、出張手当などが該当します。
支払報酬料 社外の専門家に業務を委託した時に支払った費用を計上するときに使う勘定科目です。
修繕費 資産を維持するための補修にかかった費用を計上するときに使われる勘定科目です。これには、建物の修理、事務所の修理、車朱里、部品交換などが該当します。
租税公課 国もしくは地方公共団体が課す租税を支払ったときに使われる勘定科目です。これには、印紙税、登録免許税、自動車税、自動車所得税、加算税などが該当します。
保険料 保険契約に基づいた支払いをしたときに計上する勘定科目です。これには、火災保険、運送保険、自動車保険、役員生命保険、盗難保険などが該当します。
減価償却費 有形もしくは無形固定資産のいずれかが、時の経過とともに価値が減少する額を見積もり、費用として処理するときに使われる勘定科目です。
繰延資産償却 支出の効果が将来にまで及ぶ費用を処理するときに使われる勘定科目です。
貸倒損失 債務者が倒産などで債権を回収することが難しくなったり、不可能になったときに生じた損失を計上するときに使う勘定科目です。
貸倒引当金繰入額 決算期末時の売上債権で、時期以降に発生すると思われる貸倒見込み額を計上するときに使う勘定科目です。
雑費 金銭の額が小さく、どの勘定にも属さず、独立した勘定科目を設定するほどでもない費用を計上するときに使用する勘定科目です。

人件費

勘定科目 概要
役員報酬 定礎や株主総会などで定められている範囲内で、取締役などの役員に対して支払った報酬を計上するときに使われる勘定科目です。
役員賞与 役員に対して支払われた賞与を計上するときに使われる勘定科目です。毎月支払われる役員報酬とは別に区分して会計処理します。
給料手当 従業員に対して労働の対価として支払った金額を計上するときに使われる勘定科目です。これには、基本給をはじめとし、家族手当、住宅手当、時間外勤務手当、休日出勤手当、職務手当などの各種手当も含まれます。
賞与 従業員に対して支払われる臨時的に支給された賃金を計上するために使われる勘定科目です。
雑給 臨時雇用者に対して支払われる給与を計上するために使われる勘定科目です。これには、パートやアルバイトなどに支払う給与などが該当します。
退職金 従業員や役員などが退職する際に支払われた慰労金や退職年金を支払ったときに計上する勘定科目です。
法定福利費 法律で義務づけられている事業者側が負担すべき社会保険料を支払ったときに計上する勘定科目です。これには事業主負担分の健康保険料・厚生年金・厚生年金基金・雇用保険料、児童手当拠出金、労災保険などが該当します。
専従者給与 個人事業主の方でも青色申告をしている方が、青色事業専従者に給与を支払ったときに計上する勘定科目です。
福利厚生費 従業員の医療や保険、厚生施設、慰安などのために支出した費用を計上するために使われる勘定科目です。これには、健康診断などの医療費、社宅などの厚生費、制服代などが含まれます。

営業外費用

勘定科目 概要
支払利息 借入金に対して支払われる利息を計上するときに使われる勘定科目です。これには、金融機関などからの借入金利息、社債利息などが含まれます。
手形売却損 手形割引をしたときに差引かれる、手形の満期日までの利息相当額を計上するときに使われる勘定科目です。
雑損失 営業以外で発生する営業外費用の中で、金銭額が小さく、独立した勘定科目を設定するほどでもない費用を計上するときに使われる勘定科目です。これには、盗難による損失や現金過不足、損害賠償金などが該当します。
固定資産売却損 帳簿額を下回る価格で固定資産を売却したときに生じる差損を計上するときに使われる勘定科目です。これには、車両売却損、建物売却損、備品売却損、機械売却損、土地売買損などが該当します。
固定資産除却損 機械などの固定資産の利用をやめたり、破棄するなど除却したときの損失を計上するときに使われる勘定科目です。

特別損失

勘定科目 概要
投資有価証券売却損 投資有価証券売却損とは、投資目的で所有していた有価証券を売却したときに、売却する有価証券の帳簿価額を減額し、売却額との差額を計上するときに使われる勘定科目です。

「収益」の勘定科目

収益とは、事業で得た利益のことです。収益は3つの分野に区分することができます。それは「売上高」「営業外収益」「特別収益」の3つです。

勘定科目 概要
売上高 商品や製品を売り上げることで発生した利益のことです。
営業外収益 企業の営業活動以外で経常的に発生する収益のことです。
特別収益 企業の業務活動以外で臨時的、もしくは偶発的に発生する収益のことです。

売上高

勘定科目 概要
売上高 商品や製品の販売、もしくはサービスを提供するなど会社の事業によって得た収益を計上するときに使われる勘定科目です。
売上値引高 販売した商品や製品が、品違いや損傷などの理由で代金を値引きしたときに使われる勘定科目です。
売上割戻し高 一定の期間内に多額、もしくは大量の取引をした得意先に対して売上の一部を返金したときに使われる勘定科目です。

営業外収益

勘定科目 概要
受取利息 預貯金、貸付金などで発生した収益を計上するときに使われる勘定科目です。これには、普通預金や定期預金などの預貯金の利息、従業員や取引先などへの貸付金利息、国債や社債などの公社債の利息などが該当します。
仕入割引 買掛金を早期に支払ったときの代金に、割引額があったときに使われる勘定科目です。

特別収益

勘定科目 概要
雑収入 主たる営業活動以外で発生する営業外収益で、金額的に小さく、独立した勘定科目を設定するほどでもない収益を計上するときに使われる勘定科目です。これには、キャンセル料、ご祝儀の受取り、消費税の精算差額、ホームページの広告収入、アフェリエイト収入などが該当します。
貸倒引当金戻入額 前期に計上した貸倒引当金を戻し入れたときに計上する勘定科目です。
固定資産売却益 帳簿価額を上回る価格で固定資産を売却したときに生じた差益を計上する際に使用される勘定科目です。これには、車両売却益、建物売却益などが該当します。
家事消費等 商品を自宅で消費したときに使用する勘定科目です。

まとめ

勘定科目は、事業を運営していく上で理解しておくべき大切な会計知識のひとつです。勘定科目を一気に見てきましたが、すべて覚えるには膨大な数が存在しています。会計処理をしている際に、「どの勘定科目になるんだろう・・」と迷ってしまったときは、勘定科目はすべて、「資産」「負債」「資本」「費用」「収益」の5つのどこかに分類されることを思い出してください。そして、自社に合った適切な勘定科目を設定しましょう。


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