クラウド会計4つのメリット・2つのデメリット!おすすめの会計ソフトについてもわかりやすく解説!
クラウド会計システムを導入する際、多くの方が「どのクラウド会計ソフトを選ぶべきか知りたい」と考えているでしょう。
最近では、多くの事業者がクラウド会計を採用し、「経理業務にかかる時間やコストを削減できた」という成功事例も増えています。
しかし、ログインはしてみたけれど「結局使い方が分からず途中で挫折してしまった…」という方も少なくありません。
この記事では、クラウド会計のメリット・デメリットはもちろん、経理の経験の有無などを考慮して、おすすめのクラウド会計ソフトや選び方について解説します。
目次
クラウド会計のメリット・デメリット
まずは、クラウド会計のメリット・デメリットを解説します。
クラウド会計のメリット
クラウド会計のメリットは、大きく4つ挙げられます。
その1、クラウドにデータが保存される
クラウド会計を使うと、データやシステムはインターネット上に保存されます。これにより、会計事務所などとの「データ共有」を非常に簡単におこなうことが可能です。
また、特定のPCに依存しないため、経理担当者等が場所を問わずに作業をおこなうことができます。そのため、リモートワークを推進する事業者などにとっても、メリットが大きいでしょう。
さらに、万一、災害が発生した場合でも安心です。仮に会計用のPCが壊れたとしても、新しい機器を用意するだけで、すぐに業務を再開することができます。
これらの点は、大きなメリットといえるでしょう。
その2、銀行やクレジットカードと連携可能
メリットの2つ目は、銀行やクレジットカードと連携できる点です。
これらのデータを、適切な勘定科目と連携するように設定すると、銀行やカードの明細の取引が自動で仕訳されるので、手入力の必要がなくなり、業務の時間を大幅に短縮することが可能です。
一度学習した仕訳は、次から自動で反映されるようになりますが、間違えて学習してしまうと間違えたまま処理が進んでしまうため、最初の設定が肝心です。
その3、従業員の数に応じたプランを選択可能
クラウド会計には、「個人事業主向け」「小規模~中小企業向け」「中堅~上場向け」
といったようなそれぞれの事業者に応じて、さまざまなプランが用意されています。
従業員の人数に応じて機能と価格設定が細かくプランニングされているため、それぞれの事業者に合ったプランが選択しやすく、余分なコストを払わずに済みます。
その4、さまざまなデバイスで対応可能
クラウド会計は、特定のPCにインストールして使うものではなく、インターネット環境とログインID・パスワードがあれば、多くのPCやスマートフォンなどで使うことができます。
つまり、場所を選ばずに、いつでも、どこでも業務ができるのです。結果として、隙間時間を有効活用できたり、職場以外での業務が可能となったりするなど、より効率的に作業できます。
また、その他のメリットとしては、法改正等にもすぐに対応できる点があげられます。
クラウド会計のソフトは、サーバー側で一括管理されており、自動でアップデートされるので、常に最新の状態で使用することが可能です。
たとえば、2023年10月1日から開始されたインボイス制度においても、制度に対応した税区分が自動で設定されているなど、法や制度の改正があった場合にはスムーズな対応が期待できます。
クラウド会計のデメリット
次に、クラウド会計のデメリットについて解説します。
インターネット環境が必要
クラウド会計ソフトは、インターネット環境がある場所では、どこでも使えるというメリットがありますが、同時にそれは、インターネットがないと使えないというデメリットでもあります。
クラウド会計は、データの保存やデータ処理などをクラウドサーバー上でおこないます。インターネット環境がないと会計システムがまったく動かないため、ネット環境が不安定な場合などは、業務に大きな支障がでる可能性があります。
ランニングコストがかかる
クラウド会計は、その性質上「ソフトを購入する」必要がなく、「使用料を支払う」ことでソフトを使用することができます。
そのため、導入費用は抑えることができますが、その分、継続的に使用料を支払わなければなりません。
それに対し、インストール型の会計ソフトは、最新状態にアップデートするために保守料が必要なことがあるものの、基本的には買い切り型となっています。
クラウド会計ソフトについては、長期で使用していくと費用面で負担になる場合もあるので、導入費用とランニングコストの両面からシミュレーションすることが大切です。
ログイン情報等の管理が必要
前述のとおり、クラウド会計ソフトは、インターネット上でIDやパスワードを入力すれば、誰でもソフトを利用することが可能です。
そのため、IDとパスワードを第三者に漏らしてしまったり、忘れてしまうことのないように、管理を徹底する必要があります。
おすすめのクラウド会計2選
ここまでは、クラウド会計のメリット・デメリットについて解説してきました。
ここからは、各クラウド会計ソフトについて、選び方について説明します。
マネーフォワードクラウド会計
マネーフォワードクラウド会計をおすすめするのは、主に「経理業務の経験があるケース」や「経理以外のバックオフィスを効率化したいケース」です。
以下で詳しく解説します。
経理業務の経験がある人
「これまで経理業務をしてきた経験がある」「別の会計ソフトを使用した経験がある」という方や、そういった従業員がいる事業者は、マネーフォワードクラウド会計がおすすめです。
その理由としては、一般的な複式簿記の形式に沿って操作できるため、経理業務の経験がある人には使いやすい仕様となっているためです。
また、経理担当者にあった方法で、細かいところまで設定できるといったメリットもあります。そのため、マネーフォワードは税理士からの評価も高いので導入している事務所も増えています。
経理業務以外のバックオフィスを効率化したい人
マネーフォワードクラウド会計の特徴は、経理業務以外のバックオフィスの効率化にも力を入れている点です。
ほかのクラウド会計でも人事管理や勤怠管理、給与計算や請求書作成など、さまざまなバックオフィス業務のサポートがおこなわれていますが、マネーフォワードクラウドは、40を超える圧倒的なサービス数で企業のバックオフィスをサポートしています。
また、マネーフォワードクラウド会計が展開しているバックオフィスサービスは、従業員が50人前後の規模が大きい中小企業にも対応が可能です。
さらに、人材紹介サービスや債権の早期資金化を実現する「SHINKIN」というサービス、独自のAIチャットボットなど、あらゆる問題をテクノロジーの力で解決できる環境が整っています。
これらのマネーフォワードのサービスを正しく活用することで、これまで時間がかかっていた課題を効率的に解決することができるようになるでしょう。
経理業務初心者の人には不向きなこともある
「経理業務の経験がない人」にとっては、マネーフォワードクラウド会計は使いづらいと感じるかもしれません。
先ほど説明したように、マネーフォワードクラウド会計は、簿記や会計の専門用語が多く、会計業界に精通した人であればすぐに慣れることができるものの、経理経験や会計知識がない方にとってはハードルが高い面もあるでしょう。
そのため、「売掛金ってなに?」「総勘定元帳ってなに?」など会計の基本用語に不慣れな方は、後述するfreee会計をおすすめします。
クラウド会計ソフトfreee
次におすすめするのが、クラウド会計ソフトfreeeです。
クラウド会計ソフトfreeeをおすすめする方は、「経理経験や会計の知識があまりない人」「直感的な操作で経理業務をおこないたい人」です。
ここでは、その理由についてわかりやすく解説します。
経理経験や会計の知識があまりない人
クラウド会計ソフトfreeeをおすすめする人は、経理初心者の方です。
クラウド会計ソフトfreeeは、貸方・借方などの「会計の専門用語」があまりでてきません。そのため、経理に不慣れな方でも安心して業務をおこなうことができます。ただし、経理に不慣れな方が使う事で会計データに誤りが多くなった結果、freeeを敬遠する税理士事務所がいるのも事実です。
直感的な操作で経理業務をおこないたい人
クラウド会計ソフトfreeeは、各勘定科目に説明が入っていたり、収入と支出を入れるだけで複式簿記の仕訳が入力されたりと、比較的直感的な操作が可能です。
またfreeeの一部のプランでは、税務調査の税理士立会費用を一定額保障してくれるサポートもあるなど、いざという時も安心のサービスを提供しています。
仕訳の入力に慣れている場合は使いづらいこともある
一方で、経理経験がある方にとっては、一つ一つの丁寧な説明が煩わしいと感じたり、かえってわかりにくいと感じる場面もあるでしょう。
そのため、ある程度経理の経験のある場合は、マネーフォワードクラウド会計をおすすめします。
クラウド会計に関するQ&A
クラウド会計の業界シェアは?
クラウド会計の業界シェアについては、各会計ソフトのベンダー(サービスの提供をおこなう事業者)等から公式な数値は発表されていないようですが、一般的には、「freee」「マネーフォワード」「弥生会計」の3社を利用している事業者が多いといえるでしょう。
使い方などの情報も各サイトで豊富に提供されているため、クラウド会計に迷った場合は上記の3社から選択するとよいでしょう。
クラウド会計の導入費用はいくらですか?
クラウド会計の導入費用は、基本的にありません。
一部のソフトで10,000円〜20,000円かかる場合がありますが、上記の「マネーフォワードクラウド会計」「クラウド会計ソフトfreee」「弥生会計オンライン」では初期費用はかかりません。
どれがいいか決めかねている方は、上記3社は1ヶ月無料で使えるので、同時に使ってみてご自分が使いやすいと感じたものを有料化するのもいいかもしれません。
まとめ
この記事では、「クラウド会計のメリット・デメリット」や「おすすめのクラウド会計ソフト」について説明しました。
クラウド会計は日々進化を続けていますから、上手に活用することで業務の効率化を図ることができ、業務時間の短縮等をすすめることができます。
適切な会計ソフトの選定は、会計業務の効率化やその他のバックオフィス業務にも影響するため、専門家の意見等もふまえて、慎重に検討をおこなうことが大切でしょう。
※注:税理士にクラウド会計について相談されたい方は、税理士コンシェルジュの『厳選税理士紹介サービス』をご利用ください。実績1万件以上!面談済み税理士1000名の中からピッタリの税理士を無料でご紹介いたします。
株式会社タックスコム:代表取締役
会計の実務経験を活かし、これまで1000名以上の税理士と面談を行い、相談実績は1万件を超える。2017年に執筆した書籍「税理士に顧問料を払う本当の理由」は、出版から半年にわたりAmazonカテゴリ「税理士」で1位を獲得。2021年に実施した日本コンシューマーリサーチの調査では、税理士紹介サービスで顧客満足No.1を獲得。
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