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債務超過と赤字の違いとは?債務超過に陥る4つの原因と3つ解消方法

2020年5月6日
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債務超過とは、会社が抱えている負債総額が資産総額よりも多い状態のことです。債務超過が続くと会社の信頼に大きく影響を及ぼすことに加え、倒産リスクの可能性が高くなります。つまり、経営する上では、最も避けるべき状態のひとつです。もし自社が債務超過になってしまったら、素早く手を打つことが重要です。

この記事では経営者であれば知っておくべき債務超過の基礎知識や、債務超過を解消するためにできる実際的な方法について詳しく解説していきます。

債務超過とは?

債務超過とは、その名前の通り、債務が超過している状態、つまり、会社の負債総額が資産総額よりも多い状態を意味します。すべての資産を手放しても債務を返済することができないため、倒産してしまうリスクがとても高い状態のことです。この状態を身近な例えで言いかえると、借金が自分の財産よりも多くなってしまい、すべての財産を換金しても借金が返済できない状態のことです。

債務の意味と債務超過

債務超過をしっかり理解するためには、「債務」という言葉の意味を理解しておくべきです。債務や債権などの「債」という字には、借りたものや貸したものという意味を持っています。つまり、債務とは借りたものを返す義務がある、ことを意味しています。借りたものを返す義務があるという状態は、いわゆる借金があることです。しかし、借金が会社の全資産を超過してしまい、全財産を処分しても借金が残ってしまう状態のことを「債務超過」といいます。

債務超過と赤字の違いとは?

「債務超過と赤字は同じなのでは?」と思われる方もいるかもしれません。確かに債務超過と赤字は、性質的には似ている部分もありますが、異なる状態を意味しています。すでに先述したように、債務超過とは借りたお金や財産に関する事柄ですが、それに対して赤字とは一定期間、入ってくるお金よりも費用の方が多い状態のことです。

会計用語では、赤字とは利益がマイナス状態になっていること、という意味で捉えています。したがって、赤字状態だとしても、会社に現金があれば支払いができるためすぐに倒産する心配はありません。しかし、長期間にわたって赤字状態が続く場合は、融資を受けられなくなってしまい倒産のリスクもでてきます。

また、財務諸表(決算書)上でも、赤字は「損益計算書」、債務超過は貸借対照表」と分けて記載することからも、両者は全く異なる状態を意味していることが分かります。

債務超過と資金ショートの違いとは?

債務超過と資金ショートも似ている言葉のひとつです。両者ともお金のやりくりが厳しい状態ですが、意味は異なっています。資金ショートとは、借金をするというよりも、その時に支払うためのお金がない状態を意味しています。そのため、資金ショートを起こすと、銀行との取引が停止されるなど借入ができなくなるため、「即倒産」に追い込まれてしまいます。

一方、債務超過は、財政が赤字続きであったとしてもお金を借りて会社を存続させることができるため、資金ショートほど厳しい状況には陥っていません。資金繰りを上手に行い、決められた額を返済していれば、債務超過だとしても資金ショートを回避することは可能です。しかし、いつかは倒産に追い込まれる「倒産リスク」はあります。

債務超過に陥る主な4つの原因

倒産危機をもたらす債務超過には様々な理由が考えられますが、その中でも継続的な赤字、資金繰りの悪化、投資の失敗などが主な理由として挙げられます。では、これら主な理由について詳しくみてみましょう。

原因その①継続的な赤字

先述したように、赤字状態だとしても必ずしも債務超過になるというわけではありません。余力のある財務状況であれば、一度の赤字はすぐに取り戻すことができるでしょう。しかし、収益がなくて出費だけがかさむ、という赤字状態が継続すると、いつかは債務超過になる可能性があります。赤字がすぐに債務超過へとつながるのではありませんが、借金が必要となるほど赤字状態が継続して続くなら債務超過の原因となります。

原因その②資金繰りの悪化や失敗

資金繰りの悪化や失敗も、債務超過の原因のひとつです。例えば、取引先からの入金が絶えてしまい、お金が入ってこない状態が長く続く場合は、入金してもらえばすぐに黒字になる状態だとしても債務超過になる可能性があります。もし取引先が入金をしないで倒産してしまった場合は、債務超過になるリスクはさらに高まります。

原因その③投資の失敗

高いお金を出して設備投資をしたのに収益が思ったほど伸びなかった場合も、債務超過になる可能性があります。特に投資をするために融資を受けるなど借金をした場合は、債務超過になるリスクが高まります。

原因その④会社を設立したばかりで純資産額が少ない

設立したばかりの新しい会社の場合、債務超過になりやすい傾向にあります。なぜなら、設立した当初はどうしても純資産額が少ない上、会社設立するための設備投資などの出費が多いため、純資産を上回りやすい状況だからです。純資産の中から出費を抑えることができれば問題ありませんが、資金をどこからかか調達して支払う状況が続けば負債は増える一方です。

また、法改正により、現在は1円の資本金から会社設立が可能なため、債務超過に陥る企業が増えています。設立したばかりの会社は銀行から融資を受けることが難しい状態であることも債務超過に陥りやすい環境をつくっています。ですから、起業を検討している方は、設立したばかりの会社は債務超過に陥りやすいリスクがあることを理解しておくことは大切です。

債務超過を解消するためにできる3つのこと

債務超過は、必ずしも倒産に結びつくわけではありません。債務超過を解消するために、事業の立て直し図ったり、利益を増やしたりするなどして債務超過を解消することも可能です。では、債務超過を解消するためにできる具体的な3つの方法をご紹介しましょう。

方法その①増資する

増資とは、会社の資本金を増やすことです。資本が増強されれば、財務状況はよくなります。代表者個人の資産から追加出資することもできますし、第三者による出資を受けて株主になってもらうことも資本金を増やす方法のひとつです。資本金が増えて純資産のマイナスが解消されれば、銀行も融資の再検討をしてくれますし、取引先との信頼関係を取り戻すことにもつながります。

しかし、増資して債務超過を解消しても、根本的な赤字続きの状態が継続しているのであれば、また債務超過に逆戻りしてしまう危険性があります。

方法その②債務と会社の株を交換(DES)する

DESとは「Debt(債務)」「 Equity(株式)「Swap交換)」の略で、債務と会社の株を交換することです。債権者は、現金ではなく会社の株で債権を回収することになります。つまり、負債が株式になるため、債務超過が解消されます。債権者にとっては貸出金の一部を失うことになりますが、株の配当金を受け取ったり、会社の業績が好転すれば株の価値が上がり、売却することで利益を得るなどのメリットもあります。

方法その③利益を生み出す企業へと再生する

利益を生み出す仕組みを作ることができれば、債務超過は時間の経過とともに解消できます。貸借対照表上では、純資産の部に利益は計上されます。利益を継続して出していけば純資産が大きくなり、資産が負債を上回ることになります。利益を生み出す仕組みを自分たちで作り出すことが難しいなら、弁護士やコンサルティングなどのサポートを受けることもひとつの方法です。

まとめ

債務超過とは、企業の負債総額が資産総額を上回る状態のことであり、赤字や資金ショートとは異なります。すぐに倒産するわけではありませんが、倒産リスクはあります。債務超過に陥っているなら、直ちに解消するための策を打ちましょう。


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