10万円給付申請もできるマイナポータルとは?マイナポータルの機能と注意点
2017年1月より運用が開始されているマイナポータルは、日本政府が運営しているオンラインサービスです。このサービスが導入されたことにより、便利できめ細かい行政のサービスが提供されています。今回は、マイナポータルの機能でできることや注意点など知っておくと便利な基本的な知識についてご紹介します。
目次
マイナポータルとは?
マイナポータルは、日本政府が国民に提供するオンラインサービスとして、2017年1月より運用が開始されています。別名「情報提供等記録開示システム」とも呼ばれているこのサービスには、パソコンやスマートフォンから自分の個人番号に関する情報をアクセスすることができます。マイナポータルは、特にマイナンバー(社会保障・税番号制度)と密接に関係しており、公的な個人情報を取り扱っています。
マイナポータルには、次の3つの目的があります。それは①個人と行政を紐づけることで行政の効率化、②国民の利便性の向上、③公平で公正な社会の実現を目指すことです。例えば、マイナポータルにより子育てや介護などの社会保障の手続きをする際の添付書類が削除され、お知らせサービスを通じて情報を取得できるなど、国民の利便性の向上を目指して利用されています。
自分の特定個人情報が適切に管理されているかの確認も可能!
マイナポータルでは、自分のマイナンバーをはじめとした個人情報が、適切に管理されているかどうかを確認することも可能です。具体的には、いつ、誰が、どのような目的でアクセスしたかを確認できます。自治体が保有している自分の個人番号に関する履歴を閲覧して管理状況を確認することに加え、行政機関が実施しているサービスの透明化にもつながります。
マイナポータルでできる具体的なサービスとは?
マイナポータルにログインすると、次のようなサービスを受けることができます。
・情報提供等記録表示(やりとり履歴)
自分の個人情報が閲覧した人・履歴・理由など情報提供ネットワークシステムを通じた住民の情報のやりとりの履歴を確認できる
・自己情報表示(あなたの情報)
行政機関などがもっている自分の特定個人情報の内容を確認できる
・公金決済サービス
マイナポータルのお知らせを利用して、ネットバンキング(ペイジー)やクレジットカードを使っての公金決済ができる
・子育てワンストップサービス
地方公共団体の子育てに関するサービスの検索やオンラインによる申請ができる
・民間送達サービスとの連携
行政機関や民間企業などからのお知らせなどを民間の送達サービスを使って受けとることができる
・お知らせ
行政機関などから個人に充てられたお知らせを確認できる
・もっとつながる(外部サイト連携)
外部サイトを登録すると、マイナポータルを通して外部サイトへのログインすることができる
マイナポータルを利用するには「マイナンバーカード」が必要!
マイナポータルは、パソコンやタブレット、スマートフォンなどを利用するサービスです。これらの電子機器を持っていない場合でも、公的機関の端末を利用してアクセスすることが可能です。番号法附則第6条第5項では、「どのような年齢層でも使いやすいシステムであること」「身体的ハンディを考慮し、代理人でも利用できるシステムであること」と定められています。
また、マイナポータルのサービスを利用した「なりすまし」などの悪用される危険性を防ぐために、セキュリティ面で力を入れています。したがって、マイナンバーを直接入力するログイン方法では本人確認ができないうえ、プライバシー保護のリスクも高いため、利用証明用電子証明書が搭載されている「マイナンバーカード」が必要となります。
パソコンを利用してアクセスする場合
パソコンを利用してマイナポータルを利用する場合は、マイナンバーカードを読み取るICカードリーダーライターもしくはスマートフォンが必要です。ICカードリーダーライターは、公的個人認証サービスポータルサイトに対応している製品を選ぶ必要があります。スマートフォンをパソコンに連携させた利用することも可能です。スマートフォンもすべての製品が公的個人認証サービスサイトに対応しているわけではないので、確認されることをおすすめします。
スマートフォンを利用してアクセスする場合
また別の方法としては、スマートフォンのみでアクセスすることも可能です。ただし、スマートフォンにNFC機能が搭載されているものしか対応していません。2020年4月現在、公的個人認証サービスサイトに対応しているスマートフォンは、iOS 13.1以上がインストールされたiPhone 7以降のiPhoneと、国内で販売されたAndroidスマートフォン全124機種となっています。
10万円給付の申請がマイナポータルでも可能!
新型コロナウイルス感染症拡大に伴い政府が決定した緊急経済対策のひとつに、国民全員に一律10万円を支給する「特別定額給付金」があります。自治体によってはすでに申請と給付が始まっています。自治体によって申請方法は若干異なりますが、主に「郵送」とマイナンバーカードを利用した「マイナポータル」でのオンラインで申請手続きをすることができます。
先述したようにマイナポータルでは、ログイン時のセキュリティ対策のため通常のログイン方法とは違い、個人認証を必要としてるため、マイナンバーカードを持っていることが前提となっています。つまり、マイナンバーカードを持っていない場合は、オンライン申請をすることはできないので注意してください。
今後マイナポータルで予定されているサービス
現時点のマイナポータルは、個人利用のために使われている傾向がありますが、将来的には人事総務部などの労務管理をしている部署までサービスを展開する予定になっています。
健康保険証との連携サービス
現在健康保険組合から発行されている健康保険証は、2021年3月からマイナンバーカードを健康保険証として利用できる予定となっています。健康保険証とマイナンバーカードを連携させることで、健康保険証が顔写真入りとなり、本人確認の強化にもつながります。
また、オンライン上で保険資格の変更を確認することができるので、転職や退職など健康保険の手続きが発生したときでも、医療機関での診察を継続して行えるようになります。さらに本人が同意すれば、服薬履歴や特定健診情報などの医療情報を閲覧することも可能となります。このサービスにより、医療機関同士でも情報を閲覧できるため、診療の質の向上が期待されています。
現時点では、マイナポータル上で確定申告の医療費控除を申請することはできませんが、健康保険証と医療情報が連携されることで、医療費控除もマイナポータル上で申請できる日も近いと言われており、今後ますますマイナポータルサービスが充実していく予定となっています。
年末調整申告書との連携サービス
すでに2020年4月から特定の法人は、年末調整の手続きを電子申請で行うことが義務付けられています。紙面でさまざまな控除の証明書を提出していた年末調整は、マイナポータルにログインし、WEB上で一括受取、申告書の作成、提出などのすべての手続きがWEB上で完結することが可能となります。このサービスにより、年末調整作業の担当者にとっては、証明書紛失や再発行などの手間や時間などの大幅な削減につながるため、業務全体の効率化にもつながります。
また、年末調整申告書や控除証明書はの紙類を一定期間保管する必要がありましたが、電子申請化になることで経費の削減にもつながります。現在は特定法人のみが電子申請が義務化されていますが、今後、年末調整手続きの取り組みは拡大する予定となっています。
まとめ
マイナポータルは、すでに本格的な運用が開始されている政府が運営しているオンラインサービスです。現在でもさまざまサービスを提供していますが、利便性向上のために改善も行われています。今後は健康保険証など医療との連携サービスや年末調整申告書との連携サービスなど、マイナポータルが利用できる範囲がさらに拡大する予定です。
企業は電子申請に対応するための準備を検討することができるでしょう。また、まだ利用証明用電子証明書が搭載されているマイナンバーカードを持っていない方は、この機会にマイナンバーカードを取得することができるでしょう。
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