移動平均法とは?総平均法との違いや計算方法など分かりやすく解説
売上原価を求める手法のひとつに「移動平均法」があります。棚卸し資産の評価額を計算する手法として使われています。この記事では、移動平均法の基礎知識や、「総平均法」との違いなどについて分かりやすく解説していきます。
移動平均法とは?
移動平均法とは、棚卸資産の評価方法のひとつです。棚卸し資産である商品の受入時点における平均単価を算出して売上原価とし、期末における棚卸資産の評価額として取り扱うための計算法のことです。商品や材料、仕掛品などの在庫の総数を示す棚卸資産の利益額を求めることはとても重要です。
なぜなら、棚卸資産の評価額を把握することで、売上から評価額を引くことで会社の利益額を求めることができからです。しかし、棚卸資産は期末に評価すれば良いというものではありません。常に把握できていることが理想的と言えるでしょう。
例えば、商品の仕入れ単価が上がるなら、同じ量の在庫だとしても棚卸資産の評価額は上がります。その際、同じ値段で商品を販売するなら変利益額は減少しますが、その反対に値段をあげて販売するなら利益を生み出すことができます。このように移動平均法で棚卸し資産の評価額を常に把握することで、適切な経営判断を行うことができ、結果として会社の利益へとつながるのです。
移動平均法の計算方法
移動平均法における移動平均単価は、受入前の棚卸資産の残高金額に今回の受入金額を合計した金額を、受入前の棚卸資産の数量に今回の受入数量を合計した数量を割って算出します。つまり、「(受入前棚卸資産の評価額 + 今回受入金額) ÷ (受入前棚卸資産数量 + 今回受入数) =移動平均単価」という計算式になります。
移動平均法と総平均法の違いとは?
移動平均法と総平均法は、どちらも平均原価法のひとつです。平均原価法とは、原価全体を在庫の個数で除して平均を算出し、ひとつに対しての原価を求める計算法です。その中のひとつである移動平均法は、上記で先述したように、棚卸資産の受入れしたとき、つまり、仕入れを行うたびに計算を行う手法です。
一方、総平均法は、ある一定期間をまとめて計算する手法のことです。移動平均法も総平均法も平均原価方法なので、原価の平均を算出して棚卸資産の評価額とするという目的は同じですが、計算を行う回数の頻度の違いがあります。つまり、両者の違いは、計算を行う回数が違うということです。
まとめ
移動平均法は、棚卸資産の評価額を把握するために活用されている計算方法のひとつです。移動平均法の計算は、簿記の基礎とも言われています。経営者や経理担当者などは、移動平均法の計算方法についてしっかり理解しておくようにしましょう。
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