ピッチの意味とは?プレゼンとの違いやビジネスでの具体的な使い方
近年よく耳にする「ピッチ」。みなさんは「ピッチ」の意味を説明できますか?ビジネスシーンで使われているピッチとは、主にIT業界などで使われている短いプレゼンテーションのことを意味しています。
今回は、ビジネスシーンのコミュニケーションで欠かすことができない用語「ピッチ」について詳しく解説していきます。
目次
ピッチとは?
「ピッチ」という言葉は、飲み会などでペース配分をあげるときに「ピッチが早い」、また通行人にお店の「売り込み」をすることも「ピッチ」と呼んでいます。また、野球でボールを投げる選手のことはピッチャーとも言われ、ピッチを語源としています。
このように「ピッチ」という言葉には、さまざま意味があります。では、ビジネスシーンで使われる「ピッチ」には、どのような意味があるのでしょうか?
ビジネスシーンでのピッチの意味とは?
ピッチという言葉は、英語の「pitch(ピッチ)」を元にしています。これには投げる・設定する・調整する・強引な売り込み・音の調子などさまざま意味があります。そして、ビジネスシーンでは、プレゼンテーションの短いようなもの、としてピッチが使われています。
なお、英語の「pitch(ピッチ)」の語源は、中世英語で突き刺すを意味する「picchen」を由来としています。ビジネスシーンのピッチには、突き刺すような鋭さも求められています。
シリコンバレー発祥の言葉「ピッチ」
「ピッチ」という言葉は、IT業界の中心地として知られている、アメリカカリフォルニア州サンフランシスコのシリコンバレーを発祥としています。シリコンバレーでは、創業や新規ビジネスの立ち上げを目指す学生やビジネスパーソンなどの人材を中心に、日々新しいアイデアや技術、ビジネスが誕生しています。
このような環境にあるシリコンバレーでは、創業や起業の立ち上げに向けて、多くのプレゼンが繰り広げられています。その際、学生やビジネスパーソンたちが、投資家の心を掴むために、「ピッチ」と呼ばれる「短いプレゼンテーション」を行い、自分のビジネスアイデアを伝えています。
そして、投資家の心を掴むことができた人だけが、資金調達をすることができ、新しい製品やサービスなどが世の中へ提供されていきます。このようにビジネスシーンでのピッチとは、投資家などにごく短い時間でプレゼンテーションをすることを意味しています。
ピッチで重要なこととは?
ピッチは、短い時間の中で、不特定多数の人を相手にプレゼンテーションをすることです。対象相手は、その分野に関して全く知識がない人もいることを想定し、分かりやすいことはもちろん、心を動かすようプレゼンテーションをしなければいけません。
そのためには、難しい専門用語を使うことは控え、アイデアの実際的な可能性を提案し、相手に共感してもらう工夫をする必要があります。
ピッチで話すべき内容とは?
では、ピッチでは具体的に何をプレゼンテーションすればよいのでしょうか?一般的に望ましいと言われている、ピッチで話すべき順番についてみていきましょう。
1、何の問題を解決したいのか
2、解決策となるサービスの内容は何か
3、現状と将来の市場規模はどれくらいか
4、どのようなチームが行うか
5、今後の計画は何か
シリコンバレーでは、上記の5つの項目を30秒~3分程度で伝えるケースもあるようです。日本でも、ピッチのシーンやコンテストなどがありますが、簡潔な内容と短さに特化したものがよいとされています。
ですから、ピッチに許されている時間内で、投資家の心を掴むように、上記の5つの項目を順番通りに簡潔に話していくなら成功することでしょう。
プレゼンテーションとは?
通称プレゼンとも言われるビジネスシーンの「プレゼンテーション」とは、製品やサービスなどの説明や提案、報告などを時間をかけて詳しく行うことです。英語「presentation(プレゼンテーション)」の意味には、表現や提示という意味があります。
また、presentation(プレゼンテーション)の語源は、私たちがよく知っている言葉「present(プレゼント)」です。つまり、情報を贈る、もしくは与えるなどの意味があります。
ピッチとプレゼンテーションの違いとは?
ピッチとプレゼンテーションでは、主に「対象の相手」「時間」「内容」という違いがあります。プレゼンテーションの場合は対象の相手は多数おり、時間をかけて、内容を詳しく説明します。
例えばメーカーの場合、実際のプレゼンテーションでは、提案したい製品について、数ページから数十ページの資料を準備し、顧客を相手にじっくり説明していきます。プレゼンテーションの内容にもよりますが、顧客の立場になり、分かりやすい事例などを加えながら、相手が理解し、契約などの行動へと動かすことを目的としています。
一方、ピッチもプレゼンテーションの同様、サービスの提案や内容を説明するという点では共通しています。しかし、プレゼンテーションとは違い、少数の相手を対象に、ごく短い時間で行います。
つまり、短時間で自分のアイデアを相手に売り込むことが求められています。実際に行われているピッチでは、専門知識のない投資家などを相手に、一般的で分かりやすい言葉を使ってアピールします。そして、最終的には、投資家の心を掴み、資金やサポートを得ることを目的としています。
「エレベーターピッチ」とは?
ビジネスシーンで使われる「ピッチ」という言葉から、近年「エレベーターピッチ」という言葉が誕生しました。エレベーターピッチとは、エレベーターに乗っているくらいの短い時間でプレゼンする手法、つまり、先述した「ピッチ」と同じ意味を持つ言葉です。
しかし、エレベーターピッチの場合、エレベーターという名前が付いていることから、エレベーターで移動する15~30秒ほどの短い時間でのピッチとなります。30秒という短い時間で話せる内容は、およそ250文字程度と言われています。初対面の相手にアイデアやサービスの魅力を簡潔に伝えなければいけません。
ピッチには練習が不可欠!
決められた短時間で、アイデアやサービスの魅力を分かりやすい言葉で簡潔に述べ、相手の心を動かすことは容易ではありません。ピッチを成功させるためには、練習することが必要不可欠です。そのためにはまず何を伝えたいのか、その意図を明確にしましょう。
そして、相手の側に立ち、相手の心を動かすための仕掛けを考えてください。最後の完結として、自分の目的や意図が、相手が得たいものとつながるような内容の結論を述べます。これらを念頭におきながら、上記の5つの項目を盛り込みましょう。
まとめ
ピッチとは、自分や自社のアイデアや提案などを、ごく短い時間で、分かりやすく簡潔に伝えることです。対象相手は投資家などですから、専門用語ではなく、一般的な言葉を用いる必要があります。そして、投資家から資金調達をすることが最終目的となります。
一方、プレゼンテーションは、顧客など多数の相手を対象に、時間をかけて詳しく説明や提案をすることです。両者には「対象の相手」「時間」「内容」という違いがあります。
両者の意味の違いを理解したうえで、ビジネスシーンでのコミュニケーションを行いましょう。また日頃からピッチの練習をしておくなら、いざというときに相手を説得させることができるでしょう。
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