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【業務効率化の鍵】DX(デジタルトランスフォーメーション)とは?経理業務の効率化について経営者向けにわかりやすく解説!

2024年7月11日
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新型コロナウイルスの拡大をきっかけに、デジタル化の必要性がますます高まっています。

多くの企業がコスト削減を目指してデジタル化を進めていますが、新しい概念である「DX(デジタルトランスフォーメーション)」については、まだよく理解していない方も多いでしょう。

この記事では、経理業務の視点からDX化について詳しく解説します。経理業務の効率化やDX化に悩んでいる方は、この記事を参考に自社のDX化の第一歩を踏み出してください。

DXとは?

従来、「IT化」によって自社内の特定のプロセスなどのデジタル化、効率化が推進されてきました。

これに対し「DX(デジタルトランスフォーメーション)」は、IT技術により会社全体や社外の取引先なども巻き込んだ、ビジネスモデルそのものの変革を目指します。

生産性向上を目的としてデジタル化を進め、自社製品やサービスなどの変革、新たな価値を想像することがDXの目的です。

経理におけるDXとメリット

ここまでの解説で、DXとは自社の主製品やサービスに変革をもたらし、売上の向上につながるものというイメージを持たれる方が多いかもしれません。

一方、経理は企業のなかではバックオフィス部門であるため、経理のDX化は何をするのか想像がつきにくい方もいるでしょう。

以下に、経理におけるDXについて解説します。

経理におけるDXとは?

経理におけるDXは、ペーパーレス化が基本です。

従来、経理業務においては請求書や領収書、伝票などの紙書類の業務が中心でした。さらに作成した書類に業務担当や承認作業で、それぞれが押印するなど、アナログな仕事をしていました。
そのため、経理DXではできるだけ紙をなくし、資料を電子化することが最初の目標となります。

経理におけるDXのメリット

経理においてDXを推進することで、以下のようなメリットが生まれます。

  • 経営意思決定の迅速化
  • 業務効率化
  • コスト削減
  • 業務精度の向上
  • 企業価値の向上

経理のDX化は、コスト削減や業務効率化だけではなく、上記のメリットが達成されることにより、経理部門の人材に余力を生じさせることが可能です。

その結果、経理レベルが向上し、最新の会計情報を経営判断に活かすことができるなど「企業価値の向上」も期待できます。これこそが、経理DXの真の目的といえるでしょう。

経理DXの必要性

とはいえ、経理が企業価値の向上につながる前に、以下に挙げるような目下の課題を企業は抱えています。

まずはその課題の解決が、DX達成の第一歩となります。

労働力不足への対応

経理のDXによって、効果が目に見えやすいのが業務効率化です。

経理は企業の利益には直接貢献しないバックオフィス部門のため、どうしてもコストカットの対象になりやすく、労働力も不足しがちです。

劣悪な環境では、経理担当一人あたりの業務量は増え続けることから、求められる業務レベルも必然的に高くなります。

このような理由からDXによって業務効率化が達成された場合、一人あたりの処理のキャパシティが増え労働力不足の解消につながります。

労働の可視化

DXによって、労働が可視化されることもポイントです。

経理は簿記などの知識はもちろん、毎年改正される法律や税務にも精通していることが求められます。

そのぶん仕事が優れたスキルのある人に集中し、業務がブラックボックス化しがちです。

そのため、DXでドキュメントの管理ツールを利用することにより、マニュアルや業務ノウハウを共有して業務が一社員に偏らない配慮が大切です。

働き方改革の実現

経理DXは、昨今重要視される働き方改革にもつながります。

DXは、リモートワークやフレックスタイム制など社員に直接関わる働き方の変革にもつながるため、重要な役割を担っています。

総務省の調査においても、デジタル化によって働き方が大きく変わっていることがわかります。

出典:総務省「「働き方改革」とデジタル化

経理DXの進め方

経理DXはツールを導入して終わりではなく、順を追って進める必要があります。特に、既存データの移行やセキュリティ対策などは、実務での影響も考慮し、社員と一緒に進めることが重要です。

現状の業務分析

経理業務のDXは、業務の棚卸から始めます。

たとえば、毎月の定例業務は以下のように細分化します。

  1. 預金・資金繰り管理
  2. 販売管理(売掛金管理)、請求書発行
  3. 仕入管理(買掛金管理)
  4. 経費精算・振込業務
  5. 仕訳処理
  6. 月次決算・経営者報告資料作成

このなかで、たとえば「1.預金・資金繰り管理」であれば、インターネットバンキングの導入で通帳記帳などの手間を削減でき、リモート化も可能です。

「5.仕訳処理」は、クラウド会計ソフトの導入で出社することなくリモートでの処理も可能になります。

このように、まずは経理業務を細分化し、どの業務を効率化したいのかを検討しましょう。

導入システムの検討

経理DXの肝は、システム関連の構築です。

経理として導入できるデジタルシステムには、以下のようなものがあります。

  • 会計ソフト
  • 経費精算ソフト
  • クラウドストレージ
  • 請求書・契約書電子化ツール
  • ERPソフト

ただ漠然とシステムを導入するだけでは経理DXはうまく機能しないため、各システムの連携も重要です。

たとえば、せっかくクラウド対応の会計ソフトを使っていても、経費精算や請求書が紙ベースのままではあまり意味がありません。

「請求書から売上として自動的に会計に取り込まれる」「ネットバンクと連携して自動で預金の仕訳が計上される」など、業務効率化を踏まえてDXを推進したほうが効果的です。

業務分析をおこない、それぞれの業務の課題に対応するシステムを適切に導入することによって、よりDXが効率的に進みます。

社員教育の実施

DXにおいては、社員の意識変革が必須です。

特にICTリテラシーの低い層においては、以下の図にもあるように、デジタル活用に対して否定的な意見が多くなります。

経理DXを進めるためには、業務効率化やそれによる働き方改革の実現など、従業員にも直接メリットがあることを提示しつつ社員教育を実施することが効果的です。

出典:総務省「デジタル活用に対する期待

運用体制の構築

システム関連や関連業務を整えるのと並行して、社内の運用体制の構築も必要です。

一般的には経理部門長かデジタルに詳しい人材が経理DXを推進する形になりますが、DXは人事や法務などの他部署を巻き込んで進める場合もあります。

そのためトップダウンで進めるのか、IT専門部署に任せるのか、部門ごとに進めるのかなど、会社の規模や風土で判断するとよいでしょう。

経理DXの注意点

経理DXには多くのメリットがある反面、次のような注意点もあります。実務に影響するため、導入前に確認しておきましょう。

導入コスト

これまでペーパーでおこなってきた業務をデジタル化すると、ソフトウェアの新規導入や改修、また社員教育の面でもコストが発生します。

会計ソフトの入れ替えなどが発生する場合は、過去データの移行などシステム以外の部分でも社員工数が発生することを視野に入れ、計画的に導入をおこないましょう。

なお、コスト対策のひとつとして「人材開発支援助成金」や「DX投資促進税制」などの制度があります。

高度デジタル人材育成のための教育やシステム導入に利用できる可能性がありますので、導入の際には活用を考えましょう。

セキュリティ対策

DXにあたっては、ITツールの多用や、リモートワークなどで社外からネットワークを利用することが想定されます。
これまでは社内で完結していたセキュリティ対策も、今後はさまざまなネットワーク環境を想定して対策をおこなわなければなりません。

そのためには、従業員一人ひとりのセキュリティ意識を上げる必要がありますので、勉強会などを開催してセキュリティへの意識付けをおこなうことが大切です。

さらに、VPNなどによる安全なネットワーク環境の構築も、セキュリティ対策の一環となります。

社員の勤労意欲対策

経理DXによって効率化が達成されると、社員一人あたりの業務範囲が広がるため、なかにはそれを負担に感じる社員もいるのが現状です。

このようなケースでは、DXに対応する人材となることによって社員自身の市場価値が上がることを意識付けることが大切です。

実務への影響

デジタルツールを導入したものの、完全なペーパーレス化には至らず、紙の資料とデータが共存している状態という企業も少なくありません。

たとえば、社内では請求書の受領をデジタルで統一していても、取引先がそれに応じず、紙で発行しているケースもあります。

DXは、本来は取引先も巻き込んでデジタル化を推進する必要があるので、取引先との交渉もしっかりとおこないましょう。

ほかにも、電子帳簿保存法の基準を満たす帳簿の保存方法について、社内で浸透させる必要があります。特に、経費精算は全社員が関わることなので、領収書などの証憑のスキャン方法や原本の保管などについて、社内ルールを定めておきましょう。

属人化の防止

DXに伴うリモートワーク化の弊害として、社内での気軽なコミュニケーションが少なくなり、業務知識の属人化が進むことがあります。

特に経理業務においては、会計処理や法改正など知識を使う仕事が多いため、業務知識を共有できない状態は望ましくありません。

DXには「業務の自動化」や「ツール、資料の共有化」「業務の可視化」なども含まれるため、事前に情報共有の方法を定めておきましょう。

まとめ

この記事では、DX化について「経理業務」の視点から解説しました。

経理DXの導入前に、DXによって何を達成したいかを明確にしておく必要があります。また、業務効率化や働き方改革を進め、経理DXによって経理部門全体のレベルを上げることが重要です。

経理部門のレベルアップや、最新の会計情報を経営判断に活かすことによる「企業価値の向上」を目指し、経理DXを進めていきましょう。

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