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「電子帳簿保存法」と「IT導入補助金2023」の活用方法!申請方法やスケジュールについてもわかりやすく解説!

2023年8月4日
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電子帳簿保存法により、電子取引データは「電子データでの保存」が義務化されます。

義務化がスタートする2024年1月に向けて、これらの対応をすすめてはいるものの、ソフトの導入などにより資金面で不安を抱える事業者の方もいるのではないでしょうか。

「電子帳簿保存法に対応したいから、新しい会計ソフトを導入したい」「でも、会計ソフトの購入は資金的に心配だ」このような場合は、IT導入補助金を活用するのも一つの有効な手段となります。

この記事では、電子帳簿保存法とIT導入補助金の概要、申請の流れや注意点等について、わかりやすく解説します。

【2024年義務化】電子帳簿保存法とは?

電子帳簿保存法とは、会計帳簿や書類を電子データで保存することを容認し、かつ一部について義務とする法律です。

電子帳簿保存のうち、電子取引データの保存は、2024年1月から電子データでの保存が義務づけられます。

電子帳簿保存法の対象となる事業者は?

原則として、すべての法人および個人事業主が、電子帳簿保存法を守らなければなりません。

電子帳簿保存は3種類

電子帳簿保存法では、保存方法が3種類に分類されています。それは、「電子帳簿等保存」「スキャナ保存」「電子取引データの保存」です。

電子帳簿等保存は、パソコン等で作成した帳簿や書類を、紙に出力せず、電子データで保存する方法です。仕訳帳、総勘定元帳などの帳簿、損益計算書、貸借対照表などの決算書類等が対象です。

スキャナ保存は、紙の書類をスキャナーで読み込み、画像として保存する方法です。請求書・領収書・レシート・契約書など、紙で受け取ったものを、画像データに変換して保管します。

電子取引データの保存は、電子取引した書類を、電子データのまま保存します。

メールに添付して授受した請求書、ECサイトからダウンロードした領収書など、紙の介在なくデータだけでやり取りしたものをデータで保存します。

2024年に義務化されるのは電子取引データの保存

2024年1月から義務化されるのは、電子取引データの保存です。紙媒体を使わずに電子取引したときは、電子データのまま保存することが義務づけられます。

なお、電子取引データは単に保存しておくだけでは足りず、適切な保存方法をとる必要があります。

原則として、改ざん防止措置とデータの検索機能を備えていることが、電子帳簿保存法に定められた保存要件です。(ただし、一定の経過措置があります)

改ざん防止措置の例としては、タイムスタンプの付与、修正履歴が残る(または修正自体ができない)システム、取扱規程の作成等が挙げられます。

また、データの検索機能とは、日付、金額、取引先等により、目的の帳簿や書類を検索できることをいいます。

電子帳簿保存法に活用できるITツール例

ITツールとは、ソフトウェア・オプション・サービス・ハードウェア等を指します。

電子帳簿保存法に活用できるITツールは、会計ソフト、会計関連のクラウドサービスなどです。申請する枠によっては、PCなどのハードウェアも補助対象となります。

【2023年新制度】IT導入補助金とは?

IT導入補助金とは、中小企業や個人事業主が、DX化や業務効率化等をすすめるため、ITツールを導入したときに申請できるものです。

IT導入補助金の種類

IT導入補助金は、ITツール導入の目的や補助対象企業の規模によって、通常枠・デジタル化基盤推進枠・セキュリティ対策推進枠の3つに分けられています。

通常枠 A類型
B類型
デジタル化基盤導入枠 商流一括インボイス対応類型
デジタル化基盤導入類型
複数者連携IT導入類型
セキュリティ対策推進枠

電子帳簿保存に使える枠は?

IT導入補助金のうち電子帳簿保存に関連するものは、主に通常枠またはデジタル化基盤導入枠が考えられます。

通常枠では、ITツールとして、会計ソフトやクラウドサービス等の購入費用が対象とされます。

デジタル化基盤推進枠では、会計ソフト・クラウドサービス等に加え、それらを機能させるためのパソコンやタブレット等ハードウェアの購入費用も含まれます。

また、ソフト導入のコンサルティング費用や保守費用も補助対象です。

使いやすくなったIT導入補助金2023

2023年度は、補助金の下限額の引下げや撤廃などの変更がありました。主な変更点は、次のとおりです。

  • 通常枠A類型の補助額の下限が5万円に引き下げられた
  • デジタル化基盤導入類型の会計ソフト等の補助額の下限が撤廃された
  • クラウドサービス利用料が最大2年分となった

下限額の引き下げや撤廃がされたことで、導入したITツールが安価な場合でも、補助金の対象となりました。また、補助対象のクラウド利用料が最大2年分に延長され、より活用しやすくなったといえます。

IT導入補助金を申請できる事業者は?

IT導入補助金の申請ができるのは、日本国内で法人登記されている法人、または日本国内で事業を営む個人事業主です。

資本金または出資金の額、従業員数が一定以下であることが要件です。この要件は、業種によって異なります。下表は、一部の業種の例(抜粋)です。

業 種 資本金または出資金 常勤従業員数
  製造業、建設業、運輸業 3億円 300人
  卸売業 1億円 100人
 サービス業(ソフトウェア業、情報処理サービス業、旅館業を除く) 5,000万円 100人
  小売業 5,000万円 50人

引用:IT導入補助金とは(IT導入補助金2023)

詳しくは、こちらのサイトの「補助対象者」をご覧ください。

なお、上記の要件に該当していても、株式(または出資金)の2分の1以上を大企業が所有している場合や、3分の2以上を複数の大企業が所有している場合等は、IT導入補助金の対象外です。

IT導入補助金を活用して電子帳簿保存に対応

電子帳簿保存をすすめるため、IT導入補助金を申請する手順について説明します。

IT導入補助金申請の流れ

IT導入補助金は、ITベンダー・サービス事業者と連携して、手続きを進めます。
詳細は、下図をご確認ください。

引用:新規申請・手続フロー(IT導入補助金後期事務局)

IT導入補助金についての理解

まず、IT導入補助金2023のサイトや公募要領を読み、IT導入補助金の制度について理解を深めます。

ITツール、IT導入支援事業者を選ぶ

まずは導入したいITツールを検討し、そのITツールの提供者がIT導入支援事業者なのかを確認します。

IT導入支援事業者とは、IT導入補助金事務局に登録認定を受けた事業者のことです。ITツールの選定、説明など、各種のサポートをおこないます。

なお、IT導入補助金は、かならずIT導入支援事業者と共同して手続きを進めます。企業だけでは申請手続きはできません。

また、補助の対象となるITツールは、IT導入支援事業者が事務局に登録しているものに限定されるため注意が必要です

gBIZIDを取得しみらデジ経営チェックを受ける

申請に先立ち、gBIZIDプライムを取得する必要があります。gBIZIDプライムは、IT導入補助金の申請に必要なアカウントで、GビズID(デジタル庁のサイト)で取得できます。

なお、申請から取得までおおむね2週間ほどかかるため、早めの申請をこころがけましょう。

次に、gBIZIDを使ってみらデジのサイトで「みらデジ経営チェック」を受けます。みらデジ経営チェックを受けていることが、IT導入補助金の申請要件のひとつです。


引用:みらデジ経営チェック(みらデジ)
最後に、独立行政法人情報処理推進機構(IPA)のサイトで、SECURITY ACTION宣言をおこないます。

交付申請

IT導入支援事業者と共同で、IT導入補助金の交付申請をします。IT導入支援事業者から招待された「申請マイページ」に必要事項を記入し、納税証明書等の必要書類を添付のうえ、送信します。

なお、必要書類の詳細は以下のとおりです。

発注・契約・支払い等

IT導入補助金事務局から交付決定通知が届いた後、発注・契約・支払い等をおこないます。

なお、交付決定通知が届く前に発注等をしてしまうと補助金がおりないため、充分に注意してください

事業実績報告

発注・契約・納品・支払い等が終わったら、IT導入支援事業者と共同して、事業実績報告をします。
事業報告には、発注書・契約書・領収書などの添付が必要です。

申請時の注意点

IT導入補助金では、パソコンなどのハードウェアだけを購入しても補助対象にならないため、注意が必要です

ソフトウェア等のITツールを導入し、それを動かすものとして、PC等のハードウェアを購入する必要があります。

IT導入補助金Q&A

Q1 電子帳簿保存法に対応するために購入した「会計ソフト」はIT導入補助金の対象になりますか?

A1 会計ソフトは、IT導入補助金の対象になります。「会計・財務・経営」の分野で労働生産性の向上や効率化が見込まれるためです。

ただし、IT導入補助金の対象となるのは、IT導入支援事業者が選定し、事務局に登録した会計ソフトに限られます。

Q2 補助金が給付されてからPCを購入することは可能でしょうか?

A1 補助金の給付後にPCを購入することはできません。PCを購入するのは、IT導入補助金の交付決定通知が届いた後です。

交付決定・購入・支給申請・入金という流れとなるため、交付決定通知を受けた後、いったん事業者が自分で支払いをする必要があります。

まとめ

電子帳簿保存法に対応するには、会計ソフトやクラウドサービスなどのITツールが必要な場合があります。

IT導入補助金は、「事業のDX化」や「業務効率化」のためのITツール導入を支援する補助金であるため、電子帳簿保存法に対応する際にうまく活用するとよいでしょう。

なお、デジタル基盤導入枠は、ITツールだけでなく、それを使用するためのPC等の購入費用も補助が受けられます。

ただし、IT導入補助金の申請は、手続きの流れを把握することがとても重要です。順序を誤ると補助の対象にならないことがあるため、注意しましょう

電子帳簿保存法への対応をすすめている事業者の方は、IT導入補助金の対象や手続きのポイントを押さえたうえで、検討をすすめるのをおすすめします。

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