税理士へのクラウド会計導入相談で、誠実さがわかる!?
「クラウド化」、「クラウド会計」等、クラウドという言葉がビジネスシーンで使われるようになりました。しかし、まだ浸透しているとはいえません。
そもそもクラウドとはクラウドコンピューティングの略称です。その由来にはいくつかの説がありますが、インターネットのイメージを雲としたことからその名がついたという説が有力です。
この、「クラウド」について顧問税理士に相談したら、どのような反応がかえってくるでしょうか? その反応や顧問税理士の考えから、信頼できるビジネスパートナーであるか否かが掴めるかもしれません。
目次
会社における「クラウド」とは
会社におけるクラウドとは、クラウド会計をイメージされる方が多いのではないでしょうか。例えば、給与管理等が典型的な例です。申告業務等との連携も進んでいるので、よくニュースでも取り上げられています。
参考記事:「mf(マネーフォワード)クラウド経費」が選ばれている理由と6つのメリット
また、勤怠管理等にクラウドシステムを用いている会社もあるでしょう。例えば、新型コロナウイルス拡大により、多くの企業に広まったリモートワークにおいては、勤怠管理をクラウド上でできるということは、大きな助けとなったことでしょう。
いずれにせよ、限定されたパソコンではなく、どこからでも業務を進められることが大きなメリットです。また、管理における様々な内容を一括で管理し、必要に応じてアウトプットできることが、業務の効率化に繋がっています。
例えば、インターネットにアクセスをして入力を行うため、各人のパソコンの中にデータを置いていく必要がありません。そのためパソコンの容量を圧迫しない、どこからでもログインし作業ができる、といったメリットがあります。
しかし、クラウドサービスの利用には一定のパソコン、インターネットの知識が必要であることから導入が進んでいないという現状もあります。
「クラウド会計を導入したい」といったときの税理士の反応
例えば、「クラウド会計といっても、自分の会社の場合は一体何から手をつければいいのか・・・」という経営者の方も少なくありません。
とはいえ、報道等で「クラウド会計」という言葉を度々目にしたり、同業他社や知り合いの経営者の方がクラウド会計を導入し、効率的に業務を進めているのを知った場合、自社でも導入したいと思うのは当然のことでしょう。
そこで、顧問税理士に「わが社でも、クラウド会計を導入したいのですが、どうでしょう」といった場合、どのような反応が返ってくるでしょう。
そもそも「以前から顧問税理士にクラウド会計の導入を薦められていた」という場合は、歓迎され、その導入に尽力してくれることでしょう。
そうでない場合も、顧問税理士にパソコンやインターネットに対するアレルギーのようなものがないのであれば、顧客の要望に応えるべく、クラウド会計の導入に積極的に協力してくれるでしょう。
では、クラウド会計導入の相談に、あまり積極的ではない顧問税理士は、パソコンやインターネットに詳しくないのでしょうか? あるいは、顧客に対する心配りが足りないのでしょうか?
クラウド会計導入に対して、税理士の腰が重い場合
「クラウド会計を導入したい」といったときの、顧問税理士の反応が芳しくない場合、いくつかの背景が考えられます。
例えば、顧問税理士自身がパソコンやインターネットに関して自信がないという場合があります。しかし、そのために顧客の要望に応えようとしなかったり、顧客の事業運営が円滑になることを妨げるということは、顧問税理士としての姿勢が疑わしいともいえます。
こうしたことをきっかけに、小さな不信感が芽生え、最終的には顧問税理士の変更を考える経営者の方も少なくありません。どれぐらい自分の希望や考えに真摯に向き合ってくれるかということを図る際に、クラウド会計の導入という相談は1つの試金石になるでしょう。
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しかし、こうした場合ばかりではありません。「クラウド会計は、この会社には不向きだから」と考えているという可能性もあります。「要望に答えたいのはやまやまだが、積極的には薦められないな」と考えているという場合です。
「クラウド会計を使いこなせない可能性を考慮し、むやみに薦めない」という可能性
顧客からクラウド会計導入について相談されても、あまり積極的な姿勢を見せない顧問税理士は「クラウド会計導入により新たなランニングコストが発生するデメリットと、導入により得られるメリットを比較した場合、当面は導入をしないほうがよいのでは」と判断したのかもしれません。
あるいは、社内にインターネットやパソコンに強い人がいないことを察して、クラウド会計を導入しても、それをうまく活用できないのではと判断したのかもしれません。
例えば、クラウド会計化しても一定の経理知識は必要です。例えば手間が減ったとしても、入力ミスや読み取りミス等のエラーについて、クラウド会計がすべてを解決してくれるわけではありません。
そのミスを発見し修正する能力のある人がいない場合、クラウド会計を導入しても、あまり効果を発揮しないということも考えられます。
もちろん、世の中の流れとしてはオンライン化が進むことは間違いないでしょう。その流れのなかでクラウド会計を導入するということは、業務量の軽減や、ペーパーレスといったメリットの他にも、「世の中の流れに遅れない」という一見わかりにくいかもしれない、けれど確実に大きなメリットを会社にもたらします。
しかし、顧問税理士は経営者や担当者がわからないことがある度にパソコンのそばに駆け寄って、疑問を解決したりエラーを修正したりするわけにはいきません。
あくまで、顧問税理士と顧客という関係である以上、顧問税理士の目が離れてもある程度は顧客が自力でクラウド会計を使いこなせないのであれば、「積極的に導入を薦めることは、かえって無責任なのでは」という考えを持っているのかもしれません。
もちろん、たいていの顧問税理士は「わからないことがあれば気軽に連絡してください」というでしょう。しかし、これはあくまで「顧問税理士の仕事の範疇で、わからないことがあれば」という意味です。
例えば、「クラウド会計を利用していたら画面がフリーズしてしまった」とか、「インターネットが繋がらずクラウド会計を利用できない」といった社内システムに関わることについて、顧問税理士にいちいち電話をしていたのであれば、顧問税理士も会社も、日々の授業が回らないでしょう。
つまり、クラウド会計導入そのものにではなく、導入した場合の顧問先の態勢について不安視している可能性がある、ということです。税理士がクラウド会計導入に、あまり積極的な姿勢を見せない場合、その理由をしっかり確認することが大切です。
「クラウド会計の導入」といっても、会社の姿は様々です。社内にクラウド会計を使いこなせる担当者はいるのか、インターネット環境やセキュリティ面での問題はないのか等、導入にあたっては様々な要素が求められます。
クラウド会計導入によって、事業運営が非常に円滑になったり、経費の削減に大きく繋がったりする場合は導入したほうがよいでしょう。そして、そういう顧問先には、顧問税理士としても導入を薦めるでしょう。
しかし、クラウド会計の導入により得られるメリットに対して、金銭のみならず様々な面からのコストが大きすぎると判断し、あえて薦めないという税理士もいるでしょう。どちらの税理士も、それは顧問先のことを思ってのことです。
まとめ
「せっかくクラウド会計を導入しようと、顧客が相談しているのに、顧問税理士はあまり良い顔をしない」
「クラウド会計を導入したいといったが、顧問税理士はあまり乗り気ではない」
といった場合は、いくつかの理由が考えられます。
・顧問税理士がインターネットやパソコンに詳しくなく、自信がないので薦められない。
・顧問税理士が顧問先についてあまり真摯な態度で向き合っていない。
そして、
・その顧問先が、クラウド会計を導入しても上手く使いこなせるのか疑問がある。
という場合です。
上記の、1つ目と2つ目の背景から、クラウド会計導入に対し、あまり積極的でないという税理士は、クラウド会計導入に関わらず、その他の相談についてもあまり積極的に臨んでくれないかもしれません。
クラウド会計についての相談を1つの参考事例として、今後の付き合いについて少し慎重に考えたほうがよいかもしれません。しかし3つ目の理由の場合、その税理士は非常に誠実であり、顧問先に寄り添っているといえるでしょう。
顧問先がクラウド会計を導入すれば、顧問税理士にとっても作業の効率化に繋がる場合もあります。それにもかかわらず、クラウド会計導入を薦めないのであれば、それはクラウド会計導入という、一見華々しいことも、顧客にとって本当にためになるのかどうかという点に、疑問符を付けているからです。
顧客の望むことに、ただイエスマンのように従うことばかりが、良い税理士の条件というわけではありません。客観的に顧客の状況を判断し、メリットがあると思えば賛成し、あまりメリットがないのではと考えた場合には、再考を促すという姿勢は、信頼に足るものです。
「クラウド会計を導入したいのだけれど・・・」と相談したときの税理士の返事や態度は、顧問税理士が誠実に顧客に寄り添ってくれているかどうかの、一つの判断材料になるといえるでしょう。
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