請求書の「かがみ」とは?知っておきたい請求書の基礎知識
請求書の「かがみ」とは、請求書とは別途に添付する書面です。あまり見聞きする言葉ではありませんが、経営者や経理担当者であれば、知っておくべき請求書の基礎知識のひとつです。この記事では、「かがみ」について解説していきます。
請求書の「かがみ」とは?
請求書の「かがみ」とは、請求書とは別に添付する、表紙のような書面のことです。日本では古くから商取引の慣習のひとつとして、取引先に請求を送る際、請求明細書と一緒に「かがみ」と呼ばれる表紙も送付することが一般的となっています。そのため、「頭紙」とも呼ばれています。
あいさつ文などを含めた「かがみ」を送付することは、ビジネスマナーとも言われており、相手のことを尊重している、また敬意を示していることを表します。さらに請求書の要点を簡潔に記した請求書の送付状のような役割もあります。請求書の内容と金額が分かるようはっきり記載することで、取引ミスの回避にもつながります。
なお、「かがみ」には、「規範とするべきもの」という意味があるため、漢字では「鏡」、もしくは「鑑」と書きます。
かがみの書き方とは?
では、請求書のかがみはどのように作成すればよいのでしょうか?かがみは送付状と同義のものなので、基本的には送付状の内容と同じ内容を記載します。次のような内容を記載します。
1、日付
記載する日付は、作成日ではなく、発送する日を記載します。なお、西暦で表示することが一般的となっています。
2、宛名
宛名は、請求書を送る相手の部署と名前を記載します。株式会社などは(株)などと省略するのではなく、ビジネスマナーでは正式名称を記載します。また、役職名を記載する場合は、氏名の前に記載します。敬称には「殿」と「様」がありますが、商取引の場合は「様」と記載するのが一般的となっています。
3、タイトル
タイトルは、簡潔で内容が分かりやすいものにします。「請求書について」というタイトルは中身の内容が分からず、何の請求書が届いたのか分かりません。したがって、「○○について」の○○の部分は、具体的な取引の内容を記載するようにしましょう。
4、前文
ビジネスマナーのレターは、季節の言葉などの全文は省略しても問題ありません。しかし、「拝啓」や「敬具」などの頭語と結語を付けることがマナーとなっています。その後、決まり文句のような文章を記載します。
例えば、「拝啓 時下ますますご清栄のこととお喜び申し上げます。平素は格別のご高配を賜り、誠にありがとうございます。」「拝啓 貴社ますますのご清栄のこととお慶び申し上げます。平素は格別のご愛顧を賜りまして深く御礼申し上げます。」などと記載することができます。いくつかのバリエーションの決まり文句を用意しておくことができるでしょう。
5、主文
メインとなる文章には、請求書に関する内容、金額、振り込みの支払期日、振り込み先やその手段などの情報を簡潔に記載します。請求書と同じ内容になっている必要があります。例えば、次のように記載することができるでしょう。
「このたび、令和○○年○○月○○日付でご注文いただきました商品は、○○月○○日に納品いたしました。商品代金は別紙のとおり、合計○○円でございます。つきましては、ご確認のうえ、○○月○○日までに、下記の指定口座にお振り込みください。なお、振込手数料は貴社のご負担でお願い申し上げます。」
メールで請求書を送付する場合
請求書は郵送だけでなく、メールで送付することもできます。メールで送付する場合も、上記でみた書面の内容と同じ内容のかがみを作成することができます。次のように作成することができるでしょう。
「○○株式会社○○部 ○○○○様
平素より格別のお引き立てをいただき、御礼申し上げます。○○株式会社の○○です。商品「○○」の請求書を添付ファイルにて送付させていただきます。ご査収のほどよろしくお願いいたします。また、○月○日までにお振込みくださいますようお願い申し上げます。ご不明点や添付ファイルの内容が見れないなどございましたら、お手数ですがご連絡くださいませ。」
そして、添付内容を簡潔に記載し、結語を述べることができるでしょう。
まとめ
請求書の「かがみ」には、支払の際に必要な情報が簡潔に分かりやすく記載されている書類です。そのため、かがみ自体を請求書本体として扱う担当者も少なくありません。ですから、相手にとって分かりやすいように記載することがとても重要です。かがみを分かりやすく作成することが、金銭トラブルの防止ともなり、取引をスムーズに行うことへとつながります。
請求書の「かがみ」は、請求書の基礎知識ですので、その意味や書き方について覚えておくようにしましょう。
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