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マイナンバーで脱税がバレる!マイナンバー制度導入が税金に与える影響とは?

2020年8月24日
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2016年からマイナンバー制度が導入したことで、すべての国民と法人にマイナンバーが付与されています。個人と法人ではマイナンバー制度の内容に違いはありますが、国が個人または法人の所得を把握しやすくなったことは確かです。

では、マイナンバー制度が導入したことで、脱税できなくなったのでしょうか?この記事では、マイナンバー制度と脱税など税金関係について詳しく解説していきます。

マイナンバー制度とは?

マイナンバー制度で脱税がバレルかどうかは、マイナンバー制度が与える税金の影響について理解することが関係してきます。では、そもそもマイナンバー制度とは、どのような制度なのでしょうか?

マイナンバー制度は、2016年から導入されている制度で、原則、すべての個人または法人には、異なるマイナンバーが付与されています。個人と法人のマイナンバーは、利用目的が大きくことなっています。双方には、次のような特徴があります。

【個人】
個人のマイナンバーは、12桁の個人番号が付与されます。個人のマイナンバーの場合、利用には制限が設けられています。なぜなら、個人のマイナンバーは重要な個人情報であり、悪用される可能性もあるため、決められた目的しか利用することができません。

具体的には、税務・社会保障・災害対策のみ個人のマイナンバーを利用することができます。このように法令に定められた目的以外の利用や取得は制限されているため、それを管理する人にも制限や責任が伴います。

【法人】
法人には、13桁の法人番号が付与されます。法人の場合は、個人のマイナンバーとは違い、利用目的に制限がありません。つまり、どんなものにも使用することができます。

マイナンバー制度導入前までは脱税がバレなかった理由

マイナンバー制度導入する前までは、個人の所得を照合することは大変なことでした。なぜなら、国税は税務署ごとに異なる番号を個人に付与し、日本全国で番号は統一されていなかったからです。つまり、お金の情報はあっても、その情報で個人照合をすることには多くの手間と時間が必要だったからです。

具体的には個人の書類を揃え、自治体へ連絡し、個人確認をすることが求められていました。しかし、マイナンバー制度導入がした現在、これらの作業が簡単に行えるようになっています。つまり、お金の情報と個人情報の照合がマイナンバーで簡単にできるようになりました。

マイナンバーで所得が把握されやすくなるしくみ

マイナンバー制度導入後から、会社勤めをしている方の場合は、個人に付与されているマイナンバーを会社に通知することが求められます。なぜなら、会社が社会保険や所得税に関する手続きをする際には、必ずマイナンバーを記載する必要があるからです。

給与所得者の場合、収入から社会保険や所得税が源泉徴収(天引き)された給与所得を受け取っていることでしょう。この源泉徴収される額は、前年度の所得をもとに会社が決定しています。そして、年末に年末調整で精算し、正しい納税額を納めています。

何年も同じ会社に勤務している従業員の場合、会社はその従業員の前年度の所得額を把握しているため、源泉徴収額を決めることは難しいことではありません。しかし、中途入社した従業員の場合は、入社前の収入について把握することはできません。

入社する前に他の企業で働いていた場合は、所得を証明するための書類がなければ、正確な所得を把握することができない、つまり、正しい納税額を決めることができません。そのため、中途入社の方で、同年勤めていた場合は、年末調整時に源泉徴収票を新しい勤務先に提出することが求められています。

そうすることで、その年の総収入金額を把握することができ、正しい納税額を決定することが可能となります。その際、従業員が正確に所得を申告してくれるなら問題はありませんが、所得をすべて申告しなかった場合、年収が本来の額を下回ることになります。

したがって、所得税額も低くなる、つまりいわゆる「脱税」につながります。マイナンバー制度は、個々にマイナンバーを付与することで、本業としている会社の給与収入だけでなく、副業や株などで得た収入もすべて国が把握できる仕組みになっています。そのため、所得隠しなどを防ぐことができ、脱税が出来にくい環境を整えています。

「無申告」に要注意!

個人事業主やフリーランスの場合は、自分で収入を申告する自己申告制、つまり確定申告をする必要があります。国民の義務として確定申告をし、「納税」の義務を果たしていることでしょう。一方、給与所得者である会社員の場合、勤務先で毎月の給与から源泉徴収され、納税してくれるため、確定申告をする必要はありません。

しかし、会社員として本業で収入を得ながら、アルバイトや副業、株、ネットオークションなどで収入を得ている方もいるかもしれません。副業で年間20万円以上得ている場合は、確定申告をすることが義務付けられています。もし確定申告をしないなら「無申告」、つまり「脱税」状態と言えます。

無申告を指摘された場合は、最大7年前まで遡り、追徴課税がペナルティとして課せられます。また、悪質な行為の場合は、犯罪として扱われるケースもあります。ですから、確定申告不要の給与所得者だとしても、副業で20万円以上の収入があるなら、必ず確定申告をすることを忘れないようにしましょう。

「無申告」がバレる理由

では、なぜ無申告はバレてしまうのでしょうか?それはマイナンバーですべての所得が把握されているからです。マイナンバー制度では、会社が税務署に提出することが義務付けられている「支払調書」に、報酬を受け取った人のマイナンバーを記載することになっています。

そのため、マイナンバーを検索すると、誰がどこから、いくら受け取ったのか、ということが簡単に把握できる仕組みになっています。この制度により、税務署は個々の人の収入を把握することが容易となりました。

とはいっても、税務署は無申告者を探し出すために、すべての国民一人ひとりの収入を確認することには多くの時間を必要とします。そのため、比較的収入の多い人から順番に所得の確認をしているようです。もちろん、収入が低い人の所得を確認していない、というわけではありません。

いずれにせよ、マイナンバー制度を導入することで、税の不公正の解消につながっていると言えるでしょう。

扶養家族の収入の申告も忘れずに!

前述したように、給与所得者であれば勤務先で納税をしてくれるため、脱税の心配はありません。しかし、給与所得者だとしても、副業や株などの収入を得ている場合は、確定申告をしなければ「無申告」となり「脱税」の行為になります。

では、副業も株もしていなければ、収入の申告漏れは絶対にないのでしょうか?いいえ、そのようなことはありません。別の注意点として、扶養家族の収入を忘れていはいけません。扶養家族の収入とは何でしょうか?

それは、配偶者がパートで収入を得ている、子どもがアルバイトで収入を得ている、などの場合、扶養家族の収入も申告する必要があるのです。もし扶養家族の収入を申告しない場合は、「無申告」また「脱税」行為になります。

しかし、多くの場合、年末調整時に扶養家族の分の源泉徴収票も提出していることでしょう。源泉徴収票を提出しているなら、収入が申告されるため特に問題はありません。では、どのようなときに「無申告」また「脱税」が起きるのでしょうか?注意が必要な具体例をみていきましょう。

ケース1:離れて暮らしている家族に収入がある場合

注意が必要なケースとして、離れて暮らしている家族の収入の申告を忘れやすい傾向にあります。例えば、大学に通うために実家から離れて暮らしている子どもがいる場合、親は子どもがどんなアルバイトをしているか、どのくらい稼いでいるのか、などをしっかり把握することは難し状況にいます。

子どもが一人暮らしをしているとはいえ、世帯が同じであれば、子どもがアルバイトで得た収入を親(世帯主)が申告しなければいけません。また子どもには源泉徴収義務があるため、マイナンバーをアルバイト先へ提出し、どのくらい所得があったか記録されています。

ですから、もし子どもが親(世帯主)に源泉徴収票を渡さず、親が子どもがアルバイトをしている事実を知らずに会社に源泉徴収票を提出しなければ、後日「無申告」また「脱税」したとみなされることがあります。

ケース2:扶養家族に103万超の所得があった場合

扶養控除は、103万以下の所得の場合に受けることができる控除です。そのため、配偶者などの扶養家族に103万以上がある場合は、扶養控除は受けられません。しかし、扶養家族の所得を申告せず、扶養控除を受けている場合は、不正とみなされます。

このようにマイナンバー制度の導入により、配偶者などの扶養家族の所得情報も紐付けされことで、「無申告」また「脱税」などの不正がすぐにバレルようになっています。

まとめ

マイナンバー制度の導入により、国は個人の収入を把握し、税金をきちんと徴収することに結びついています。アルバイトやパート、株、ネットオークション、不動産収入など、どんな形にせよ収入があった場合は、それを申告し、納税することが国民の義務として課せられています。

マイナンバーにより個人情報が洩れる・・など個人情報保護の観点では賛否両論ありますが、税を公正に徴収する観点では必要な制度と言えるでしょう。


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