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起業するには?起業前にすべきことと会社設立までの5つのステップ

2021年1月18日
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起業とは、自らが主体となって新たなサービスを提供する、つまりビジネスを始めることです。誰でも簡単に起業することはできますが、起業を成功させるためには、事前に準備をしっかり行う必要があります。

この記事では、起業するために必要なことや、会社設立までの流れについて解説していきます。

起業とは?

起業とは、自らが主体となり、新たなサービスを提供する、ビジネスを始めることです。ですから、起業や独立を考えている方は、まずどのような事業で起業したいのか、起業の構想を決めなければいけません。

起業そのものは、誰でも簡単にできるものですが、起業を持続させることは容易ではありません。特にコロナウイルス感染症が拡大している現在、ビジネスのルールはだいぶ変わりました。

コロナの影響で事業をやめる人がいる一方、新しい事業が生まれています。具体的には、今までは対面で提供していたサービスが、オンラインでサービスを提供するようになっています。

つまり、オンラインを活用した需要は伸びています。ですから、起業や独立を考えている方は、今の時代に合った新たなアイデアで起業の構想を決めることはとても大切です。

会社設立までの5つのステップ

では、起業、つまり会社を設立するまでに流れをみていきましょう。実際に事業を始めるまでには、5つのステップがあります。それは、

1、起業したい理由をよく考える。
2、ビジネスプランを決める。
3、起業の形態・方法を決める。
4、資金計画を立て、資金を調達する。
5、開業・設立手続きをする。

では、これら5つのステップを詳しくみていきましょう。

ステップ①起業したい理由をよく考える

起業・独立を考えているなら、起業したい理由、つまり目的を明確にすることはとても大切です。なぜなら、起業には自分の時間とお金を費やすだけでなく、納税や雇用などの社会的責任や立場なども関係してくるからです。

会社員であれば毎月安定した収入が入ってきます。しかし、起業後は、最初はうまくいっていても、それが継続するという補償はありません。そのようなときに目的が明確に定まっていないと、モチベーションを維持することが難しくなり、事業を失敗してしまう可能性もあります。

ですから、起業・独立を考えているなら、「なぜ起業したいのか」「起業して何を達成したいのか」など、まず自分の起業に対しての思いを確認してください。

ステップ②ビジネスプランを決める

起業する目的が明確に定まったのであれば、その目的を実現させるための現実的なビジネスプランを考えます。ポイントは、現実的な内容にすることです。すでに存在している市場で商品やサービスを提供することを考えているのであれば、競争率が高いことは確かです。

それとは全く反対の新しいコンセプトの商品やサービスを提供するとしても、新たな市場を開拓する必要があるため、すぐに結果がでないかもしれません。

ですから、どのような商品やサービスを、誰をターゲットにするかをきめてください。そして、商品やサービスの強み、競合他社にない特徴やアイデアなどをビジネスプランに組み込みましょう。

ステップ③起業の形態・方法を決める

起業するためには、起業形態・起業方法についても決めなければいけません。起業には、「個人事業主」「法人」などいくつかの方法があります。

法人の場合は、「株式会社」「合同会社」「一般社団法人」「NPO法人」の4種類あります。また、「フランチャイズ」や「M&A」として起業するという方法もあります。

【個人事業主として起業する場合】
個人事業主として、個人で起業する場合は、法人よりも手続きが簡単です。起業後も事業運営はそれほど難しくありませんが、法人と比較すると社会的信用度が低いというデメリットがあります。

【法人として起業する場合】
法人として起業する場合は、公証役場で認証を受け、その後、法務局で法人として登記手続きをする必要があります。また、税務署に法人手続き届出書、社会保険事務所に健康保険届などを提出する手続きもしなければいけません。

起業に向けて様々な手続きが必要ですが、税制面で優遇を受けることができ、社会的信用度も得られるというメリットが得られます。

【フランチャイズとして起業する場合】
フランチャイズチェーンに加盟して起業することもひとつの方法です。フランチャイズチェーンには、コンビニエンスストアをはじめとし、飲食店、理美容室、塾など様々な業種があります。

加盟金とロイヤリティーを支払う必要がありますが、すでに知名度があることや経営や販売のノウハウを得られるというメリットを得られます。

【M&Aとして起業する場合】
すでに資金力があるのであれば、M&Aとして起業することも方法のひとつです。近年、後継者不足で事業承継できない中小企業が増加しています。そこで、企業を買いとりM&Aを活用して起業する方が増えています。

すでにサービスや売上、人材、技術などはそのまま活用することできるので、事業が軌道に乗るまでの時間は必要ありません。そのまま企業を引き継ぐことができるので、安定した事業運営をスタートできるというメリットが得られます。

ステップ④資金計画を立て、資金を調達する

ビジネスプラン、起業形態・方法が明確になったら、起業に必要な資金計画を立てます。2006年に施行された新会社法では、資本金1円からでも企業することが可能になりましたが、資本金1円で起業することは現実的ではありません。

口座が開設できなかったり、融資を受けることができなかったりなどさまざま影響が予想されます。ですから、現実的な資金計画を立てましょう。

では、資金はどこから調達することができるでしょうか?自己資金を用意できるのが理想的ですが、会社設立には莫大な費用がかかります。そこで外部からの資金調達が必要となります。

資金調達にはいくつかの方法がありますが、主に4つの方法、つまり、①融資を受ける、②補助金・助成金の利用、③クラウドファンディングの活用、④投資家からの出資、があります。

【①融資を受ける】
外部からの資金調達として、融資を受けることが挙げられます。公的機関である日本政策金融公庫や信用保証協会、都市便香、地方銀行、信用金庫などの金融機関の融資を受けることができるでしょう。

融資を受けるためには、事業計画書を作成し、窓口で相談し、融資を申し込む必要があります。その後、審査を受け、審査に通過すれば、融資を受けられます。

金融機関によって金利をはじめとし、担保や保証の有無、返済方法などが異なります。どの金融機関を選べがよいか分からない場合は、税理士や行政の中小企業センターなどに相談されることをおすすめします。

【②補助金・助成金の利用】
近年、中小企業や厚生労働省、都道府県など、国や地方の自治体は、創業時に申請できる補助金や助成金の支援制度を用意しています。補助金は、募集期間や採用数があらかじめ決まっていますが、審査に通過すれば補助金を利用することができます。

助成金の場合は、雇用環境を整える支援制度なので、比較的随時受付を行っています。一定要件を満たせば受給することが可能なので、適合するのであれば申請してみることができるかもしれません。

【③クラウドファンディングの活用】
最近は、インターネット上のクラウドファンディングサービスを利用して資金を集める方が増えています。クラウドファンディングとは、事業の内容やその将来性、社会への貢献度などについて紹介し、それに共感や応援してくれる人から資金を集める方法です。

まず自分の事業に合う運営サイトを探し、案件内容を登録します。運営サイトによっては、面談や審査があるところもありますが、それらを通過した後、すべての情報がインターネット上に公開され、資金集めが始まります。

【④投資家からの出資】
個人投資家から出資を受けることもひとつの方法です。しっかりとした事業計画を持ち、上場できるようなビジネスプランがあるなら、投資家の目に留まり融資を受けることができるかもしれません。

ステップ⑤開業・設立手続きをする

資金調達ができた後は、いよいよ事業開始の手続きに入ります。会社形態によって開業・設立手続きは異なります。

【個人事業主の場合】
個人事業主の場合、税務署に「個人事業の開業届」を提出する必要があります。青色申告制度を利用したい場合は、同時に「所得税の青色申告承認申請書」も提出してください。

自分以外に労働者を雇用する場合は、給与所得時に源泉徴収をし納税する必要があるため、「給与支払事務所等の開設の届出書」も提出します。

さらに、個人事業主に本人にも納税の義務がありますが、法人のように登記などの手続きはありません。

【法人(会社設立)の場合】
法人格を持つ会社を設立する場合、公証人役場、法務局、税務署、年金事務所、労働基準監督署において、手続きが必要となります。

1、定款を作成する。
会社設立の手続きとして、まず定款を作成します。定款とは、会社の事業目的や会社名、所在地など会社の概要を決めることです。なお、定款には法人の印鑑が必要となりますので、印鑑の購入も忘れずに行いましょう。

ちなみに印鑑は、定款に必要な「法人実印」のほかに、銀行で必要となる「銀行用の印鑑」、請求書などの書類に必要となる「角印」、普段使いの「ゴム印」も必要となります。

2、公証人役場で認証を受ける。
公証人役場で、作成した定款の認証を受けます。

3、資本金を払い込む。
設立書類を提出する際、資本金の払い込みの証明書が必要となりますので、資本金の払込をします。出資者がいる場合は、出資者全員の住所や印鑑証明書も必要となりますので忘れないようにしましょう。

4、法務局に設立書類を提出する。
株式会社を設立する場合は、「定款」に加え、「登記申請書」「登録免許税納付用台紙」「発起人の決定書」「取締役の就任承諾書」「代表取締役の就任承諾書」「監査役の就任承諾書」「取締役の印鑑証明書」「資本金の払い込みを証明する書類」「印鑑届出書」が必要となります。

なお、設立する会社の形態によって提出する書類は異なりますので、確認されることをおすすめします。

5、税務署に「法人設立届出書」を提出する。
税務署には、「法人設立届出書」に加え、「定款」、労働者を雇用する場合は「給与支払事務所等の開設届出書」を提出します。

6、年金事務所で、健康保険と厚生年金保険の加入手続きをする。
「健康保険・厚生年金保険新規適用届」などを年金事務所に提出します。

7、労働者を雇用する場合は、労働基準監督署で、労働保険の加入手続きをする。

なお、会社設立には、手続きに費用が発生します。資本金・定款認証の手続きで5万円(なお、書面の定款の場合は4万円分の収入印紙も別途必要)、登録免許税(資本金の0.7%か15万円の低い方)必要となります。

起業前にしておくべきこと!

このように実際に事業を始めるまでには、多くの時間と手続きを必要とします。ですが、すでに起業を検討しているのであれば、事前に準備をすることはとても大切です。特に起業後は、業務に多くの時間がかかるため、起業をしたいと思っているなら今から準備してください。では、具体的に何をすることができるでしょうか?

自己資金を少しでも多く貯めること

どのような事業を始めるかにもよりますが、起業にはお金がかかります。ですから、起業のために今から自己資金を蓄えておくことは大切です。自己資金が多ければ、資金調達をする際にも有利となります。

また、起業してからしばらくの間は、収入がないと想定し、最低でも3~6ヶ月分の生活費を資金として蓄えておくことは現実的です。

クレジットカードを作成する

起業後は、クレジットカードの審査が通りにくくなるため、新規のクレジットカードを作成することは難しくなります。ですから、会社を辞める前に事業用のクレジットカードを複数枚作成しておくことができるでしょう。
また、車や住宅などのローンの審査も通りにくくなりますので、必要であれば早めにローンを組んでおきましょう。

コストを見直してみる

家賃や光熱費などのコストを見直し、削減できるものは削減していきましょう。事業所を借りて事業を始めることもできますが、事業の内容によっては自宅の一部を作業場にすることができるかもしれません。その場合は「家事按分」として家賃や光熱費を経費として計上することができます。

また、近年ではコワーキングペースを利用して作業している人もいます。起業前にやりたいことを明確にしておくなら、将来設計がしやすくなるでしょう。

インターネットを活用して情報を発信する

事業が始まる前から、広告や宣伝などをインターネットを活用して行うことができます。ホームページやSNSを利用することもできるでしょう。その際には、ビジネスのターゲット層にとって有益となる情報を発信するようにしましょう。

人脈を広げる

ビジネスを成功させるためには、人脈の構築や活用も大切です。人脈が広ければ広いほど、それに比例して、ビジネスチャンスも増えていきます。ですから、今ある人脈を大切にすることはもちろん、拡大する機会を見つけましょう。また、すでに起業し、成功している人から実際の経験を聞くなら、今後の起業に役立つことでしょう。

セミナーを受講する

無料のセミナーや有料のセミナーを受講し、起業するうえでのノウハウを学ぶこともひとつの方法です。起業するための必要な知識や情報はもちろん、同じ目的を持つ人が見つかり、情報を交換することもできるでしょう。

まとめ

起業は、個人事業主をはじめとし、法人、フランチャイズなどさまざまな方法があります。どの方法で事業を行うにしても、やりたい事業や目的を明確にすることはとても大切です。会社形態によっては設立費用もかかります。

ですから、起業を検討している方は、起業前に家族や友人に相談しましょう。また、無料で相談できる創業支援機関や中小企業支援センターなどを利用されることをおすすめします。


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