離職票と退職証明書の違いとは?離職票の基礎知識を徹底解説! | 税理士コンシェルジュ

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離職票と退職証明書の違いとは?離職票の基礎知識を徹底解説!

2020年2月12日
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離職票

従業員が退職する際には、退職を証明するための書類が2種類存在しています。それが「離職票」と「退職証明書」です。どちらの書類も、従業員が退職する際に希望するなら事業者側が発行や発行手続きをしなければいけません。では、両者にはどのような違いがあるのでしょうか?

この記事では離職票と退職証明書の違いをはじめとし、その利用目的や発行手続きなど離職票についての基礎知識を徹底的に解説していきます。

離職票とは?

離職票は、管轄地区のハローワークで発行される書類です。正式名称は「雇用保険被保険者離職票」です。通称離職票とも呼ばれるこの書類には、雇用保険の資格損失を通知する「雇用保険被保険者離職票-1(離職票1)」と、離職前の賃金支払い状況と離職理由が明記された「雇用保険被保険者離職票ー2(離職票2)」の2種類が存在しています。

離職票は、ハローワークが失業給付の事務処理を円滑に行うために必要な書類です。失業保険が給付されるためには、離職する以前の2年間、1年以上雇用保険に加入していることが条件となっています。給付金額は、離職以前の給与額によって決めるため、離職前の賃金支払い状況を確認するために離職票が必要になります。

では、離職票1と離職票2には、どのような違いがあるのでしょうか?

(離職票1)
離職票1は、雇用保険の資格がなくなったことを被保険者に通知する書類のひとつで、ハローワークで発行されます。この書類には、離職者の氏名、生年月日、雇用保険被保険者番号、雇用保険の資格取得年月日、離職年月日、損失原因、事業者番号、事業者名などがあらかじめ記載されています。

ハローワークで失業保険を申請する際には、離職票1と一体になっている「求職者給付等払渡希望金融機関指定届」に、マイナンバー、失業給付の振込を希望する金融機関と口座番号などを記入して提出します。

(離職票2)
離職票2は、離職票1とセットで発行される3枚目の離職証明書の書類です。離職票2にも署名や捺印などし、離職票1と一緒に提出します。離職票2を基に失業保険の給付額や給付金が決定します。

離職票発行のために事業者がすべき手続きとは?

事業者の中には、退職した従業員すべてに離職票を発行するところもあります。しかし、ハローワークへの離職証明書の提出は、従業員が離職票を必要な場合だけでも、特に問題はありません。事業者側が行う手続きは、まず退職者に離職票発行の有無を確認する必要があります。

実際、退職者が離職票が必要な場合は、事業者側で離職証明書を記入し、ハローワークに提出することが求められています。事業者側が雇用保険被保険者資格損失届と離職証明書をハローワークに提出すると、ハローワークは「雇用保険被保険者離職票ー1」と、離職証明書の複写になっている「雇用保険被保険者離職票ー2」を発行します。

ハローワークから2つの離職票の発行を受けたら、退職者に2つの離職票を送付することまでが、事業者側がすべき手続きとなっています。

離職票発行のための離職票証明書の提出には、期限が設けられています。期限は、退職者が被保険者の資格を喪失した翌日から10日以内となっています。期限が設けられていますので、事業者側は退職者に離職票の有無を早めに確認するようにしましょう。

離職証明書の書き方について

事業者側はハローワークへ提出する離職証明書をどのように作成すればよいのでしょうか?

事業者側が記入するのは、「雇用保険被保険者離職票ー2」の複写元の離職証明書の部分です。離職証明書の左半分の「離職日以前の賃金支払い状況等」という欄には、1年間の賃金の支払い状況について記載していきます。1年に満たない場合は、斜めに線を引くなどして、該当する項目がない旨を示します。

「賃金支払い対象期間」という欄は、離職日から賃金の締日ごとに記載していきます。賃金額は、実際その月に支払われた額ではなく、通勤手当や諸手当なども含めた合計の金額を記載します。

離職証明書の右側の下には、「離職理由」という欄があります。離職する理由が自己都合によるものか、もしくは契約期間満了、解雇、倒産など会社の都合によるものなのかを記載します。失業給付金は離職理由によって金額が変わってきますので、正直に記入することは大切です。

右側の「離職区分」という欄は、事業所管轄のハローワークが判定する離職理由コードなので記入する必要はありません。

退職証明書とは?

では、退職証明書とはどのような書類なのでしょうか?退職証明書はその名前の通り、事業者側が従業員が退職したことを証明するための書類で、企業側が発行するものです。この書類は離職票とは違い、公文書として公的機関などに提出するものではありません。

退職証明書は公文書ではないので、必要となるケースは限られています。そのため、基本的には退職者から退職証明書の発行の希望があった場合に発行します。退職証明書は、早ければ即日発行も可能なので、1日でも早く手続きをしたい退職者から発行の請求を求められることもあります。

退職証明書の書き方について

退職証明書は公文書でない上、企業側が退職者を対象として発行する書類なので、書き方の様式は特に設けられていません。ただし、一般的には業務の種類、事業における地位、使用期間、賃金、退職した理由などについての情報が記載されています。しかし、申請者が希望するなら項目を減らすことは可能です。

なぜなら、企業側は申請者が求めていない項目を勝手に退職証明書に記載してはならない、と定められているからです。新しい転職先で退職者がマイナス印象を与えないためには、できる限りのことを記載することが望ましいですが、退職者が希望しない項目があるなら考慮するようにしましょう。

退職証明書が必要になるケースとは?

退職証明書が必要になるケースには、どのような場合でしょうか?代表的な例として、国民健康保険や国民年金の加入手続きなどをする際に、退職証明書が必要になることがあります。通常は離職票があれば、すぐに加入手続きを行えますが、すぐに発行してもらえないときもあります。そのようなとき、退職証明書を代わりに掲示すると手続きを始めることが可能となります。

また、新たな転職先で退職証明書の提出を求められるケースもあります。転職先の会社は、退職理由などを確認するために提出を求めてきます。ただ、退職証明書には期限が設けられています。退職証明書の発行期限は、2年となっています。

もし退職から2年以内であれば、退職者から退職者証明書の発行を請求された場合は、それを拒否することができません。なぜなら、労働基準法第22条で、退職者証明書の発行について規定されているからです。

しかし、退職から2年以上経過しているなら、退職証明書発行義務は失われますので、会社側は発行する必要はありません。

まとめ

離職票と退職証明書は、両者とも退職者の希望によって事業者側が発行、また発行手続きをするものです。しかし、それぞれ目的や用途は異なりますので、退職者に書類希望の有無や、どのような目的で使用するのかを確認してから発行、また発行手続きをするようにしましょう。

どちらの書類も、必要となる場合は、できるだけ早めに発行しなければならないので、退職者が必要としているかどうかを早めに確認されることをおすすめします。


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