銀座の不動産王が脱税で実刑判決が確定
「銀座の不動産王」と呼ばれた男・川本源司郎(かわもとげんんしろう)被告(88)が、巨額脱税で実刑判決が確定しました。
逮捕前から無罪を主張していましたが、3年間で10億6,000万円脱税したとして、法人税違法の罪で懲役4年の実刑となりました。銀座不動産王・川本被告は、どのような人物なのでしょうか?
川本源司郎被告が銀座の不動産王になるまでの経歴
川本源司郎(かわもとげんんしろう)被告は、1932年に福岡県小倉市で誕生しました。私立常磐高等学校を卒業後、慶應義塾大学経済学部を中退し、家業の呉服屋「丸源」を継ぎます。
このとき収入の半分を不動産に投資し、莫大な収益を得て、貸しビル業を始めます。これが「丸源ビル」の始まりです。その後、呉服屋を廃業し、丸源ビルの事業を本格化させ、1960年には飲食ビル賃貸業へ事業転換します。
賃貸業は成功し、福岡県中州に進出します。そして、1972年には東京・銀座、赤坂、六本木にまで進出し、テナントビルを計60棟を所有し、6,000弱のテナントが入居していました。繁華街では「丸源」のネオンが目立ち、「ネオン街の大家」としての知名度も高くなります。
1987年には、ハワイの高級住宅を176件買収し、事業を展開していますが、近隣住民とトラブルを起こしています。また、川本被告は、クレジットカードを所有しない現金主義者としても知られています。
なお、川本被告は、都心とハワイに自宅を所有していますが、結婚はしておらず、子どももいません。また、後継者も育てていません。川本被告は、結婚しない理由について「この商売は自分1人でやるので十分だ」と知人に語っています。
法人税法違法の罪で実刑が確定
川本被告は、2013年3月、約8億円の脱税をしたと法人税法違反の疑いで東京地検特報部に逮捕されます。当時、逮捕前から「脱税はしていない」と無罪を主張していました。
同年6月の初公判では「全部でたらめ」と脱税を否認し、弁護士を何度も交代するなどして長期化しましたが、2018年に行われた1、2審で懲役4年、罰金2億4,000万円の執行猶予のない判決が言い渡されました。
判決後は、保釈を申立て、保釈金7億5,000円を現金で支払い保釈されました。その後も川本氏は「脱税していない」と否認を繰り返し、上訴しましたが、2020年1月に東京高裁は却下します。
そして、2021年1月29日、最高裁は上告を退ける決定を下し、懲役4年、罰金2億4,000万円の実行刑が確定しました。
税理士コンシェルジュは、2008年サービス開始より株式会社タックスコムが運営する税理士専門の紹介サイトです。会計の実務経験を活かし、これまで1000名以上の税理士と面談し、1万件以上の相談実績がある税理士選びの専門家です。
サービス内容としては、税理士の口コミから無料相談・厳選した税理士の紹介まで提供しております。
▢こんな記事も読まれています
▢一番読まれている記事
- 小計・合計・総計・計・累計の違いって何?正しい使い方をマスターしよう!
- 決算書の「マイナス三角△」の意味とは?具体的な使い方など日本独特の会計事情
- 所得金額と収入金額の違いとは?確定申告で必要な基礎知識と計算方法
- 「棚卸し」とは?意味や目的、作業方法まで分かりやすく解説
- 金融機関お届け印とは?実印と同じ印鑑で兼用しても大丈夫?
- マイナンバーと預貯金口座が紐付けされるとどうなる?
- 「続柄」の正しい読み方・書き方とは?書き方一覧と基礎知識
- 年商とは?売上高との違いや一般的な使い方など年商の基礎知識
- 法定福利費とは?種類や負担料率、計算方法、福利厚生費との違いまで解説
- マネーの虎で最も成功した「フランスロール」成功者の波乱万丈な人生のまとめ