確定申告で受けられる14種類の所得控除まとめ~物的控除と人的控除~ | 税理士コンシェルジュ

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確定申告で受けられる14種類の所得控除まとめ~物的控除と人的控除~

2021年3月17日
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所得控除

医療費控除や扶養控除など所得控除といっても、その種類は全部で14種類存在しています。それぞれの控除ごとに、適用される要件が異なっていますので、自分がそれに該当するかどうかを確かめることは大切です。該当する所得控除があるなら、申請をすることで節税にもつながります。この記事では、14種類の控除について詳しく解説していきます。

確定申告の期間延長について

確定申告は、毎年2月16日から3月15日までと期間が決まっていますが、昨年に続き、新型コロナウイルス感染症の影響により期間が延長になりました。よって、2021年3月(令和2年分)の確定申告の期限は、4月15日までとなっています。

参照:国税庁「令和2年分確定申告の申告・納付期限に関する情報」

所得控除とは?

所得控除とは、一定の要件に該当する場合、所得税から特定の金額が差し引かれる制度のことです。社会保険料や生命保険料、扶養控除、医療費控除など、年末調整や確定申告などで申告手続きをするなら個々の事情に応じて適用されます。

すべての控除が誰にでも適用されるのではなく、それぞれの控除ごとに適用される要件が異なっています。なぜなら、すべての人が公平に税負担を確保できるように、各種の控除が政策的に設けられているからです。

例えば、人はそれぞれ家族構成が異なっています。扶養家族がいる人もいればいない人もいます。また、高い医療費を毎月支払っている人と払っていない人では、生活にかかる費用が大きく異なってきます。

このように個々の緒事情によって、負担できる税額は違います。様々な事情を汲みとり、全部で14種類の控除が設けられています。これから控除の一定の要件に該当するなら、その分が所得から控除されるので、所得税の負担額を抑えることができます。

「物的控除」と「人的控除」

所得控除は、大きく「物的控除」と「人的控除」に分けられています。物的控除とは、主に支出に対する控除です。家事上の支出や損失などを加味する控除が7種類あります。一方、人的控除とは、人に対しての控除です。個人的な事情についての一定の控除が7種類設けられています。

では、物的控除7種類と人的控除7種類、計14種類の控除について詳しくみていきましょう。

7種類の物的控除

物的控除は、家事上の支出や損失を加味する目的があります。物的控除に該当する所得控除には、次の7種類となっています。

①雑損控除

雑損控除とは、震災や冷害など自然現象による災害、火災、盗難、横領などによって、納税者本人や納税者と生計を同一している配偶者やそのほかの親族の資産が損害を受けた場合に、一定の金額の控除が受けられます。ただし、納税者と共に生計をしている配偶者やそのほかの親族は、1年の総所得金額が48万円以下(令和2年度分以降)、であることが要件となっています。なお、詐欺や恐喝などは、雑損控除の対象ではありません。

控除額は、次の2つの算式から、金額が大きい方が控除額として適用されます。

1、「(差引損失額)-(総所得金額)×10%」

2、「(差引損失額のうち災害関連支出の金額)-50,000円」 ちなみに「災害関連支出の金額」とは、災害により焼失した住宅や家財などを取り壊したり、除去したりするなどのために支出した金額などのことです。

②医療費控除

医療費控除とは、1年間に納税者本人や納税者と生計を同一している配偶者やそのほかの親族のために、一定額以上の医療費を支払った場合に適用される控除です。

医療費控除が受けられるものには、診療費、治療費、歯の矯正費用(治療目的のもの)、金歯・インプラント治療(美容目的は対象外)、マッサージの施術料(治療目的のもの)、医薬品の購入(健康増進や疲労回復などを目的としているものは対象外)、通院のための交通費、治療のためのメガネ購入費(処方箋が必要)、出産の分娩費などが挙げられます。

医療費控除を受ける場合は、原則として、「医療費控除の明細書」を作成し、確定申告書に添付することになっています。医療費控除の金額は、「(実際に支払った医療費の合計金額)-(保険金などで補てんされる金額)-10万円」という算式で算出できます。なお、「-10万円」の部分は、その年の総所得金が200万円未満の場合は、「総所得金額等の5%の金額」となります。

医療費控除のひとつとして、平成28年度の税制改正により、平成29年から5年間にわたって「セルフメディケーション税制(医療費控除の特例)」が設けられています。納税者本人、もしくは生計を同一する配偶者や他の親族などが、特定の一般用医薬品等購入費を支払った場合、購入費用(年間10万円が限度)のうち、12,000円を超える額(最大88,000円)を控除として受けることができます。

控除額は、「(実際に支払った特定一般薬品等購入費の合計額ー保険金などで補てんされる金額)-12,000円」という算式で算出できます。

③社会保険料控除

社会保険料控除とは、1年間に納税者本人や生計を同一する配偶者、そのほかの親族の社会保険料を支払ったときに受けられる控除です。健康保険や国民年金、厚生年金などの保険料が対象となっています。控除額は、支払額の全額となっています。

④小規模企業共済等掛金控除

小規模企業共済等掛金控除とは、納税者本人が小規模企業共済法が規定する小規模企業共済等の掛金の支払いをしている場合に適用される控除です。その年に支払った掛金の金額すべてが控除額の対象となっています。

⑤生命保険料控除

生命保険料控除とは、納税者本人が生命保険料や介護医療保険料、個人年金保険料などの支払いをした場合に適用される控除です。生命保険と締結した時期、つまり、平成24年1月1日以降に締結した保険契約(新契約)と、平成23年12月31日以前に締結した保険契約(旧契約)では、控除額の計算方法が異なっています。

⑥地震保険料控除

地震保険料控除とは、納税者本人が地震や津波で被害を被った場合に備えた地震保険の保険料を支払った場合に、一定の所得控除を受ける対象となります。年間に支払った地震保険料にもよりますが、最大50,000円まで控除額が受けられます。

⑦寄附金控除

寄附金控除とは、納税者本人が国や地方公共団体、特定公益増進法人などに対して寄附をした場合に受けられる控除です。ふるさと納税も、寄附金控除の対象となっています。

寄附金控除は、「その年に支出した特定寄附金の額の合計額」もしくは「その年の総所得金額等40%相当額」のうち、いずれか低い金額から「-2,000円」という算式で算出した金額が、寄附金控除額となります。寄附金控除を受けるためには、寄附金の受領書などを確定申告書に添付して提出する必要があります。

7種類の人的控除

人的控除は、個人的な事情を加味する控除です。人的控除に該当する7種類の控除を、ひとつずつみていきましょう。

①基礎控除

基礎控除とは、納税者本人の控除ですべての人が受けられます。控除額は一律38万円でしたが、令和2年度分以降からは納税者本人の合計所得金額に応じて金額が変わってきます。

②ひとり親控除(寡婦・寡夫控除)

法改正により、令和2年分から「寡婦・寡夫控除」が「ひとり親控除」へと名称が変更になりました。また、控除の対象となる人の範囲にも調整が加えられました。ひとり親控除は、原則、その年の12月31日時点で、婚姻をしていない、もしくは配偶者の生死の明らかでない一定の人で、以下の3つの条件に当てはまる人が適用されます。3つの条件とは、以下の通りです。

1、その人と事実上婚姻関係と同様の事情にあると認められる一定の人がいないこと。
2、同一生計する子どもがいる。ただし、その子どもは総所得金額等が48万円以下で、他の人の同一生計配偶者や扶養家族になっていないこと。
3、納税者本人の合計所得金額が500万円以下であること。

なお、ひとり親控除の控除額は、35万円です。

参照:国税庁「ひとり親控除」
参考記事:「ひとり親控除」とは?令和2年度の年末調整からスタート!【新設】

③勤労学生控除

勤労学生控除とは、納税者本人が所得税法の勤労学生の場合に受けられる控除です。勤労学生とは、その年の12月31日の現況で、次の3つの要件に該当している人が対象となります。

1、給与所得などの勤労による所得があること

2、合計所得金額が75万円以下(令和2年度分以降から)で、1の勤労に基づく所得以外の所得が10万円以下であること

3、特定の学生、もしくは生徒であること。これには学校教育法に規定する小学校、中学校、高等学校、大学、高等専門学校などが該当します。また、国、地方公共団体、私立学校法の第3条に規定されて学校法人、選手学校、職業能力開発促進法で規定されている認定職業訓練を行う課程を修復させるものも含まれます。

いずれかの学校に当てはまるかどうか分からない場合は、通学している学校の窓口で確認されることをおすすめします。

④障害者控除

障害者控除とは、納税者本人、もしくは控除対象配偶者や扶養親族などが、所得税法上の障害者に該当する場合に受けられる控除です。控除金額は、障害者が27万円、特別障害者が40万円、同居特別障害者が75万円となっています。

⑤扶養控除

扶養控除とは、納税者本人にその年の12月31日現在の年齢が16歳以上で、所得税法の控除対象扶養親族となる人がいる場合に受けることができる控除です。控除対象扶養親族の対象となるのは、次の要件を満たしている人です。

1、配偶者以外の親族(6親等内の血族、もしくは3親等内姻族)、都道府県知事から養育を委託された子ども(里子)や、市町村から養護を委託された老人

2、納税者本人と生計を同一している人

3、年間の合計所得金額が38万円以下の人(給与のみの場合は、給与収入が103万円以下の人)

4、青色申告者の事業専従者(家族従業員)として、その年を通じて1度も給与の支払いを受けていない人、もしくは白色申告者の事業専従者でない人

控除金額は、一般の控除対象扶養親族は38万円、特定扶養親族(19歳以上23歳未満)は63万円、老人扶養親族(70歳以上)で同居老親等以外は48万円、老人扶養親族(70歳以上)で同居老親等は58万円となっています。

⑥配偶者控除

配偶者控除とは、納税者本人に所得税法の控除対象者配偶者がいる場合に、一定の金額の控除が受ける対象となります。控除対象配偶者とは、次の要件を満たしている必要があります。

1、民法の規定による配偶者である人(内縁関係は対象外)

2、納税者と生計を同一している人

3、年間の合計所得金額が38万円以下の人(給与のみの場合は給与収入が103万円以下の人)

4、青色申告者の事業専従者(家族従業員)として、その年を通じて1度も給与の支払いを受けていない人、もしくは白色申告者の事業専従者でない人

5、控除を受ける人のその年の所得金額の合計が1,000万円以下であること

控除金額は、次のようになっています。

・控除を受ける納税者本人の合計所得金額が900万円以下の場合:一般の控除対象配偶者は38万円、老人控除対象配偶者は48万円

・控除を受ける納税者本人の合計所得金額が900万円超950万円以下の場合:一般の控除対象配偶者は26万円、老人控除対象配偶者は32万円

・控除を受ける納税者本人の合計所得金額が950万円超1,000万円以下の場合:一般の控除対象配偶者は13万円、老人控除対象配偶者は16万円

⑦配偶者特別控除

配偶者特別控除とは、配偶者控除を受けられない配偶者がいる場合、その配偶者の所得金額に応じて、一定の金額の所得控除が受けられます。配偶者特別控除の対象となっている配偶者は、次の要件に該当する人です。

1、納税者本人と生計を同一している人
2、年間の合計所得金額が48万円超133万円以下である人(令和2年度分から)
3、白色申告専従者や青色申告専従者でない人

所得控除を受けるには?

会社員などの給与所得者であれば、勤務先で年末調整が行われているはずです。その際、基本的な所得控除が適用されています。ただし、医療費控除、寄附金控除、雑損控除に関しては、年末調整で控除されていません。ですから、控除を受けたい方は、個人で確定申告をする必要があります。

なお、給与所得者以外の個人事業主、フリーランス、自営業者などは、年末調整を行いません。よって、確定申告で該当する所得控除を受けることになります。

最大65万円の控除が受けられる「青色申告特別控除」

青色申告特別控除とは、青色申告者のみが対象となっている控除です。主に青色で確定申告をする個人事業主やフリーランスなどを対象としている控除制度です。確定申告をする際、青色申告と白色申告のいずれかを選ぶことができ、青色申告をした場合のみに最大65万円の控除が受けられます。

青色申告特別控除を受けるためには、開業したことを知らせる「開業届」と、青色申告をすることを申請する「青色申告承認申請書」を提出し、期限を守って確定申告をすることが求められています。

また、事業所得、もしくは不動産所得を得られる事業をしていることに加え、複式簿記で記帳することや、確定申告時には貸借対照表と損益計算書を添付し、控除を受ける金額を記載して期限内に確定申告をする、などの条件を満たす必要があります。

確定申告は期限内に!

冒頭で先述しましたが、令和2年分の確定申告書の提出期限は、4月15日までです。これは税金の法定納付期限日でもあります。よって、税金を期限日までに完納しないと、「延滞税」が発生します。

延滞税が発生するケース

延滞税は、以下のような場合に課せられます。
・確定した税額を法定期限日までに完納していない場合。
・期限内に確定申告書類を提出したとしても、期限後に申告内容の誤りが見つかった場合。
・期限後申告書、もしくは修正申告書を提出し、納付しなければならない税金がある場合。

延滞税の割合

延滞税は、法定期限日の翌日から納付する日までの日数に応じて課せられます。なお、令和3年1月1日以降から、延滞税の割合は次のようになっています。

・納付期限の翌日~2月を経過する日まで
年:原則7.3%

・納付期限翌日~2月を経過した日以後
年:原則14.6%

参照:国税庁「延滞税について」

まとめ

所得控除には、様々な種類があります。ですから、自分がどの控除が受けられるかを理解した上で確定申告をし、所得控除を確実に受け取るようにしましょう。所得控除は法令の改正などで、頻繁に計算額や控除額が変わりますので、最新の情報に目ざとくあるようにしましょう。


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