仕訳の基本ルールをマスターしよう!経理初心者でも知っておくべき基礎知識 | 税理士コンシェルジュ

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仕訳の基本ルールをマスターしよう!経理初心者でも知っておくべき基礎知識

2020年4月4日
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仕訳

すべての経理の基本は、「簿記」で成り立っています。簿記で会計処理をするためには、「仕訳」が基本です。つまり、経理者や経理担当者は、仕訳の基本ルールをマスターする必要があります。近年はデジタル化が進んでいますが、会計処理業務の簿記は、現在でも必須です。この記事では、仕訳の基本についての基礎知識を解説していきます。

簿記とは?

個人事業でも法人でも、事業を運営していく毎日の中で、お金の出費や入金など会社のお金は日々動いています。例えば、「従業員に給与を支払った」「商品を売った」「仕入をした」など、お金やモノの出入りが発生しています。このようなお金やモノの動きを記録することが「簿記」と言われています。

経理業務のサイクルでは、年度末に「決算書」を作成します。その際に必要になるのが、普段記帳している簿記がベースとなります。つまり、日々の記録を簿記で集計し、年度末に簿記をもとに決算書を作成することが業務のひとつとなっています。

決算書は、会社の財政状態が分かる重要な書類です。決算書をみることで、どのくらいの儲けがあるか、どのような財産を所有しているか、などが容易に理解できます。第三者である株主や銀行なども決算書を見て計得状態を分析し、今後の株の購入や融資の可否などの判断材料とします。

ですから、簿記の知識があれば、あなたも決算書を読むことができるようになり、経営状態を分析することが可能となります。そのためには、まず仕訳の基本ルールをマスターしなければいけません。

簿記上の取引と「仕訳」

簿記上の取引とは、会社のお金やモノ、つまり資産などの財産が増減する取引のことです。簿記では「資産」「負債」「純資産」「収益」「費用」の5つの要素で区分され、すべての勘定科目が「借方」と「貸方」のどちらかに分類されます。仕訳とは、取引の要素を借方と貸方に分類し、勘定科目とその金額の内容を「仕訳帳」に記録する作業のことです。

仕訳をすることで、何が増え、何が減ったかという2つの側面から取引をみることができるようになります。例えば、現金で商品を仕入れた場合、借方に仕入、貸方に現在という勘定科目で仕訳をすることで、仕入という費用が増えて、現金という試算が減少したことを一目で把握することが可能となります。

なお、決算書類のひとつである貸借対照表は、5つの要素の中の「資産」「負債」「純資産」で構成されており、損益計算書は「収益」と「費用」で構成されています。

仕訳が必要な理由

では、なぜ取引を記録するために、仕訳をする必要があるのでしょうか?それは、確定申告をする際、「決算書」を作成して税務署へ提出する必要があるからです。つまり、取引の記録を仕分けしていないと、決算書を作成することができず、確定申告をすることもできなくなってしまうからです。

仕訳に必要な勘定科目

上記でみたように、仕訳とは取引を勘定科目へと分類する作業のことです。では、「勘定科目」とは何でしょうか?それは、取引の性質ごとに記録するための表記、または項目のことです。何が理由でお金が入ってきたのか、または出ていったのかを一目で把握できる勘定科目を使います。

例えば、電気代を支払ったときは、「水道光熱費」という勘定科目を使うことができるでしょう。このようにお金が出ていくなら、5つの要素の「費用」に該当します。勘定科目が各会社で自由に設定することができますが、すべての人が分かるように、毎回同じ勘定科目を継続して使う必要があります。

「借方」と「貸方」について

複式簿記の取引では、勘定科目が借方と貸方へ必ず記帳されます。借方と貸方にはルールが設けられています。たとえば、資産が増えれば借方へ、負債が増えたら貸方へと仕訳する必要があります。ルールをまとめると、次のようになります。

勘定科目 増えた場合 減った場合
資産 借方 貸方
負債 貸方 借方
純資産 貸方 借方
収益 貸方 借方
費用 借方 貸方

勘定科目を借方と貸方のどちらに記帳すればよいのか迷ってしまうときは、上記のルールを思い出すことができるでしょう。

貸借対照表を構成する資産・負債・純資産の仕訳

5つの要素のうち、資産、負債、純資産は貸借対照表を構成しています。では、それぞれの意味と具体的な仕訳例をみていきましょう。

1、資産
資産とは、会社が保有している現金や預金のほかに、株式や不動産など資産すべてのことです。会社が資産を取得する方法は、取引先などの外部から受け取る場合と、自社で購入、もしくは製作・製造して取得する場合などがあります。外部から受け取る場合は、商品を販売することで代金を受け取ることが一般的です。また、請求書を提出した後、後日お金を受け取る売掛金も資産に該当します。

一方、自社で購入する資産とは、事業を運営していく上で必要な店舗や機械などが挙げられます。

例1:取引先に5万円の商品を販売し、翌月に代金を回収する場合

借方 貸方
売掛金 5万円 売上 5万円

例2:前月販売した商品の代金5万円を現金で受け取った。

借方 貸方
現金 5万円 売掛金 5万円

2、負債
負債とは、銀行からの借入や請求書を受けとっていてもまだ支払いが済んでいないもの、従業員に支払うべき給与や賞与などが該当します。つまり、実際に抱えている負債だけでなく、将来発生するかもしれないものを計上します。

例:仕入先から5万円分商品を仕入れたが、支払いは来月に行う予定の場合

借方 貸方
仕入 5万円 買掛金 5万円

3、純資産
純資産とは、資産から負債を差し引いた会社の価値を表す重要な要素です。純資産は、主に会社設立時の資本金と事業で得た利益で構成されています。

例:現金20万円を元入れとし、事業を始めた場合

借方 貸方
現金 20万円 資本金 20万円

損益計算書を構成する収益と費用の仕訳

5つの要素のうち、収益と費用は損益計算書を構成しています。では、それぞれの意味と具体的な仕訳例をみていきましょう。

1、収益
収益とは、事業をして得た利益のことです。収益は主に商品の販売やサービスの提供で儲けた売上で成り立っていますが、お金を貸したときの利益や設備などを売却して得た収入も収益に該当します。

例:役員に貸していた100万円が、利息1万円と一緒に普通預金へ振り込まれていた場合

借方 貸方
普通預金 101万円 貸付金 100万円
受取利息 1万円

2、費用
費用とは、事業していく上で必要な仕入代金や従業員への給与、利益を得るために使うお金などが含まれます。例えば、取引先との打ち合わせをするための交通費や喫茶代なども経費になります。収益から費用を差し引くなら、利益を算出することができます。また、収益と費用のバランスをみれば、事業の状態を容易に把握することが可能となります。

例:取引先との接待の5万円、交通費1万円を現金で支払った場合

借方 貸方
交際費 6万円 現金 6万円

総勘定元帳への転記

取引内容を仕分けした後は、「総勘定元帳」へ内容を転記します。総勘定元帳とは、すべての勘定科目が集約された帳簿です。会計業務の取引内容を仕分けし、転記する、という一連の流れが、簿記の作業にあたります。近年では、自動で仕訳をしてくれる会計ソフトという便利なルールもあります。自社に合った方法で、日々の取引を記録していきましょう。

まとめ

仕訳のルールは、会計業務の基礎です。現金が増加したら借方、現金が減少したら貸方へ記録し、勘定科目へと仕分けていくことが仕訳です。各企業によって使用している勘定科目は異なりますが、会計ソフトを利用するなら登録することができ、自動で仕訳をしてくれます。時間の短縮にもなり、結果として会計業務の効率化へとつながります。

また、仕訳や簿記など会計業務で不明なことや疑問があるなら、専門家である税理士に相談してみることを検討できるでしょう。


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