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確定申告の対象者とは?確定申告が必要となる条件を解説

2021年7月12日
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確定申告の対象者は、個人事業主やフリーランスなどだけではありません。一定の条件を満たしていれば、給与所得者である会社員も確定申告の対象者になる場合があります。

本記事では、確定申告の対象者になる人とその条件、確定申告を義務付けられていなくても確定申告をした方がよい人など、確定申告対象者について詳しく解説します。

確定申告が義務づけられている人とは?

基本的に給与所得者である会社員は、勤務先で年末調整をするため、確定申告は不要です。しかし、確定申告が必要なケースもあります。よって、確定申告が義務付けられている人は、以下の通りです。

1、給与所得がある人
2、公的年金などにかかる雑所得だけある人
3、退職所得がある人
4、1〜3以外の人

では、ひとつずつみてみましょう。

参照:国税庁「確定申告が必要な方」

1、給与所得がある人

給与所得がある人でも、以下の①〜⑥のいずれかに該当する場合は、確定申告の対象者となります。

①給与収入金額が2,000万円を超えている人
年間の給与収入金額が2,000万円を超える場合は、年末調整の対象外となるため、確定申告が必要となります。

②給与収入が1ヶ所から受けており、副業の所得が20万円を超える人
勤務先で年末調整を受けていても副業で収入を得ている場合は、確定申告が必要です。ただし、副業の取得が20万円超の場合のみ確定申告対象者となります。つまり、20万円未満であれば、確定申告は不要です。

③給与収入が2ヶ所以上から受けており、年末調整を受けなかった給与の収入金額とその他の所得の金額が20万円を超える人
複数の勤務先から給与をもらい、年末調整を受けておらず、所得金額の合計額が年間20万円を超えている場合は、確定申告の対象者となります。ダブルワークをしている人は、注意が必要です。

④同族会社の役員や親族で、同族会社からもらっている給与の他に、賃貸料や各種使用料などの支払いを受けた人

⑤給与について、災害減免法による源泉徴収税額の徴収猶予や還付を受けた人

⑥在日の外国公館に勤務する人や家事使用人などで、源泉徴収されないことになっている人

2、公的年金などにかかる雑所得だけある人

国民年金、厚生年金、共済年金などの公的年金は、雑所得に区分されます。雑所得の合計金額から所得控除を差し引き、残額が生じる場合は確定申告が必要となります。

ただし、公的年金等の収入金額が400万円以下で、源泉徴収の対象となる場合は、確定申告は必要ありません。

3、退職所得がある人

通常の退職金は、源泉徴収されているため確定申告は不要です。しかし、外国企業から受け取った退職金など源泉徴収されていない退職金がある場合は、確定申告の義務が生じます。

4、1〜3以外の人

上記の1〜3に該当しない人で、以下の計算において残額がある場合は、確定申告が必要です。

ステップ1:各種の所得合計額から所得金額を差し引き、課税される所得金額を求める。
ステップ2:課税される所得金額に所得税の税率を乗じ、所得税額を求める。
ステップ3:所得税額から配当控除額を差し引く。

確定申告不要でも確定申告をした方がよい5つのケース

確定申告対象者に該当していなくても、所得税を余分に支払っている場合は、確定申告をすることで還付金が戻ってくる可能性があります。では、給与所得者でも確定申告をした方がよいケースをみてみましょう。

1、個人事業主で赤字が発生している場合
2、年の途中で退職している場合
3、「退職所得の受給に関する申告書」が未提出の場合
4、副業先で源泉徴収されている場合
5、給与所得者で各種控除を受けたい場合

1、個人事業主で赤字が発生している場合

個人事業主で事業に赤字が発生している場合、確定申告をすることで、赤字を3年間繰越して黒字と相殺できる「純損失の繰越控除」ができます。純損失の繰越控除を受けるためには、確定申告が必要です。

一方、個人事業主で赤字が発生していない場合でも、確定申告をした方がよいと言われています。なぜなら、確定申告は、住民税の申告も兼ねているからです。つまり、確定申告書を提出すれば、自治体で住民税の計算をしてくれるので、住民税の申告書を提出する必要がなくなります。

なお、個人事業主の場合、売り上げから経費を差し引いた所得金額が、48万円以下であれば確定申告は不要です。

2、年の途中で退職している場合

年の途中で退職し、その年度末にまでに転職先が決まっていない場合は、年末調整をしていません。よって、確定申告をすることで、支払いすぎた所得税が戻ってくる可能性があります。

3、「退職所得の受給に関する申告書」が未提出の場合

退職を受給する際、「退職所得の受給に関する申告書」を提出していない場合は、源泉徴収税が20.42%課税されます。つまり、所得税などと余分に支払うことになります。しかし、確定申告をするなら還付金として戻ってきます。

4、副業先で源泉徴収されている場合

主たる勤務先以外でアルバイトや副業をし、そこで源泉徴収をされている場合は、確定申告をすることで還付金が戻ってくる可能性があります。

5、給与所得者で各種控除を受けたい場合

前述したように、給与所得者は勤務先で年末調整をするため、確定申告は不要です。しかし、一定の要件に該当する場合、確定申告をすることで控除され、税金が還付されます。給与所得者で還付申告の対象者となる人は、以下の通りです。

①一定額以上の医療費を支払った人
年間に支払った医療費から保険金などを差し引いた金額が10万円を超えている場合は、確定申告で医療費控除を受けることで支払いすぎた税金が還付されます。

控除額は、「支払った医療費−保険金などで補填される金額)−10万円」で求めることができます。なお、支払った医療費には、納税者本人はもちろん、生計を同一にする配偶者やその他の親族も含まれます。

また、10万円未満だとしても、総所得金額に5%を乗じた金額を超えれば、還付される可能性があります。その年の総所得金額が200万円未満の場合は、「所得金額×5%」の額が医療費控除として適用されます。

②災害や被害に遭った人
災害や盗難、横領などの被害に遭った場合、確定申告で雑損控除を受けられます。控除額は、「差引損失額−総所得金額等×10%」、もしくは「差引損失額のうち災害関連支出の金額−5万円」のいずれかで金額が多い方が適用されます。

③寄付をした人
国や地方公共団体、ふるさと納税、認定NPO法人などに寄付をした場合は、確定申告で寄附金控除を受けられます。控除額は「寄付金支出合計額」、もしくは「所得×40%」のうちいずれか少ない金額から「−2000円」した額が適用されます。

上記に該当する人は、給与所得者の還付に関する確定申告に該当します。通常の確定申告は、毎年2月16日から3月15日までと期限が定められていますが、給与所得者の還付に関する確定申告は、翌年の1月1日から5年間の期間が定められています。

確定申告は1ヶ月という定められた法定期限内に申告しない場合は、延滞税などのペナルティが発生しますが、還付申告は法定期限が長く定められているという利点があります。(なお、現在は新型コロナウイルス感染症の影響により、確定申告の期限が延長されているため、最新情報を確認されることをおすすめします。)

確定申告が不要な人

では、最後に確定申告が不要なケースをご紹介します。

1、勤務先で年末調整を受けている人
前述しましたが、会社員などの給与所得者は、勤務先で年末調整を行い、所得税などの精算をおこないます。よって、確定申告をする必要はありません。

2、事業などによる所得が48万円未満の人
確定申告の基礎控除は、48万円です。よって、事業などで得た収入から必要経費を差し引いた所得金額が48万円未満であれば、所得は0円となるため、確定申告は不要です。

3、副業による収入が年間20万円未満の人
アルバイトや副業などで給与所得以外の収入がある場合、その合計金額が年間20万円未満であれば、確定申告をする必要はありません。

4、公的年金400万円以下で源泉徴収を受けている人
公的年金の源泉徴収を受けており、年収400万円未満でその他の所得が20万円未満の場合は、確定申告は不要です。

確定申告は不要でも住民税の申告は必要

確定申告が不要だとしても、住民税の申告は必要です。なぜなら、所得税(国税)は国が、住民税(地方税)は各自治体が管轄しているからです。

通常、確定申告をした人は、その情報が各自治体へ共有され、住民税の計算が行われるため、住民税を申告する必要はありません。しかし、確定申告をしない場合は、自治体に情報が共有されないため、住民税の申告をする必要が生じます。

まとめ

確定申告の対象者について解説しました。確定申告が義務付けられている人は、一定の用件を満たす給与所得がある人、公的年金などにかかる雑所得だけある人、退職所得がある人、それ以外の人で、それぞれ要件があります。

また、確定申告が義務付けられていない人でも、確定申告をすることで税金が還付される可能性もあるので、この機会に確認されることをおすすめします。

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