「年末調整」2年目以降の住宅ローン控除で必要な書類と手続き方法 | 税理士コンシェルジュ

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「年末調整」2年目以降の住宅ローン控除で必要な書類と手続き方法

2020年2月12日
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住宅ローン控除

マイホームをローンを組んで住宅を購入したり、バリアフリーに自宅を改築したりする際、税金が還付される制度が「住宅ローン控除」です。住宅ローン控除は、初年度は自分で確定申告を行う必要がありますが、2年目以降は年末調整で行うことが可能です。この記事では、2年目以降の住宅ローン控除を年末調整で行う方法について解説します。

住宅ローン控除とは?

住宅ローン控除とは、10年以上のローンを組んだ方を対象とした税金が還付される制度です。住宅ローン控除は最長10年までです。各年末のローンの残高の1%が所得税から減税される仕組みになっています。

住宅ローン控除は1年目は自分で確定申告をする必要があります。確定申告が受理されれば、1~2ヶ月後に指定した口座へ還付金が振り込まれる流れになっています。

一方、企業に勤めている人であれば、2年目以降の手続きは年末調整で申告することができます。なお、個人事業主の場合は、2年目以降も個人で確定申告をしなければいけません。

年末調整の住宅ローン控除の申請で必要な書類とは?

2年目以降の住宅ローン控除は、年末調整で行います。年末調整で住宅ローン控除を受けるためには、次のような書類が必要となります。

・「給与所得者の(特定増改築等)住宅借入金等特別控除申告書」兼「年末調整のための(特定増改築等)住宅借入金等特別控除証明書」
この書類は、1年目の確定申告後、10月下旬頃に9枚(2年目以降の9年分)送られてきます。9年分の書類が1度にまとめて送られてくるので、なくさないように大切に保管しておきましょう。

・住宅ローンの年末残高証明書
毎年10月頃(住宅ローン締結時期が9~10以降の場合は翌年の1月頃)、住宅ローンの年末残高証明書が、ローンを組んだ金融機関から送られてきます。金融機関によって「融資額残高証明書」や「住宅取得資金に係る借入金の年末残高等証明書」など、名称は異なります。

年末調整の住宅ローン控除には、利用しているすべてのローンの証明書が必要とされていますので、複数の金融機関とローンを組んでいる場合は、紛失に注意しましょう。

「給与所得者の(特定増改築等)住宅借入金等特別控除申告書」の記入方法について

通称「住宅ローン控除申請書」と呼ばれている書類は、「給与所得者の住宅借入金等特別控除申告書」という正式名称があります。では、記入方法についてみていきましょう。

1、対象年を確認
まず書類が年末調整のための住宅ローン控除申請書かどうかを確認しましょう。住宅ローン控除申請書は、9年分まとめて郵送されてきますので、年次を確認することはとても重要です。

2、給与支払い者と自身の氏名・住所の記入
続いて、給与支払者である勤務先と自分の情報を記入します。法人番号は、提出を受けた勤務先が記入するので、空白のままにしておきます。

3、「新築又は購入に係る借入金等の年末残高」の記入
金融機関から届いた残高証明書の「住宅借入金等の内訳」を見ながら、12月末時点での住宅ローンの残高を記入していきます。

その際、住宅ローンが自分ひとりの名義の場合は、残高等証明書に記載されている年末残高を記入するだけですが、夫婦や親子などで連帯債務の住宅ローンを組んでいる場合は、記入方法が違うので注意が必要です。残高等証明書に記載されている年末残高をそのまま転記するのではなく、自分の負担割合をかけた金額を記載します。

また、2社以上の金融機関と住宅ローンを組んでいる場合は、合算した金額を記入します。

4、「家屋又は土地等の取得対価の額」「家屋の総床面積又は土地等の総面積のうち居住用部分の床面積又は面積の占める割合」の記入
住宅ローン控除申告書の下の部分に「年末調整のための(特定増改築等)住宅借入金等特別控除証明書」という欄があり、1年目の確定申告を基にした情報が記載されています。

その情報をみながら、住宅ローン控除申告書の「下のロ」「下のホ」「下のハ」「下のへ」に転記します。

5、「取得対価の額に係る借入金等の年末残高」の記入
4で記入した「家屋又は土地等の取得対価の額」の住宅と土地の合計金額と年末残高を比較し、金額の少ない方を記入します。

6、「居住用部分の家屋又は土地等に係る借入金等の年末残高」の記入
5で記入した「取得対価の額に係る借入金等の年末残高」に、4の「家屋の総床面積又は土地等の総面積のうち居住用部分の床面積又は面積の占める割合」で算出した金額を掛け、その金額を「居住用部分の家屋又は土地等に係る借入金等の年末残高」の欄に記入します。

7、「(特定増改築等)住宅借入金等特別控除額の計算の基礎となる借入金等の年末残高」の記入
6で算出した「(特定増改築等)住宅借入金等特別控除額の計算の基礎となる借入金等の年末残高」の額を記入します。

8、「(特定増改築等)住宅借入金等特別控除額」の記入
「(特定増改築等)住宅借入金等特別控除額の計算の基礎となる借入金等の年末残高」に1%を掛けた金額を記入します。100円未満は切り捨ててください。この金額が、住宅ローン控除で控除される金額の最大値になります。

9、「年間所得の見積額」の記入
住宅ローン控除は、年間所得が3,000万円以下の方を対象とした制度です。そのため、住宅ローン控除の対象かどうかを記入するために、年間所得の見積額を記入します。あくまで見積額ですので、前年度の源泉徴収票を基に所得金額をそのまま転記したり、予想されるおおよその金額を記入しましょう。年間の所得金額の見積もりであって、年収ではないので気を付けましょう。

10、「連帯債務による住宅借入金等の年末残高」の記入
夫婦や親子など連帯債務で住宅ローンを組んでいる場合、「連帯債務による住宅借入金等の年末残高」の記入欄を埋める必要があります。この欄は、自分の負担額ではなく、住宅ローン全体の金額を記入します。

11、「備考欄」の記入
「連帯債務による住宅借入金等の年末残高」を記入した場合は、連帯債務者から「私(連帯債務者)が、右上の住宅借入金等の残高○○円のうち、〇〇円を負担している」といった負担額が含まれている旨が記載されている文言と、氏名、住所、勤務先、押印を貰う必要があります。

勤務先は、その連帯債務者が給与所得者である場合に記載します。その際、勤務先の所在地の名称も記入します。

以上で、住宅ローン控除控除申告書の記入は終了です。記入した住宅ローン控除申告書と残高等証明書を年末調整の書類と一緒に添えて、勤務先に提出します。

住宅ローン控除が還付される時期について

年末調整で住宅ローン控除を申請すると、勤務先にもよりますが、たいてい12月の給与に上乗せさせる形で還付されます。

住宅ローン控除申告書で算出した控除金額よりも控除金額が多ければ、還付金として振り込まれます。しかし、控除額よりも少ない場合は、毎月源泉徴収された金額の合計が上限となるので、あくまでも住宅ローン控除申告書の金額は最大値であることを念頭に入れておきましょう。

まとめ

住宅ローン控除は、1年目は確定申告が必要ですが、2年目以降は年末調整で申告することが可能です。最初は難しく感じるかもしれませんが、毎年作業をすることで慣れていくことでしょう。

もし年末調整で申告を忘れてしまった場合は、確定申告をすることで控除を受けられますが、年末調整のほうが手続きが簡単なので、忘れないように手続きをされることをおすすめします。


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