よい税理士を探す6つのおすすめ方法を紹介!事前準備や見極めるポイントについても解説
よい税理士を探す6つの方法
よい税理士を探すには、主に以下のような方法があります。
いずれの方法で税理士を探すにせよ、能力はもちろん「自分とその税理士のウマが合うか」をチェックすることが大切です。
ここでは、よい税理士を探す方法について具体的に解説していきます。
よい税理士を探す方法1:知人から紹介してもらう
すでに税理士を活用している知人や、銀行の担当者から紹介してもらうという方法があります。
「よい税理士を探しているんだけど・・・」「税理士で、よい人を紹介してもらえませんか?」等と相談してみれば、具体的な人や事務所を挙げてもらえるでしょう。
・メリット
税理士のレベルは紹介者が担保となるため、質の低い税理士は紹介されにくいです。紹介者の信用問題になるからです。また、税理士にも紹介者への配慮が生じるため、契約後も真摯に仕事に取り組んでくれることが期待できます。
・デメリット
「友達の友達が、自分には合わない」ということがあるように、紹介者がよかれと思っても自分とは合わない税理士である可能性もあります。
そうした場合、「紹介してもらった手前、断りにくい…」という感情が生まれ、板ばさみになってしまうかもしれません。
また、税理士から紹介者に自社の情報が流れる場合があります。もちろん税理士は守秘義務を遵守して仕事をしますが、ちょっとした会話や言葉のニュアンスによっても伝わるものはあるかもしれません。
よい税理士を探す方法2:インターネットで税理士を検索する
インターネットに公開されている税理士事務所のウェブサイトや、税理士のブログ等を参考にする方法もあります。
また、日本税理士会連合会をはじめとする各税理士会のホームページにある税理士検索のフォームを利用したり、自社の所在地を管轄している税理士会に連絡をして、税理士を紹介してもらうという方法もあります。
参照:日本税理士会連合会ホームページ 税理士情報検索サイト
・メリット
費用がかからないことと、自由に情報を閲覧できることが最大のメリットです。税理士会や税理士事務所の問合せフォームやメールを利用して、顔を合わせずに質問できることもあります。
・デメリット
情報量が多すぎるため、候補の税理士をピックアップするだけでも大変です。自社のある場所等で絞ってもなお、膨大な情報に目を通さなければなりません。そして、ピックアップしてから個別に交渉に入るので、かなりの時間と労力がかかることになります。
また、ホームページの情報だけでは、自社との相性を判断するのは難しいといえます。労力の大きさとの割に精度が低いということがデメリットといえるでしょう。
よい税理士を探す方法3:紹介サービスを利用する
自力で探すのではなく、税理士紹介サービスを利用し、自社にとって最適な税理士を探すという方法もあります。
・メリット
税理士紹介サービス会社の仲介が入ることで、税理士に対して遠慮なく希望を伝えることができます。知人からの紹介等と違って、納得のいかない点があれば紹介された税理士を断っても問題ありません。また、価格交渉も紹介会社の担当者が間に入って調整してくれます。
自力での検索と異なり、あらかじめ税理士紹介サービス会社が膨大な量の税理士情報を精査しピックアップしたうえでの選択となるため、効率的かつ質の高いマッチングが期待できるところも、大きなメリットです。
後述する「税理士との相性のよさ」を見極めるのにも適しています。税理士紹介サービス会社は数多くの会社と税理士に接しているため、勘所をつかんでいます。ヒアリングもかなり綿密にするので、闇雲に税理士を探すよりも相性のよい税理士にめぐり合える可能性は高いです。
・デメリット
よい税理士と出会えるかどうかは、税理士紹介サービス会社の質に左右される面が否定できません。登録税理士の数や、マッチングのノウハウが豊富かという点が、判断基準になるでしょう。
適切なコンサルティングをしてくれる会社を選ばないと、よい結果を得られません。
※注:もし今税理士をお探しなら
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よい税理士を探す方法4:商工会議所などの無料相談を利用する
地域にもよりますが、商工会議所や法人会では無料の相談会が定期的に開催されています。そこでは、税理士などの専門家が、来場者の相談に答えています。相談に答えてくれた専門家に具体的にお願いしたい場合は、その人に直接依頼することも可能です。
・メリット
無料であるため、気軽に参加でき、「この税理士になら、もっと深く相談に乗ってもらいたい」と思える税理士に出会える可能性があります。
・デメリット
相談自体が無料である以上、相談できる内容には限界があることと、税理士を比較検討する場所ではないということには注意が必要です。
「相談に乗ってもらいつつ、よい税理士に巡り合えたらラッキーだ」といった感覚で参加してみるのがよいでしょう。
よい税理士を探す方法5:税金をテーマとしたセミナーに参加する
新しい制度や法律の解説が求められている時期や、確定申告シーズンには、税金をテーマとしたセミナーが各所で開催されています。講師を務めている税理士が気に入れば、仕事を引き受けてもらえるか打診してみるという方法です。
税理士のほうとしても、セミナー講師を務めることで自分の営業に繋げている側面もあるので、仕事を引き受けてくれる可能性は高いです。
・メリット
セミナー参加により情報を得られるとともに、その税理士の喋り方や雰囲気、備えている知識などを直接確認することができます。
・デメリット
非常に著名な税理士である場合や、その税理士が多忙である場合などは引き受けてくれないこともあります。また、セミナー講師として有能な税理士と、実務家として有能な税理士は別である、という可能性は否定できません。
例えば「トーク力を活かしてセミナーを多く行っているが、実務はほとんど行っていない」「セミナーはその事務所の看板税理士が行うが、実際に実務を担当するのは別の税理士になる」といった場合もあります。したがって、税理士を探す目的でセミナーに参加する場合は、その講師がどのような税理士なのかをある程度下調べしておくとよいでしょう。
よい税理士を探す方法6:異業種交流会に参加する
異業種交流会に参加すると、多くの士業に出会うことができます。基本的には、関係性の構築や仕事を求めて参加している人がほとんどですので、お互いのニーズが合致すれば、スムーズに仕事を依頼することができます。
また、異業種交流会に出ている人は、積極的に仕事を求めているので、こちらの要望に柔軟に答えてくれる可能性もあります。
ただし、税理士以外の人も多く参加しているため、「有能な税理士に出会いたい」という目的がかなうとは限りません。したがって、この方法は「たくさんの人にあって情報収集したい」「自分も他業種と交流し、刺激や仕事につながる何かを得たい」といった希望がある場合にお薦めです。
・メリット
多くの人と会話を交わすことができるので、比較検討しやすいでしょう。また、仕事の依頼を引き受けてもらえる可能性が高いといえます。
・デメリット
参加するための時間と費用がかかります。また、有能な税理士に出会えるとは限りません。
よい税理士を探すためにおさえておきたい事前準備
ところで、税理士を探すためには「自社或いはご自身が税理士に何を求めているのか」を、明らかにしておくことをお薦めします。この事前準備を怠らないことも、よい税理士を探すために大切なポイントです。
1、税理士を探す前に、自社の状況を把握しておく
例えば、税理士に対して「税務会計に関することを丸投げしたい」という場合もあれば、「とにかく申告だけ依頼したい」という場合もあるでしょう。
しかし、このように依頼したい業務内容が思い浮かんだとしても、まずは自社が現在どのような状況なのか改めて検証することが必要です。なぜなら、創業したばかりの会社が税理士に求めるものと、事業が軌道に乗った会社が税理士に求めるものは、例えば以下のように異なってくるためです。
創業したばかりの場合:
・補助金や助成金についてのアドバイス
・融資の面談対策 等
事業安定期・拡大期の場合:
・税務調査対策
・長期的な視点からの税務会計指導 等
また、規模や企業の性格(家族経営である等)によっては、税務会計に相続が絡む場合もあるかもしれません。事業承継の事例も増えています。場合によっては、弁護士や司法書士等他士業との連携も必要になるケースもあるので、事業承継を得意とする税理士に依頼したほうがよいでしょう。
もちろん、総合病院のように「税務会計に関することであれば、何でも引き受ける」というスタンスの税理士や税理士事務所もあります。
こうしたスタンスは「税理士にすべておまかせしたい」というニーズに応えるものともいえ、経営者の方としては事業により注力できるようになるかもしれません。
そもそも「よい税理士」がどのような税理士を指すのかは、会社によって大きく異なるものです。税理士の顧客はそれぞれに個性や背景を持ち、会社が抱えている事情も違うからです。したがって、「自社のニーズに応えてくれる税理士」が「よい税理士」と考えるとよいでしょう。
また、「そもそも税理士は企業に対して何ができるのか」を、大まかでよいので知っておくと、検討を進めやすいでしょう。
参照:日本税理士会連合会ホームページ 中小企業支援
2、税理士を探す前に、費用の目安を立てておく
税理士に仕事を依頼することになった場合に「どれだけの費用を、会社としては支払えるのか」についてもあらかじめ考えておきましょう。
例えば、「必要最低限のことだけを行う」という税理士もいれば、「何でもサポートし、積極的に経営アドバイスも行っていく」という税理士もいます。前者の場合は低価格の設定をしていますし、後者の場合はそれなりの費用がかかると考えてよいでしょう。
税理士費用に関する相場はわかりにくいものですが、売上高2千万円未満で月額2万円程度、2千万円~5千万円で月額3万円程度、5千万~1億円で月額4万円程度が一般的とされています。
加えて、決算申告や税務調査の立ち会い等により別途料金が発生しますし、契約方法によって料金形態は様々です。したがって、依頼者側としては支払うことのできる金額の目安だけ立てておき、具体的には税理士と相談していくこととなります。
また、税理士と相談した結果、提案された料金が高すぎる場合でも、契約方法の変更等によっては価格を下げることも可能です。例えば、税理士との面談回数を減らしたり、依頼者側が税理士事務所に出向いたりすることで料金を軽減することができます。
料金設定について柔軟に対応する税理士も多いので、料金が厳しいと感じる点があれば調整していくことをお薦めします。
以下の記事では、税理士費用を下げる方法を具体的に紹介しています。
参考記事:「税理士費用・報酬の金額を下げる3つの方法」
よい税理士を探す際に覚えておきたい選び方4つのポイント
よい税理士を探すときには、以下のポイントをチェックすることをお薦めします。
レスポンスが速いか
どんな仕事でもレスポンスの速さは大切ですが、税理士も同様です。いざというときに頼れないのでは、仕事を依頼した意味がありません。
電話にはすぐに出るか、メールの返信は速いか、いざというときには駆けつけてくれるのかなど、チェックしましょう。契約前のやり取りからも、レスポンスの良し悪しはうかがい知ることができるでしょう。
また、税理士の場合、ただ速いだけでは危険です。正確さを欠いていないか、顧問先に適した内容なのか、そして真摯な対応をしてくれるのかも大切なポイントです。
税理士にも、顧問先からの連絡にすぐに対応できない場合や、相談内容が複雑ですぐには回答できない場合もあるでしょう。そんなときに、何も連絡してこなかったり、速いレスポンスでも内容に不備があるような税理士よりも「調べてから折り返します」「明日の朝までには回答します」という税理士のほうが信頼できます。レスポンスには速度だけではなく誠実さも求めたいものです。
なお、「電話でしか受けつけない」「書類のやり取りはFAXのみ」といった連絡手段の柔軟性に欠けている場合は要注意でしょう。
料金体系をわかりやすく説明してくれるか
税理士契約、特に顧問契約は「オーダーメイド」と評されるほど、契約内容は多種多様です。ベースとなる料金体系は明示していても、細かい点については「応相談」となっている事務所も少なくありません。
したがって、料金体系がオープンになっているか、「応相談」の部分についても具体的に説明してくれるかが大切です。また、あいまいな名称になっている項目や、内訳がよくわからない業務名があれば積極的に尋ねましょう。
「何を依頼すると、どれくらいの金額がかかるのか」「依頼する仕事は、どのような組合せが可能なのか」など、丁寧に説明してくれる税理士が望ましいです。
経営についての理解があるか
依頼者としては、税理士が税務会計の知識や実績を備えているのは当たり前のことでしょう。プラスアルファとして求めたいのは「経営者目線」です。
資金繰りについての悩みや、従業員との関係、業界の動向など、経営者の方の頭を悩ませることはたくさんあります。ただ数字をチェックするのではなく、経営者目線でアドバイスができる税理士のほうが、より頼りがいがあるでしょう。
節税方法に詳しいか
税理士の仕事のうち、大きく会社の数字を動かすことになるのは節税対策です。日頃の税務会計がきちんと遂行されているかをチェックすることは最も大切な仕事ですが、適切な節税対策を用いることができれば、その効果は具体的に数字に現れます。
ただし、節税対策は、高頻度で改正が行われる法制度についての理解が深く、複雑に設けられた要件に適しているのか、長期的な観点からも節税対策を行ったほうがよいのかなど、税理士の知識と経験が大きく問われるものです。
節税対策が顧客に喜ばれることは税理士もよく知っているので、積極的な提案をする税理士は増えてはいます。しかし、大切なのは、やみくもな提案ではなく、節税対策について詳しく、常に最新の情報を入手し、そして顧客にとってそれがプラスの節税になるかの判断力があるかです。
積極的な節税対策の提案は求めつつも、その内容が適切であるか・真に顧客のことを考えた提案なのかも、あわせてチェックしたいところです。
税理士を探すときは、相性のよさもチェック!
よい税理士の条件とは、優秀であるということはもちろんですが、経営者の方との相性のよさも必須です。いくら優秀な税理士でも、なんだか話しづらかったり、気が合わなかったりするのであれば相談相手にふさわしくありません。
「何となく好きになれない」「何だか感じが悪い」と思う相手と定期的に顔を合わせることは苦痛ではないでしょうか? そんな相手に自社の税務会計について腹を割って相談できるでしょうか?
したがって「よい税理士」を探すためには、税理士の人物像を把握することが欠かせません。
税務会計を任せるということは他人に財産をさらけ出すということであり、信用できるか否かが最も大切なところです。どんな人物なのかをつかんでおくに越したことはありません。
上記に挙げたどの方法で税理士を探すにしても、「人物像の把握」を1つの指標にすることをお薦めします。「仕事の依頼をするか迷っている税理士が、一体どんな人なのか」を、経営者の方ご自身が見極められるような方法を選べば、ミスマッチの可能性を下げることができるでしょう。
人物像を把握した結果、自分が信頼できると感じたり、良好な関係性を築けそうだと感じたら、その税理士との契約を積極的に考えてもよいかもしれません。
なお、よくある税理士への不満として
・税理士が偉そうな態度をとるので、イライラさせられる
・税理士が専門用語ばかりを使うので、相談しづらい
・税理士が細かく対応してくれない
というものがあります。しかし、これらについて
・税理士がどっしり構えていてくれるので、安心できる
・税理士ならではの知識が豊富で、頼りになる
・税理士におまかせしておけばよいので、依頼者としては楽である
と感じる人もいます。求める人物像は人それぞれなので、実際に面談してみたときの感触から検討してみましょう。
どんな方法で税理士を探したとしても、最終的に「この人は、よい!」「この人にまかせたい!」と感じられるような税理士を見つけることができれば、それが何よりです。
※注:もし今税理士をお探しなら
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会計の実務経験を活かし、これまで1000名以上の税理士と面談を行い、相談実績は1万件を超える。2017年に執筆した書籍「税理士に顧問料を払う本当の理由」は、出版から半年にわたりAmazonカテゴリ「税理士」で1位を獲得。2021年に実施した日本コンシューマーリサーチの調査では、税理士紹介サービスで顧客満足No.1を獲得。
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