税理士に関する口コミが少ない理由と口コミの信ぴょう性
「税理士に仕事を依頼したいから口コミをチェックしたい」
「税理士を変更したいから、口コミを見て検討したい」
と考えて検索しても、なかなか見つからないのではないでしょうか?
口コミは、販売者やサービス提供側から発信される情報ではなく、利用者側からの発信情報なので、「参考になる」「信用できる」というイメージがあります。
したがって、税理士を探す際にも「税理士に関する口コミを見たい」と考えるのはある意味当然ともいえます。しかし、税理士に関する口コミは、特にネット上にはあまり出回っていません。
これは、どうしてなのでしょうか? また、それではどのようにしたら信頼できる税理士情報を得ることができるのでしょうか?
「ネット上には参考になる税理士の口コミは、ほぼない」のが実情
やや極論かもしれませんが、ネット上には真の意味で参考になるような税理士に関する口コミは、ほとんどありません。
「税理士」「口コミ」で検索してヒットするのは、大抵の場合、次のようなものではないでしょうか。
・税理士事務所のホームページ(その事務所の顧客のコメントを掲載している)
・キュレーションサイトや、まとめサイトの税理士紹介
税理士事務所のホームページの場合、「お客様からのコメント」といったコンテンツが設けられ「親身になってくれる」「お世話になっています」といった口コミが掲載されています。
事務所としてはネガティブな口コミを載せるメリットはありませんし、そもそも口コミを寄せた顧客も、その事務所に好印象を持っているからこそ口コミを書いているのでしょうから、あまり参考になるとはいえません。
また、キュレーションサイトや、まとめサイトの場合は「10選」「ベスト5」等と税理士を紹介していますが、公開されている情報が整理されているだけのことが多く、真に参考になるとはいえないでしょう。
実際に知りたいのは、その税理士が「いくらで、どれくらいの仕事をしてくれるのか?」や「どのような仕事ぶりなのか」といったことですが、具体的な情報はネット上の口コミからはめったに得られません。また、その真偽の程も確かめようがありません。信ぴょう性が高いとはいいがたい状況です。
これは、税理士の仕事が会社の経営に深く関わっていることが一因です。顧問契約の場合は、会社の事業を深く理解し、定点観測的に経営状態を見ていくことになりますし、申告等だけを依頼するスポット契約の場合も、会社の数字に直に触れて仕事をすることに変わりはありません。
そんな仕事を依頼している相手に何か不満があれば、まずは本人に直すように伝えるでしょうし、改善されないようだったら他の税理士に依頼するだけです。その税理士に抱いている不満をネット上に書き込んでも、会社の情報漏えいに繋がるリスクを抱えるだけで、何もメリットはありません。
一方、非常に良い税理士であれば、できるだけ自社の仕事に注力してほしいと感じるのも無理はありません。
飲食店等で「TVで紹介されると大行列ができ、常連客が入れなくなってしまう」ということが時々ありますが、それを恐れる気持ちと似ているかもしれません。
税理士のマンパワーにも限界がありますから、顧問先が増えれば増えるほど、一つの会社に割ける時間が減るのは仕方がありません。しかし、それを望む顧問先はないでしょう。
したがって、良い税理士の情報も「頼りになる」「安心できる」といった漠然とした情報は書き込まれたとしても、具体的な情報はあまり出回りません。
口コミだけを参考に税理士探しをするのは難しい
ネット上で探すのは難しくても、業界内や地域内等での「人を介した口コミ」というものは存在します。古来からある「噂」や「評判」です。
ただし、こちらも表にはなかなか出てきません。その業界や地域に初めて飛び込むような場合はもちろん、所属していたとしても周囲との付合いや関係性から自社には届いてこない、ということもあります。
したがって、ネット上の口コミにしても、リアルな口コミにしても、それだけを参考にして税理士探しをするのは、難しいといえるでしょう。自力で多くの税理士にあたってみて判断するか、税理士紹介サービス等の利用を検討するのが得策といえそうです。
例えば、税理士会では定期的に無料相談会を行っているので足を運んでみて、良さそうな税理士と出会えれば、その人に面談を依頼してみるのも一案です。
また、日本税理士会連合会をはじめとする各税理士会は、ホームページに税理士検索のフォームを設けているので、まずは自社のエリアから税理士を絞り込んでいくのもよいでしょう。
参照:日本税理士会連合会ホームページ 税理士情報検索サイト
税理士紹介サービスを利用するのもお薦めです。税理士紹介サービスでは、「依頼者の方が税理士に何を求めているのか」をヒアリングにより明確にしてから税理士を絞り込んで紹介するので、税理士とのミスマッチが生じにくいです。
実際に税理士と付き合いが始まると「有能なんだけど、ウマが合わない」「優しいけれど、頼りない」等と、どこかしっくりこない点が目につくようになるものです。これは税理士と会社とのミスマッチによって起こるものです。
また、「税理士に対する費用をどれくらい負担できるか」というコスト面に関する擦り合せも大切です。「料金は安いが、仕事も最低限のものだけを提供する」という税理士もいれば、「料金はかかるが、何でも引き受ける」という税理士もいます。
参考記事:税理士に丸投げできる業務範囲と費用感
こうした点についても、税理士紹介サービスが間に入ることで、税理士に遠慮することなく自社のニーズを叶えることができます。
ネット上に口コミが見つからず、リアルな口コミもあまり参考にはならないのが税理士情報の特徴です。
税理士紹介サービスの利用は、ひたすら検索をしたり、自力でアポイントメントを取って面談を繰り返すよりも効率的な方法といえるかもしれません。
株式会社タックスコム:代表取締役
会計の実務経験を活かし、これまで1000名以上の税理士と面談を行い、相談実績は1万件を超える。2017年に執筆した書籍「税理士に顧問料を払う本当の理由」は、出版から半年にわたりAmazonカテゴリ「税理士」で1位を獲得。2021年に実施した日本コンシューマーリサーチの調査では、税理士紹介サービスで顧客満足No.1を獲得。
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