配当金は確定申告をすべき?納め過ぎた税金を取り戻す3つの方法 | 税理士コンシェルジュ

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配当金は確定申告をすべき?納め過ぎた税金を取り戻す3つの方法

2020年9月23日
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株式投資をしている方であれば、「配当金」を受け取っていることでしょう。基本的には源泉徴収されているので確定申告は不要です。しかし、一定の要件を満たしている場合は、確定申告をすることで納め過ぎた税金が戻ってくることがあります。

この記事では、配当金はどのくらい源泉徴収されているのか、確定申告が必要となるのはどのような場合か、など配当金について詳しく解説していきます。

配当金とは?

配当金とは、投資をしている会社の業績に応じて、年に1~2回受け取ることができる金銭のことです。投資している会社の業績不振がある場合などを除き、必ず受け取ることができます。

所得税法では、この金銭、つまり配当金は「配当所得」に該当します。配当所得には、株式の配当金に加え、公募株式投資信託の収益分配金や特定受益証券発行信託の分配金なども該当します。

配当金の確定申告は基本的に不要

基本的に配当金に係る税金は源泉徴収されています。配当金にが支払われるときに、所得税15.315%と住民税5%が差し引かれています。したがって、原則として、確定申告をする必要はありません。

しかし、所得が一定額以下の場合や、株式投資で損をした場合などは、確定申告をすることで徴収された税金の一部、もしくはすべてが戻ってくることがあります。

配当金による確定申告の方法

配当金による確定申告の方法には、全部で3通りの方法が用意されています。それは①申告不要制度(確定申告しない)を利用する方法、②総合課税で確定申告をする方法、③分離課税で確定申告をする方法、から選択することができます。では、それぞれの方法について詳しくみていきましょう。

①申告不要制度の利用

申告不要制度とは、その名前の通り、配当金について確定申告をしない、という制度のことです。確定申告には、書類の作成や必要書類の添付など多くの時間と手間がかかります。そのうえ、確定申告シーズンは多くの人で混雑するため、多くの方が負担と感じています。

そのため、多くの方が、配当金について確定申告をしない申告不要制度を利用しています。では、どのような手続きをすればよいのでしょうか?そ

れは、証券会社の口座を開設するときに「特定口座(源泉徴収あり)」を選択するだけです。特定口座(源泉徴収あり)を選択すれば、配当金が支払われるときに、所得税と住民税が源泉徴収されるため、納税が完結します。

したがって確定申告は不要です。この制度のことを申告不要制度といいます。一方、口座を開設するときに「特定口座(源泉徴収なし」、もしくは「一般口座」を選択して配当金を受け取っている場合は、確定申告が必要となります。

②総合課税による確定申告の方法

配当金を総合課税で確定申告をすると、源泉徴収された税金が戻ってくる可能性があります。では、そもそも総合課税とは何でしょうか?

総合課税とは、税法上で定められている10種類の所得をすべて合算した後、税金を算出する方法です。10種類の所得には、配当金が含まれる配当所得をはじめとし、給与所得、事業所得、不動産所得、雑所得などがあります。

総合課税では、課税所得金額から算出した納税額から、一定額の税金を配当控除することができるため、節税効果を期待できます。なお、申告不要制度や後述する申告分離課税制度を利用する場合は、配当控除は適用されません。

【配当控除とは?】
配当控除とは、総合課税で確定申告をした場合に、算出した税額から一定の金額が控除される制度のことです。会社は1年間の事業で利益を生じた場合、その利益は法人税が課せられます。

そして、配当は法人税が課せられた利益から配当金が株主に支払われます。つまり、この配当金に所得税がかかると、二重課税になってしまいます。そこで二重課税が発生しないように、配当控除が設けられています。

【配当控除の税率とは?】
配当控除の税率は、課税総所得金額(配当所得を含む)が1,000万円以下の場合は配当所得の10%(住民税は配当所得の2.8%)、1,000万円超の場合はその超えた部分に対して5%(住民税は1.4%)の金額が控除されます。

【配当控除は外国株式は対象外】
配当控除を適用できるのは、国内株式の配当金だけが対象となっています。つまり、外国株式の配当金は、配当控除の対象外です。ただし、国際間の二重課税を排除するために、外国で徴収された配当金にかかる税金を控除できる「外国税額控除」を適用することができます。

【所得税は課税所得金額が900万円以下だと有利】
所得税の税率は、5~45%の累進税率が適用されます。そのため、所得が高くなればなるほど、税率も比例して高くなります。一方、配当金の場合は、総合課税で申告すると配当控除が適用されるため、配当金の10%、もしくは5%の税金が減額されるしくみになっています。そのため、配当所得を含めた課税所得金額が900万円以下の場合は、総合課税で申告することで有利となります。

【住民税は総合課税で申告すると不利】
課税所得が900万円以下の場合は、総合課税で申告することで所得税は有利になりますが、住民税に関しては不利になります。なぜなら、源泉徴収税率が5%大きくなるからです。

そこで、所得税と住民税を別々に申告することで住民税も有利になります。つまり、所得税は総合課税で申告し、住民税は申告不要制度を利用するなら、住民税も有利になるでしょう。

なお、住民税の確定申告方法は、各自治体によって書類の様式など若干の違いがありますので、管轄地区の自治体に直接確認されることをおすすめします。

③分離課税による確定申告の方法

申告分離課税とは、税法上で定められている他の所得とは合算せずに、所得ごとに区別して税額を算出する方法です。配当金に関しても、配当所得だけ単独で申告分離することができます。

配当金を申告分離課税で確定申告をすると有利になるケースがあります。それは株の売買をすることで年間トータルで譲渡損失がでたときと損益通算しても譲渡損失がでるとき、の2つのケースに該当する場合は、申告分離課税の選択が有利になります。

・株の売買をすることで年間トータルで譲渡損失がでたとき
上場株式などを売買し、年間トータルで譲渡損失がでたときは申告分離課税での確定申告が有利となります。なぜなら、上場株式の譲渡損失は上場株式の配当金と損益通算をすることができるからです。そのため、源泉徴収された所得税の一部、もしくはすべてが戻ってくる可能性があります。

・損益通算しても譲渡損失がでるとき
損益通算をしても損失となる場合は、分離課税で確定申告することで、3年間にわたってその損失を繰り越すことが認められています。その結果、繰り越された損失は、翌年以降の株式譲渡益と相殺することができるため、節税効果へとつながります。

まとめ

配当金は源泉徴収されているため、基本的に確定申告は不要です。しかし、総合課税や申告分離課税を選択したほうが有利になるケースもあります。また、配当金だとしても確定申告が必ず必要なケースもありますし、配当金を確定申告することで、源泉徴収された税金の一部、もしくは全額が戻ってくることもあります。

配当所得に関しては、個々の条件や状況が異なります。ですから、自分に一番適した有利になる方法を選択しましょう。配当金の確定申告に関して分からないことがある方は、税理士に相談することもひとつの方法です。

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