依頼する先も始める時期も決まり、あとは差し出された書面に目を通すだけという段階があります。税理士との契約でつまずく箇所は、そこに書かれた文言の書き方に集中しており、読み手が注意しているかどうかで気づけるものが変わります。
ここでは読み落としやすい落とし穴を7つにわけ、業務範囲や顧問料の記載に残りやすい空白を、条項ごとに整理します。読み終えたあとに手元に残るのは、自分の目で数えられる空白の一覧と、そこへ入るはずだった言い回しの控えです。

税理士との契約で交わす書面は金額を最後に回して読み始める
差し出された契約書を前にすると、はじめに目が行くのは金額の欄です。額の大小は読みやすく、ほかの部分より先に目に入ります。
ただ、その額が高いのか低いのかは、ほかの記載が埋まってはじめて決まります。先に読んでしまうと、あとの項目はすべて額の裏づけを探す読み方になります。
先に開きたいのは、業務範囲を書いた条項です。そこへ書かれた文言の幅が、あとで依頼できる範囲の境目を決めています。
税理士との契約に関する書面では、金額をいちばん最後に読みます。最後に回しても消えるものではありませんから、読み落としは生まれません。
その次に見るのは、任せない作業の行き先が書かれているかという点です。書かれていなければ、外れた作業はどこにも書かれないまま残ります。
読み始める前に用意したいのは、任せたいと考えている作業を自分の言葉で書き出した一覧です。一覧があれば、契約書の項目と見比べながら読めます。
一覧を持たない読みでは、書いてある項目を目で追うだけで終わります。追うだけの読み方では、書かれていない箇所へ気づく手がかりがありません。
税理士との契約で交わす書類は、書かれた部分と書かれなかった部分の両方でできています。読む作業のほうは、後者を見つける作業だと考えておくと抜けにくくなります。
事業の規模が大きくなると、書き込む内容の数そのものが増えます。増えた紙面のどこかに空白が残れば、あとで探す手間もその分だけ増えます。
増えた内容を一度に読み通す必要はありません。注意点を分けてから順に確認していけば、読み落としはその場で見つけられます。
この先では、それを7つに分けて整理します。順序は、契約書を読み進める順に合わせてあります。
落とし穴は書かれた条項ではなく空いた箇所に残る
契約書を読んでつまずくのは、書いてあることが難しいからではありません。難しい言い回しは、辞書を引けば同じように読み進められます。
つまずきが起きるのは、書かれていない部分に目が留まらないためです。空いた箇所は文字を持たないため、目で追う先そのものがありません。
落とし穴には、条文がない場合と、条文はあるのに中身が書かれていない場合があります。どちらも読み終えた書面では同じように見えます。
税理士との契約で落とし穴と呼ばれているのは、この空白のほうです。穴は、文字が途切れたところに開いています。
ですから読むときの基準は、書いてあるかどうかというところだけで足ります。書いてあれば読み、書いていなければ余白へ書き足します。
書き足すには鉛筆が一本あれば足ります。余白に、足りないと感じた文言をそのまま書いていきます。
書いた文言が、あとで相談するときの材料になります。落とし穴の場所と、そこへ入るはずだった言い回しがそろっていれば、話は短く済みます。
税理士との契約の読み落ちが後で重くなるのは、空白のままで日が過ぎたときです。日が過ぎると、空白について話す機会そのものが減っていきます。
落とし穴の出やすい場所には偏りがあり、業務範囲と期限の記載に繰り返し現れます。繰り返す箇所を先に知っておけば、読むときにそこで気づけます。
気づくべき場所を分けておくと、落とし穴は見つけやすくなります。注意点は7つで、どれも条項の書き方そのものから出ています。
下にまとめたのは、それを読む順に整理したものです。空いた箇所から順に書き足していく使い方を考えています。
- 一式や等で括られた条項があり、その括りに入る作業の名前を自分で書き出せるか
- くだりに誰の手で動かすのかが書かれ、社内の手と外の手の分かれ目が読めるか
- 量の目安が記載へ置かれ、多いか少ないかを後から言える書きぶりになっているか
- 期限が文言のままで終わらず、日付か日数へ落ちた書きぶりになっているか
- 別紙や覚書へ送られた項目があり、送られた先の書面が手元にそろっているか
- 協議へ送られた箇所があり、いつ決めるのかを余白へ書き足せる状態にあるか
- 顧問料の欄に額だけでなく、動くときの条件まで書き添えられているか
括りの文言で書かれた条項は税理士との契約の広さを読み手へ委ねる

業務範囲の部分に、一式や等や全般という語が混ざることがあります。短く収まる書きぶりですが、括りの中身は紙のうえに出てきません。
括られた語を読んだ側は、自分の思い浮かべる作業をそこへ当てます。当てはめた中身は人それぞれで、同じ書面を読んでも解釈が分かれます。
解釈が分かれたままだと、翌月に届くものと待っていたものがずれます。ずれは書きぶりから出ているもので、手落ちから出たものではありません。
税理士との契約の広さは、この括りの文言のところで読み手へ渡されます。渡された側が広く読み、書いた側が狭く読めば、差はそのまま残ります。
確認の手順はいつも同じです。括りの語を見つけたら、その中に入るはずの作業の名前を余白へ書き出します。
書き出した名前が業務範囲の記載と合うかどうかを、条項ごとに見ていきます。合わない名前が出てきたら、そこが括りの外です。
括りの外に出た作業は、社内で抱えるか、別の依頼先に回すことになります。いずれにしても、決めずに残したままでは誰も担当しません。
税理士との契約に関する書面で括りの語を減らせるかどうかは、尋ねてみるまで分かりません。名前で書き直せる箇所と、括りのまま残る箇所の両方があります。
残った括りには、読み替えの見当を余白へ書いておきます。書いてあれば、あとで読み直した日にも同じ読み替えができます。
括りの文言そのものは、悪い書きぶりというわけでもありません。書面を短くまとめられるため、条項が長くなりすぎずにすみます。
気をつけたいのは、範囲の決まらない括りを金額と見比べて読むことです。見比べると、額が釣り合っているかを括りの中身抜きで見ることになります。
主語の抜けた条項は税理士との契約で誰の手が動くのかを決めない
契約書の文言は、動作の名前だけで終わることがあります。作成する、提出する、点検するという言い回しが並び、誰が行うのかが書かれていません。
主が書かれていない条項は、読む側が自分で埋めます。埋める内容はそのときの都合で変わり、読み直すたびに形を変えます。
形が変わったまま日が進むと、同じ項目を双方が別の意味で覚えます。覚え違いは、書きぶりのところから始まっています。
税理士との契約で誰の手が動くのかは、条項の主語のところにしか書けません。金額や期間の項目を読んでも、そこからは出てきません。
確認の方法は単純です。項目ごとに、社内が担うのか事務所が担うのかを余白へ書き足していきます。
書き足せない箇所が残ったら、そこが落とし穴です。空いたままの数だけ、あとで確認の電話をかける手間が生まれます。
主語の空白は、作業を渡す部分よりも、確認する部分のほうに残りやすくなります。確認は誰にでもできるように見えるため、名前が省かれます。
税理士との契約で交わす書面では、渡す人と受ける人を別の記載に分けて書けます。分けて書けば、途中で人が替わっても同じ読み方が続きます。
社内の担当者の名前まで書き込む必要はありません。社内か事務所かという区別だけで足ります。
区別が書かれていれば、抱え込みも取りこぼしも起きにくくなります。どちらも、担当が空いた部分から生まれます。
書き足した余白は、写しを取ってから残しておきます。写しがあれば、次に読み直すときの出発点になります。
量の目安が書かれていない条項は多いか少ないかを後から言えない
業務範囲の条項には、どれだけという量の基準が添えられる場合があります。添えられていない項目には、作業の名前だけが並びます。
名前だけの記載でも、作業そのものは動きます。動きますが、多いのか少ないのかを後から言う手がかりが残りません。
手がかりの残らない文言は、増えても減っても見分けがつきません。増えたと感じた側と、変わらないと読む側で、話が合わなくなります。
税理士との契約で量の目安を書き込むのは、作業の名前が書かれた条項のすぐ横です。脇が空いている箇所は、名前だけで広さを決めていることになります。
目安を書く形はいろいろあります。通数で書く条項もあれば、何を何回という言い回しで書く条項もあります。
どの書きぶりでも構いませんが、項目ごとに単位をそろえておくと読みやすくなります。そろっていない書面は、条項を見比べても比較できません。
量の目安が空いている項目を見つけたら、余白へ手元の見当を書きます。書いた見当が、あとで多い少ないを言うときの起点になります。
税理士との契約で交わす書類に量の記載がない場合でも、補うことはできます。契約書を作り直さずに、余白の見当を持っておくだけで足ります。
量を細かく書くと動きにくくなるという読みもあります。ただ細かさは、条項の外に出た作業を数えるときに役立ちます。
数えられる部分と数えられない部分を分けておけば、読み直しは短く済みます。分けた結果は、余白の印だけでも残せます。
量の目安は、期限の書き方と組み合わせて読むと効果的です。どれだけを、いつまでにという組で読む形です。
期限が日付で書かれていない条項は読み手では判断できない
期限を書いた部分には、速やかにや遅滞なくや随時という言い回しが入ります。読み下せる文言ですが、日付にはなっていません。
日付のない文言は、読む人が日数に置き換えます。置き換えの幅は人によって違い、双方で数日ずれます。
ずれた日数は、急ぐ月に表へ出ます。急いでいるときにかぎって、届く時期の解釈が分かれます。
税理士との契約の期限の条項は、日付か日数のどちらかで書かれていると読みやすくなります。落ちていれば、遅れたかどうかもその場で言えます。
確認は、文言のままの項目を抜き出すところから始まります。抜き出した項目の脇へ、手元で必要な日数を書きます。
書いた日数が契約書の文言と釣り合うかどうかは、読んだ側では決まりません。決まらないまま残すよりも、余白に書いておくほうが話を進めやすくなります。
文言のままの表現が悪いとは言えません。事情の動く作業では、日数を固めない書きぶりのほうが助けになる箇所もあります。
税理士との契約に関する書面では、固める部分と固めない部分を分けて読みます。分ければ、どこが読み手では判断できない箇所なのかが分かります。
判断できない部分が重なった書類は、読み終えても待つ時期が定まりません。いつ届くかわからない状態が続くと、そのまま催促の手間が増えます。
催促の手間を減らしたいなら、抜き出した箇所の数だけ余白に日数を書きます。書いた日数は、次に読み直すときの目安になります。
期限の文言は、量の目安と同じ記載に並ぶこともあります。並んでいる箇所では、どちらが空いているのかを分けて見ます。
別紙へ送られた条項は本紙だけを読んでも中身が見えない
契約書には、詳細は別紙のとおりという送りが入ることがあります。送られた先の書面が手元になければ、その箇所は読めません。
読めない条項は、読み飛ばされます。飛ばしても契約書は読み終わるため、抜けたことに気づく合図がありません。
合図がないまま日が進むと、別紙の中身は誰の記憶にも残りません。残らないものは、後から確認する手がかりもありません。
税理士との契約の本紙と別紙は、一つのセットになっています。どちらかだけを読んで終えれば、読んだのは半分だけになります。
確認は、別紙を示す文を数えるところから始まります。数えた分だけ別紙の名前が分かり、手元にそろっているかを確かめられます。
そろっていない別紙があれば、その名前を余白へ書きます。書いておけば、あとでまとめて取り寄せられます。
別紙には、覚書と題された紙面が混ざることもあります。名前が違っても同じ書類の一部であり、読む対象から外れません。
税理士との契約に関する書類で別紙を示す項目が多い場合は、書類全体の目次を作っておくと読み直しが楽になります。目次は、書類の名前を書き出すだけで足ります。
目次を作ると、抜けた別紙がすぐに分かります。分かった書類は、読む前に手元へそろえられます。
別紙へ送る書きぶりそのものは、本紙を短く保つための工夫です。短い本紙は読みやすく、全体の見通しも良くなります。
気をつけたいのは、送った先を読まずに本紙だけで決めてしまうことです。送りの箇所が残っている契約書は、まだ読み終えていません。
別途協議と書かれた条項は税理士との契約の決まっていない部分を示す

契約書には、双方で協議して定めるという言い回しが入ります。決まっていない事柄を、決まっていないまま残す書きぶりです。
残す書きぶりそのものは、逃げというわけでもありません。先に決められない事柄を、無理に決めた形にしないための書き方です。
困るのは、読んだ側が決まったものとして受け取る場合です。受け取り違えたまま日が進むと、待っていたものが届きません。
税理士との契約で協議へ送られた条項は、落とし穴の在り処を教えてくれます。教えてくれる箇所ですから、消さずに印を付けて残します。
確認の方法は、協議とされた項目を抜き出し、いつ決めるのかを脇に書くことです。時期が書ければ、空白は待てる空白へ変わります。
時期が書けない項目は、決める人が手元にいない項目です。決める人に問い合わせるところまでが、読む作業に入ります。
抜き出したものが多い契約書は、まだ話し合いの途中にあります。途中の書面を読み終えた書面として扱えば、あとで戻る手間が生まれます。
税理士との契約で交わす書類で協議の文言が少ない場合も、同じように読みます。少ない書類ほど、残った箇所に重い事柄が集中していることがあります。
重い事柄が協議へ送られていれば、決める時期は早いほうが軽く済みます。時期が遅れるほど、決める材料は手元から離れていきます。
印を付けた部分には、写しにも同じ印を残します。写しだけを開いた日にも、同じ落とし穴が見えるようにしておきます。
協議の文言は、業務範囲や期限の記載と隣り合うことが多くなります。そうした場所は、契約書のなかでもっとも決まっていない部分です。
顧問料の改定の条件が書かれていないと後から見直しにくい
顧問料については、額が書かれています。額の隣に、どうなったときに動くのかという条件まで書かれた契約書は多くありません。
条件が空いていても、顧問料そのものは動きます。動かすたびに、根拠を手元で探すところから話が始まります。
根拠探しから入る話し合いは、そのつど同じ話の繰り返しになります。繰り返した分だけ、双方の時間が取られていきます。
税理士との契約で顧問料が動く場面は、あらかじめ数えられます。任せる作業が増えた場合と、扱う紙面の数が増えた場合です。
確認の方法は、額の下に条件が書かれているかを見ることです。書かれていなければ、余白へ動く場面の名前を書いておきます。
書いた名前は、あとで話を始めるときのきっかけになります。きっかけがあれば、額の話は根拠の話から入れます。
条件の記載がある契約書では、動く場面が来ても読み直しだけで済みます。読み直しの幅は、その記載に書かれた事柄へ収まります。
税理士との契約に関する書面で顧問料だけを重点的に読むと、ほかの部分がおろそかになります。額は、業務範囲の条項と組み合わせて読みます。
組み合わせて読むと、額が高いか低いかという問いは形を変えます。どの作業にどの額が付いているのかという問いへ移ります。
移った問いは、紙のうえで答えが出ます。出た答えは、余白へ書いて写しへ残せます。
条件の空いているところは、悪い記載というわけでもありません。空いていると知って残す箇所と、知らずに残る箇所が別なだけです。
業務範囲が空いた条項はほかの項目の読み方まで左右する
ここまでの注意点は、項目ごとに独立しているように見えます。ただ、落とし穴はその条項のなかで完結せず、隣の項目に影響します。
影響がいちばん分かりやすいのは、業務範囲の部分です。任せる作業の名前が括りのままだと、量の目安も書きようがありません。
対象のない量の記載は、書けても意味を持ちません。何の量なのかが決まらなければ、多い少ないの判断も宙に浮きます。
税理士との契約に関する書面を読む順序は、このつながりから決まります。業務範囲を先に読み、そこから隣の部分へ進みます。
期限の記載も同じです。何をいつまでにという組のうち、前半が空いていれば後半だけでは読めません。
別紙へ送られた箇所も、業務範囲と結びついています。別紙に作業の名前が書かれていれば、本紙の括りの中身が分かります。
協議とされた文言は、業務範囲の落とし穴から生まれることがあります。名前の決まらない作業は、時期も額も決めようがありません。
税理士との契約の読み落ちが重なるのは、このつながりを無視して読んだときです。項目を別々に見れば、同じ落とし穴を何度も別の穴として数えます。
別々に数えた空白は、書き足す文言も別々になります。別々の文言が余白に並ぶと、読み直した日に筋が見えません。
ですから余白へ書くときは、どの部分から来た空白なのかを添えます。添えておけば、まとめて片づけられる落とし穴が見えてきます。
業務範囲から始めて隣へ進む読み方は、手順として覚えやすくなります。覚えた手順は、翌年の読み直しでもそのまま使えます。
| 空白が残りやすい欄 | 読み終えた書面での見え方 | 余白へ書き足すもの | 空いたまま置いた場合に後から効いてくるところ |
|---|---|---|---|
| 業務範囲の欄 | 一式や等で括られ、広さが読み手の側へ渡っている | 括りに入るはずの作業の名前 | 待っていたものと届いたものがずれ、外れた作業が誰の手にも載らない |
| 手の主の記載 | 動作の名前だけが並び、誰が動かすのかが読めない | 社内の手か外の手かという別 | 抱え込みと取りこぼしが同時に起き、確かめる用のたびに連絡が要る |
| 量の目安の記載 | 作業の名前だけで、多いか少ないかを言えない | 通数や頻度についての手元の見当 | 増えたと感じた側と変わらないと読む側で、話が噛み合わなくなる |
| 期限の記載 | 速やかにや随時という言い回しのまま残っている | 手元で必要になる日数 | 待つ時期が定まらず、催促の手間だけが毎月積み上がっていく |
| 別紙への送り | 本紙を読んでも中身が出てこない | 送り先の紙面の名前と手元の有無 | 読み飛ばしたことに気づけず、確かめたい日に開く先が分からない |
| 協議への送り | 決まっていない事柄がそのまま置かれている | いつ決めるのかという時期 | 決まったものとして受け取られ、決める材料が手元から離れていく |
| 顧問料の欄 | 額だけが書かれ、動く条件が添えられていない | 額が動く場面の名前 | 動かすたびに根拠を探す話から始まり、同じ長さの話し合いが毎回立つ |
税理士との契約に関する書面は読み終えたら一覧を手元に残す

読み終えた契約書からは、空いたところの一覧ができます。一覧は、読んだ人の手元にしか生まれません。
一覧の中身は、落とし穴の場所と、そこへ入るはずだった文言だけで足ります。長い文にしなくても、あとから読み返せます。
読み返せる一覧があれば、書き足す話は短く始められます。短く始まる話は、双方の手をあまり取りません。
税理士との契約で交わす書面は、余白に書き込んだ写しのほうを手元に残します。書き込みのない写しだけでは、読んだ跡がどこにも残りません。
残した跡は、翌年に同じ契約書を開くときの土台になります。土台があれば、読む時間も短く済みます。
一覧に並ぶ落とし穴の数は、紙面の善し悪しを表すものでもありません。表しているのは、読んだ人がどこまで確認できたかという範囲です。
範囲を広げる方法は、注意点を分けて順に確認することに尽きます。この手順を知っていれば、初めて開く書面でも同じ読み方が使えます。
税理士との契約に関する書面の細かさは、作成する事務所のレベルによっても変わります。同じ業務範囲を扱う契約書でも、条項の分け方や文言の選び方に差が出ます。
その差がどこに出てくるのかは、条項の書き方にも出てくる税理士のレベルでまとめています。読み分けたうえで契約書を開くと、落とし穴の在り処も先に見当が付きます。
代表の書いた書籍にも、顧問料と契約書の扱われ方に触れた一節があります。下に引用した文は、書面の出し方そのものが読み取れる材料になると述べています。
読み終えた一覧を手元へ残す形が、この記事の着地です。残した一覧は、次に書面を開くときにも役立ちます。
料金だけの説明しかしなかったり、いきなり契約書を出してくる税理士は、経営者をビジネスパートナーとしてではなく財布として見ているのかもしれません。

税理士コンシェルジュ事務局からのコメント
書面は受け取ったものの、どの項目から目を通せばよいのか分からない、というご相談をいただくことがございます。お話を伺うと、上から順に読んで金額の欄で手が止まり、そのまま日が過ぎているという形が目立ちます。読む順を変えて、書かれていない箇所を探す読み方に切り替えていただければ、そこから先はご自身でも進められます。鉛筆で余白へ書き足していただくだけで、確かめたい先の並びはその日のうちに形になります。書き足していただく中身も、白いままだった位置と、本来そこへ入るべき言葉だけで十分でございます。税理士との契約の金額が妥当かどうかというご質問も、ほかの項目が埋まってから判断したほうが答えが出ます。読む順を入れ替えるだけで、同じ紙面から読み取れるものが増えてまいります。お手元へ残していただきたいものは、書き込みの入った写しでございます。空いていた場所へ何を入れたかったのかが添えられていれば、翌年に同じ書面を開く朝もずいぶん軽くなります。差し出された紙をその日のうちに読み切らなければならない決まりもございませんので、割って順に当たる時間だけは取っていただければと存じます。税理士との契約で読み落ちやすいくだりを割って並べ直したいところでしたら、その写しを持ってお立ち寄りください。どこから読み進めるかという順まで、同じ契約書を見ながら一緒に組み立てられます。