月次訪問で求めていること・求めていないこと(後編)
その2「過去の話ではなく未来の話」
税理士先生に対してこう言ってしまうと
元も子もないのですが、記帳代行や税務申告は
過去の結果に対する作業であるため、
未来志向の方が多い経営者にとっては
あまり興味がないことなのです。
そのため過去の数字を説明すると同時に、
「未来がどうなるか」という興味をそそる
話に持っていくと、会計・税務という話も
前向きに聞くようになります。
具体的な儲け話でなくても、無駄な投資はないか、
改善できるポイントはないか、といった
未来型の話であればいいのです。
社長が将来やりたいと思っていることに
対して想定される税務リスクなどを
教えてあげることも喜ばれるでしょう。
ただし、ここで注意点があります。
それは、社長が将来やりたいことに対しての
結論を税理士が言ってしまうのは御法度で
あるということです。
社長が「こんな新しい事業をやりたいと思う」と言った時に、
「それはダメです。今のまま手堅く行った方がいい!」
と答えれば、たとえそれが正しい反対だったとしても
社長は「なんでも反対しやがって」と、
いらぬ不満を募らせることにもなりかねません。
また逆に、「社長、それいいですね、いきましょう!」と
軽々に賛成した事案が失敗すれば、
「税理士の口車に乗ってしまった」と、
今度は逆恨みを買うことにもなります。
税理士が社長にするべきことは、
過去に対しての説明責任と未来に対する
リスクのアドバイスにとどめるべきです。
その3「情報やブレーンの紹介」
社長に役立ちそうな情報やブレーンの紹介はとても喜ばれます。
顔の広い先生というのはやはりありがたいものです。
新規事業に関連する情報や人、また困っていることを
解決する士業者の紹介なども非常に喜ばれます。
労務面で悩んでいるときに給与計算をしてくれる優秀な社労士や、
法律面で困っているときの弁護士の紹介など、
社長にとっての〝士業ネットワーク〟を構築することで、
税理士はその扇の要となります。
そして何より、常に自分を応援してくれているという
安心感を社長は抱くのです。そんな税理士を社長は手放すことはありません。
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