先生、月次担当替えは気を付けないと解約になりますよ!
税理士事務所は、正しい努力をまじめに続けていけば、
顧問先は必ず増えていきます。そして顧客に誠意を
もって一生懸命対応すれば、いずれ所長の姿勢や行動を
評価してくれる社長も現れて、自然と紹介も生まれるようになります。
ところが、顧問先が増えるのはうれしいのですが、
必然的に所長の手がいっぱいになります。
そこで、月次訪問を任せられるスタッフを増やしたいと
思うようになるのですが、そこには大きな壁が立ちはだかります。
高く高くそびえ立ち、新規開拓以上に乗り越えることが難しい壁です。
その壁とは、顧問先を所長以外の担当に任せたことで生じる解約リスクです。
「所長だからお願いしているのに…」
「所長は優秀だったのに…」と、顧問先から
言ってもらえる時はまだ救いがありますが、
多くは何も言わずに離れていってしまいます。
厳しい現実ですが、事務所を大きく伸ばすかどうかで直面する
最初の課題といえます。ただ、大きな壁ではあるのですが、
実はいとも簡単に乗り越えている先生もたくさんいるのです。
ほんの小さな行動で、所長と顧問先の距離感がぐっと縮まり、
顧問先の離脱を防げます。それは、担当を変えても所長が
申告時期などで最低でも年に一度はコミュニケーションを
とっているかどうかです。
「なんだそんなことか」と思われるかもしれませんが、
これは顧客にとってとても大きなことです。
どうしても多忙で申告時期にさえ会う時間が割けなければ
電話を一本入れるだけでもいいのです。
それだけで顧問先は「気にかけてくれている」という安心感を抱きます。
顧問先は、担当から「何かあったら所長に相談してください」
と言われていても、なかなか自分から声を掛けてはくれません。
それでいて心の中では
「決算の時くらいは連絡をくれてもいいだろう…」と、
小さな不満が生まれます。その積み重ねが〝静かな解約〟
という最も恐ろしい結末を招くのです。
これは月次担当者の能力の問題ではありません。
所長は自らリスクを負って事務所を経営しています。
つまり経営者と同じ目線が分かるのは唯一所長さんだけなのです。
顧客は同じ目線だからこそ所長先生の前では
全てをさらして相談できるのです。
年に一度でもそうした機会を作ることで、
顧問先の解約率は大幅に抑えられます。
難しいことではありません。ぜひとも取り組んでみてください。
とは言っても、ご存じの通り税理士事務所の人材の定着率はかなり低いです。
人材は辞めるという現実を受け入れ、人材が辞めてもなりたつ
月次内容とそれでも納得する顧問先にのみ絞るか、
それでも優秀な人材を探し雇い教育し、優良案件に絞っていくか、
そもそも人は増やさないと決め、ひとり所長としてやっていくか、
あとは所長ご自身の決断に委ねられることになります。
どの事務所のスタイルもそれを求めるお客さんはいますから
私は応援したいと思います。
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