顧問税理士の変更タイミングと手順、断り方までのまとめ
顧問税理士の変更は、不満が限界に達してから動くと順番が崩れます。解約を先に告げてしまい、決算書の控えも申告の期限も手元に戻らないまま、申告期限に追われてしまう。そうならない道筋を、14本の記事に分けて置きました。
この1本を読めば、税理士を選ぶときの見方、税理士を探す経路の違い、契約の後に自社へ残る仕事までが一通りつかめます。初めて税理士を雇う立場の方にも、いまの相手との付き合い方を見直したい方にも使えます。

- 顧問税理士への不満を感じ始めたときに、経営者が最初に確認すべき5点
- 顧問税理士との関係がうまくいかない会社の共通点と、改善の進め方
- 税理士との相性が合わないと感じる5つのサインと、正しい対処法
- 税理士が何もしてくれないと感じる原因と、正しい対処法の順序
- 顧問税理士の契約解除の進め方、違約金と円満に断るための手順
- 税理士への苦情と申し立ての方法、税理士会と相談窓口の使い方
- 税理士のミスと損害賠償の範囲、善管注意義務違反の基準と対応方法
- 確定申告の場所はどこか、住所変更や海外居住のときの提出先と納税地
- 税理士が偉そうだと感じたときの対処法、変更を判断する基準
- 税理士のセカンドオピニオンの使い方、もう一人に相談する利点
- 税理士の乗り換えでやってはいけないこと5選、正しい手順と注意点
- 税理士の変更で後悔した理由と、変えてよかったケースとの違い
- 個人事業主が税理士と契約すべきタイミング、売上別の判断基準と損失
- 税理士の契約時期は年商で決まるか、経営フェーズ別の判断の目安
顧問税理士への不満は感情の問題として片づけず、事実の形に置き換える

- 違和感を五つの確認点へ分解してから動く
- 担当者の交代で片づく場合と、そうでない場合を分ける
- 決算期の四か月前を結論の期限に置く
契約を替えるべきかという問いは、たいてい漠然とした違和感から始まります。この違和感を言葉にしないまま抱え続けると、判断の材料が集まらないうちに一年が過ぎます。
1本目が扱うのは、顧問税理士への不満を五つの確認点へ分解する手順です。返答までの日数、説明の量、質問が通じているかどうか、決算書の中身、請求の内訳という五点です。
顧問税理士の変更を口にする前に、この五点を紙へ書き出してください。相手を替えれば片づく話なのか、自社の資料の渡し方に原因があるのかが、そこで分かれます。
年商が5,000万円を超えるころから、届く月次の数字の日付が資金の判断を左右します。届かない理由が担当者の多忙にあるのか、自社の証憑の提出が遅いのかで、打つ手はまるで違います。
感情のまま伝えると、相手は身構えます。事実の形へ置き換えて渡せば、改善の余地があるかどうかが二、三か月で見えてきます。
不満の中身が話しかけづらいという一点であれば、担当者の交代を申し出るだけで解決することもあります。顧問税理士の変更という大きな作業へ進むのは、その手を尽くした後で十分です。
書き出した五点は、別の相手に相談するときの資料にもなります。
五点のうち二つ以上に不満が残り、改善を求めて三か月動きがなければ、検討の段階へ進んでよい水準です。ここで初めて、次の依頼先を調べる作業に時間を割く意味が出てきます。
決算期から数えて四か月前までに結論を出しておけば、引き継ぎに余裕が生まれます。年内の予定表へ、その日付を先に書き込んでください。
さらに詳しく読む→【顧問税理士への不満を感じ始めたときに、経営者が最初に確認すべき5点】
顧問税理士との関係が崩れる会社には、情報の渡し方に共通の型がある

- 資料の出し方が助言の薄さを生んでいないかを見る
- 証憑の提出日を固定し、三か月だけ試す
- 経理任せにせず、やり取りの記録を経営者が読む
関係が悪くなった会社を並べると、原因は人柄よりも情報の流れに集まります。渡す情報が少ないほど、返ってくる助言も薄くなります。
2本目では、顧問税理士との関係が滞る会社に共通する三つの型を取り上げます。資料を月末にまとめて出す、悪い数字だけ伏せる、決めた後で報告する、の三つです。
この三つは、どれも相手の判断材料を削ります。材料が足りない相手は無難な返答しかできず、それが何も言ってくれないという受け止めに変わります。
改善の順序は単純です。証憑の提出日を固定する、資金の予定を先に共有する、決める前に相談する。三か月続けて変化が出なければ、相手側の問題だと判断できます。
顧問税理士の変更を考える段階でも、この検証は先に済ませておく価値があります。渡し方が原因だった場合、相手を替えても同じことが繰り返されるためです。
年商1億円を超えるころには、経理担当者と事務所の担当者が直接やり取りする形へ移る会社もあります。経営者が中身を把握しないまま進むと、関係の悪化に気づくのが遅れます。
四半期に一度は、やり取りの記録を経営者自身が目で追ってください。返答の速さと中身の変化が、そこに残っています。
関係の作り直しに見切りをつけたときは、税理士を探す作業へ進みます。顧問税理士の変更の準備は、次の相手に求める条件を書き出すところから始まります。
条件は三つに絞ると比較しやすくなります。返答までの日数、月次資料の提出期限、相談できる範囲の三つです。
さらに詳しく読む→【顧問税理士との関係がうまくいかない会社の共通点と、改善の進め方】
税理士との相性は性格の一致ではなく、報告の速さと言葉の通じ方で測る

- 言葉の通じ方は直りにくく、報告の速さは直りやすい
- 業種の関与実績を件数で聞く
- 役員と経理にも同じ五点を答えてもらう
相性という言葉は便利ですが、そのままでは検証できません。測れる形へ置き換えると、続けるか替えるかの結論が早く出ます。
3本目で解説するのは、税理士との相性が合わないと感じる五つのサインです。専門用語のまま説明が終わる、質問の答えが翌週になる、業種の事情が通じないといった、具体的な場面です。
五つのうち、言葉の通じ方は改善が難しい部分です。相手の説明の型は長年の習慣で決まっており、短い期間では変わりません。
報告の速さは改善できます。期日を決めて依頼し、守られるかどうかを二回試せば判断がつきます。
顧問税理士の変更を決める前に、この二つを切り分けてください。改善できる点から一つずつ手をつけると、残る問題がはっきりします。
税理士を選ぶ段階でこの二点を確かめておくと、同じ理由で悩む可能性が下がります。初回の面談で、専門用語を使わずに説明できるかどうかを見てください。
業種の事情は、経験の有無で差が出ます。建設業の工事の進み方、飲食業の日次の現金、医療法人の制度会計は、扱った件数がそのまま理解の速さになります。
顧問税理士の変更を検討するときは、自社の業種で何件の関与実績があるかを聞いてください。数字で答えられない相手は、経験を語れない相手です。
相性を理由にした見直しは、感覚のままだと周囲を説得できません。五つのサインのうちいくつが当てはまるかを数えて記録に残すと、顧問税理士の変更の判断が揺れません。
役員や経理担当者にも同じ五点を答えてもらうと、認識の差が見えます。自分だけが感じている不満なら、伝え方を変える余地が残っています。
差が無いと分かった時点で、次の候補を並べる作業に入って構いません。
さらに詳しく読む→【税理士との相性が合わないと感じる5つのサインと、正しい対処法】
税理士が何もしてくれないという実感は、依頼の範囲を書き出すと輪郭が出る

- 契約に入っていない期待と、入っている未実行を切り分ける
- 顧問料の範囲を一行ずつ読み直す
- 訪問回数と提出期限を書面に残す
この言葉の背後には、二つの別々の状況が混ざっています。契約に入っていない仕事を期待している場合と、契約に入っている仕事が実行されていない場合です。
4本目は、税理士が何もしてくれないという実感の原因を、この二つへ切り分ける手順を追います。契約書の業務範囲を一行ずつ読み直す作業から始まります。
記帳の代行、月次の巡回、決算と申告、税務調査の立会い、資金繰りの相談。どこまでが顧問料に含まれるかは事務所ごとに違います。
範囲の外にある期待であれば、追加の依頼として見積もりを取れば済みます。範囲の中にあるのに動いていないなら、期日を示して求める段階です。
顧問税理士の変更へ進むのは、期日を示しても動かない場合に限ります。切り分けを飛ばすと、次の相手にも同じ期待をぶつけて同じ結果になります。
初めて税理士を雇う会社ほど、この切り分けでつまずきます。何を頼めるのかの相場観がないため、期待の振れ幅が大きくなるためです。
見積もりの段階で、月次の訪問回数と資料の提出期限を書面に残してください。口頭の合意は、担当者が交代した時点で消えます。
顧問税理士の変更を終えた会社でも、範囲を決め直さなければ半年で同じ不満が戻ります。契約の中身こそが、満足の大半を決めています。
範囲を書き出す作業は、社内の役割分担を見直す機会にもなります。自社で持つ仕事と外へ出す仕事の線が、そこではっきりします。
線が引けたら、費用の総額ではなく単位あたりの価格で比べられるようになります。
さらに詳しく読む→【税理士が何もしてくれないと感じる原因と、正しい対処法の順序】
顧問税理士の契約解除は、告げる前に精算と返却の範囲を決めておく

- 予告期間は一か月から三か月が目安になる
- 返却物の一覧を告げる前に作る
- 精算額と日付を書面で残す
解除の申し出は、口頭で伝えても法律のうえでは成立します。問題になるのは成立の可否ではなく、預けていた書類やデータがきちんと戻ってくるかどうかです。
5本目が扱うのは、顧問税理士の契約解除の進め方と、違約金の考え方、円満に伝えるための手順です。
契約書に予告期間の定めがある場合は、一か月から三か月が目安になります。期間を無視すると、その分の報酬を請求される余地が残ります。
返却物の確認は、告げる前に済ませてください。総勘定元帳、決算書の控え、申告書の控え、償却資産の台帳、原始の証憑。原本か写しかで扱いが変わります。
顧問税理士の変更を決めた会社が一番困るのは、この返却が滞る場面です。期日を書面で示し、受け取る物の一覧を先に渡すと滞りにくくなります。
伝え方は短く、理由は一つに絞ります。長い説明は相手の反論を呼び、手続きが長引きます。
税理士を探す作業は、解除を告げる前に終えておくのが安全です。空白の期間が生まれると、月次も申告も止まります。
顧問税理士の変更の日程は、決算期と申告の期限から逆に置きます。申告の直前に切り替えると、双方の作業が重なって事故が起きます。
違約金という名目の定めがある契約は多くありません。実際に請求されるのは、予告期間の分の報酬と、着手済みの業務の実費が中心です。
請求の根拠が示されないまま金額だけを告げられた場合は、契約書の条項を示して説明を求めてください。
解除の合意は、日付と精算額を残した書面にしておくと、後の争いが起きません。
さらに詳しく読む→【顧問税理士の契約解除の進め方、違約金と円満に断るための手順】
税理士への苦情は、社内の交渉と外部への申立てで扱いが分かれる

- 社内の交渉で片づく種類と、窓口へ持ち込む種類を分ける
- 日付と担当者名の入った記録を残す
- 担当者ではなく代表者へ、書面で申し入れる
不満と苦情は別物です。苦情は、相手の行為が職務のうえでの水準を割っているという主張であり、持ち込む先が決まっています。
6本目では、税理士への苦情の申し立て方法と、税理士会や相談窓口の使い分けを整理します。
持ち込む先は大きく三つに分かれます。事務所そのもの、所属する会、行政の三つです。返ってくるものはそれぞれ違います。
報酬の行き違いや対応の遅れは、外部へ持ち込んでも金銭は戻りません。この種類は社内の交渉で片づける領域です。
顧問税理士の変更と申立ては、分けて進めてください。同時に走らせると、資料の返却が止まりやすくなります。
申立てを選ぶ場面は限られます。守秘の義務に反した、名義を貸したといった行為が確認できたときです。
証拠として残すのは、日付と担当者名の入った記録です。メールの原本、面談の日時、依頼した内容と返答の有無を並べます。
記録は顧問税理士の変更の場面でも役に立ちます。次の相手へ経緯を説明する時間が短くなり、条件の交渉が具体的になります。
窓口へ持ち込む前に、事務所の代表者へ書面で申し入れる段階を挟んでください。担当者の判断で止まっていた案件が、そこで動くことがあります。
年商の規模が小さい会社では、担当者一人の裁量で処理が決まる場面もあります。
税理士を選ぶときには、苦情の受け皿が事務所の中にあるかどうかを聞いておくと安心です。担当者以外の連絡先を持てるかとうかが分かれ目になります。
申立ての結果は、自社の損害の回復とは別の話です。
さらに詳しく読む→【税理士への苦情と申し立ての方法、税理士会と相談窓口の使い方】
税理士のミスに賠償を求められるかは、注意義務の水準で線が引かれる

- 本来払うべき税額と、避けられた負担を分ける
- 事実の確定、証拠の保全、請求の順に動く
- 依頼した日と回答の日を時系列で並べる
申告の誤りが見つかったとき、経営者が最初に知りたいのは誰が負担するのかという点です。答えは、誤りの種類によって変わります。
7本目が扱うのは、税理士のミスに対する賠償の範囲と、善管注意義務の基準、対応の順序です。
増えた税額のすべてが賠償の対象になるわけではありません。本来払うべきだった税額は、誰が処理していても発生した支出です。
対象になりやすいのは、加算税や延滞税のように、正しく処理していれば避けられた部分です。ここに線が引かれます。
顧問税理士の変更を検討する場面では、この線引きを知っているかどうかで交渉の質が変わります。過大な請求は相手を硬くし、過小な請求は自社の損失になります。
対応の順序は、事実の確定、証拠の保全、請求の順です。感情的な連絡を先に入れると、記録が残らないまま話が進みます。
保全すべきものは、依頼した内容と時期が分かる記録です。資料を渡した日、質問した日、回答があった日を時系列で並べます。
顧問税理士の変更の前に、この記録を揃えてください。引き継ぎが済んだ後では、相手の手元の資料に触れられなくなります。
払い過ぎた税額そのものは、更正の請求という制度で取り戻せる場合があります。期間の制限があるため、気づいた時点での確認が要ります。
年商3億円の規模では、消費税の課税区分や在庫の評価が誤りの起きうる箇所になります。
税理士を雇う段階で、賠償責任保険への加入の有無を確かめておく方法もあります。
税理士を選ぶ場面では、保険の有無だけで決める必要はありません。
さらに詳しく読む→【税理士のミスと損害賠償の範囲、善管注意義務違反の基準と対応方法】
確定申告の場所は納税地で決まり、引き継ぎの時期にも影響が出る

- 原則は住所地で、特例を選べる場合がある
- 引き継ぎ資料に直近の控えと所轄の名称を入れる
- 移転と依頼先の見直しは時期を分ける
提出先を間違えても申告そのものが無効になるわけではありませんが、処理が遅れ、通知の行き先も変わります。
8本目は、確定申告の場所がどこになるのか、住所変更や海外に居住する場合の提出先と納税地を追います。
原則は住所地です。事業所の所在地を選べる特例や、居所地を使える場合もあり、選択の余地が残されています。
顧問税理士の変更を年の途中で行う会社では、この確認が抜けがちです。前の相手が把握していた提出先を、次の相手が引き継げないことがあります。
引き継ぎの資料に、直近の申告書の控えと提出先の税務署の名称を必ず入れてください。控えがあれば、所轄の確認に時間を取られません。
代表者が海外へ移った年は、扱いが大きく変わります。納税管理人を定めるかどうかで、書類の届き先が異なります。
税理士を探すときに、こうした事情がある会社は、経験の有無を先に聞いてください。件数の少ない事務所では、確認に時間がかかります。
顧問税理士の変更と住所の移転が重なる年は、順番を分けるのが安全です。片方が終わってから、もう片方に着手してください。
所轄の税務署は、郵便番号から調べられます。移転の前後で管轄が変わる地域もあるため、思い込みで決めないでください。
個人の事業と法人の両方を持つ経営者は、提出先が別々になる場合があります。どちらの窓口へ何を出すのかを一覧にしておくと迷いません。
提出先の情報は、社内で共有しておく種類の情報です。
申告の期限そのものは提出先で変わりません。
さらに詳しく読む→【確定申告の場所はどこか、住所変更や海外居住のときの提出先と納税地】
税理士が偉そうだという受け止めを、伝え方の設計に置き換える

- 態度そのものは制度の規律の外にある
- 要望は書面で出し、返答の期日を添える
- 決算書の四か所で仕事の水準を測る
言葉づかいや態度への違和感は、本人に自覚が無いことがほとんどです。指摘しても直らない場面が多いのは、そのためです。
9本目が扱うのは、税理士が偉そうだという受け止めへの対処法と、契約を続けるか替えるかの判断基準です。
態度そのものは制度で縛られていません。言葉遣いや態度の悪さ自体は、税理士法上の懲戒処分の対象には含まれていないためです。
見直せるのは自社からの伝え方です。要望は口頭ではなく書面で出し、返答の期日を添えると、やり取りの記録が残ります。
記録が残ると、感情の応酬が減ります。顧問税理士の変更を判断するときにも、事実だけを並べて検討できます。
仕事の質は、印象と切り離して測れます。決算書の残高、内訳の不明な仮の勘定、償却の処理、期末の在庫。四か所を見れば水準の見当がつきます。
印象は悪くても数字が正確な相手はいます。反対に、感じは良くても処理が粗い相手もいます。替えるかどうかは、後者の方が重い問題です。
顧問税理士の変更を決める基準は、態度ではなく、任せた仕事が水準を満たしているかどうかに置いてください。
税理士を選ぶ面談では、質問に対して結論だけを返す相手か、根拠を添えて返す相手かを見てください。根拠を示す習慣は、態度よりも長く効きます。
担当者の交代を申し出る手もあります。事務所の規模が大きければ、所長以外へ窓口を移せることがあります。
更新の月から三か月前を、結論を出す期限に決めておくと、話が先送りになりません。
期限を決めずに悩み続けた年数は、そのまま機会の損失になります。
さらに詳しく読む→【税理士が偉そうだと感じたときの対処法、変更を判断する基準】
税理士のセカンドオピニオンは、契約を残したまま判断材料を増やす手段だ

- 確認、検証、意思決定の補強の三つに使える
- 直近二期の控えを渡し、説明できない項目を書き出す
- 結果は口頭ではなく書面で受け取る
替えるかどうかを決める前に、別の専門家の見方を一度だけ聞く方法があります。契約はそのままで構いません。
10本目では、税理士のセカンドオピニオンをどう使うか、もう一人に相談する利点を取り上げます。
使いどころは三つです。処理が正しいかの確認、提案が妥当かの検証、そして意思決定の補強です。
渡す書類は、直近二期の決算書と申告書の控えが基本になります。社内で先に目を通し、説明できない項目を書き出しておいてください。
顧問税理士の変更を前提にしないほうが、かえって結論は早く出ます。替える方向で聞くと、相手の答えも営業の色を帯びます。
料金は事務所ごとに決まります。報酬の基準は制度として定められておらず、見積書で内訳を確かめる以外に方法はありません。
税理士を探す前の段階でこの機会を挟むと、次の相手に求める条件がはっきりします。漠然とした不満が、具体的な項目に変わります。
答えが出ない依頼もあります。資料が足りない、前提が定まっていない、そもそも税務の問題ではない、という三つです。
顧問税理士の変更に踏み切る会社の多くは、この段階で自社の立ち位置を把握しています。比較の軸を持たないまま動くと、条件の良し悪しが分かりません。
いま契約している相手に伝えるかどうかは、自社の判断で構いません。伝えずに進めても、守秘の義務があるため情報が漏れる心配は要りません。
社内では、経理担当者へ先に共有しておくと資料の準備が速くなります。突然の依頼は、現場の負担になります。
一度きりの相談で終わらせず、結果を書面で受け取ってください。
さらに詳しく読む→【税理士のセカンドオピニオンの使い方、もう一人に相談する利点】
税理士の乗り換えで崩れるのは、資料と期限の受け渡しの順番である

- 次の依頼先が決まる前に解約を告げない
- 棚卸し、選定、通知、引き継ぎ、初回申告の順に置く
- 原本の預けっぱなしを解消しておく
実務の失敗は、判断ではなく段取りで起きます。誰に何をいつ渡すかを決めないまま告げると、作業が止まります。
11本目が扱うのは、税理士の乗り換えで避けるべき五つの行為と、正しい手順、注意点です。
避けるべき筆頭は、次の相手が決まらないうちに解約を告げることです。空白の期間に決算期が入ると、申告そのものが危うくなります。
二つ目は、資料の一覧を作らずに引き継ぎへ入ることです。何が戻っていないかを、後から証明できなくなります。
顧問税理士の変更の手順は、棚卸し、選定、通知、引き継ぎ、初回の申告という並びになります。前後を入れ替えると、どこかで必ず滞ります。
届出の切り替えにも順番があります。税務の代理の権限を示す書面は、前の相手の分と次の相手の分で空白が生まれないようにします。
帳簿と書類を保存する義務は、事務所ではなく自社にあります。原本を預けたままにしていた会社は、この段階で回収に苦労します。
顧問税理士の変更を、年に一度の決算の作業と重ねないでください。双方の手が塞がる時期に動かすと、確認の抜けが増えます。
起きる問題は三つの型に整理できます。資料が戻らない、期限を落とす、費用の精算でもめる。表面化する順序も、この並びになります。
税理士を探す段階で、初回の面談に持参する資料を決めておくと比較が速くなります。直近の申告書と、月次の資料の見本です。
税理士を選ぶ面談では、担当する人と連絡の手段を必ず確認してください。契約の相手と実際に動く人が別になることもあります。
引き継ぎの完了は、次の申告が終わった時点です。
さらに詳しく読む→【税理士の乗り換えでやってはいけないこと5選、正しい手順と注意点】
税理士の変更で手応えが分かれるのは、期待の置き場所が違うからだ

- 費用の額だけで並べると落差が生まれる
- 数字の使い道を先に決めておく
- 三か月と一年の二時点で定着を確かめる
替えた後に何も変わらなかったと感じる会社と、替えてよかったと実感できた会社があります。差は相手の力量よりも、替える前に何を期待したかに出ます。
12本目は、後悔として語られる理由と、変えてよかったと語られるケースとの違いを並べます。
後悔が残るケースに共通するのは、費用の額だけで並べたことです。支払いが下がっても、届く情報が減れば経営の判断は遅くなります。
変更してよかったと感じるケースに共通するのは、数字の使い道が先に決まっていたことです。何を見て何を決めたいのかがあると、報告の中身が変わります。
顧問税理士の変更で直接に売上が伸びることはありません。伸びるきっかけが生まれる場合はあっても、売上を作るのは経営者の仕事です。
比較の軸は五つに絞れます。数字の精度、報告が届く速さ、相談できる範囲の広さ、支払いの内訳、自社の側へ残る作業の量です。
五つのうち、支払いの内訳だけを見て決めた会社が、変更後に不満や公後悔を抱える結果になりがちです。
顧問税理士の変更でも変わらないものがあります。証憑を集める作業、現場の入力、最後に経営の決断です。こうした自社の役割まで税理士に期待すると、変更後に大きなギャップを感じることになります。
替えた後の定着は、三か月と一年の二つの時点で確かめられます。
税理士を雇う費用を下げること自体は目的になりません。同じ金額でも、受け取れるものが増えれば投資として意味を持ちます。
下の表は、迷い始めてから移行を終えるまでの段階と、そこで表に出る症状、先に確かめることを並べたものです。自社がどの段階にいるかを確かめてください。
| 段階 | 表に出る症状 | 先に確かめること |
|---|---|---|
| 違和感の段階 | 返答が遅い、説明が短い | 自社の資料提出が遅れていないか |
| 事実の確認 | 決算書の残高が合わない | 通帳と帳簿の突き合わせ |
| 外部の見解 | 判断の根拠が示されない | 別の専門家へ渡す書類の範囲 |
| 解約の申し出 | 予告の期間と精算の話が出る | 契約書の条項と返却物の一覧 |
| 移行と初回申告 | 届出の期限が重なる | 権限を示す書面の切り替え時期 |
移行を終えた後に社内で何が動くのかは、顧問税理士の変更を決めた会社の内側を扱った記事で別に整理しています。
さらに詳しく読む→【税理士の変更で後悔した理由と、変えてよかったケースとの違い】
個人事業主が専門家に任せる線引きは、売上ではなく制度の適用で決まる

- 制度の要件が線を引いている場面から考える
- 作業量と判断量を分けて測る
- 法人化の予定も先に伝える
忙しさの感覚で決めようとすると、判断は毎年先送りになります。制度の側に線が引かれている項目から考えると、迷いが減ります。
13本目が扱うのは、個人事業主がいつ専門家と契約すべきかという判断を、売上別の基準と生じる可能性のある損失の観点から整理した内容です。
線が引かれているのは、記帳の水準で控除の額が変わる場面と、課税の事業者になる年です。どちらも金額ではなく要件で決まります。
帳簿の付け方が要件を満たしていなければ、控除の額は下がります。失うのは金額そのものではなく、使えたはずの制度です。
顧問税理士の変更という論点は、法人だけのものではありません。事業の規模が変わった方も、依頼先を見直す場面に立ちます。
期限を落とした場合の負担は、制度で決まっています。自主的に出した場合と、指摘を受けてから出した場合では扱いが違います。
専門家へ任せるかどうかの判断は、作業の量と判断の量に分けて測ってください。作業は外へ出せますが、判断は自社に残ります。
顧問税理士の変更を考える前の段階では、年間の予定表を作るだけでも効果があります。いつどんな手続きが必要かを把握できれば、必要な支援の量が分かります。
相談へ動く前に揃えるものは決まっています。直近の申告書、通帳の写し、売上の推移、経費の内訳です。
この四つがあれば、初回の面談で見積もりまで進めます。
法人化を検討している場合は、その予定も先に伝えてください。個人と法人では、依頼する範囲も費用の構造も変わります。
税理士を選ぶ段階で法人化の時期まで相談できると、二度手間が避けられます。
さらに詳しく読む→【個人事業主が税理士と契約すべきタイミング、売上別の判断基準と損失】
税理士の契約時期を左右するのは金額ではなく、制度が決めた日付である

- 設立からの経過、決算期の末日、課税事業者になる期の三つで見る
- 取引先の数が必要な支援の量を変える
- 申告と資金と金融機関の予定が重なる月を外す
年商だけで線を引こうとすると、必ず例外に突き当たります。同じ売上でも、取引先の数と決算期の置き方で必要な支援は変わります。
14本目では、税理士の契約時期が年商で決まるのかという問いを、経営の段階ごとの目安へ置き換えます。
日付が制度で決まっている場面は限られます。設立からの経過した月数、決算期の末日、課税の事業者になる期。この三つです。
三つのいずれかが近いなら、時期は制度の側が決めています。検討を始める余裕は、その二、三か月前までです。
顧問税理士の変更も、同じ日付から逆に置きます。決算と申告の直前を避け、期首に近い時期へ寄せると引き継ぎが軽くなります。
規模が同じでも中身は違います。取引先が一社の会社と二十社の会社では、任せるべき範囲も、任せなければ回らなくなる時点も別です。
急がなくてよい場面もあります。売上が立つ前の段階では、記帳の型を自社で作っておくほうが、後の説明が速くなります。
税理士を雇う時期を決めたら、契約の前に確かめる項目を並べてください。担当する人、返答までの日数、月次資料の提出の期限という三つです。
顧問税理士の変更を最終的に決めるのは、決算と資金の予定表です。感情の高まりではなく、年間のスケジュールをもとに自然と判断できます。
予定表には、申告の期限、納税の資金が動く日、金融機関へ資料を出す日を書き入れてください。三つが重なる月は避けます。
重なる月を外すだけで、引き継ぎの事故はかなり減ります。
さらに詳しく読む→【税理士の契約時期は年商で決まるか、経営フェーズ別の判断の目安】
経営者がやるべきことをしっかりとやった上で、それでもうまく付き合えなければそこで初めて税理士の変更も考える段階となります。
委任は、各当事者がいつでもその解除をすることができる。
税理士コンシェルジュ事務局からのコメント
顧問税理士の変更は、替えること自体が目的になった時点で難しくなります。事務局へ届く相談でも、先に解約を告げてしまい、資料の返却と申告の期限で行き詰まった例が目立ちます。順番は、感じていることを事実へ置き換える、社内で決める、相手へ伝える、移す、の四つです。この順を守れた会社からは、顧問税理士の変更を終えた後で数字の届く速さが変わったという声が届きます。