税理士の月々の費用相場はいくらが適切? 顧問料金が高いと思った場合のチェックポイントも解説
目次
税理士を雇う際の月々の費用相場
「税理士を雇いたい」あるいは「税理士を雇っているが、費用面での負担感が大きい」と考えている場合、気になるのは税理士費用の相場ではないでしょうか?
大切なことは、
1:税理士へ依頼する業務内容と、適正価格の把握
2:税理士へ依頼する業務の増減により、価格調整が可能かを確認
3:税理士との交渉や、税理士変更の必要があるかを検討
という3点です。
この記事では、税理士に月々支払う顧問料に疑問を感じたときにチェックすべきことや、役に立つポイントについて、解説していきます。
まずは、「個人で税理士を雇うのか」「法人として税理士を雇うのか」に分けて考えることから始めましょう。
個人で税理士を雇う際の月々の費用相場
個人で税理士を雇う場合、その依頼内容の多くは確定申告です。ただし、経理が複雑な場合や、税務関係を一括して依頼したい場合、経営面へのアドバイスも期待したい場合などは、定期的に税理士と面談の機会を設ける場合もあり、金額は異なってきます。
また、確定申告のみ依頼する場合でも、自社で記帳を行っている場合と、記帳も税理士に依頼する場合とでは金額は変わります。
ここでは、年商ごとに確定申告のみを依頼した場合(年額)の相場を挙げます。
・500万円以下:約8万円
・1,000万円以下:約10万円
・3,000万円以下:約20万円
・5,000万円以下:約25万円
法人で税理士を雇う際の月々の費用相場
法人で税理士を雇う場合は、個人で税理士を雇うよりも支払額は大きくなります。個人事業主の場合は、税務が複雑ではないため税理士の負担が軽いためです。
法人の場合は、各種決算書類の作成や、節税提案、経営面でのコンサルタント的役割など、税理士としての仕事は多岐にわたるため、支払額は高くなります。
したがって、税理士とは顧問契約を結び包括的に仕事を依頼することが一般的ではありますが、会社によっては「記帳は社内で行う」「訪問頻度は低くても構わない」といったアレンジをして契約し、費用削減を模索する場合もあります。
契約内容によって税理士費用は異なってきますが、年商と訪問頻度ごとに整理すると、顧問契約を結んだ場合の費用(月額)は、おおむね以下のような相場となります。
【訪問頻度が3か月ごとの場合】
・1,000万円以下:約2万円
・3,000万円以下:約2.5万円
・5,000万円以下:約3万円
・1億円以下:約4万円
【訪問頻度が半年ごとの場合】
・1,000万円以下:約1.5万円
・3,000万円以下:約2万円
・5,000万円以下:約2.5万円
・1億円以下:約3.5万円
上記に加え、記帳代行を依頼する場合は毎月プラス1万円~2万円程度、決算申告費用として年額プラス15万円~30万円程度)が発生します。
「税理士への月々の顧問料が高い!」と感じたときにすべきこと
税理士への月々の支払い額が高いと感じる、あるいは適正価格なのかと疑問に感じたときにやるべきことは、まずは現状を正確に把握することです。
具体的には、
これらを確認することから始まります。そして、現在交わしている契約内容の見直しをお薦めします。例えば、
・依頼業務を減らす→自社で出来ることは、依頼しない
・依頼内容の中身を変える→業務内容を簡易なものにする・頻度を下げる
このような方法で、月々の支払いを軽減することが可能です。実際には、以下のように検討を進めていくとよいでしょう。
税理士への月々の顧問料が高いと思ったら? その1:業務内容と適切な価格を把握
まず、自社が依頼している業務の内容と、その相場はいくらなのか把握することが大切です。税理士と顧問契約を交わしているのであれば、いわゆる「顧問」というサービスには、どんな業務が含まれるのかを具体的に把握しましょう。
一般に、「顧問」という業務は、2つに分けることができます。1つは、顧問先の税務会計・経営面の定点観測とアドバイスです。もう1つは、記帳代行や申告書作成といった、実務的な内容です。
顧問先への定期的な訪問とアドバイスの料金について
税理士は顧問先に定期的に訪問し、経営者や経理担当者から日々の事業が円滑に動いているかや、経理面で問題がないかをチェックします。また、季節ごとに必要な手続や、必要に応じての節税対策など、様々な観点から顧問先の経営がよりよくなるようにアドバイスをします。
訪問頻度は、契約内容によって変えることができます。「毎月来てほしい」という会社もあれば、「半年に1度でよい」という会社もあります。また、税理士費用軽減のために、会社側が税理士事務所を訪問するというスタイルにしている場合もあります。
頻度や形態は会社と税理士の契約によって異なりますが、共通していえるのは「定期的」であることです。会社の数字は常に動いています。定期的に見つめないと、なかなか会社の抱える問題や改善点はわかりません。
定期的に税理士が会社の数字をチェックすることで、例えば、顧問先の会計データを元に、会計・税務面から見た専門家としてのアドバイスをすることが可能になります。現状の改善や、将来のビジョンについて考える際に参考になるでしょう。
節税対策についても、同様です。税理士が会社の状況をつかめていないと提案できなかったり、的外れな内容になってしまいます。会社の経営の助けになる、もしくはリスクを抑えるためのアドバイスをしてもらうことが可能になるのは、定期的なチェックがあってこそです。
また、税理士が定期的に会社に訪問し、会計データも含めた現状を把握していることで、今後発生するであろう源泉所得税の額や決算時の納税額を先に教えてもらえます。先に教えてもらうことで、会社としてはより適切な事業計画を練ることができます。
忙しい経営者の方にとっては、税務会計のプロが自社の定点観測的に数字をチェックしてくれるのは頼もしいことです。
こうしたサービスの料金は、依頼者の会社の売上規模で相場が決まっています。売上が大きくなると、税務調査での罰金の額も大きくなるため税理士の負担も増えます。これに比例して料金も高くなるという仕組みです。
会計ソフトへの入力作業(記帳代行)について
記帳代行とは、会社での入出金の記録(領収書や請求書など)の資料から仕訳を行い、記帳を行っていくことを指します。
比較的規模の小さい会社や、規模が大きくても取引先が限られているなど、金銭の流れがさほど複雑ではない場合は、経理担当者が行うことも少なくありません。
しかし、事業規模が大きくなったり、社内に担当できる人がいない場合はアウトソーシングすることになります。この場合に選ばれるのは、やはり税務会計のプロである税理士であることが多いです。
一昔前は、この作業が税理士のメイン業務でした。会計ソフトのなかった時代は手作業で行っていたのでかなりの労力でしたが、昨今は会計ソフトも充実してきたため、税理士による記帳代行は値下がり傾向といえます。
とはいえ、記帳をはじめとする経理事務には簿記の知識や経験が必要です。そのために従業員を雇用するのは、それなりのコストがかかります。税理士に依頼することで、この負担が減るのは会社にとっては助かるでしょう。
記帳代行は仕訳数で決まっており、およそ「100仕訳、1万円程度」です。燃焼額によって異なりますが、月5万円程度を上限と考えればよいでしょう。もしもそれ以上高くなる場合は、社内にスタッフを置き自計化をするほうがメリットが大きいといえます。
税理士への月々の顧問料が高いと思ったら? その2:業務削減で価格調整が可能かを確認
業務内容と料金の相場を把握できたら、次に「減らせる業務はないか?」を検討します。具体的には、上記した「顧問の業務」のうち、定期的な打合せ・アドバイス、記帳代行などの頻度や量を減らせないか考えてみましょう。
定期的な打合せを、毎月訪問から頻度を下げてもらう
顧問契約の大きな特徴として「税理士と顧問先が定期的に打合せを行うことで、経営状況を定点観測する」というものがあります。しかし、この「定期的」の内訳は、会社によって様々です。
一般的には、税理士が顧問先を訪れて行う打合せやは、月1回が前提での金額設定となっていることが多いです。これを、3か月に一度や半年に一度などに減らすという方法です。税理士の訪問頻度を減らすことで、料金を下げてもらえる場合があります。
ここで注意するポイントは、訪問頻度を減らすと、税理士が会社の状況を把握しづらくなるということです。そのため、見落としが発生するリスクも膨らみます。
例えば、見落としにより本来できるはずの節税提案が抜けたり、税務調査で指摘されるポイントを見落としたりといったリスクです。これは、会社にとって大きな痛手です。
こうしたリスクを最小限に抑えるために、顧問税理士がいるのです。年商が5,000万円~1億円程度ならば、訪問頻度が月に1度というのは妥当なところです。
逆にいえば、年商5,000万円以下ならば、税理士の訪問頻度を減らすことを検討してもよいでしょう(価格に幅があるのは、業種によって取引件数が変わるためです)。
例えば、年商1,000万円規模の場合だと、毎月税理士が打合せに来ても特にやることがないという場合があります。そのため、年商1,000万円程度の場合は年に1・2回程度の打合せにするという選択肢もあります。
逆に、年商5,000万円を超えてくると、お金の動きも増えてくるため定期的なチェックが必要になります。そのため、年1回での顧問だけでは後々のリスクが高くなるため「年1回といわれても、それでは責任が持てない」と、税理士のほうから断わられる場合もあります。
税理士との打合せは、顧客側が税理士事務所に行く
顧問契約において、「顧客」は会社側になります。したがって、業務提供者である税理士が、顧客である会社に足を運ぶのは、商慣習的には当然のことといってよいでしょう。
しかし、顧客側が事務所に足を運ぶことにして料金を下げてもらうという方法もあります。
税理士からすると、顧問先訪問のための移動時間も拘束時間に含まれます。しかし、顧客が税理士事務所に来るのであれば前後の移動時間を省くことができます。それに伴い料金も下げてもらえることがあります。
最近では、オンライン・リモートでの打合せを提案する税理士事務所も出てきています。デジタル化の促進によって生まれたサービスではありますが、こうした提案を選択することも「移動費用」「拘束時間」の削減につながるといえるでしょう。
記帳代行サービスを利用せず、顧客側が入力する
また、記帳代行の依頼内容を減らすことで、税理士に支払う料金を下げてもらうという方法もあります。記帳代行は具体的に手を動かす業務のため、依頼内容によって料金が変わるのは、より自然なことです。
例えば、経理ソフトへの入力や、帳簿の作成する等を自社で行うことにより、税理士の業務は減るので、結果料金を下げてもらう交渉をするのは妥当といえます。
ただし、依頼者側からすると「業務量が減ったのだから、料金が下がるのは当然」と思えるようなことも、税理士目線では異なる可能性があります。
「実際の業務量はほとんど変化がないので、応じられない」「単純に業務量を減らすと、仕事の内容に責任が持てない」といった場合は、値下げ交渉には応じにくいでしょう。業務量を調整することにより、月々の顧問料はどのようになるのか税理士に確認してみましょう。
また、社内の人員が少なく、経営者の方が現場で忙しい場合は注意が必要です。
「毎月1万円を節約するために、自社で入力することに決めた。しかし、業務に追われて放置してしまい申告間近になっても何もしていない…」という場合が多々あります。
そのため、どれくらいのことを自社で行い、何を税理士に依頼するかは、多角的な視点から判断する必要があります。
税理士への月々の顧問料が高いと思ったら? その3:税理士の変更も視野に入れる
「定期的な打合せ・アドバイスは何か月に一度がよいのか?」「記帳代行を税理士に依頼するのか、自社で行うのか?」といったことが明確になると、適切な料金が見えてきます。
そして、現在の顧問料が明らかに高いと思ったら、顧問税理士との価格交渉や契約内容の見直し、歩み寄れない場合は税理士の変更も視野に入れることになります。
逆に、そこまで問題を感じないのであれば、今の税理士がしっかりと業務をしているということです。迷いも晴れて、気持ちよく今後も付き合っていけるでしょう。
税理士との交渉においては、自社が求めていることを税理士に伝えたうえで、顧問料の値下げができないかを確認してみてください。高い確率で下げてもらえると思います。
税理士としても、顧客とよい関係を築き、経営の役に立ちたいと考えています。闇雲な値下げ交渉でない限り、歩み寄ってくれるでしょう。
しかし、顧問税理士と料金についての交渉が上手くいかない場合は、税理士変更も検討する必要があります。
「月々の顧問料が高い」と感じるということは「経営にとって、顧問料が過度な負担になっている」「顧問料に対して、税理士の仕事内容に納得がいっていない」ということです。この問題を放置しても、会社にとってよいことはありません。
例えば、親しくしている別会社の経営者に相談してみましょう。その人と付き合いのある税理士がいて評価も高い場合は、紹介してもらってもよいでしょう。できれば、月々の顧問料がどれくらいになるのかを事前に聞いておけるとベストです。
ただし、知人による紹介の場合はしがらみも生まれることに注意が必要です。「税理士を紹介してもらったが、どうも自社には合わないな」と感じても、断りづらいかもしれません。
なるべく自社の近くにある地域密着型の小規模な税理士事務所を探してみる、という方法もあります。税理士の料金には交通費も含まれますから、遠距離であるよりはご近所の税理士のほうが安くなる可能性は高いです。日本税理士会連合会や、各税理士会のホームページには税理士検索のフォームがあるので、利用してもよいでしょう。
参照:日本税理士会連合会ホームページ 税理士情報検索サイト
また、小規模な税理士事務所では、マンパワーとしてもノウハウとしても、よい意味でできることが限られています。そのことが、過剰なサービスの提供や不必要な付加価値を提案されることを防ぎ、適正価格での契約に落ち着く例が多くあります。
場合によっては、税理士紹介サービスを利用してみるのもよいでしょう。税理士との契約の前に税理士と面談をしたり、見積もりの提示を受けることができるので、複数の選択肢のなかから、自社に適切と思われる税理士をじっくりと探せるという利点があります。
参考記事:税理士変更のベストタイミングと知っておきたいポイント
税理士への月々の顧問料を安くする際の3つの注意点
月々の顧問料を安くすることは、会社にとって非常に魅力的です。しかし、以下の点に注意が必要です。
会社として、これらのデメリットを受容できるか否かを判断する必要があります。
税理士への月々の顧問料を下げた結果、十分なサービスが受けられなくなる
顧問料の金額を下げる以上は、依頼していた業務の何かを削ることになります。従来受けられていたサービスがなくなりますし、税理士によってはその後の業務に関して力の入れようが弱くなるかもしれません。
重大な見落としが発生した際になって、ようやく「そうか、これまでは顧問税理士がチェックしてくれていたのか」「社内でこの内容を把握できている人間はいないかもしれない」と気づいても、対応は至難の業でしょう。
月々の顧問料について額面だけではなく、顧問料を下げた結果、何が失われるのかをきちんと把握し、対応策を講じてから契約変更を進めることをお薦めします。
税理士への月々の顧問料を下げた結果、大事な情報が得られなくなる
「月々の税理士への顧問料を安くしたい」という要望をよく耳にする一方、「税理士から提出される資料等には目を通したことがなく、無駄に思える」という話もよく聞きます。
しかし、税理士からの資料には、経営に役立つ情報が記載されています。大切な情報を活かすも殺すも、経営者の方次第というところがあります。
目を通したこともない資料への負担をカットしたくなるのはわかりますが、そもそも目を通さないということはある意味では機会損失ともいえ、経営上のデメリットとなるともいえます。
参考記事:キャッシュフロー計算書とは?種類・重要性などキャッシュフロー計算書の基礎知識
税理士への月々の顧問料を下げた結果、自社の負担が増える
例えば、「月々の顧問料を安くするために、記帳代行サービスをカットした」とします。すると、経営者の方自らあるいは経理担当者が会計ソフトに入力する手間が生じます。
契約内容の見直しによっては、各種届出や申告も、自ら税務署に赴いて済ませることとなります。こうした負担増は決して軽いものではありません。
・費用を下げた結果として生じうるリスクに、どう備えるか
・費用を下げた際に発生する社内負担に、どう対応するか
こうした点を検討してから、費用軽減に向けて動くことが大切です。
税理士への月々の顧問料以外の問題が潜んでいるケースと解決策
また、顧問料の額面ではない問題点が潜んでいる場合には、注意が必要です。
例えば、
このような場合は、税理士との契約を見直したり、顧問料軽減に努めるだけでは解決できません。
「どうして税理士変更をしたいのか」「現状の何が不満で税理士変更を思い立ったのか」を明確にすることが大切です。
顧問料への不満は端緒に過ぎず、よくよく考えてみれば税理士の他の点に強く不満を持っていたり、会社の問題が潜んでいたりする場合も少なくありません。
月々の顧問料よりも、税理士の仕事ぶりに不満がある場合
「月々の税理士費用を減らしたい」という思いの根底に、税理士の仕事ぶりへの不満が潜んでいる場合があります。
「レスポンスが悪い」「真摯に相談に乗ってくれない」「機械的に作業をこなしているだけ」といった、税理士の仕事ぶりに対して不満を感じている経営者の方は少なくありません。
そして、この不満が「月々、税理士費用を負担しているのに…」という費用への疑問に繋がるのです。こうした場合、経営者の方の不満はコストパフォーマンスにあるといえます。
つまり、支払う費用の額面ではなく、受け取るサービスの質や量に不満があるということです。
顧問税理士と腹を割って話し合いができるようであれば、いっそ打ち明けてしまってもよいかもしれません。顧問税理士が不満に対して真摯に向き合って、仕事への姿勢を改めるのであれば、問題は解決します。
しかし、伝えても仕事ぶりが変わらない場合や、そもそも話し合おうとしても応じてくれないこともあるでしょう。
そのような場合は、思い切って顧問税理士を変えてみることで、同額または今よりも低額で納得がいくサポートが受けられる可能性があります。
税理士への月々の顧問料が、経営を圧迫している
一方、会社を立ち上げたばかりの場合や、経営難が続いている場合等、月々の税理士費用がかなり重くなっているということもあります。可能であれば、現在の顧問税理士に率直に相談してみることをお薦めします。
また、最近では低価格をアピールポイントにする税理士もいます。こうした税理士に変更するという方法もあります。もちろん、低価格ゆえのメリット・デメリットも把握しておく必要はありますが、一考には値するでしょう。
税理士費用の相場は、今でこそ調べやすくなりましたが、それでもわかりにくいところがあります。これは、税理士の仕事はオーダーメイドのようなところがあるためですが、逆にいえば会社の事情を伝えれば、うまく設定してくれる税理士もいます。
大切なのは「月々の税理士費用をどれくらい支払ってもよいのか」を明確にすることです。そこから契約内容あるいは税理士変更の検討を進めると、スムーズでしょう。
・税理士の仕事について、費用対効果の面から納得できていない
・税理士の費用が、経営において看過できない負担になっている
こうした場合は、「税理士の仕事に何を求めるのか」「税理士の仕事にいくらまでなら支払うことができるのか」を具体的に検討し、明確化してから税理士変更に臨むことをお薦めします。
自社のニーズを明確にして、税理士への月々の顧問料を判断する
顧問料を下げることは会社のコスト削減になるのですから、その一面だけを見ればよいことといえるでしょう。
そして、「必要なことを、必要なだけしてくれればよい」と割り切って税理士と付き合うのも1つの方法です。これは、「安かろう悪かろう」というよりは、自社のニーズやコストについてシビアに考えた場合の1つの選択肢です。
税理士と顧問契約を結ぶのではなく、申告等のみを依頼する「スポット契約」のスタイルはこのような考え方に適した依頼方法です。また、会社の規模があまり大きくない場合や、税務会計の内容が複雑でなく、顧問契約をせずとも問題はないという会社も数多くあります。
いずれにせよ、税理士に仕事を依頼する以上、コストが発生しているのですから、疑問や不満をそのままにしておくことは不健全ですし、放置してよいことではありません。事態を改善するために、できることがあるはずです。
顧問契約をした場合に得られるメリットとデメリットを比較し、自社にとってメリットが魅力的であるならば、積極的に顧問税理士の活用を検討してもよいかもしれません。
上記したようなメリットに加え、何かと変化の多い昨今は、プロではない人が税務会計の最新情報をキャッチアップすることは難しいものです。たしかに法改正や各種手続の取扱変更は、会社の業務にダイレクトに影響するので、見逃すわけにはいきません。しかし、本業と同時並行で情報を入手し、社内体制を整えるのは至難の業です。
もしも顧問税理士が会社にいれば、正しい理解と豊富な情報から、より適切で管理しやすい方法を提案してくれるでしょう。
例えば「似た業種の他社では、このように管理している」「ここまで細かく対応する必要はない」等とアドバイスをもらえるだけでも、日々の業務負担は大きく減るでしょう。
顧問税理士というと、税務調査対策を思い浮かべる人が多いでしょう。実際、「いざというとき」の役割は小さくないものではありますが、日頃の業務負担の軽減や、正確な遂行のために役立ってくれる存在でもあります。
つまり、顧問料は発生しますが、日々の煩雑な業務による負担や、申告や税務調査時の不安を取り除いてくれるのであれば、それを額面だけで「高い」と判断するのは早計かもしれません。
自社が税理士に求める業務と費用対効果を把握したうえで、月々の顧問料が高いのか安いのかを判断することが大切です。
コストとして過大な負担となっているようだったら、顧問料を引き下げる方法を検討するとよいでしょう。あるいは、これをきっかけとして税理士変更を考えるという選択肢もあります。
また、月々の負担がそこまで大きくないのでなければ、顧問税理士の存在が会社にとって一層プラスとなるよう、積極的な活用をお薦めします。
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会計の実務経験を活かし、これまで1000名以上の税理士と面談を行い、相談実績は1万件を超える。2017年に執筆した書籍「税理士に顧問料を払う本当の理由」は、出版から半年にわたりAmazonカテゴリ「税理士」で1位を獲得。2021年に実施した日本コンシューマーリサーチの調査では、税理士紹介サービスで顧客満足No.1を獲得。
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