税理士の業務内容は、税理士法が独占と定めた税務代理・税務書類の作成・税務相談の三つを軸に、財務書類の作成や記帳の代行といった付随の仕事まで広がります。労働と社会保険の手続きは、この枠の外にあります。
線引きを決めているのは法律であり、事務所ごとの方針で動く部分は多くありません。毎月の関与で果たす役割と、費用対効果をどこで測るかは、任せる範囲を決めてから考える必要があります。
社労士や公認会計士の領域との境目、そして頼めない仕事の一覧までを順に並べます。

税理士の業務内容は法律が独占と定めた三つの仕事から広がっている
頼めることの全体像を持たないまま面談へ進むと、話は毎月の金額ばかりになってしまいます。何をどこまで引き受けてもらえるのかを先に押さえておけば、その場で確かめる項目は自然に決まってきます。
土台にあるのは法律です。三つの事務を租税に関するものの中から取り出し、独占の対象に据えたのが税理士法でした。ここが核にあたります。
核の外側には、法律が認めた付随業務があります。さらにその外側には、別の資格が独占を握っていて手の届かない圏外の領域が控えています。
税理士の業務内容は、この核を中心にして、周りへ広がる財務と会計の仕事まで含む形になっています。核と周辺を分けて眺めると、どこまで任せられるかが明確になります。
周辺の仕事は、他の法律が別の資格へ独占を与えた領域とぶつかることがあります。労働と社会保険の手続きがその代表で、その線引きは法律であらかじめ定められています。
三層に分けて整理すると、誰がどこを担うのかという役割も同時に決まってきます。外へ出す仕事と手元へ残す仕事が並んだ紙は、そのまま面談の材料になります。
税理士の業務内容を核と周辺と圏外の三層で捉えておくと、断られたときの理由まで読み取れます。圏外にある頼みごとは、別の窓口へ回すという判断がその場でつきます。
費用対効果を測る土台も、この三層の上に置かれます。どの層まで任せるかが決まらないうちは、示された金額が見合っているかを判断しようがないからです。
三層の見取り図は、事務所の規模や所在地が変わっても動きません。動くのは、周辺のどこまでを引き受けるかという方針と、そこに割り当てられる役割だけです。
独占業務は税務代理と税務書類の作成そして税務相談に分かれる
一つ目の税務代理は、申告や申請、不服申立てについて代理や代行を行うことを指します。調査や処分に関して税務官公署へ主張や陳述をする場面も、この号に入ります。
二つ目の税務書類の作成は、申告書や申請書、請求書などを作る仕事です。電子で作る記録も同じ扱いになり、紙か電子かで線が引かれることはありません。
三つ目の税務相談は、課税標準等の計算に関する事項へ相談に応じる仕事を指します。税額がいくらになるかという計算そのものへ踏み込む問いが、ここに当たります。
三つはいずれも独占の対象であり、税理士の業務内容の核として、資格を持たない者が報酬を得て引き受けることはできません。無償であってもその名称を名乗ることは法律で制限されています。
核が三つに分かれていると知っていると、見積書の読み方が変わります。申告書を作る対価なのか、調査への同席まで含む対価なのかを、同じ紙の上で分けて読めるからです。
分けて読めるようになると、費用対効果の話も具体的になります。三つのうちどれを使っているかが分かれば、払っている対価がどの仕事に向いているのかを追えるからです。
税理士の業務内容の核の中でも、会計の担い手を置く会社ほど税務代理と税務相談の役割は重くなります。書類を作る手はあっても、判断までできる人材を確保するのは難しいからです。
逆に、経理の人手がまったくない会社では、書類を作る側の比重が上がります。同じ核を頼んでいても、使い方は会社の形によってはっきり分かれます。
核にあたる三つは、事務所を替えても中身が動きません。変わるのは、周辺の仕事をどこまで引き受けてくれるかという業務範囲のほうです。
付随業務として引き受けられるのは財務書類の作成や記帳の代行にあたる
核の周りには、法律が名指しで認めた仕事の帯があります。税理士法は、名称を用いて、核に付随する形で財務に関する事務を行えると定めました。
帯に置かれた仕事は独占ではありません。したがって、外部の代行会社や自社の担当者が担うことも、初めから認められています。
税理士の業務内容のうち、この帯に入るのは財務書類の作成と会計帳簿の記帳の代行、そして財務に関するその他の事務です。毎月のやり取りは、この帯で起きるものが中心になります。
条文にはただし書きが付いています。他の法律が同じ事務を制限している事項は、帯の内側に見えても引き受けてもらえません。社労士の領域との境目は、まさにこの一文から生まれます。
誰が担うかを自社で選べるという点で、この帯は最も自由度が高い部分にあたります。選べるからこそ、選んだ結果を書き残しておく必要があります。
税理士の業務内容のうち帯の部分は、契約の書面で幅を決めておかないと期待がずれます。何もしてくれないという受け止めは、帯の役割を書面に残さないまま運用が始まったときに生まれます。
帯をどこまで任せるかは、経理の担い手が置けているかどうかで決まります。担い手がいるなら核だけを頼み、いないなら帯ごと預けるという分け方になります。
費用対効果の差が最も大きく出るのも、この帯です。核の対価は仕事の量でおおむね決まりますが、帯は預ける幅によって何倍にも伸び縮みするからです。
帯の線引きは一度決めたら終わりになりません。人が増えたり減ったりするたびに、外へ出す仕事と手元に残す仕事は入れ替わっていきます。
税理士は、前項に規定する業務(以下「税理士業務」という。)のほか、税理士の名称を用いて、他人の求めに応じ、税理士業務に付随して、財務書類の作成、会計帳簿の記帳の代行その他財務に関する事務を業として行うことができる。ただし、他の法律においてその事務を業として行うことが制限されている事項については、この限りでない。
記帳代行と決算書の作成は税理士の業務内容の中心を占めている
毎月のやり取りで最も時間を使うのは、領収書や通帳を仕訳へ落とす工程です。ここを外部に任せるか自社で対応するかで、年間の負担は大きく変わります。
記帳代行を丸ごと預けると、経理の人手を置かずに済みます。一方で、数字が手元へ返ってくるまでに時間がかかり、月の途中で打つ手を決めにくくなる面もあります。
入力を自社で終わらせて確認だけを預ける形なら、数字は早く固まります。帯の部分を狭める代わりに、手元の作業と役割は増えるという関係です。
税理士の業務内容の預け方として、どちらの形が費用対効果に優れるかは人件費と数字の要る速さで決まります。人を置く負担と、判断が遅れて失う機会の大きさを、同じ紙に並べてみてください。
決算書と申告書の作成は、帯と核をまたぐ工程です。決算書そのものは付随業務にあたりますが、そこから作る申告書は独占業務にあたるため、途中で担当を分けると手戻りが起きます。
書籍は、顧問の対価を、経営者の知識だけでは足りない部分を補ってもらうものだと述べています。挙げられているのは、会計ソフトへ入力を代わりに行うこと、会計データを確かめて処理すること、そして事業計画に対する助言の三つです。
税理士の業務内容を読むときは、この三つの中身が自社に届いているかを照らしてみてください。届いていない項目があれば、契約の幅か情報の渡し方のどちらかに原因があります。
照らす作業は、費用対効果を測る第一歩でもあります。届いている仕事と届いていない仕事を数えるだけで、次の面談で確かめる役割の割り振りが決まってくるからです。
つまり、経営者の知識や経験だけでは不足している税務・財務の部分を補ってもらうサービスと考えられます。
社労士との線引きは労働と社会保険の手続をどちらが担うかで決まる
従業員を雇うと、税の手続きと並んで労働や社会保険の手続きが走り出します。入社時の資格取得届、退職時の喪失届、年に一度の算定基礎届などが代表的なものです。
これらの書類を作り、役所へ出す仕事は、社会保険労務士法が独占の対象と定めています。以下では社労士と呼びますが、報酬を得て他人の求めに応じる形では、資格のない者が引き受けられません。
税理士の業務内容の帯に給与計算が含まれることは多く、そこまでは同じ窓口で足ります。ところが、計算した結果を役所の様式へ落として提出する段になると、担い手の役割は入れ替わります。
書籍も、給与計算は引き受けられるが社会保険の手続きは社労士しかできないと書いています。そのうえで、隣の資格へつないでくれる相手であれば助かるとも述べています。
同じ建物の中に両方の資格者を置く事務所や、外部の社労士と組む形をとる事務所もあります。税理士の業務内容を尋ねるときは、この連携の有無まで確かめておくと安心です。
連携がない場合は、自社で社労士を別に探すことになります。窓口が二つに増えるため、どちらへ何を渡すかという役割を最初に決めておくと、やり取りの往復が減ります。
渡す情報は重なる部分が多く、給与の額や入退社の日付はどちらの窓口でも使われます。同じ数字を二度作らずに済むよう、大もとの一覧を一つに絞っておくと事故が減ります。
窓口を二つ持つことは、費用対効果の面で不利とは限りません。労務の相談が多い会社では、専門の窓口を別に置いたほうが返ってくる中身は厚くなります。
社会保険労務士又は社会保険労務士法人でない者は、他人の求めに応じ報酬を得て、第二条第一項第一号から第二号までに掲げる事務を業として行つてはならない。ただし、他の法律に別段の定めがある場合及び政令で定める業務に付随して行う場合は、この限りでない。
| 頼みたい手続き | 独占を定めた法律と条文 | 引き受けられる資格 |
|---|---|---|
| 法人税や消費税の申告書の作成 | 税理士法 第二条第一項第二号 | 税理士 |
| 調査や処分に関する主張と陳述の代理 | 税理士法 第二条第一項第一号 | 税理士 |
| 会計帳簿の記帳の代行 | 独占の定めなし(税理士法 第二条第二項の付随業務) | 税理士のほか外部の代行会社や自社の担当者 |
| 毎月の給与計算そのもの | 独占の定めなし | 税理士のほか社労士や自社の担当者 |
| 健康保険と厚生年金の資格取得届の提出 | 社会保険労務士法 第二十七条 | 社会保険労務士 |
| 財務書類の監査と証明 | 公認会計士法 第四十七条の二 | 公認会計士 |
役割の重なりが起きやすいのは給与計算と年末調整の周辺である
年末調整は所得税の手続きであり、扶養控除等申告書や保険料控除申告書を集めて計算します。ここは税務の仕事にあたり、独占業務と付随業務の境目に位置しています。
同じ時期に、社会保険でも年間の届出が動きます。担い手が分かれていると、同じ従業員の情報を二か所へ別々に渡すことになり、役割は二重になります。
税理士の業務内容の帯に給与計算を含めておくと、年末調整までは一本の流れで進みます。届出だけを社労士へ回す形にすれば、渡す情報も一度で済みます。
重なりが起きやすいのは、入退社の多い時期です。人が動くたびに税と保険の両方で処理が発生するため、どちらの窓口が先に情報を受け取るのかという役割を決めておく必要があります。
役割を書き出すときは、作業の名前ではなく情報の流れで並べてみてください。誰から誰へ、どの様式で、いつまでに渡すのかを書けば、抜けている工程がその場で浮かびます。
税理士の業務内容の観点から見ても、この整理は自社の負担を減らすだけでなく、返ってくる助言の速さも変えます。情報が早く届けば、判断の材料も早く戻ってきます。
並べた紙は、費用対効果を確かめる材料にもなります。重なっていた工程が一本になれば、同じ対価のままでも手元に返ってくる時間は増えるからです。
重なりを放っておくと、どちらの窓口も相手が処理していると思い込む場面が出てきます。届出の期限が過ぎてから気づく形は、この思い込みから生まれます。
役割の重なりは、放っておいても自然には解けません。解決するには、どちらが担うのかを業務ごとに書き入れていく地味な作業が必要です。
費用対効果は任せる幅と手元に残る時間の関係から測れる
対価の高低だけを並べても、任せた結果として何が残るのかは見えません。費用対効果を測るなら、幅と時間の二つを同じ紙に置く必要があります。
幅とは、核だけなのか帯まで含むのかという線引きです。時間とは、外へ出したことで手元に戻ってきた時間を指します。
税理士の業務内容をどこまで預けたかで、この二つは連動して動きます。幅を広げれば時間は戻りますが、数字が固まる速さは落ちるという交換が同時に起きます。
書籍は、依頼先となる有資格者をレベル1からレベル5の五段階に分けて紹介しています。人数の割合としては、レベル1とレベル2が全体の六割から七割、レベル3とレベル4が三割ほど、レベル5は千人のうち四人から五人という見立てが示されています。
この見立てが費用対効果に効くのは、同じ幅を預けても返ってくる中身がレベルによって変わるからです。書籍は、レベル3でようやく対等な目線で相談に乗ってくれると述べています。
税理士の業務内容の一覧に印を付け、実際に動いている項目を数えてみてください。費用対効果を測る問いは、いくらかではなく、預けた幅に見合う中身が返っているかになります。
機能していない項目があるなら、業務範囲の取り決めや情報の渡し方を先に見直します。金額を下げる交渉は、その後でも遅くありません。
渡す材料が薄いままだと、どのレベルの相手であっても返せる助言は限られます。費用対効果は、開示の量が助言の中身を決めるという構造の上に成り立っています。
年に一度は測り直すと、幅と役割のずれが小さいうちに直せます。ずれたまま数期が過ぎると、対価だけが残って中身が痩せていきます。
頼めない仕事を先に並べると税理士の業務内容の輪郭がはっきりする
できることを数えるより、できないことを数えるほうが任せられる範囲を早く理解できます。圏外にある頼みごとは、法律が別の資格へ独占を与えているか、そもそも資格の話ではないかのどちらかです。
圏外の代表格が、会社の登記です。設立や役員の変更にともなう登記の代理は司法書士の領域であり、申告の窓口とは別に用意することになります。
許認可の申請も外にあります。建設業や飲食業の届出は行政書士が担う領域で、開業の準備を一括で頼みたいときほど、この分岐に気づくのが遅れます。
税理士の業務内容の外には、従業員との紛争が裁判の形になった場合の代理も含まれます。就業規則の設計や労務の相談は社労士の領域にあり、争いの代理は弁護士の領域に入ります。
財務書類の監査と証明も外にあります。公認会計士法が別の資格に独占を与えているためで、上場や大会社の要件に触れる段階では依頼先そのものが変わります。
圏外の一覧を先に手元へ置くと、面談で無駄な往復が減ります。断られたときも相手の力量が理由でないと分かり、次の窓口へ落ち着いて進めます。
対象外となる仕事は、誰かが担わなければ滞ります。回す先を決めるところまでを一つの役割として書き入れておけば、抜け落ちる工程はほとんどなくなります。
税理士の業務内容の輪郭は、この一覧から分かりやすくなります。費用対効果を考えるときも、圏外の手当てにかかる分を忘れずに足しておいてください。
圏外の仕事を抱える先を先に決めておけば、創業や増員の場面で慌てずに済みます。必要になってから探し始めると、期限のほうが先に来ます。
- 会社の設立や役員変更にともなう登記の代理(司法書士の領域)
- 建設業や飲食業などの許認可の申請(行政書士の領域)
- 健康保険や厚生年金の届出と労働保険の年度更新(社労士の領域)
- 従業員との紛争が訴訟へ進んだ場合の代理(弁護士の領域)
- 財務書類の監査と証明(公認会計士の領域)
顧問契約の書面で任せる幅と月次の関与を確かめる順序を決めておく

書面に業務範囲が書かれていないと、期待は口頭の記憶に頼ることになります。記憶は人によって残り方が違うため、時間がたつほど食い違いが表に出てきます。
確かめる順序は、独占業務から付随業務へ、そして対象外となる業務へ広げていくのが分かりやすい進め方です。三層に沿って読めば、抜けている行がその場で見つかります。
核については、申告書の対象となる税目を並べて確かめます。法人税と消費税だけなのか、償却資産や年末調整まで含むのかで、年間の作業量は大きく変わります。
税理士の業務内容の核は動きませんが、どの税目まで対象に入れるかは契約ごとに違います。ここを口頭で済ませると、決算期に近づいてから食い違いが出ます。
帯については、記帳をどちらが行うか、月次の資料をいつまでに渡すか、返ってくる資料は何かを書き入れます。食い違いが最も起きやすいのが、この帯の部分です。
圏外については、連携先があるかどうかだけを確かめれば足ります。社労士や司法書士へつないでもらえるなら、自社で探す手間は省けます。
書き入れた項目ずつが、そのまま役割の割り振りになります。誰が担うのかを空欄のまま残さないことが、後の食い違いを防ぐ一番の近道です。
税理士の業務内容を書面で確かめる作業は、短くて済みます。その短さで先の食い違いを減らせると考えれば、順序を決めて読む価値はあります。
読み終えたら、費用対効果を測る様式として同じ紙を残しておいてください。翌期に見直すとき、変わった行だけを書き替えれば足りるようになります。
- 申告書を作る税目を並べ、法人税と消費税以外に何が含まれるかを確かめる
- 調査への同席が対価に含まれるか、別の請求になるかを確かめる
- 記帳を自社と事務所のどちらが行うかを一行で書き入れる
- 月次の資料を渡す期限と、返ってくる資料の種類を決める
- 給与計算を含めるかどうか、含める場合の対象人数の目安を書く
- 社労士や司法書士への連携があるかを確かめる
- 幅を変えるときの手順と、対価の見直し方を書き入れる
規模が変われば税理士の業務内容の任せ方も組み替えることになる
創業して間もない時期は、経理の担い手を置いていないことがほとんどです。帯まで丸ごと預ける形が現実的で、対価も作業量に応じて小さく収まります。
年商が五千万円を超えて取引の件数が増えているなら、記帳の量を抱えきれるかが分かれ道になります。帯を預けたままにするか、入力だけを手元へ寄せるかの選択です。
税理士の業務内容の任せ方は、この分かれ道で最初の組み替えを迎えます。組み替えの単位は行であり、契約そのものを白紙に戻す話にはあたりません。
年商が一億円を超える段階に入っているなら、資金の動きを月の途中で見たい場面が増えます。数字が早く固まる形へ組み替えるなら、入力を手元へ寄せて確認を外へ出す配分が向きます。
年商が三億円を超えているなら、部門ごとの数字を分けて見たいという要望が出てきます。会計の設計そのものを見直す話になり、帯の中身も役割も作り直すことになります。
税理士の業務内容の一覧は、労務状況の変化に合わせて更新します。人が増えれば社労士へ渡す仕事が厚くなり、税の窓口だけで抱える形は続けにくくなります。
節目ごとに見直すのは、対価よりも幅のほうです。一覧を毎年ひらき、預ける行と戻す行を入れ替えていく作業になります。
入れ替えを続けていれば、事務所を替えなくても関係は更新されます。替えるかどうかの判断は、幅を組み替えても噛み合わない場合に初めて出てくるものです。
費用対効果は、この組み替えのたびに測り直します。規模が変われば、同じ対価でも見合う中身は変わるからです。
税理士の業務内容を自社の依頼一覧へ落とし込む点検の手順

手元に残るのは、ここまでの材料を自社の言い方へ置き換える作業です。一般論のままでは、目の前の見積書を読む物差しにはなりません。
点検の一つ目は、核にあたる三つの仕事のうち、どれを使っているかです。核は全社に共通しますが、使い方は事業の形によって違います。
税理士の業務内容の一覧に印を付けると、活用できていない業務が意外に多いことに気づきます。そうした業務は、頼み方を知らないだけという場合もあります。
二つ目は、付随業務のどこまでを預けているかです。記帳、給与計算、財務書類の作成の三つに印を付ければ、手元に残っている作業がそのまま浮かび上がります。
印の付いていない業務を眺めると、外へ出す判断がまだ済んでいない作業が見えてきます。判断を保留したままの作業が、毎月の残業を増やす原因になっている場合もあります。
三つ目は、圏外の頼みごとをどこへ回しているかです。回す先が決まっていない作業があれば、そこが次に手当てすべき箇所になります。
税理士の業務内容の三つの点検を終えると、担い手の役割と外へ出す仕事の対応が一枚に収まります。収まった紙は、費用対効果を確かめるときの基準としてそのまま使えます。
点検は、決算のたびに繰り返せば十分です。様式が手元に残っていれば、次からは短い時間で終わります。
点検の結果は、次の面談で確かめる項目の下書きにもなります。空欄が残った作業をそのまま問いの形へ移せば、聞き漏らしはほとんど起きなくなります。
自社の一覧として持てたとき、面談の会話は具体的になります。この一覧は、次に依頼先を選び直す場面でもそのまま使えます。

税理士コンシェルジュ事務局からのコメント
ご相談の中で、どこまでお願いしてよいのか分からず、遠慮して聞けずにいた、というお話をよく伺います。線が見えにくいのは当然のことで、そこを気に病まれる必要はまったくありません。私どもがお勧めしているのは、抱えている作業を一枚に書き出してから面談へ向かう進め方です。書き出した一覧をそのままお見せいただければ、どの行が核にあたり、どの行が帯や圏外に落ちるのかを、その場で分けてお答えできる相手かどうかも見えてきます。給与計算までは同じ窓口で足りるのに、届出の段で担い手が変わるといった分かれ目も、一覧があれば見落としにくくなります。税理士の業務内容という言い方は硬く聞こえますが、要は何をどこまで手放すかという配分の話です。税理士の業務内容を核と帯と圏外に分けて並べ直すだけでも、面談で伺える中身はずいぶん変わります。配分を決めかねる場面がありましたら、どうぞお声がけください。自社の状況に合わせて、預ける行と手元に残す行をご一緒に並べ直します。